• 電波タイムズダイジェスト Vol.30
    2022.01~2022.02

    このコーナーでは電波タイムズ紙で掲載されたニュースより、U&C読者の皆様に関連の深い画像・映像、情報通信、建設土木、自動車など各分野の注目トピックをピックアップしてご紹介いたします。

    ■国交省/自動運航船“安全ガイドライン”策定

    国土交通省海事局は、自動運航船の実用化へ向けた安全ガイドラインを策定した。2025年までの自動運航船の実用化を目指し、自動運航船の安全確保に関し、設計、システム搭載、運航の各段階における留意事項等を取りまとめたガイドラインを策定したもので、海運事業者による自動運航船の開発・実用化を一層促進するとした。
    近年、海上安全の一層の向上、船上の労働環境改善、産業競争力の向上・生産性の向上の観点から、船舶の自動運航技術の実用化への期待が高まっている。国土交通省では、2018年に自動運航船の実用化に向けて技術開発と基準・制度見直しの大枠を示したロードマップを策定・公表しており、陸上からの操船やAI(人口知能)等による行動提案で最終的な意思決定者である船員をサポートする「フェーズⅡ自動運航船」を2025年までに実用化することを当面の目標としている。この目標に向け、国土交通省は、2018年より自動運航船実証事業を実施し、2020年12月に、自動運航船の設計段階において留意すべき事項等をまとめた「自動運航船の安全設計ガイドライン」を公表した。今般、同ガイドラインの内容をアップデートするとともに、自動運航システムの搭載、運航段階において留意すべき事項等を追加し、これを「自動運航船に関する安全ガイドライン」として新たに公表したもので、これにより、事業者による自動運航船の開発が一層促進され、自動運航船の実用化に繋がることが期待される。(2022.2.16/1面)



    ■NHKアート/「SIGGRAPH Asia 2021」でトークセッション

    NHKアートは、2021年12月14~17日に東京国際フォーラムで開催された「SIGGRAPH Asia 2021」でトークセッションを行った。
    NHKアートは「ドラマにおけるVFXの考察」をテーマに、ドラマにおける技術背景や手法、今後の展開等を紹介した。モデレーターは中谷日出氏(元NHK解説員/クリエイティブスーパーバイザー/NHKアート)が務めた。トークセッション「パート2」では、大河ドラマ第60作「青天を衝け」におけるVFX制作について、NHKアートの角田春奈氏(チーフディレクター)、「青天を衝け」のチーフ演出・田中健二氏(NHK)、VFXスーパーバイザー・松永孝治氏(NHK)が登壇し、制作フローや成果等をプレゼンテーションした。
    7月に放送された「青天を衝け」の「パリ編」は、当初はパリでの撮影を計画していたが、新型コロナウイルス感染拡大により現地入りを断念。パリの撮影クルーに現地での撮影を委託し、日本でグリーンバック撮影した俳優を合成するリモート制作に変更された。田中氏は「通常のドラマ制作では、まず台本があり、そこからどの場面をVFXで作るかを考えるが、今回はVFXで表現できることを提示し、コンテ優先で台本を作ってもらった」と話し、松永氏は「パリに行けば撮影できる場面もVFXにしなければいけなくなり、これは大変な作業量になるなと。どのようにしたらパリに渋沢たちがいるようなリアルな画を作れるかを模索した」と当時の経緯を説明した。角田氏はVFX作業について「光やパースを合わせるのが大事で、ちょっとでもずれるとすぐに不自然さが出てしまう」と苦労した点を述べた。(2022.2.14/3面)



    ■政府/ドライバー異常時対応システム導入/保安基準の細目規定を改正

    政府は、リスク軽減機能(ドライバー異常時対応システム)に関する国連規則を国内の詳細規定に導入するため、道路運送車両の保安基準の細目を定める告示等の一部を改正し、1月7日に公布・施行した。国土交通省自動車局では、自動車の安全・環境基準等について、国際的な整合を図りつつ、順次、拡充・強化を進めている。今般、国際連合欧州経済委員会自動車基準調和世界フォーラム(WP29)において、リスク軽減機能の性能要件を追加する国連規則の改正が合意されたこと等を踏まえ、わが国においても、改正された国連規則を保安基準に反映させることなどを目的として、保安基準の詳細規定の改正等を行った。この国連規則は、わが国が平成28年に世界で初めてこのような機能について要件化したガイドラインをベースに策定されている。主な改正項目は、①運転者が無反応状態になった場合に、自動で安全に停止や操舵する緊急機能を備える自動車(二輪自動車及び特殊な自動車を除く)について、国連規則第79号の要件を適用②従量車の燃費試験法として、より走行実態に即した燃費値を測定するため、新たにJH25モード法を定める、こと。(2022.1.19/2面)



    ■NEC/交差点の交通状況測定やインシデント検知に向けた実証

    NECは5GやAI、4Kカメラ映像などの先進技術を活用して、高精細な交差点の映像を5GとMEC(エッジコンピューティング)を用いて低遅延で伝送し、車および歩行者の「交通状況測定」、人物の倒れ込み・害獣の進入等の「インシデント検知」、撮影映像に対する「プライバシー保護対応」をリアルタイムに処理する実証実験を実施すると発表した。実証実験では、信号柱に設置されたローカル5Gを活用し、4Kカメラの映像を伝送するという内容で、秋田県秋田市の交差点では1月6日より実施。東京都新宿区の交差点では1月24日以降より実施する。なお、この実証実験は、内閣府が運営する官民研究開発投資拡大プログラムの一つである「令和3年度 交通信号機を活用した第5世代移動通信システムネットワークの整備に向けた調査検討」にNECが参画して実施するもの。同調査検討では、交通信号機に5G基地局など5G機器を設置する検討をデジタル庁、総務省及び警察庁が連携して推進している。
    NECは、5G機器を交通信号機に設置し、実際の利用シーンを想定した技術検証を行い、その価値の最大化を検討するためにこの実証実験を行っている。昨今日本では、人口減少・少子高齢化、都市部への人口集中、インフラの老朽化、災害リスクの高まり等、様々な社会課題を抱えている。このような状況の中、NECでは人とインフラとモビリティが協調して誰もが安全・安心に自由な移動ができるための技術開発に取り組んでいる。実証実験での技術検証を活かし、将来的には交通事故の抑止、交通渋滞の詳細な把握と緩和、自動運転支援、街の見守り等に貢献していくことを目指す。証場所・期間は、秋田県秋田市大町4丁目地内の交差点(秋田県秋田市大町4丁目)は3月15日まで実施。東京都新宿区の新宿副都心四号線入口交差点(東京都新宿区西新宿1丁目)は1月24日以降~2022年3月15日まで。(2022. 1.14/2面)


     
    ■協力・記事提供:株式会社電波タイムス社  HP:http://www.dempa-times.co.jp/
    (Up&Coming '21 秋の号掲載)
     

    (Up&Coming '22 春の号掲載)
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