UC-win/Roadを用いた「太陽光発電のポテンシャル推計及び反射シミュレーション」が
公開型プラットフォームPLATEAUにて事例として掲載

 

2022年3月1日掲載

国土交通省はProject PLATEAU(プラトー)において、当初発表のあった26のユースケースに続く2021年度の実証として、4つのユースケース開発の実証実験を開始しています。そのうちの一つである、石川県加賀市の「太陽光発電のポテンシャル推計及び反射シミュレーション」は、カーボンニュートラルの実現に向けて、都市スケールの太陽光発電ポテンシャル推計等に3D都市モデルを活用するものです。都市内の建物屋上スペースを活用した太陽光発電パネルの効率的な設置を目的としています。3D都市モデルの建物の屋根に設置した太陽光発電パネルに対する日照シミュレーションを行うことによって、太陽光発電量の推計シミュレーションを行います。

具体的には、3D都市モデルが持つ建物の「屋根面積」「傾き」「周囲の建物による日陰の影響」、「日射量」等のデータを用いて、太陽光パネルを設置した場合の発電量の推計シミュレーションを行います。また、パネル設置に伴う周囲の建物への反射光をシミュレートすることによって光害発生の有無の検証も行い、トータルで設置の実現性の確認を行います。

弊社は実施企業の一社として参加し、VR Design Studio UC-win/Roadを用いて反射光のシミュレーションを行いました。構築した3D都市モデル上で、設置方位、角度、高さなどをもとに、反射シミュレーショを行い、太陽光パネル毎に他の建物等による入射光の遮蔽があるかどうかを調べ、なければ、反射光の到達先座標を算出して有効な反射点と反射先座標を調べます。夏至、冬至、春分の日の時間ごとの反射光を調べています。このシミュレーションは、UC-win/Road環境アセスプラグインの太陽光パネルの反射光チェック機能をカスタマイズすることで実現しています。

実証実験の結果として、屋根面ごとの精細な年間予測発電量を推計し、これを総計することで地域の再生可能エネルギーのポテンシャルを算出することができました。また、都市スケールでの反射シミュレーション及び結果の可視化により、パネルを設置したと仮定した場合の都市内での光害発生の建物数、時間、箇所を確認することが可能となりました。こうしたシミュレーション結果を活かし、地域にカーボンニュートラルを実現するためのエビデンスを提供することができます。

今後は、全国に展開されるプラトーを活用して、地域の太陽光発電量ポテンシャル及び太陽光発電パネル設置による光害の影響を算出するための方法論を確立することで、全国どこでも、建物から都市までの多様なスケールで分析が可能となります。また、これらの分析結果と災害リスクに関する情報などを組み合わせて、太陽光発電が有効なエリアを明らかにすることで、太陽光発電促進の重点エリア、将来の土地利用、コンパクトシティのあり方の検討へ活用するなど、3D都市モデル×カーボンニュートラルの具体的な政策が全国に展開されることが期待されます。

【ユースケースの概要】

名称   :

太陽光発電のポテンシャル推計及び反射シミュレーション

実施事業者:

株式会社三菱総合研究所・国際航業株式会社・株式会社フォーラムエイト・Pacific Spatial Solutions株式会社

実施場所 :

石川県加賀市 都市機能誘導区域・居住誘導区域

シミュレーションイメージ

太陽光パネル設置情報を読み込み、3D都市モデルの建物の屋根に太陽光パネルを自動描画

UC-win/Road 環境アセスメントプラグインを活用した太陽光反射シミュレーション

日射障害の評価

日照・日陰Sim

太陽光パネル反射光Sim

関連事例:「養魚場跡地太陽光発電所計画」ソーラカナモリ(株)太陽光発電施設の建設に伴い光害の影響を検討

【関連情報】
▼Project PLATEAU(プラトー)まちづくり ユースケース「太陽光発電のポテンシャル推計及び反射シミュレーション」
https://www.mlit.go.jp/plateau/use-case/smart-planning/3-006/
▼VR Design Studio UC-win/Road
https://vr.forum8.co.jp/
▼UC-win/Road 環境アセスプラグイン・オプション
https://www.forum8.co.jp/product/ucwin/road/assess.htm
▼VR推進協議会レポート(Up&Comingにて連載)
https://www.forum8.co.jp/topic/hvr0.htm

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