連載【第19回】

もっと知ろう「頭痛」について

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関西医科大学卒業、京都大学大学院博士課程修了・医学博士。マウントシナイ医科大学留学、東京慈恵会医科大学、帯津三敬三敬塾クリニック院長を経て、現在公益財団法人未来工学研究所研究参与、東京大学大学院新領域創成科学研究科客員研究員、統合医療アール研究所所長。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、日本心療内科学会登録指導医、日本心身医学会専門医、日本森田療法学会認定医。日本統合医療学会認定医・業務執行理事。日本ホメオパシー医学会専門医・専務理事。アリゾナ大学統合医療プログラムAssociate Fellow修了。『国際ホメオパシー医学事典』訳。『妊娠力心と体の8つの習慣』監訳。『がんという病と生きる森田療法による不安からの回復』共著など多数。

寝不足から頭が痛い、肩が凝って頭が痛い、雨が降る前に頭が痛くなる、また考えすぎて頭が痛くなるなど、「頭が痛い」頭痛にはいろいろあります。一時的であったり、日常生活に支障がでるほどの頭痛もあります。また「頭が痛い」訴えには生命にかかわる頭痛もあり、「頭痛」についてもっと知ってほしいことを今回は取り上げてみました。

機能性頭痛と症候性頭痛

頭痛(headache、cephalalgia)は頭部の一部あるいは全体の痛みの総称です。後頭部と首(後頸部)の境界、眼の奥の痛みも頭痛です。頭痛は症状のことで、慢性的に頭痛発作を繰り返す場合は病名である「頭痛症」を用います。

頭痛はおもに機能性頭痛(一次性頭痛)と症候性頭痛(二次性頭痛)に分類されます。図1に頭痛の分類を示しています。 締めつけるような痛み、鈍い痛み、拍動するような痛みなど、痛みの性状や強さ、こめかみ、眼の奥、首の近く、片側などの部位、朝起きてから寝るまで痛みが続く、月経前に起こる、週末に定期的に起こるなどの頻度や持続時などの特徴があります。また原因なども違ってきます。

図1

機能性頭痛は、慢性的な頭痛や習慣的に繰り返す頭痛ですが、片頭痛:一側性の拍動性の頭痛、悪心、嘔吐、羞明、音響恐怖伴う。群発頭痛:一側性の側頭部痛、自律神経症状(夜同側の鼻閉と充血など)をともなう。緊張型頭痛:ストレスと関係、強弱のある両側性の頭部鈍痛があります。頻度的に多いのは片頭痛や緊張型頭痛で、たいていの場合同じような症状を繰り返しています。図2に機能性頭痛の特徴をあげています。

図2

一方、症候性頭痛は脳腫瘍、頭蓋内出血、髄膜炎、側頭動脈炎、うつ病や副鼻腔炎、薬剤性による頭痛です。これらの頭痛は生命にかかわることもあり、頭痛の診察で最初に行うのは二次性頭痛の中で生命にかかわる頭痛であるかを見分けることが大切となります。「吐き気」や「おう吐」などがひどかったり、ろれつが回らない、茶碗を落とすなどいつもと違っている。またけいれんなどが起こると二次性頭痛が考えられます。突然にいままで経験したことのない人生最悪の頭痛も要注意です。血圧が高い人が強い頭痛を感じた場合、血圧が極度に上がっている可能性があります。頭痛のレッドフラッグサインを図3に示します。このようなサインがみられたらすぐに受診して画像検査や髄液検査が必要となります。精神症状のなかでもうつ病の身体化として頭痛は見逃されやすい特徴があります。その他貧血や低酸素血症、睡眠時無呼吸症候群、低血糖などでも頭痛がおこります。

図3

日常生活でできること

睡眠時間は十分にとる。枕の位置も重要です。でければ節酒をおこなう。

頭痛日記;頭痛の頻度、性状、強度、随伴症状、頭痛出現から薬服服用までの時間、薬の効果、誘因、生活支障の程度などを記録していることが診察を受けるうえで役に立つといえます。

いつもと違う「頭が痛い」には特に注意してください。

(Up&Coming '22 秋の号掲載)