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 SIGGRAPH2015
●日時:2015年8月9〜13日
●会場:ロサンゼルス・コンベンションセンター
●主催:The Association for Computing Machinery
(Up&Coming 2015年10月号)

SIGGRAPH(Special Interest Group on Graphics and Interactive Technologies)はコンピュータ・グラフィックス(CG)に関する国際会議・展示会である。最先端研究をしている世界中の研究者達が一同に集まり交流できる数少ない機会であり、米国ロサンゼルスと北米別都市を毎夏交互に開催地を変えて行われている。今年は42回目にあたり、8月9日-13日の5日間、ロサンゼルスのコンベンションセンターで開催された。(画像1・2)

今年一番に明記しておかなくてはいけないことは、VR(仮想現実、Virtual Reality)がこれからのこの分野でのメインストリームになっていくと、SIGGRAPH自体が発表したことである。これまでもVR関連の技術や論文は数多くでてきているし、3Dプリントなどの新技術も取り入れていく姿勢がみえる。そんな中でVRこそが未来のSIGGRAPH、及び今後のCGの目指す方向であると発表してきた意義は大きい。VR環境構築の技術が整いつつあることが最大要因であり、我々VRに携わっている者にも朗報であった。特に展示場では、HMD(Head Mounted Display)とカメラ・各種センサーを利用したインターラクティブなVR環境構築ツールが多く紹介されていた。スポンサー企業も自社のツール紹介に加え、VRを取り入れてきたのがおもしろい。

本稿では、SIGGRAPHに参加する場合の基本的な情報を提供する。まずメインセッションであるTechnical Papers(技術論文セッション)は、最先端のCG技術を紹介しているセッションである。参加するには$1500を超えるFull Conferenceパスを購入する必要がある。一ヶ月前までに購入すれば、20%くらいのディスカウントがあるので、直前に購入するのは効率が悪いので避けた方よい。毎回100を超える論文発表があり(今回は150)、すべての論文を30秒ごとに紹介するFast Forwardセッションは必見である。

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各研究者が独創的なPRをしてくるので、研究者でなくても最先端の傾向をみることができる。このFast Forwardで聞きたい論文を見定めておかないと、どの論文セッションにいけばいいか選定するのはほぼ不可能といっていい。発表する方も実は共同研究者とはじめて会う場合であり、朝からリハーサルを繰り返してバタバタしている。リハーサル部屋もしっかりと用意されているので、発表の質が高いのはしっかりとした準備と時間をかけた結果である。実はこのリハーサル室は研究者交流場となっている。「君の研究を拝見したのだが、いま応募している研究で一緒にやらない?」といった会話がとびかっているのである。こうした交流をうまく利用することで、国際色豊かな研究が可能となるのである。


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期間中、Technical Papersセッションは複数同時進行されているので、興味のある論文の発表時間が重複してしまうこともある。途中で部屋を移動しても問題ない。私も昔はできるだけ多くの発表を聞こうとしたが、最近は興味のあるものだけに集中するのがいいと思っている。SIGGRAPH は5日間の長丁場なので、毎日はりきりすぎて、頭がまわらなくなっては元も子もないので、気をつけるようにしている。論文発表は各20分で、時間どおりに遂行される。

論文のテーマについては、おおまかに言うと以下の3つに分類される。1)画像・動画技術、2)3Dデータ技術、3)シミュレーションとレンダリング技術である。最近は2)の3Dデータ技術の論文が多く、顔認識技術、データ最適化、手続き型モデリングなどの継続的な研究発表が行われている。
また最近は、3Dプリントに関する論文も多く採用されはじめてきた。複数のマテリアルを同時にプリントする技術、内部構造をかえることで、可動・不動部分を作る技術、特殊な印刷フィルムを使い複雑な形状に模様をプリントする技術など、あたらしい分野も精力的に取り入れようとしている姿が見られる。詳細はSiggraph.orgを参照していただきたい。

次に重要なセッションは、Exhibition(展示会)であろう。各企業が最新のCG・VR製品のデモをしている。学会期間の前半は展示準備が行われるため、後半の3日間(8月11〜13日)で開催される。$75のExhibits Plusパスさえあれば入場することができる。以前は展示ブースすべてを訪問できないほどの規模であったが、最近はややブースの数が少なくなった。お昼休みなどの空いた時間を使えば、3日間でほとんどのブースでスタッフから説明を受けることも可能であった。今回はWorld16メンバーでもある、ニュージャージー工科大学の楢原教授、カルフォルニア大学サンタバーバラのNovac教授と一緒にさまざまなHDM製品を試してきた。

Oculus系のHDMをつかったブースでは、綺麗なVR空間を満喫できるような作品を展示していた。また、簡易的にスマートフォンと$20程度の機材でVR体験ができる、GoogleCarbonなどのHDM製品も多く展示されていた。すこし変わったツールとしては、スマート眼鏡など透光性の眼鏡に3D画像を投影したEpson のMoverioや、眼鏡の枠に眼球センサーがついているSensoMotoric Instruments (SMI)のEye Tracking Glasses 2 Wirelessなどがあった。(画像3・4)

3 4

3つ目のセッションは、Emergent Technology に代表される特別展示セッションである。イベントの初日から期間中ずっと開催されている。初日と2日目(展示会がオープンするまで)の空いている時間に回ることができる。さまざまなインターラクティブな最新技術やアート作品が展示・デモンストレーションされている。通常、Art- Gallery、Studio、Emergent Technologyの3つのセッションが同じスペースで開催されてきた。今年は特にStudioが大きなスペースを占めるようになり、3Dプリントや電子工作などを様々なワークショップが並んでいた。(画像5・6)また、今年からVR Village (仮想現実村)という、VR専用のセッションが新規に加わった。初年度ということもあり、一般公募されておらず委員会メンバーが世界のVRコンテンツをキュレートしたものをドーム型スクリーンに放映したものである。実は、個人的にこの選定に従事しており、2作品ほど個人的に関係した作品が招待された。ただし、残念なことに展示法が特殊だったために、直前になって見送られてしまったのである。

5 6

VR村の展示には7m x 7mの仮設ドームが設置された。ドーム内部では4Kのプロジェクターに魚眼レンズを利用した半円ドームが利用された。通常プラネタリウムなどの大きなドームでは複数プロジェクターを利用するが、設置時間の制約にために最もシンプルなシステムを採用したと、セッション・チェアが説明してくれた。来年も同様の展示があれば、おそらく4Kのドーム型ファイルでの一般公募となると思われる。(画像7・8)

最後にSIGGRAPHにいったら絶対に見ておきたいのがElectric Theaterである。30本以上の世界最高レベルのCG映像作品を見ることができる。ハリウッド映画のネタ見せ、各映像作品賞をうけたアート作品、科学的可視化のデモなどが放映される。期間中の夜に2回しか行われないので、Electric Theaterのチケットは絶対購入しておくことを勧める。Full Conferenceパスを購入する場合は、別途購入は必要ないが、購入時にチケットの日時を指定するようになっている。
本番前には、会場の参加者全員でのインターラクティブショーがある。今回はWham Cityというスマートフォン用のAPPを使用したコンサートがおこなわれた。会場の音楽リズムと同期しながら様々な色が点滅することで、一体感が感じられるイベントであった。(画像9)

余談:SIGGRAPHに参加する場合、どこで何を食べるかが大きな問題となる。毎回会場のフードコートでは耐えられないし、近辺のレストランまで足を運ぶと、それなりに時間がかかってしまう。そこで提案するのが、企業部屋と懇談パーティを利用することである。多くの企業は各自の企業部屋を持っており、昼食時に説明会などを実施する場合は、サンドイッチなどが無料で提供される場合が多い。ビックなスポンサー企業になると、学会が始まる前の早朝や終わった夜の時間帯に、ホテルのボールルームで、製品発表や懇談会などを開催するのである。参加は無料だが事前登録が必要であったりする。もちろん食事付である。Intel、Autodesk、V-ray、Nvidia、Unity、Epicといった企業イベントを調べておくと、食事には事欠かないのですむ。

総評:「世界最大かつ最高のCGの祭典」といわれてきたが、最近は同じくロサンゼルスで行われているE3(Electronic Entertainment Expo)やサンフランシスコで行われているGDC (Game Developers Conference)にくらべて、やや勢いを失ってきているように思われる。もちろん研究発表の場としては間違いなく世界最先端であるが、ひと昔まえからくらべると「未来を感じさせる」感が薄れてきたという話が多方面から聞こえてきている。これは参加人数と展示会のブース数の減少からも明らかである。Forum8社もサンディエゴで行われたSIGGRAPH 2009に展示参加をしており、当時とくらべて規模縮小が見て取れる。今年11月には6年ぶりに日本・神戸でアジア版のSIGGRAPH ASIAが開催される。Forum8もメインスポンサーとして参加するので、ここからVRでSIGGRAPHが勢いを回復することを期待している。


(執筆/取材:小林 佳弘)

【小林 佳弘 Ph.D】
アリゾナ州立大学コンピュータ・情報・システム学科 専任講師
一般財団 最先端表現技術促進協会 理事
一般財団 プロジェクションマッピング協会 アドバイザー
フォーラムエイト 特別顧問、Forum8AZ 代表取締役、World16代表

SIGGRAPH ASIA 2015 KOBE出展予定
SIGGRAPH ASIA 2015
開催日:2015年11月3日(火)〜5日(木)

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