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 サポートトピックス・CAD/UC-1シリーズ

ラーメン式橋台の設計計算(部分係数法・H29道示対応)のなぜ? 解決フォーラム

骨組みモデル化の考え方について

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「ラーメン式橋台の設計計算(部分係数法・H29道示対応)」は、入力された形状より骨組モデルを自動で作成し、作用荷重を与えることで自動的に骨組解析を行って、不静定構造物であるラーメン式橋台の設計計算を行うプログラムです。

今回は、ラーメン式橋台の骨組のモデル化の方法について解説いたします。

モデル化の使い分け

本製品で生成するフレームモデルは、橋座面(桁受台)、前壁、頂版の位置関係により、大きく3タイプに分けられます。タイプ1は、前壁と頂版が交差するモデルです。タイプ2は、胸壁と頂版が交差するモデルで、桁受台に大きなハンチがあり、その部分を斜めの部材でモデル化しています。タイプ3もタイプ2と同様に胸壁と頂版が交差する形状ですが、桁受台の斜め部材はなく、頂版より下にも胸壁部材がある形状です。


図1 フレームモデルのタイプ

フレームモデルのタイプ2とタイプ3はどちらも前壁と頂版の軸線が交差しないタイプですが、この使い分けは形状の入力画面のスイッチにより行います。

「形状-躯体」画面の「側面形状」において、「桁受台斜部」の選択(あり/なし)があり、桁受台斜部をありにしたときはタイプ2のモデル、なしにしたときはタイプ3のモデルが生成されます。前述のとおり、タイプ2は桁受台部分を斜め部材としてモデル化しており、図2のように側面寸法入力画面で幅(B10)と高さ(H6)を入力します。タイプ3のモデルでは斜め部材はありませんので、B10とH6の部分はハンチとして考慮されます。


図2 側面寸法入力画面図

タイプ3のようにハンチとして考慮した場合、フレームモデルの部材は図3右のようになり、ハンチの大きさは剛域部材の長さとして評価されます。なお、各部材接合部の剛域部材の長さは、「部材-剛域」画面において任意に変更することも可能です。


図3 入力方法によるモデル化の違い

前面突起のモデル化について

本製品では前壁や胸壁に前面突起を設けることができます。前壁に前面突起があるときは、その位置によって頂版の骨組み部材を前壁突起まで伸ばしたり、仮想部材を伸ばしたりして突起部分の荷重を載荷させます。また、胸壁の前面突起では、突起部分の重量と偏心モーメントを胸壁部材に作用させています。


図4 前面突起のモデル化

基礎形式によるモデル化について

本製品のフレームモデルではフーチングを剛体として扱っており、頂版・側壁設計用のモデルは壁下端を固定端とし、フーチング中央部設計用のモデルはフーチングを剛部材とした骨組みにモデル化して構造解析を行います。

直接基礎では、安定計算で算出された地盤反力をフーチング部材に分布荷重として作用させます。また、杭基礎では、安定計算で算出された杭反力を杭位置に作用させます。

道路橋示方書では、永続/変動作用支配状況におけるフーチング照査において、直接基礎の底面せん断力、杭基礎の杭頭水平反力・曲げモーメントは考慮しないことになっていますが、フレームモデルにこれらを考慮しないと荷重のつり合いが取れずに本来発生しないはずの支点反力が発生するため、直接基礎における底面せん断力、杭基礎における杭頭水平反力・曲げモーメントも考慮したモデル化を行っています。


図5 杭基礎のフーチングモデル


(Up&Coming '23 盛夏号掲載)

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