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WebLesson:#2

構造物はどのようにして揺動するのか


はじめに
地震時に構造物が大きく揺れ動き,時として大きな震害を被るのは,どのようなメカニズムによるものだろうか?震源断層から発生した地震波は,数kmから数100kmに及ぶ距離の基盤を伝播し,建設地点の地盤にて変化/増幅する.ついには,地震波が基礎より入力することにより,構造物は激しく応答/振動する.
WebLesson ♯2では,このような地震時の挙動に着目し,その基本的特徴を解説したい.地盤増幅と構造物の応答として,時刻歴波形による見方,応答スペクトルによる『見方を習得していただきたい.また,いわゆる地震荷重の特徴もまとめた.


地盤増幅と構造物の動的挙動
震源断層と地震波の伝播については地震学(seismology)の範疇として,WebLesson#2では,基盤面から構造物の揺動までの様子を,シミュレーションを交えて概要を説明したい.
地震波の地盤増幅と地上構造物の応答の実例として,3地点の加速度時刻歴波形を図1のように示した.



図1 工学基盤面/地表面/構造物頂部の加速度時刻歴波形

これら3波はいずれも加速度を時刻歴上に示したもので,下から順に,工学基盤面での波形,地表面での波形,構造物(1質点系モデル)の応答波形である.すなわち,構造物直下の基盤面に到達した地震波(P波とS波として知られる弾性波)が,地盤中にて(ある周波数帯の波)が増幅(地盤増幅)して,構造物に入力する.構造物は,入力波の振幅,周波数特性,継続時間に依存して動的応答を呈する.3波形の特徴と差異を観察されたい.この場合,最大加速度が,358Gal → 398Gal → 915Galと次第に増大していくことがわかる.工学指標として用いられる倍率を尺度として見ると,この場合,地盤増幅倍率が1.11,応答倍率が2.30であることを示す.また,本例の場合,T種地盤を想定しているため地盤での変動は少なく(波形はほとんど変化せず),構造物の応答では固有周期1秒前後の成分が増長されている(短周期成分は消失している).


基盤面,地表面,構造物のスペクトル特性
このような動的挙動を今度は,周波数特性(固有周期)の観点から見るため,図2のような加速度応答スペクトルをまとめた(文献[1]).図中の3つのスペクトルは,図(a) 工学基盤面の基準化加速度応答スペクトル(建築基準法第八十二条六に準拠して作画),図(b) 地盤増幅率(加速度応答スペクトル比),図(c) 地表面の基準化加速度応答スペクトルである.



(a) 工学基盤基準化面加速度応答スペクトル  (b) 地盤増幅率(加速度応答スペクトル比)  (c) 地表面基準化加速度応答スペクトル

図2 応答スペクトルから見た地震動の増幅と応答[1]

図(a)は,基盤面に建設された1質点系構造物の応答スペクトルと解釈され,縦軸は,入力地震動に対する倍率として表示している(そのため,固有周期ゼロにて,倍率は1となっている).一方,図(c)は地表面上での構造物の応答スペクトルである(縦軸は,同様に入力地震動に対する倍率).そして,図(b)が,図(a)→図(c)への地盤増幅率であり,単純に図(c)= 図(a)×図(b) と考えても良い.図(b)地盤増幅率(これは特定の地盤種別と層厚に依存する)は,固有周期によってかなり異なり(短周期側では1以下である),また加速度の大小によっても異なり,地盤増幅率の複雑さを物語るものである.

図1と図2はいずれも耐震設計の基本ツールであり,数値シミュレーションに際しては高度なランダム振動学理論の知識が必要であるが,まずは,各図の見方と工学的な解釈を会得されたい.


構造物の地震時挙動の特徴
さて,以上のような概観のもと,地震時における地上構造物の挙動を,活荷重・死荷重を受ける場合に比べると,その特徴は次のようにまとめられる.
  1. 地盤の振動によって励起される地震荷重(earthquake loading)は,基本的に慣性力 (inertial force) である.入力する地震動と応答する構造物の両者が,それぞれ固有の動的特性(周波数特性、減衰特性)を持ち,両特性の兼ね合いにより震害が大きく異なる.
  2. 地震動は,深層の基盤から構造物が位置する地盤を介して,構造物に作用する.このため,周辺地盤の条件と基礎の形式により,構造物に入力する地震動の特性は大きく異なる.以上の2点は,地盤と構造物との相互作用(interaction)と呼ばれ,なお,多くの議論がなされている.
  3. 地震荷重は,構造物に短時間ではあるが繰返し作用する.これは,正負の異なる方向に繰り返し作用することにより,構造体に激しい劣化を強いるものである.
  4. 予想される地震の規模,継続時間,周波数特性などは,建設地点を限定してもその不確定性はきわめて大きい.一方,塑性域に及ぶ構造物の力学挙動も不確定な要素が多く,結果として,構造物の被害予測も極めて困難なものとなり,信頼性理論,リスク解析などが,試みられている.

あとがき
耐震工学および耐震設計は多くの要素技術から成り立ち,一体どこから手を付けたらよいか戸惑うエンジニアが多いのではないか.特に耐震設計の習熟を目指す若手研究者/エンジニアは,まずは主要構造材料(例えば,鉄筋コンクリート)の具体的な耐震設計法から始めるのが得策であろう.このような場合,数学的な定式化や体系的な学習より,興味のある分野から,日常の業務に関する事柄から,設計事例と解析シミュレーションにより,知識を深めることをお勧めする.

【参考文献】
[1] 吉川弘道,中村孝明:土木/建築施設の地震リスク評価とコンクリート構造物への適用,コンクリート工学/テクニカルレポート,日本コンクリート工学協会,Vol.45, No.4, 16-22, 2007.4


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