Vol.3

フジタビルメンテナンス(株)

FBM 3D 研修準備会議

URLhttps://www.fujitabm.com/

所在地東京都渋谷区

FBM一級建築士事務所 西日本設計室
木原 利幸 室長

プロフィール

フジタビルメンテナンス株式会社(FBM)は1988年、大手ゼネコンを中核とするフジタグループの一員として設立。以来、それまで培ってきた建設技術をベースにリニューアル部門の拡充、遠隔自動通報システムの開発や建物診断、省エネルギー提案など顧客の多様なニーズへ積極的に対応。ビル総合管理サービスを提供する企業として高度かつユニークな実績を積み重ねています。

近年特に力を入れている技術課題に、建物管理におけるBIM対応を視野に入れた3D展開があります。そのうち後者を駆動する主体として2016年に3D研修会を組織し、3DCGを作成するツールとしてShade3Dを採用。同研修を通じ操作に習熟した社員が、以後の研修で自らインストラクターを務めることで、効果的に活用の裾野を広げる仕組みが動き始めています。

建築分野における3DCGの活用可能性に注目、独自の運用展開目指す
Shade3Dを教材に社内研修の仕組みを構築、将来的なBIM対応も視野

「大型コンピュータでパースを作っていた時の機能がPCで出来る。これは使えるなと」

株式会社フジタの設計部門に在籍当時、今日のBIMに通じるソフト開発のプロジェクトに参加。そこで自身がパースを担当していた経緯もあり、それまでの大型コンピュータではなく、PCレベルで使えるアプリケーションがないかと模索。特に、建築の世界では通常、設計の最終段階で完成予想図としてパースが必要とされた中、設計の初期段階から顧客と完成形を事前確認しつつ、自身らもその作り方を検証したい。そのようなターゲットが具体化してきた折、FBM九州支店に異動していた5年前、Shade3Dなら容易にそれらニーズに即したシミュレーションが出来るはず、と確信。そうした背景から社として導入するに至った、とFBM一級建築士事務所西日本設計室の木原利幸室長は振り返ります。

一方、石黒文矢常務取締役は高齢化が進む将来を視野に、FBMとして若い人にアピールできる魅力を作りたいと発想。早期からその3DCGでの実績に注目してきた木原室長らと話し合う中で、Shade3Dをツールとして使いながら3Dでモノを考える、という新しいアプローチの導入が描かれました。

こうした流れを受けて2016年に3D研修会がスタート。以来、初年度からの3年間で初級・中級のクラスに合計53名(うち現在FBM在籍者は44名)が参加。その成果の一端として、1)初年度から研修に参加する現インストラクターの一人、広島支店工事部の澄川瑞穂さんによる放送局の内装改修、学校の和式トイレの洋式化、トイレと食堂の内装改修、2)同じく初年度から参加する大阪営業所工事部の笠原孝秀さんによるスタジオの内・外装改修、建物の外観改修、工場のシャッター取り換え、3)いずれも研修2年目で中級研修に進む本社リニューアル統括部の鈴木さんと首都圏建築部の井上さんによるマンションエントランスの改修(外観が井上さん、内観が鈴木さん)など ― それぞれ研修参加者が実際のプロジェクトで作成し、利用された各種パースを位置づけます。

Shade3Dで作成したパース
(学校和式トイレのリニューアル/病院ホールパノラマ

また、それら参加者からは「Shade3Dの操作性の良さ」もあって「幅広い年齢層の人が使える」「建築の専門知識はないが、研修を通じてパースを描けるようになった」「顧客とのコミュニケーションツールとして役立っている」といった感想を列挙。これに対し石黒常務はこの間の自身の経験も踏まえ、3DCGの活用に当たっては結果を早く求めるのではなく、より長いスパンで捉えながらトライアル・アンド・エラーで取り組んで行くスタンスが重要、との見方を述べます。

さらに、同研修プロジェクトを主導する木原さんは、Shade3Dの基本機能やCG品質、Panorama Viewをはじめとする新機能などについて改めて評価し、建築分野向けに特化した機能やバージョンへの期待にも言及。併せて、自身らの3DCG活用を促す取り組みの狙いとして、「FBMの中でお客さんのためにパースを作って、それが結果的にBIMに繋がれば」との思いを説きます。

3D研修準備会議の様子

執筆:池野隆
(Up&Coming '19 秋の号掲載)