 
            本連載では、主な機能や関連情報をピックアップして紹介していきます。Shade3Dは、高精度のモデリング、レイアウト、カメラ、光源、レンダリング、アニメーションなど建築パースやインテリアデザイン、プロダクトデザインに必要な機能を搭載し、UC-win/Roadのモデリングツールとして活用が可能です。
             https://shade3d.jp/
			 
 
- Vol.28 
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適したマテリアル
Shade3DのマテリアルにはShade3D独自の「Shade3Dマテリアル」と他ソフトとの汎用性が高い「PBRマテリアル」の2種類があり、用途に応じて使い分けることが可能です。また同じシーン内にそれぞれを混在させることが可能なのでリアル系からファンタジーなどオリジナルの材質表現をもったシーンの作成が可能となっています。
※PBRマテリアルはShade3D Professional 以上のグレードで使用できます。
Shade3Dマテリアル
Shade3Dのみで扱えるマテリアル設定です。拡散反射の色、光沢、反射、透明、屈折などの基本的なパラメータはもちろん、それぞれの適用率やカラー設定を行うことができます。またフレネルや粗さ、メタリック、収差、ソフトライトやバックライト、ボリュームレンダリングにおける設定、独自のマッピングタイプなど、豊富な設定項目により自由度の高い多彩な表現を行うことができます。このマテリアルタイプはFBXや3D Studioファイルへの出力に向いています。
Shade3Dマテリアルでの表現の一例
■収差、サブサーフェススキャタリング、ボリュームレンダリング
Shade3Dマテリアル
PBR(Physically-based Rendering)「物理ベースレンダリング」と呼ばれるよりリアルなレンダリングを行うマテリアル設定です。
前出の「Shade3Dマテリアル」と比べて少ないパラメータでリアルな質感を表現することができます。
ベースカラー、メタリック、ラフネス、屈折率、スペキュラ、透明度、発光の基本設定にシーン、クリアコートなどの効果設定、マッピング設定を行うことができます。このマテリアルタイプはglTFへの出力に向いています。
Shade3Dマテリアルでの表現の一例
■メタリック(金属の質感)
効果的に利用するにはビュワーに環境マップを設定します。
■屈折率/スペキュラ(光沢、反射の強度)
※Shade3Dから出力したglTFは光の透過による屈折表現は行えません。
■透明度/αブレンド/αマスク/不透明度(透過設定)
■発光(自己発光)
光源の影響を受けずに色を付けます。多くのビュアーでは他のオブジェクトを照らす効果はありません。
■シーン(ベルベットなどの布類の質感)
■クリアコート(ニスやワックスなどのコーティング表現)
glTFフォーマット
「glTFフォーマット」はメタバース空間に配置するモデルの代表的なフォーマットとなります。
2015年にKhronos Groupにより仕様が公表されてから、Web上をはじめとする様々な場所で利用されています。また表現を向上する拡張仕様も出ています。メタバースコンテンツ作成において必要な主だった特徴としては以下が上げられます。
■形状を三角形ポリゴンのメッシュで作成
                  ※Shade3Dで使用する「自由曲面」や「四角形以上の面を持つポリゴンメッシュ」は、三角形ポリゴンに変換されて出力されます。
■マテリアル設定は原則PBR(物理ベースレンダリング)
                  ※物理学に基づく計算モデルによって少ないパラメータでリアルな表現をすることができるマテリアル設定です。各ビュワーで統一された計算表現で描画するので、対応しているパラメータであればビュワー毎の表現の差異を極めて少なくすることができます。
■出力形式を頂点情報などのバイナリアセットやテクスチャアセットを外部参照する「glTF形式」(.gltf)と、モデルに必要なそれらの情報を1つのファイルに収める「glb形式」(.glb)から選択することができます。
                  ※「glTF入出力」はShade3D Professional 以上のグレードで使用できます。
glTFへの出力
Shade3Dマテリアルでの表現の一例
■出力形式
                  「gltf」はシーン(.gltf)、バイナリデータ(.bin)、テクスチャ(.png、.jpegなど)を分けて出力します。「glb」はシーン、バイナリデータ、テクスチャを1つにまとめた形式です。メタバース空間への利用では「glb」形式を指定します。
■テクスチャ
                  jpegは写真に対して、pngはイラストに対しての圧縮率が高くなる傾向があります。jpegは非可逆圧縮で「jpegノイズ」と呼ばれるノイズが出ることがあります。
■KTX2テクスチャ出力
                  対応している環境であればGPU上のメモリサイズの削減とパフォーマンスの向上が見込めます。
■最大テクスチャサイズ
                  最大の画像サイズを制限することでファイルサイズの中で画像の占める割合を抑えます。
■Mesh内のPrimitiveの頂点情報を共有
                  オンのときにメッシュの頂点情報を1つのバッファで共有してファイルサイズを小さくします。
■マイナススケールによる面反転
              オンのときに変換要素のマイナスを反転補正され、ほとんどのビュワーでShade3Dと同じ出力となります。
■Draco圧縮
                  3Dモデルのメッシュ情報を圧縮します。データによってはファイルサイズが10分の1になることもあります。
(Up&Coming '25 盛夏号掲載)

















