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VR-NEXT® glTF Viewer Ver.2

モダンOpenGLとPBR技術により改善されたグラフィックスやパフォーマンスを提供するレンダリングエンジン

●新規価格無償

●リリース2021年5月

VR-NEXT®とは

VR-NEXT®は新しいレンダリングエンジンで、フォーラムエイトのVRアプリケーション、シミュレーションアプリケーションにおいて、より改善されたグラフィックスやパフォーマンスを提供します。これはモダンOpenGL(OpenGL 4.3)とPBR技術によって行います。物理ベースレンダリング(PBR)とは、材質や光などリアルで物理的な特性を持つ3Dモデルのレンダリングのための新しい方法です。物理的な特性を用いることで、材質を定義しやすく、またレンダリングした画像はよりリアルに再現することができます。材質を物理的に定義することで、色や光の反射に関する情報を得ることができ、より少ないポリゴンでモデル形状を再現できます。最後に、レンダリングした画像はより写実的ですが、スピードや使用メモリなどのパフォーマンスは低下することはありません。


UC-win/Road上でのシミュレーション

現在UC-win/Roadでは、陸上、海上、空中の可動オブジェクトに対応しています。その挙動は入力デバイス(ジョイスティックやハンドル等)で制御し、歩行や、自動車、自転車などを制御した移動のシミュレーションが可能です。

PMV(個人移動車両)がVR空間を走行するために、歩道、建物、駅、ショッピングモール等の施設内で車両制御が可能になるようにUC-win/Roadの運転/走行シミュレーションの機能を拡張していきます。また、PMVがエレベータや電車などの可動オブジェクトに“乗り込む”ことも可能にする予定です。そのため、PMVでアクセス可能なVR空間の一部を“走行可能スペース”としてモデル化します。このスペースは、VR空間のあらゆるオブジェクト(地形、道路、歩道、建物の屋内、可動オブジェクト)を統合することで定義でき、1つのオブジェクトからもう1つのオブジェクトへと“移動”することが可能になります(図2)。


シェーダーの改善

VR-NEXT®の開発は、クロノス(OpenGLの標準規格の作成を目的とするコンソーシアム)がPBRレンダリングの標準規格を公開した際に着手しました。それ以来、新規エフェクトやマテリアルパラメータの規定が追加されたことにより標準規格が複数回改定されており、それに合わせてVR-NEXT®も改定を行ってきました。今後のVR-NEXT®バージョンの主要な特徴は、大部分でリファレンスシェダーを使用することで他のソフトウェアとの操作性の向上が確実になることです。

詳細について、ここでは次回リリースのVR-NEXT®で使用可能な新規パラメータについて説明します。


  1. クリアコート(KhronosエクステンションKHR_materials_clearcoat):
    光沢のある薄いレイヤーを精密にレンダリング可能。車のレンダリングに最適。
  2. トランスミッション(KhronosエクステンションKHR_materials_transimission):
    ガラスや水などの透けたサーフェスがレンダリング可能。元来のPRBパラメータも同時にレンダリング可能なので、すりガラスや金属でコーティングされたガラスなどを正確にレンダリング可能。
  3. シーン(KhronosエクステンションKHR_materials_sheen):
    生地のマイクロファイバー繊維をシミュレーションすることで布地のレンダリングが精密に可能。

クロノスはこれら新規マテリアルパラメータについてリリースノートを公開しており、以下の例も公開しています。

PBR技術の向上(とクロノスによる標準化)が続くのに合わせ、今後もVR-NEXT®のレンダリングの更新を続けていきます。今後の主要な改善点として考えられるのはボリュームレンダリングの対応で、これによりマテリアルの厚さの表現が可能になる予定です。


JavaScriptの対応

リアルタイムでの様々なシミュレーションを細かく調整できるようにするだけでなく、VR-NEXT®の新機能を簡単に追加できるようにするために、SDKを提供する予定です。近年JavaScriptはとても人気のプログラム言語となっており、VR-NEXT®に最適だと考えられます。

JavaScriptを使用することには複数の利点があり、ユーザーに重要機能を追加提供できる拡張機能の開発が可能なだけでなく、シンプルなスクリプトを速く作成できることが挙げられます。

また、多くの無料のオープンソースJavaScriptライブラリが入手可能であることから実際のプログラミング実装作業が大幅に削減でき、それがフォーラムエイトと顧客の両方が新機能を安価に、そしてただちに入手できることにつながります。



(Up&Coming '21 春の号掲載)

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