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斜面の安定計算 Ver.15

各種設計基準類にて規定される各種土構造物・地すべり解析・防災対策・河川構造物の設計等に対応した斜面安定解析システム

3DA対応
SXF3.1
電子納品
3D PDF
AI

●新規価格
Advanced ¥435,600(税抜¥396,000)
Standard  ¥394,900(税抜¥359,000)
Lite     ¥312,400(税抜¥284,000)

 


●リリース2026年2月

はじめに

各種設計基準類の選択により対象とする土構造物における設定された湛水条件での土中水の状態を自動設定する斜面安定解析プログラムであり、斜面安定解析/逆解析(逆算法)の基本解析或いは法面工の景観設計を行う基本機能製品と、それらの基本機能に各種対策工の設計計算機能を付加した製品とに区分されます。さらに、土構造物に対する性能設計化規定に備え「ニューマーク法」及び「浸透流FEM解析」の機能を標準実装しています。


Ver.15では、宅地造成等規制法施行令に該当する「大規模盛土造成地の滑動崩落対策推進ガイドライン及び同解説」に記載の二次元分割法を標準とした宅地防災マニュアルおよび盛土等防災マニュアルへの対応や土地改良事業計画設計基準 計画「農地地すべり防止対策」令和4年5月への対応をはじめ計算書記載内容の拡張、F8-AI™ UC サポートの導入を行います。

宅地防災および盛土等防災マニュアルの解説「谷埋め型大規模盛土造成地の安定性検討」に対応

二次元分割法とは

宅地防災マニュアル、盛土等防災マニュアルに記載の複合型すべりについては、任意点を設定し二次元の分割法により滑動・抵抗モーメントを求め地震時の安定計算を行います。任意点は同時に複数設定でき、格子範囲を指定することで最小安全率を求めることが可能です。二次元の分割法は、地表面並びに滑り面が複雑であっても適用できるため極めて実用性の高い計算法です。すなわち、滑り面が非円弧、複合(直接+円弧)及び円弧等に幅広く適用できる計算法です。



図1 二次元分割法 安定計算のモデル図



安定計算

安全率は滑り面に対する最大摩擦抵抗力その他の抵抗力モーメントと、地震力及び自重による盛土の滑り出す力のモーメントの比により下式で計算します。


Fs = Tm/Sm
ここに、
Fs:安全率
Tm:最大摩擦抵抗力その他の抵抗力のモーメント(kN・m)
Tm = Σ[c’i・Li +{ Ni - ui・Li}tan Φ’i] ・Rti
= Σ[c’i・Li + {Wi (cosαi - k・sinαi) - ui・Li}tan Φ’i]・ Rti
Sm:地震力及び自重による盛土の滑り出す力のモーメント(kN・m)
Sm = ΣWi・Rwi - ΣWi(cosαi - k・sinαi)・Ri + Σk・Wi・Rei

土地改良事業計画設計基準 計画「農地地すべり防止対策」令和4年5月P.279に対応

土地改良事業計画 計画「農地地すべり防止対策」平成16年3月,農林水産省農村振興局計画部資源開発課に加え、令和4年5月に対応します。この基準では、間隙水圧を浮力として扱う「修正フェレニウス法」を推奨していることから、こちらの考え方に対応します。



計算書記載内容の拡張

切土補強土工の補強引張材に低減係数λを考慮した値を併記

安定計算結果の判定を補強引張材の低減係数λを考慮した値を併記します(表1参照)。これにより、現地試験を行う際の判定値として低減を考慮した値で行うことが容易になります。



表1 計算書改定後のイメージ



図面出力、計算書にてアンカー工の自由長、定着長を表示(アンカー工、アンカー付き控え杭)

対策工のアンカー断面図において、自由長と定着長を同じ線分で作図していましたが、太さを変えるなどそれぞれの部位が識別しやすくなるよう改善を行います。



図2 図面出力のイメージ

図3 アンカー付き杭工の受働崩壊安定照査の出力イメージ

F8-AI™ UCサポートの導入

弊社製品では、入力操作や設計支援を目的としたAI機能への対応を進めています。

UC-1シリーズでは、「F8-AI™ UCサポート」として、入力操作や計算理論の解説など、サポート窓口へお問い合わせいただくことなく製品内で解決可能な手段をご提供します。

※多言語対応 ※音声入力対応


図4 F8-AI™ UCサポート

おわりに

今回ご紹介しました改定内容に加え、利便性の向上を目的とした様々な機能改善および拡張を予定しています。どうぞご期待ください。



(Up&Coming '25 秋の号掲載)

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