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都市と建築のブログ〜魅力的な都市や建築の紹介とその3Dデジタルシティへの挑戦〜 大阪大学大学院准教授 福田知弘
VOL.9  近江八幡:奥行きのあるまち
はじめに
福田知弘氏による「都市と建築のブログ」の好評連載の第9回。毎回、福田氏がユーモアを交えて紹介する都市や建築。今回は近江八幡の3Dデジタルシティ・モデリングにフォーラムエイトVRサポートグループのスタッフがチャレンジします。どうぞお楽しみください。

【 大阪大学大学院准教授 福田 知弘氏 プロフィール 】

1971年兵庫県加古川市生まれ。大阪大学大学院准教授,博士(工学)。環境設計情報学が専門。
高松市4町パティオデザイン,近江八幡市のまちづくり,台湾Next Gene20など,国内外のプロジェクトに関わる。安藤忠雄建築展2009水都大阪1/300模型制作メンバー,NPO法人もうひとつの旅クラブ理事,大阪旅めがねエリアクルー。「光都・こうべ」照明デザイン設計競技最優秀賞受賞。著書「VRプレゼンテーションと新しい街づくり」
 ふくだぶろーぐは,http://d.hatena.ne.jp/fukuda040416/



●風情が輝く地域
 『近江八幡は飲んで騒いで楽しめる観光地ではありません。自然の恵みや先人達が創りだした風景や文化、今現在生活を営む人々が重なり合って醸し出す「風情」が輝く地域です。静かで小さな町に息づくこだわりや流れる時間を感じていただければ幸いです。』これは、近江八幡観光物産協会が提供する観光ガイドに書かれたメッセージだ。
 近江商人発祥の地、W.M.ヴォーリズが活動の拠点とした街、滋賀県近江八幡市。この街と本格的に関わって、6年半になる。小舟木エコ村(2004〜07)、旧八幡地区空き町家調査(2007)、八幡酒蔵工房I期(2007)、八幡堀まつり(2007〜09)、湖国グリーンツーリズム(Up&Coming82号、2009)など、行政、企業、NPO、ボランティアの方々とプロジェクトに関わってきた。冒頭で紹介したメッセージは、当初、少々とっつきにくい感じがしたが、今となっては、近江八幡の奥行きを良く表しているように思う。近年は、交流人口が拡大している都市としても知られるが、観光地化は決して目指していない。
 少々前の話になるが、異業種交流会ちくじん関西(環境部会)からエコツアーの依頼を受けて、2009年6月13・14日と2日間、メンバー10数名を近江八幡へ案内した。折角なので、近江八幡の奥行きを感じてもらえるような、手作りの体験ツアーを企画してみた。この、ちくじんツアーを紐解きながら、近江八幡を紹介しよう。


●水郷めぐり
 まずは、織田信長が宮中の遊びをまねて楽しんだといわれる水郷めぐりへ。当日はたまたま、水郷めぐりの乗り場で粽作りイベントが行われていた。こちらの粽は餅を5枚のヨシの葉で巻くのだそう。6月頃のヨシは、大きさや硬さが程良いそうだ。乗舟前に作っておけば、舟から上がると蒸しあがった粽がお待ちかね。
 水郷めぐりはとても静か。手漕ぎ舟にゆらゆらと約1時間乗せてもらうと、時代をタイムスリップした感覚に陥る。船頭さんの語りも最高。カモも悠々。
▲図1 水郷めぐり


●小舟木エコ村
 環境共生型のまちづくり、小舟木エコ村。10年ほど前に構想され、計画、設計、工事を経て、2008年に第1期が完成した。ちくじんツアーでは、竣工したばかりの自治会館で、小舟木エコ村の事業者である樺n球の芽とちくじん会のメンバーが語り合った。自治会館は、微気候を意識した設計で、北側の窓から自然と風が流れ込んでくる。エアコンは付いていない。自治会館脇の駐車場には、電気自動車の充電用コンセントも設置されている。また、環境共生型住宅には10坪菜園が設けられており、野菜たちが成長中。

▲図2 小舟木エコ村自治会館にて

●八幡酒蔵工房
 築120年超の空き町家・旧千鳥食堂を改修して2009年4月にリニューアルオープンした、八幡酒蔵工房(II期)。オーナーは小関皆乎氏。人と資源の地域循環をめざす「まちづくり3R工房」として、竹染めや陶芸の工房、米粉ドーナツが味わえるカフェなどを運営されている。2009年からは民宿事業もスタート。工房で使用する竹は、八幡山を侵食しつつある竹林を、おやじ連を中心とした地元ボランティア組織が切り出したもの。
 八幡酒蔵工房で夕食を頂く。地産地消の野菜を使っての郷土料理。例えば、白王産丹波黒豆の蜜煮、丁字麩の辛子酢味噌、近江牛と赤糸こんにゃくのきんぴら牛蒡、黒豆おこわ、別嬪おから、赤こんにゃくの煮物、仔鮎甘露煮、蕗昆布など。おっ、地酒「権座」も登場してきた!

▲図3 八幡酒蔵工房での夕食

●いもち送り
 2007年、近江八幡市島町伝統の「ほんがら松明」は、老人クラブにより復活。この、松明の復活の模様は、長岡野亜監督と地域課題研究グループ「ひょうたんからKOMA」によって、ドキュメンタリー映画「ほんがら」として作成された。私も完成上映会を島小学校体育館で観たが、中々感動モノだ。
 一方、島町のもうひとつの火祭りである「いもち送り」は継続されているものの、その内容は簡略化されてしまっていた。いもち送りは虫送りともいわれ、農作物の病害虫を追い払い五穀豊穣を願うための呪術行事。かつてのいもち送りの幻想的な情景を再現しようと、2009年6月13日に復活させる取り組みがなされた。村役員だけでなく、地主や耕作者たちが、暗闇の中で自分の水田の畦道に沿って松明をかざし、虫追いをした往時の情景を再現しようとしたもの。用意された松明は何と60本。
 ちくじんツアー一行は、当初この復活の様子を「見学」させて頂く予定だったが、急きょ松明行列に「参加」することに。松明は3mほどの竹に麦わら、稲わらを巻きつけ、先端に菜種殻を付けたもの。大嶋奥津嶋神社の本殿前で移された火が松明に点灯される。松明自体かなり重たく、島町の端から端までを練り歩くのは中々大変だったが、又とない貴重な体験となった。

▲図4 いもち送り

●旧八幡
 翌朝、研究室大学院生の吉川さんによる、旧八幡地区の案内。単に建物や風景だけでなく、人のつながりの案内を試みた。近江八幡開町時、豊臣秀次が琵琶湖を往来する荷船を八幡に寄港させるために設けた八幡堀。戦後、モータリゼーションの進展と幹線道路の整備にともない物資輸送は陸上交通へと移行され、かえりみられない存在になっていった。さらに生活排水の流入もあり、次第に悪臭を放つようになってしまったが、市民有志により堀の存続と浄化が実現された。1863年創業の和た与は、でっち羊羹・うゐろ餅が名物。小川店主のお話は興味深々。終着は尾賀商店。重要伝統的建造物群保存地区の町家をリノベーションし、テナントミックスにより2007年より運営。お店の運営方法やインテリア・商品のセンスには学ぶべき点が多い。

▲図5 八幡堀 ▲図6 尾賀商店内

●権座
 権座(ごんざ)は、琵琶湖の内湖である西の湖にぽっかり浮かぶ島状の飛び地。飛び地は以前沢山あったが、干拓により今は権座のみ。その希少性から、国選定重要文化的景観全国第一号(近江八幡の水郷)、にほんの里100選(白王・円山)、ラムサール条約登録湿地(西の湖)にも選定されている。ここには1.5haの水田があり、今も田舟で農業機械や米を運びながら農が営まれている。
 権座の地主や市民が集い、「権座・水郷を守り育てる会」が発足している。特筆すべき活動は2008年度からはじめた酒造り。これは幻の酒米「滋賀渡船6号」を権座で栽培し、喜多酒造さんに協力を仰ぎながら地酒「権座」を作るプロジェクト。ラベルは、手漉きのヨシ入り紙製。
 このプロジェクトの面白さは地元衆の地酒造りに加え、喜多酒造や既存酒販ルートなど通常のチャンネルとコラボしている点。よくNPOメンバーが企画から販売までを全て自前でやろうとするが、既存チャンネルとの競合や数の論理で負けてしまい、長続きしないことがある。このプロジェクトでは、参加メンバーが、それぞれの持ち味を活かし、既存チャンネルと連携することで持続可能性を生み出そうとしている。
▲図7 権座

●シャーレ水ヶ浜
 さて、ちくじんツアーの〆は、シャーレ水ヶ浜。「レマン湖のほとりにいるよう」といわれる、琵琶湖にせり出して建つ喫茶店。ここからの夕日は最高なので、夕日時は確実に満杯。少々早めに訪問して席の確保を。ここで一日中ブログが書けたら言うことなし!

▲図8 シャーレ水ヶ浜より琵琶湖を臨む

●古いものの価値とは
 高度経済成長期の荒波を乗り越えた、近江八幡の古いまちなみを残していきたいという想いがあるが、古いものに対する価値はどのように説明できるのだろうか。悩みは尽きない。
 『「まちもひとつの写真と同じだ。」自分たちの古い家族の写真を要らないから破り捨ててほかす(捨てる)人はあまりいないでしょう。大事にしまっておいて、たまに「これはあの時の・・・」と思い出に耽ることになると思います。都市もそう。共に歩いてきた。それを古いからといってほかすのか。なんとか残そうじゃないか。』これは、ブラジル・クリチバで長年都市計画に携わってきた中村ひとしさんの言葉。
 今回はほんの一部であるが、近江八幡の輝く風情をご紹介してきた。奥行き感を少しでも感じとって頂けたら幸いだ。

3Dデジタルシティ・近江八幡 by UC-win/Road
  「近江八幡」の3Dデジタルシティ・モデリングにチャレンジ

UC-win/Roadによる3次元VR(バーチャル・リアリティ)モデルを作成したものです。近江商人の発祥の地であり、商業都市として発展した近江八幡のまちなみを再現しました。歴史ある建物の多い近江八幡でも、重要伝統的建造物群保存地区に選定され、ひときわ近世のたたずまいが残る「新町通り」、市民運動により浄化された八幡堀、町家をリノベーションした「尾賀商店」は2F内部の落ち着いた空間のモデルも作成しました。また西の湖に浮かぶ、現在では希少な島状の飛び地「権座(ごんざ)」など美しくなつかしい風景の中で、穏やかな時間の流れが感じられる水郷めぐりの情景など、風情と情緒あふれる水郷近江八幡をリアルに表現しています。

■UC-win/Road WebViewer ダウンロード閲覧:
 URL: http://www.forum8.co.jp/download/ucwin/Road5MB/Roadweb-3.htm


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