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都市と建築のブログ〜魅力的な都市や建築の紹介とその3Dデジタルシティへの挑戦〜 大阪大学大学院准教授 福田知弘
VOL.5  信濃大町:北アルプスの湧水を活かして
はじめに
福田知弘氏による「建築と都市のブログ」の好評連載の第5回。今回も、福田氏がユーモアを交えて紹介する都市や建築。この3Dデジタルシティ・モデリングにフォーラムエイトVRサポートグループのスタッフがチャレンジします。どうぞ、お楽しみください。

【 大阪大学大学院准教授 福田 知弘氏 プロフィール 】

1971年兵庫県加古川市生まれ。大阪大学大学院准教授,博士(工学)。環境設計情報学が専門。
高松市4町パティオデザイン,近江八幡市のまちづくり,台湾Next Gene20など,国内外のプロジェクトに関わる。安藤忠雄建築展2009水都大阪1/300模型制作メンバー,NPO法人もうひとつの旅クラブ理事,大阪旅めがねエリアクルー。「光都・こうべ」照明デザイン設計競技最優秀賞受賞。著書「VRプレゼンテーションと新しい街づくり」
 ふくだぶろーぐは,http://d.hatena.ne.jp/fukuda040416/



 ●湧水のまち
 北アルプスからの豊富な湧水に恵まれた「水のまち」,長野県大町市。網の目のような水路が市内を流れる。大都市では高度浄水処理が施された水道水がPRされているが,大町では湧水を滅菌処理だけした水道水。市街を歩くと,「男清水」「女清水」と書かれた水場に出会う。男・女と名前が違うのは,信濃大町駅から北に伸びる商店街を境に水系が異なるため。商店街東側は標高900mの居谷里の湧水「女清水」,西側は標高3,000mの上白沢の湧水「男清水」。二つを合わせた水は,「縁結びの水,夫婦円満の水」と呼ばれる。

 2010年3月,NPO地域づくり工房代表・傘木宏夫さんを訪ねた。2002年10月に設立されたNPOは,北アルプスの自然環境を活かした市民主体の活動を推進しながら,大北地域の交流拠点を目指す。地域で生かされていないもの,行政や大企業では手が出せないものにこそ仕事おこしのチャンスがあると発想,多彩なプロジェクトを企画実践している。いくつかご紹介しよう。
 ▲水場

●くるくるエコプロジェクト
 くるくるエコプロジェクトは,大町に適した自然エネルギーを掘り起こすべく,農業用水路の落差工を活用して,10kW未満のミニ水力発電所を整備し,観光や学習の場として利用しようと2003年に立ち上げたもの。

 その中の一つ,駒沢ミニ水力発電所は,ベトナム製の縦型水力発電機を使用。8万円という廉価な装置で最大出力0.7kW。見学した際,「こんな装置で発電できるの?」と失礼ながら思ってしまった。山際にあって枯れ枝や落ち葉などの流入物が多く連続運転はなされていないが,必要量を蓄電して獣害防止柵に利用している。手慣れた傘木さんだからか,FRP製の導水路と水車を5分ほどでセットアップし,電気を付けてくれた。一方,川上ミニ水力発電所は,川上さんが自宅前の水路にミニ水力発電所を整備して,自宅用電源として利用。最大出力は0.3kW程度であるが,24時間蓄電していると冬季は約3割,その他の季節は約5割の電気をまかなうことができ,省エネに貢献。らせん型水車と変電設備は全て自前であることには驚いた。特にブロック塀で造られた変電設備室は開けてビックリ。

 実際にこれらを見ると,水力発電の原理が直感的によくわかる。子供だけでなく大人も十分学べる環境学習施設。一方,発電所を整備する際,利用する水路や河川は公共のものであり,勝手に私物化することはできない。そのため,河川法に基づき水利権を取得している。しかしながら,この許認可が中々苦労されているとのこと。河川法の関係で紹介するならば,本誌No.81で紹介した北浜テラス(大阪)では,北浜水辺協議会が民間の任意団体としては全国で初めて,河川敷の包括的占用者として許可を受け,1年を通じて川床を楽しむことができるようになった。これは水利権の許認可絡みではないのだが,大町でもこれまでの実績や地域ぐるみでの取り組みを基礎として,手続きの再検討が始まることを期待したい。

 
▲駒沢ミニ水力発電所 (左:発電所/右:電力パネル)

 
 ▲川上ミニ水力発電所 (左:発電所/右:変電設備)


●菜の花エコプロジェクト
  滋賀県を発祥とし全国的な広がりを見せる菜の花プロジェクトは,地域自立の資源循環サイクルを目指す。具体的には,転作田に菜の花を植え,菜種を収穫し,搾油して菜種油とする。菜種油は家庭での料理や学校給食に利用し,搾油時に出た油かすは肥料や飼料として使う。 廃食油は回収し石鹸や軽油代替燃料(BDF)にリサイクル。リサイクルされた石鹸やBDFは地域で利活用する。

 大町でも市内の旅館・ホテル・飲食店などから月3,000 の食廃油を回収し,BDFとして精製している他,廃止されたスキー場を開墾して菜の花を蕎麦と混作。取れる菜種を,菜の花農業生産組合が手作業で搾りヴァージンオイルとして販売中。このオイルは,オレイン酸が豊富な上,ビタミンEやα-リノレン酸も含まれている。私も購入してみたのだが,オリーブオイルとはまた違った感じ。

 見学した3月,菜の花の芽たちは雪の下で頑張っていた。頑張った甲斐あって,そろそろ満開のシーズンを迎える頃ですね!

 
 ▲廃止されたスキー場を開墾した菜の花畑
背後は北アルプス

●黒部ルート
 大町とNPOに関連した他の話題を。筆者は,NPO法人もうひとつの旅クラブに所属している。このNPOは,「大阪の観光化されていない『もう一つの大阪』を再発見し,自分も旅人とともに楽しむ」ことを目的として2002年11月に発足。なぜか会員制高級クラブと誤解されることもあるのだが(笑),大阪を愛するメンバーが知恵と汗を厭わずに活動中。

 2008年7月,NPOメンバーらと黒部ルート見学会へ。黒部ルートとは,黒部峡谷鉄道本線・欅平駅から黒部川第四発電所(黒四発電所)を経て黒部ダムに至る輸送設備。通常は関西電力(関電)の発電施設の保守・工事用として使用されているが,一般の人々にも水力発電事業を体感してもらおうと,関電主催による見学会が実施されている。筆者らは,大町市扇沢から関電トンネルを抜けて黒部ダムへ。そして黒部ダムから黒四発電所を経て欅平へ向かった。


 ▲黒部ダム
 まず,関電トンネルは黒部ダムを建設するための資材を運搬するルートとして掘削され,現在は立山黒部アルペンルートの一部にもなっている。トンネル建設工事の際には,フォッサマグナに当たる箇所・破砕帯と重なり頻繁に出水,黒部ダム本工事以上に大変な難工事といわれる。この,破砕帯難工事の模様は,「黒部の太陽」(製作・主演/三船敏郎・石原裕次郎)として1968年に映画化された。これは前代未聞の超大作映画であるが,故・石原さんが「この映画は大型スクリーンで観て欲しい」と望んだことから,テレビ放映やDVD化はされていないものの,特別上映会,ドラマ化,舞台化などがここ最近相次いでいる。

 黒部ダムはアーチ式ドーム型ダムといわれ,高さは186mと我が国では最も高い。ダムから勢いよく放水されている水で発電していると思われがちだが,これは観光用の放水。実際はダムの脇にある導水管に水を通し,下流にある黒四発電所で水力発電を行う。

 黒部ルートを進んでいくと黒四発電所の直前でインクライン(産業用ケーブルカー)に乗る。このインクラインの高低差は456m,傾斜角度はなんと34度。黒部湖に溜められた水は,このインクラインの脇に設置された急斜面の水圧管路を通じて非常に高い水圧で発電所へ送られる。台車が地底から這い上がってくる様子はSFのよう。そしてインクラインが黒四発電所の駅に着けば,そこは中島みゆきさんが紅白歌合戦で「地上の星」を歌った地。

 黒四発電所で使われているベルトン水車は,おわんの部分で水を受けて高速回転させ発電する。おわんといっても,人の頭ほどの大きさ。この後,小説「高熱隧道」の舞台となった黒部川第三発電所を経て欅平駅へ。景観と雪の対策のため,黒部ルートは殆ど地底都市。約3時間,又とない探検をさせて頂いた。

 ご紹介した川上ミニ水力発電所は使用水量0.43 /s,有効落差0.45m,最大発電量0.3kW。日本第4位の発電能力を有する黒四発電所は使用水量72 /s,有効落差545.5m,最大発電量335,000kW。規模は全く違うが,いずれも北アルプスの湧水を最大利用した発電所。そして,両者の距離は意外と離れていない。

   
▲地底から這い上がってくるインクライン ▲ベルトン水車    ▲黒部ルート欅平駅

3Dデジタルシティ・ 信濃大町 by UC-win/Road
  「信濃大町」の3Dデジタルシティ・モデリングにチャレンジ

UC-win/Roadによる3次元VR(バーチャル・リアリティ)モデルを作成したものです。NPO地域作り工房の手がけたプロジェクトを中心にUC-win/Roadの機能を活用して表現しました。「くるくるエコプロジェクト」の導水路と水車によるミニ水力発電所、「菜の花エコプロジェクト」のスキー場を開梱した菜の花畑、さらに、網の目のような水路が市内を流れる「水のまち」信濃大町の上空からの全景や日本最大級の黒部ダムをVRモデル化しました。北アルプスの豊富な湧水など自然環境を活かした信濃大町ならではの風景をリアルに表現しています。

■UC-win/Road WebViewer ダウンロード閲覧:
 URL: http://www.forum8.co.jp/download/ucwin/Road5MB/Roadweb-3.htm


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