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WebLesson:#7

斜角を持つ連続桁橋

株式会社 フォーラムエイト 技術サポートグループ

はじめに
道路橋は複雑な平面線形の上に構築され、鉄道・道路・河川など交差物件も多様である。とりわけ、河川と交差する橋梁は河川の流れを阻害しないように河川流心方向と平行に橋脚が構築される。
河川の流心方向と直角に橋梁を架ければ橋長は最も短くなり経済的となるが、周辺の土地利用状況および既存道路との接続により道路線形は決定される。
このため、道路中心線と橋脚に斜角を有する橋梁が計画され、設計される場合は多々ある。
今回は斜角を有する橋梁に対して解析を行い、その挙動を考察する。
1. 対象橋梁

解析対象橋梁は河川に交差する橋長L=75.0mの2径間連続PCT桁橋である。河川の流心方向と道路中心線の交角は65度であり、したがって橋台・橋脚と上部構造の構造中心線がなす角度は65度となる。
また、支承条件は橋脚の一点固定であり、A1・A2橋台は橋軸方向に対して可動である。橋軸直角方向に対しては全て固定条件である。なお、本解析では桁長と橋長を同じとしている。つまり、支間長は35m+35mである。



図−1 対象橋梁概要

照査対象となるP1橋脚は全高10.2m(梁高2.5m、柱高7.7m)、断面幅6.9m、断面高2.1mの小判型T形橋脚である。鉄筋はD38が1.5段配筋されている。
    

図−2 P1橋脚形状寸法


表−1 一般条件
 地盤種別  I 種地盤
 地域区分  A地域
 橋の重要度  B種の橋
 耐震性能  耐震性能2

2. 解析概要

本橋は上部構造の可動方向と橋脚の主軸方向が異なるため、橋脚の断面には常に二軸曲げが発生する。
道路橋示方書・同解説V耐震設計編では斜角60度以上の場合には、計算の簡便さを考慮して直橋として橋軸方向・橋軸直角方向の慣性力を求め、これを主軸方向の慣性力として考慮してよいとある。
本橋の斜角は65度であり、直橋として解析することが許されるが、比較的小さいため実橋と同じようにモデル化を行う。
また、先に述べたように二軸曲げが生じるため、これを適切に解析・評価できるファイバー要素を用いることとする。
動的解析の加震方向は橋軸方向(支承可動方向)と橋軸直角方向とする。

橋脚柱はファイバー要素でモデル化する。
ファイバー要素は断面を構成する材料の軸応力と軸ひずみの関係を表現したもので、本解析モデルでは以下の3要素に対してヒステリシスを定義する。
  ・ かぶりコンクリート
  ・ 横拘束鉄筋に拘束されたコアコンクリート
  ・ 鉄筋

かぶりコンクリート コアコンクリート 鉄筋

図−3 ヒステリシス

ファイバー要素の要素長は、柱基部については塑性ヒンジ長とし、それ以外の箇所では断面高の半分程度となるように等分割する。
塑性ヒンジ長は強軸方向の採用値が弱軸方向の塑性ヒンジ長範囲内となるため、強軸方向で算出したLp=1.050mを採用する。

表−2 塑性ヒンジ長の計算
 
h m
D m
0.2h-0.1D m
0.1D m
0.5D m
弱軸回り 強軸回り
11.574 11.574
2.100 6.900
2.105 1.625
0.210 0.690
1.050 3.450
LP m
1.050 1.625


図−4 解析モデルと要素分割

3. 解析結果

・非線形静的解析
P1橋脚上の上部構造重心位置に強制変位荷重を作用させ、その結果得られる荷重変位曲線(P-δ曲線)を以下に示す。

弱軸回り

強軸回り
図−5 P1橋脚P-δ曲線

許容変位δaは以下の手順で算出する。
  ・降伏変位
  ・許容塑性率
  ・許容変位

Type2地震動に着目すると、許容塑性率および許容変位は以下のようになる。

表−3 許容塑性率および許容変位
  弱軸回り 強軸回り
安全係数 α 1.5 1.5
許容塑性率 μa 1.716 1.147
初降伏 荷重Py0(MN) 5.176 12.936
変位δy0(mm) 75.9 60.0
降伏 荷重Py(MN) 6.183 18.773
変位δy(mm) 90.7 87.1
許容 荷重Pa(MN) 6.183 18.773
変位δa(mm) 155.6 99.9
終局 荷重Pu(MN) 6.183 18.773
変位δu(mm) 188.0 106.3

・非線形動的解析
P1橋脚の損傷図と断面のひずみ分布を以下に示す。橋軸方向の柱基部では終局ひずみを超えるような大きなひずみが発生している。また、中間部より頭部の方が大きなひずみが発生している。これは本橋が斜角を有しており、支承の回転軸と橋脚の主軸が傾いているため、あたかもラーメン的な挙動を示したことを表している(下図参照)。
橋軸直角方向の解析結果でも橋軸方向と同様、柱頭部の方が中間部と比較して大きなひずみが発生している。直線橋としてモデル化した場合では起こりえない現象である。


図−6 最大変位時のモーメント分布

表−4 P1橋脚損傷
  橋軸方向加震 橋軸直角方向加震
全体損傷図(コンクリート)


断面ひずみ分布 頭部 a
中間部 b
基部 c

本橋はB種の橋梁であり、レベル2地震時に対しては耐震性能2が求められる。
道路橋示方書・同解説V耐震設計編によると、橋脚に塑性化を考慮した場合のその限界状態は、損傷の修復を容易に行い得る限界の状態と記載されている。
もっとも損傷が激しい橋軸方向の柱基部部材においても、かぶりコンクリートではポストピーク領域に達している箇所が認められるが、コアコンクリートではピーク強度まで達している箇所は認められない。このことから、本橋脚は地震時にかぶりコンクリートの剥離・剥落程度は発生することが推察できるが、容易に修復・復旧できると考えられる。したがって、耐震性能2を満足すると判断できる。


4. 考察

・斜角を有する橋梁に対して非線形動的解析を行った。
・3次元解析の結果より、橋脚柱中間部より基部・頭部の方が大きなひずみが生じておりラーメン的な挙動が認められた。
・通常の検討では柱基部のみ塑性化を考慮し、その他の部材は弾性域にあることを照査しなければならない。斜角を有する橋梁では柱基部のみならず、柱頭部付近でも塑性化が生じる可能性があるため、注意が必要である。

参考文献
[1] 日本道路協会 道路橋示方書・同解説 , 2002.3
[2] 土木学会 2007年制定 コンクリート標準示方書 設計編 2008.3


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