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板要素を使用する際の注意点(その2)

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今回も、前回に引き続き、板(プレート)要素を使用した場合の注意点について紹介いたします。

3次元構造モデル

前回、板要素の法線方向(構成節点回り)を揃えておかないと誤った結果評価を行うことになる、と説明いたしました。


図1 法線方向が異なると評価する場所が異なる

ところが、法線方向を揃えていてもモデルが3次元構造の場合はさらに注意が必要となる場合があります。

例えばI形鋼のモデルを考えてみます。


図2 I形鋼モデル

各面での法線方向は揃っているので問題はないように思えます。ここで注意が必要なのは上下フランジの法線方向が一致している点になります。


図3 法線方向

デフォルトではスライス面=0(赤線部)が対象となるため、そのまま評価を行うと上下フランジで表裏が異なっている場所を対象とすることになります。

このような場合は、肉厚中心(中立面、スライス面=2/4)で評価することでこの問題は生じません。もしくは各面毎にスライス面を指定(下フランジのスライス面を1と)します。


図4 スライス面0の位置

ソリッド要素と板要素の混合モデル

次にソリッド要素との混合モデルを考えます。

以下はコンクリート部をソリッド要素、鋼板ウエブを板要素でモデル化した橋梁モデルになります。


図5 ソリッド要素、板要素混合モデル

このモデルでは、これまで説明してきたスライス面による表裏の違いもありますが、濃淡図(コンター図)で評価する場合に別の注意点があります。

板要素では板厚方向の応力が0と仮定されているため、板要素と接しているソリッド要素の応力が平均化によって小さくなる場合があるからです。



図6 平均化による結果の違い


濃淡図を描画する際、要素成分の不連続性を考慮するオプションに「ソリッド-シェル」の指定があります。これをチェックして実行することでソリッド-板要素間の平均化は行わずに描画を行います。

(図6の下図が不連続考慮の図になっています。)

図7 濃淡図実行画面

(Up&Coming '22 春の号掲載)

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