|
|
|
ジェイアール東日本コンサルタンツ 取締役会長
東日本旅客鉄道(株)顧問、早稲田大学 客員教授
石橋 忠良 氏 |
|
「メンテナンスからの情報が構造物の長寿命化を可能とする」
鉄道のわが国での開業は1872年(明治5年)であり、今年2015年で143年になる。明治時代は、輸入された鋼材と、国産のレンガが主な材料として構造物が造られた。大正時代から、国産の鋼材とコンクリートを用いた構造物が造られている。今でも使われている初期の国産の鋼構造物や、鉄筋コンクリート構造物は、90年程度の寿命となっており、さらに引き続き使われる予定である。一方、1970年代頃から大量に造られた構造物に、変状の目立つのも事実である。材料や工法の変化に、技術が追い付かなかった時期に造ったものに問題が目立っている。しかし、今では技術は十分進み、これらの変状構造物をなくすことは十分可能であり、また新設構造物には対策も進められている。一方、既設の構造物の中には、欠陥が生じているものがあるのも事実であり、適切に点検し、対処していく仕組みも、インフラを安全に使い続けるためには必要である。欠陥が発見されたら、直接的な対応のみでなく、新設や同種の既設構造物に適切な対応を取ることが重要である。 |
|
'70年日本国有鉄道入社。'87年東日本旅客鉄道株式会社を経て '95年にJR東日本の構造技術センター所長、'09年度土木学会賞田中賞受賞、「コンクリート鉄道橋の設計・施工・維持管理などの広範囲にわたる研究開発および指導的業績」。国鉄とJR東日本を通して、多くの災害復旧に関与。土木学会等、学協会委員も多く務める。 |
|