Q&A杭基礎の設計 Q&A ('10.08.31)
NEW!更新内容

Q1−11−15.場所打ち杭の曲げ応力度はどのように算出されるのか。('10.08.31)

Q1−15−7.鋼管杭の杭頭結合計算において、引抜き力に対する鋼管の付着応力度の照査は行っていないのか。('10.08.31)

Q1−19−13.常時,レベル1地震時では浮力の有無のスイッチがないが、浮力の有無はどのように取り扱っているのか。('10.08.31)




目 次
 0.全般
 0.全般

Q0−1.基礎バネはどの位置で算出されるのか。

Q0−2.「橋脚の設計」でフーチング無しモデルとして計算したデータファイルがあるが、これを鋼管矢板基礎やケーソン基礎等の設計データとして取り込みたい。この手順を教えてほしい。

Q0−3.杭基礎や鋼管矢板基礎,ケーソン基礎の「地層」画面で液状化の判定を行うとき、平均N値ではなく測定点ごとのN値を用いて計算したい。

Q0−4.「FRAME(面内)」「FRAMEマネージャ」で読み込むことのできるファイルを作成できるか。

Q0−5.入力する鉄筋のかぶりは、杭外周から鉄筋中心までの距離か、それとも鉄筋外面までの距離か。

Q0−6.橋脚基礎に主たる塑性化を考慮することが可能な条件の場合、基礎が降伏に達しても、応答塑性率の照査がOKであれば、最終的にはOKと判断されるのか。


 1.杭基礎
 1−1.適用範囲、準拠基準等

Q1−1−1.X方向を橋軸方向,Y方向を橋軸直角方向としたい。

Q1−1−2.側方移動の入力方法は?

Q1−1−3.フーチング無しモデルの入力方法は?

Q1−1−4.増し杭なしでフーチングのみの補強計算を行いたい

Q1−1−5.単杭の検討は可能か。

Q1−1−6.道示に準拠した水平変位の制限を緩和した杭基礎の設計のとき、杭頭ヒンジの計算を行わない理由は?

Q1−1−7.パイルベント橋脚の設計は可能か。


 1−2.解析方法、設計の基本的な考え方

Q1−2−1.Ver.6で対応した回転杭工法について準拠している基準、考え方は?

Q1−2−2.基礎が降伏しても応答塑性率・変位でOKならば 総合判定でOKとならないのか?

Q1−2−3.突出杭のとき、水平荷重等は考慮しているか?

Q1−2−4.水平変位の制限を緩和する杭基礎の設計で、道路橋示方書Wモデルと杭基礎設計便覧モデルのどちらの設計法を適用したらよいか?

Q1−2−5.動的解析時、どのバネ値を用いたらよいか?

Q1−2−6.杭基礎設計便覧準拠時の水平変位の制限を緩和した杭基礎の設計において、最小変位には何を入力すればよいか?

Q1−2−7.杭径や杭長が異なる杭が混在しているとき、各杭の杭頭に作用する荷重は、杭の剛比により分担しているのか。

Q1−2−8.杭軸直角方向バネ定数K1〜K4はどのように算出されるのか。

Q1−2−9.「計算条件」-設計条件」-「杭」の『杭先端条件』はどのように扱われているか

Q1−2−10.杭体水平荷重はどのように安定計算に考慮しているのか。

Q1−2−11.増し杭工法における荷重分担はどのように考えているのか。

Q1−2−12.杭体の水平荷重は杭1本当りのものか、全幅あたりのものか?

Q1−2−13.底版の斜引張鉄筋の必要鉄筋量が手計算と合わない。何か特殊な計算をしているのか。

Q1−2−14.水平変位の制限を緩和する杭基礎の設計とは、具体的にどのような設計法なのか。

Q1−2−15.盛りこぼし橋台の常時の検討において、地盤変位荷重を載荷した場合に許容変位に対する照査を行っていないがこれはなぜか。

Q1−2−16.斜杭を考慮する場合、斜角の影響はどのように安定計算に考慮しているのか。

Q1−2−17.1/βが杭長よりも長くなるケースが生じた。このようなケースのとき、プログラムではどのように計算しているのか。

Q1−2−18.せん断耐力の割増係数Cdcを線形補間により求めているが、線形補間ではなく道示W表-8.7.1のいずれかの値を選択すべきではないのか。


 1−3.地層、土質定数法

Q1−3−1.地盤種別はどのように取り扱っているのか。

Q1−3−2.杭基礎の設計の耐震設計上の地盤面で、取り扱いをBとした場合 「耐震設計上の地盤面より上のDE(レベル2)>0.0の地層には、DE(レベル2)値に応じた地盤抵抗(水平方向地盤反力係数,水平地盤反力度の上限値)を考慮します。」となっているが道路橋示方書には特に明記されている文面が見当たらない。

Q1−3−3.入力した地層数と出力された地層数が異なる。

Q1−3−4.「土質」を変更後、「φの計算」を実行してもφの計算が行われない

Q1−3−5.計算書の「地層データ」の項にある「f」「fn」とは?

Q1−3−6.盛土地盤のせん断弾性波速度Vsdは、レベル1地震時のVsとは異なるのか。

Q1−3−7.2方向傾斜時の杭基礎の照査を行うことは可能か?

Q1−3−8.現地盤面,設計地盤面および地盤面の違い

Q1−3−9.流動化時の許容変位が基礎の降伏に達するときの水平変位の2倍としている根拠

Q1−3−10.「地層」−「土質一覧」−「土質データA」画面の[φの計算]ボタンよる計算方法は?

Q1−3−11.地盤種別はどのように取り扱っているのか。

Q1−3−12.杭種や工法によっては、支持層を粘性土層にすると警告が表示される。回避する方法はあるか。
    ----------------------
    警告:[20604]
    粘性土層に支持層が設定されています。
    極限支持力qdは砂層として算出します。
    ----------------------

Q1−3−13.土の飽和重量を湿潤重量+1とすることが多いが、これはなぜか。


 1−4.支持力、周面摩擦力

Q1−4−1.最大周面摩擦力度の算定に用いる係数を変更したい。

Q1−4−2.道示W12.4.1 γ:極限支持力推定法の相違による安全率の補正係数を変更したい。

Q1−4−3.中立点は何を入力すればいいのですか?

Q1−4−4.「計算条件」−「設計条件」−「その他の条件」画面の『群杭としての許容支持力照査』が選択できないのはなぜか?

Q1−4−5.増し杭の許容支持力の計算で周面摩擦力が 0 になっているのはなぜか?

Q1−4−6.許容支持力の計算時に杭で置き換えられる部分の土の有効重量を考慮しない方法は?

Q1−4−7.群杭としての許容支持力照査を行うとき、入力する必要があるのはどのデータか。また、支持力係数はどこで指定するのか?

Q1−4−8.群杭としての許容支持力照査の結果はどこで確認することができるのか。

Q1−4−9.郡杭とした場合、仮想ケーソンとして照査しますが、根入れ(DF)を指定することはできますか?

Q1−4−10.杭の許容支持力算出のためのW(杭及び杭内部の土の有効重量)を算出したいが、杭重量しか算出されない 杭内部の土の有効重量は含まれないのか?

Q1−4−11.「計算・結果確認」画面の「総括表」および「安定計算」において、許容支持力Ra,許容引抜力Paが「──」となり計算値が表示されない

Q1−4−12.摩擦杭、としても支持杭の安全率で計算されている

Q1−4−13.杭の許容支持力の計算で、γ:極限支持力推定法による安全率の補正係数を変更したい。

Q1−4−14.杭の軸方向許容押込み支持力,許容引抜き支持力の算出において、周面摩擦力を無視する方法は?

Q1−4−15.道示W12.4.4(P.372)の群杭の補正係数μを考慮したい

Q1−4−16.SL杭を選択したとき、常時,レベル1地震時の許容支持力を低減していないのはなぜか。


 1−5.地盤反力係数、杭軸方向のバネ定数

Q1−5−1.任意の杭のバネ値を低減させて計算する方法はあるのか。

Q1−5−2.群杭による低減係数を指定することはできるか。


 1−6.杭配置

Q1−6−1.「杭縁端距離に誤りが有ります」という警告で「強行」しても問題ないか?

Q1−6−2.盛りこぼし橋台において、盛土のN値の入力がないが、どのように取り扱っているのか

Q1−6−3.「橋台の設計」と連動して増し杭工法による補強設計を行うとき、「橋台の設計」側の計算書の「安定計算」−「作用力の集計」−「(2)フーチング中心での作用力の集計」で出力している作用力の値と、「基礎の設計計算,杭基礎の設計」側に連動されている作用力の値が異なるのはなぜか。

Q1−6−4.プレロードを行うケースと行わないケースで結果がほとんど同じである

Q1−6−5.「地層最深≦設計杭長になっています。」という警告にはどのように対処したらよいか。

Q1−6−6.「杭配置」画面の「充填範囲」とは何か。

Q1−6−7.場所打ち杭の時、「杭配置」画面の『断面の変化』と「断面計算」−「使用鉄筋」画面」の『断面数』の入力があるが、どちらの入力が適用されるのか

Q1−6−8.斜杭の杭長は、斜角を考慮した長さを入力するのか。斜角を考慮した実杭長が既知のときはどのように入力するのか。

Q1−6−9.H形鋼杭の腐食代を考慮した計算は可能か。

Q1−6−10.「杭配置」−「杭 データ」の『せん断KS』、『回転KR』にはどのような値を入力したらよいか


 1−7.突出部の水平荷重


 1−8.底版前面水平抵抗

Q1−8−1.底版前面水平抵抗を考慮した常時,レベル1地震時の安定計算において、底版前面の受働土圧強度は計算にどのように反映しているのか。


 1−9.安定計算(杭反力、変位)

Q1−9−1.液状化の低減係数を入力した場合、レベル1地震時の安定計算では、低減係数を無視した(液状化しないケース)場合の計算を行わないのか?

Q1−9−2.底版形状は常に入力する必要があるか?

Q1−9−3.温度変化時に対して、安定計算を行わず部材照査のみを行いたい。

Q1−9−4.杭径や杭長の異なる杭が混在しているとき、常時,レベル1地震時の安定照査は、どの杭に着目して行っているのか。

Q1−9−5.杭頭条件を「剛結・ヒンジ」と指定しても安定計算結果には剛結時のみが出力されている。杭頭ヒンジの安定計算結果は出力しないのか。

Q1−9−6.作用力自動計算において、底版の慣性力が考慮されない

Q1−9−7.結果一覧の安定計算,部材計算の出力では、どのような方法により複数の荷重ケースから出力ケースを決定しているのか。


 1−10.断面変化の扱い

Q1−10−1.断面変化位置の決定方法として次の2つがあるが、これらの選択肢が設けられている理由は?
         ・全ケースの最下位置の荷重ケース
         ・第1断面の最大許容応力度比の荷重ケース


 1−11.杭体断面力、断面計算

Q1−11−1.PHC杭の許容せん断応力度が入力値と計算書で異なる。

Q1−11−2.2.5次元解析時の杭体モーメントが正値側しか図化されないのはなぜか?

Q1−11−3.SC杭+PHC杭のとき、負の周面摩擦力の検討はPHC杭に対してのみ行っているのか?

Q1−11−4.PHC杭の杭体応力度照査は、杭基礎設計便覧に記載されている正負符号および判定方法と同じであるか

Q1−11−5.PHC杭:せん断応力度の照査で、b:等積箱形断面の腹部の合計幅、d:等積箱形断面の有効高の算出方法

Q1−11−6.場所打ち杭の主鉄筋が2段配筋で4本分の帯鉄筋を斜引張鉄筋として考慮したいがこれは可能か。

Q1−11−7.タイプT地震動とタイプU地震動の基礎の照査において、同じM−φ関係が用いられているのはなぜか。

Q1−11−8.杭頭モーメントが地中部曲げモーメントと同じ向きに発生するのはなぜか

Q1−11−9.現場継手部の許容応力度を低減して計算する方法はあるか。

Q1−11−10.せん断力に対する照査において、引張の向き(上面側が主鉄筋になるか下面側が主鉄筋になるか)はどのように判断しているか

Q1−11−11.2.5次元解析で、杭体モーメント図が正値のみで描画されるのはなぜ?

Q1−11−12.既設死荷重時の断面力算出に、「上載土高」が考慮されていない。

Q1−11−13.断面変化位置を自動計算する場合と直接指定する場合で杭体応力度が異なる理由は?

Q1−11−14.計算書において、Mmaxの1/2となる位置「Z」とその位置のせん断力「S」が「−−−」と出力されるのはどういうケースか。

Q1−11−15.場所打ち杭の曲げ応力度はどのように算出されるのか。


 1−12.杭体応力度計算

Q1−12−1.RC杭のヤング係数比の初期値(=6)の根拠は?

Q1−12−2.「杭頭ヒンジの軸力選択」で「剛結」と「ヒンジ」が選択できるのはなぜか?

Q1−12−3.場所打ち杭の断面計算において、鉄筋の許容応力度が意図しない地震時の値になっているとき、原因として何が考えられるか。

Q1−12−4.PHC杭において、常時の許容応力度を地震時扱い(許容応力度の割増係数=1.50,許容曲げ引張応力度σta=3.0/5.0)としたい。どのように設定すればよいのか?

Q1−12−5.PHC杭でMyが自動計算されない

Q1−12−6.「作用力」−荷重ケースごとの設定」の「衝突、地震時σsaの基本値を用いる」のチェックをはずすと許容値はどのようになるのか

Q1−12−7.PC杭のヤング係数『3.3×10^4(N/mm^2)』の根拠は?

Q1−12−8.RC杭のせん断応力度の照査で、結果画面などに出力される許容値が入力値と異なる場合があるのはなぜか


 1−13.結果一覧表


 1−14.出力法

Q1−14−1.安定計算で出力されるバネと基礎バネで出力されるバネ値が異なっているのはなぜか?

Q1−14−2.杭基礎が降伏するまで、解析結果を出力することはできないか?

Q1−14−3.2.5次元解析のとき、計算書の「安定計算」−「杭基礎の剛性行列」に出力される剛性行列要素の記号は何を示しているのか。

Q1−14−4.計算書プレビューをしようとすると 「下部出力ピッチ≧X.Xとなるように修正して下さい」 というメッセージが表示される。

Q1−14−5.レベル2地震時照査で、橋軸方向、橋軸直角方向のどちらか一方だけを出力したい。



 1−15.杭頭結合照査(押し抜き、引き抜き等)

Q1−15−1.杭頭結合計算の杭頭作用力が斜杭に対して連動されていない。

Q1−15−2.フーチング端部の杭に対する押抜きせん断照査を行う方法

Q1−15−3.杭頭仮想鉄筋コンクリート断面照査の際、帯鉄筋はどこで入力するのか?

Q1−15−4.「杭頭結合計算」−「杭頭補強鉄筋」画面の『鉄筋量』と『有効鉄筋量』の違いは?

Q1−15−5.レベル2地震時照査をする場合としない場合とで、杭頭結合計算の杭頭補強鉄筋計算の結果が変わるのはなぜか。

Q1−15−6.レベル1、レベル2ともに仮想鉄筋コンクリート断面の照査を省略したい。

Q1−15−7.鋼管杭の杭頭結合計算において、引抜き力に対する鋼管の付着応力度の照査は行っていないのか。



 1−16.杭頭補強鉄筋照査

Q1−16−1.杭頭補強鉄筋計算の必要鉄筋量が0.0となる。

Q1−16−2.杭基礎設計便覧(平成19年1月)に準じたときの杭頭補強鉄筋において、杭外周溶接鉄筋の鉄筋がカウントされない

Q1−16−3.以下のエラーが発生する原因は?
-----------------------------
杭頭補強鉄筋データエラー
*段目かぶりに誤りがあります。
下記のように修正して下さい。
*段目かぶり < (直径−内径)/2
------------------------------

Q1−16−4.杭頭補強鉄筋の外周溶接鉄筋のかぶりはどのように入力したらよいか。


 1−17.杭頭カットオフ照査

Q1−17−1.PHC杭のレベル2地震時照査において、杭頭カットオフの影響を考慮する必要はないのか?


 1−18.他「UCー1シリーズ」との関連


 1−19.その他

Q1−19−1.千鳥配置の場合のスターラップの入力方法は?

Q1−19−2.スパイラル鉄筋の配置区間について2画面あるが、それぞれの入力方法は?

Q1−19−3.偏心した増し杭の場合、作用力の作用原点位置は杭全体の図心、もしくは底版の図心であるか

Q1−19−4.回転杭の羽根外径は任意で入力できないか?

Q1−19−5.鋼管ソイルセメント杭の場合、「計算条件」−「設計条件」−「鋼管ソイルセメント杭」の「許容荷重Na」とは?

Q1−19−6.SC杭の杭体単位長さ重量はどのように算出されるのか?

Q1−19−7.底版形状に対して45°の方向に荷重が作用する場合の入力方法

Q1−19−8.液状化を考慮したケースと無視したケースを同時に計算することはできるか。

Q1−19−9.汎用骨組み解析プログラムで基礎をモデル化するとき、本プログラムで算出されるバネ値のどれを用いたらよいか。

Q1−19−10.底版照査に用いる引張主鉄筋比ptの算出方法

Q1−19−11.メイン画面「ファイル」メニューの『柱状図』が選択できない

Q1−19−12.予備計算を行っていない状態で、柱状図のみ出力したい

Q1−19−13.常時,レベル1地震時では浮力の有無のスイッチがないが、浮力の有無はどのように取り扱っているのか。


 1−20.段落とし自動配筋

Q1−20−1.自動配筋を選択した場合、1/2Mmax位置はどのケースの深さを選択しているか?


 1−21.設計調書

Q1−21−1.設計調書の「基礎工詳細設計調書(その2)」の『鉛直変位δz』の算出方法


 1−22.地震時保有水平耐力

Q1−22−1.底版レベル2地震時照査において、「以上のように、基礎はkhyF=0.###で降伏に達したが 〜」のようなコメント(詳細欄参照)が表示され、応答塑性率照査を行わない場合があるが、どういう意味か?

Q1−22−2.杭基礎の「レベル2地震時照査」−「基本条件」−「計算条件(1)」で『塑性化した部材の曲げ剛性の取り扱い』に10000を入力しているが問題ないか?

Q1−22−3.「地盤データ」画面の『上載荷重』で、浮力無視と浮力考慮が同じである。

Q1−22−4.左ツリー部の「流動荷重」が選択できない。

Q1−22−5.作用力直接指定によるレベル2地震時照査時において、huは何に用いているのか?

Q1−22−6.釣合鉄筋量の算出方法は?

Q1−22−7.レベル2地震時の底版前面水平抵抗において、液状化考慮時は前面抵抗を考慮せずに照査したい。

Q1−22−8.計算書の最小鉄筋量照査で「Mc=Muとなる鉄筋量」が表示されている場合と「−」の違いは?

Q1−22−9.「作用力を指定する」とは、どのような場合に使用するのか?

Q1−22−10.作用力を指定してレベル2地震時照査を行う場合に柱間の底版レベル2地震時照査を行う方法は?

Q1−22−11.レベル2地震時基本条件の計算条件の「上限値pHuの取扱い」にある「L/DE」とは?また計算のどの部分に用いられているのか?

Q1−22−12.壁式橋脚の橋軸直角方向に対してのみ、基礎の塑性化を考慮した設計を行うものと考えていたが、橋軸方向に対しても考慮しても良いのか?

Q1−22−13.盛りこぼし橋台の設計において基準変位量Soには何を入力すればよいか

Q1−22−14.「レベル2地震時基本条件」−「計算条件B」画面の照査判定用の軸力の取扱いはどれを選択したらよいか

Q1−22−15.2柱式のフーチングで断面力の耐力照査を行いたい

Q1−22−16.基礎が降伏に達し、応答塑性率の照査を行うことが可能な条件にもかかわらず、応答塑性率の照査が行われない。これはなぜか?

Q1−22−17.「レベル2地震時照査」−「地盤データ」の「杭間隔÷杭径」はどの計算に用いられ、どこに影響するのか?

Q1−22−18.レベル2地震時の計算書において、(1)杭,(2)杭・・・とあるが、これはどの杭を示しているのか?

Q1−22−19.レベル2地震時の降伏判定に杭頭部の耐力(仮想鉄筋コンクリート断面の降伏曲げモーメントMy)が用いられているが、これはどのような理由によるのか?

Q1−22−20.3列杭のレベル2地震時照査結果において、降伏時の最大曲げモーメントに着目すると、1,2杭は制限値である降伏曲げモーメントと一致しているが、3杭は制限値を超えた状態となっている。制限値を超えた状態となるのはなぜか。

Q1−22−21.レベル2地震時照査―基本条件のkhgはCzをかけた値を入力するのか?

Q1−22−22.作用力を指定してレベル2地震時照査を行う場合の初期作用力,全作用力は具体的には何を示しているのか。

Q1−22−23.底版レベル2地震時照査における降伏曲げモーメントはどのように算出されるのか?

Q1−22−24.レベル2地震時の照査で「M−φ関係において、My≦0.0,Mu≦0.0となるケースが発生しました。」というメッセージが表示されるが、どういう状態を表しているのか?

Q1−22−25.有効長とは?

Q1−22−26.杭頭鉛直反力PNiによる単位幅当たりの底版の曲げモーメントMp1の算出方法

Q1−22−27.レベル2の最小鉄筋量の照査は必要か

Q1−22−28.作用力を指定してレベル2地震時照査を行うときの『地盤面の水平震度kh』は何に用いているか?

Q1−22−29.地震時保有水平耐力法による橋脚基礎の照査に用いる設計水平震度Khpは、どのように使われているか?

Q1−22−30.断面力算出の照査位置Lは引抜き側からの距離?

Q1−22−31.「橋脚の設計」との連動時、橋脚の水平耐力に余裕がない場合でも基礎の応答塑性率照査を行う方法はあるか?

Q1−22−32.作用力直接指定によるレベル2地震時照査を行う場合、プッシュオーバー解析を行っているのか?

Q1−22−33.盛りこぼし橋台の杭基礎の設計において、杭基礎設計便覧(H19.1)準拠時であっても、レベル2地震時の杭頭部の照査が行われない理由は?

Q1−22−34.「レベル2地震時照査」−「基本条件」−「基本条件(杭基礎)」画面の鉛直力算出用水位と予備計算用水位は何に影響するのか。

Q1−22−35.「レベル2地震時照査」−「基本条件」−「基本条件(杭基礎)」画面の「鉛直力算出用水位」,「予備計算用水位」の取扱い

Q1−22−36.杭基礎レベル2保耐時に鋼管杭の場合せん断耐力照査を行わないのはなぜ?

Q1−22−37.場所打ち杭の杭頭結合部の耐力照査(L2)において、杭頭結合部と杭体の鉄筋量が同じであるにも関わらず、杭頭結合部の降伏曲げモーメントMyの方が小さく判定がOUTとなる。これはなぜか。

Q1−22−38.レベル2地震時基本条件−計算条件Bの杭頭仮想鉄筋コンクリート断面の照査で「1列(本)ごとに照査」「全列(杭)で照査」が選択できるが、どちらを選択したらよいか

Q1−22−39.橋台基礎でレベル2地震時のタイプT、タイプU両方の計算を行う方法は?

Q1−22−40.レベル2地震時の計算で表示されるメッセージについて解説してほしい。
  ------------------------
  構造系が不安定になりました。
  支持力の上限値に達していない杭が2列以上なく、且つ、全杭の杭頭に塑性ヒンジが
  発生しました(杭頭M≧Mu,Mp)。
  -------------------------

Q1−22−41.杭基礎レベル2地震時の最大曲げモーメントの抽出結果が実際の最大曲げモーメントとなっていないのはなぜか。

Q1−22−42.杭頭仮想鉄筋コンクリート断面のMyの計算に帯鉄筋(横拘束筋)は考慮しているのか?

Q1−22−43.「橋脚の設計」連動時、底版下面中心における作用力を直接指定する方法

Q1−22−44.「レベル2地震時基本条件」−「計算条件A」画面において、「免震橋のとき、基礎に主たる塑性化を考慮しない」の項目を設けている理由は?

Q1−22−45.斜引張鉄筋の負担するせん断耐力Ssの算出方法は?

Q1−22−46.底版が存在せず、柱と杭を直接結合する構造の場合、どのように入力,計算すればよいか。

Q1−22−47.レベル2地震時の計算書において、下記の設計荷重の算式の見方が分からないので説明してほしい。
      鉛直力 V  = Rd + Wp - Up + Ws + WF'
      水平力 H  = (Wu + Wp)・khp + WF・khg・khi/(Cz・khco) + Hd
      モーメント M  = (Wu・yu + Wp・yp)・khp + WF・khg・khi/(Cz・khco)・yF + Md

Q1−22−48.レベル2地震時照査において、基礎の応答塑性率の照査を行うときに限り、基礎の変位の照査が行われる理由は?

Q1−22−49.計算書の「荷重変位曲線」の章にある表中の「杭本体状態」とは?

Q1−22−50.レベル2地震時照査結果の応答変位時とはどのような状態か。

Q1−22−51.レベル2地震時の作用力と杭反力の向きはどのように取り扱われているか

Q1−22−52.連続フーチングの柱間レベル2 地震時照査を行う場合、柱基部断面力Vpi,Hpi,Mpiには、どのような断面力を入力したらよいか

Q1−22−53.杭基礎設計便覧(P.296)より、フーチング縁端距離が十分でない場合はレベル2地震時に対する杭頭結合部の計算が必要と考えられるが、プログラムは対応しているのか。


 1−23.図面作成


 2.直接基礎
 2−1.設計方法

Q2−1−1.動的解析による応答値を用いて直接基礎のレベル2地震時の計算を行う方法はあるか。

Q2−1−2.2軸による安定計算に対応しているか?

Q2−1−3.直接基礎のレベル2地震時底版照査で、柱基部の断面力は完全に一致させる必要があるか。


 2−2.入力方法

Q2−2−1.斜面上の直接基礎照査時、設計条件−形状タブの『前面余裕幅b』には何を入力したらよいか


 3.液状化判定
 3−1.設計方法

Q3−1−1.液状化判定において、各地層のR、L、値はどのように算出しているか

Q3−1−2.層ごとの液状化の判定において、層内に複数の測定点が存在する場合、どのように判定しているのか?

Q3−1−3.液状化の判定を行うか否かのスイッチ(SW)を0(=判定しない)としているが、ごく軟弱な土層に対しては低減係数が0となる。これはなぜか?

Q3−1−4.液状化の判定における 塑性指数Ip,10%粒径D50,D10 は何に影響するのか?

Q3−1−5.層ごとの液状化の判定および土質定数の低減係数DEはどのように算出しているのか。


 3−2.入力方法


 4.その他
 4−1.その他

Q4−1−1.「杭基礎プログラム」単独データを「橋脚の設計」プログラムと連動することはできるか?

Q4−1−2.「橋脚の設計」,「橋台の設計」との連動時、地層傾斜や杭長・杭径の異なる杭が混在する条件におけるレベル2地震時照査を行う方法は?





 1.杭基礎
0.全般

Q0−1.

基礎バネはどの位置で算出されるのか。
A0−1. 基礎バネ(固有周期の算定に用いる地盤バネ定数)は、基礎天端中心位置における値を算出しています。これは、設計地盤面が基礎天端以深となる場合、あるいは基礎が地表面から突出する場合であっても同様です。

    
Q0−2. 「橋脚の設計」でフーチング無しモデルとして計算したデータファイルがあるが、これを鋼管矢板基礎やケーソン基礎等の設計データとして取り込みたい。この手順を教えてほしい。
A0−2. 「橋脚の設計」では、基礎設計に必要なデータをXML形式でファイル保存する機能を設けおり、このデータファイルを「基礎の設計計算」で読込むことにより、UC−1連動に対応していない鋼管矢板基礎,ケーソン基礎,地中連続壁基礎,あるいは直接基礎においても、柱形状,作用力,設計水平震度等の基礎設計に必要なデータを取り込むことが可能です。
下記の手順でXMLファイルを保存後、「基礎の設計計算」で読み込みを行ってください。

1.「橋脚の設計」側で計算確認を実行します。
2.「橋脚の設計」側の「ファイル|XMLファイル」で「エクスポート」を選択し、名前を付けて保存します。
3.「基礎の設計計算」を単独で起動し、「地層」、「基本条件」、「形状」、「予備計算」までを設定します(既に設定済みの場合は次のの手順へお進みください)。
4.「基礎の設計計算」側の「ファイル|橋脚連動用XMLファイル」で「インポート」を選択し、上記2.で保存したファイルを読み込みます。

詳しくは、ヘルプの「操作方法」−「UC−1連動」−「橋脚連動用XMLファイル」をご参照ください。
    
Q0−3. 杭基礎や鋼管矢板基礎,ケーソン基礎の「地層」画面で液状化の判定を行うとき、平均N値ではなく測定点ごとのN値を用いて計算したい。
A0−3. 杭基礎や鋼管矢板基礎,ケーソン基礎の設計における「地層」画面の液状化の判定は、液状化が生じるか否かではなく、土質定数の低減係数DEを求めることが主目的となると考えられます。

現行では、「地層」画面では、常に層ごとの平均N値を用いて液状化の判定を行っており、測定点ごとのN値を指定し計算することはできませんが、「地層」画面上の[読込]ボタンにより、基礎選択=液状化の判定として作成した基礎データを読み込むことが可能です。
この場合、各層の土質データと合わせ、計算された土質定数の低減係数DEが読み込まれます。
したがって、基礎選択=液状化の判定として測定点ごとのN値による低減係数の計算を行い、このファイルを読込むことにより、本ケースに対処できるのではないかと考えられます。
    
Q0−4. 「FRAME(面内)」「FRAMEマネージャ」で読み込むことのできるファイルを作成できるか。
A0−4. ■杭基礎,直接基礎
杭基礎,直接基礎では、連続フーチングの橋軸直角方向の照査をFRAME解析により行っています。FRAME解析モデルは、「計算・結果確認」−「底版照査」−「X方向」−「FRAME結果」の[詳細表示]ボタンより開く画面にて詳細を確認することが可能で、本画面左下の[保存]ボタンにおいて、 FRAMEデータファイル(*.$O1)を保存することができます。

■ケーソン基礎,地中連続壁基礎
ケーソン基礎,地中連続壁基礎では、側壁水平方向の部材照査をFRAME解析により行っています。「部材計算」−「側壁水平方向」−「保耐法」−「FRAME結果」画面の[詳細表示]ボタンより開く画面において、左下の[保存]ボタンよりFRAMEデータファイル(*.$O1)を保存してください。

    
Q0−5. 入力する鉄筋のかぶりは、杭外周から鉄筋中心までの距離か、それとも鉄筋外面までの距離か。
A0−5. 本プログラムでは、基礎形式によらず、いずれも純かぶりではなく芯かぶりとして入力していただくようにしています。
よって、鉄筋中心までの距離を入力してください。
    
Q0−6. 橋脚基礎に主たる塑性化を考慮することが可能な条件の場合、基礎が降伏に達しても、応答塑性率の照査がOKであれば、最終的にはOKと判断されるのか。
A0−6. 道示X12.1(P.210〜)に記述されていますように、応答塑性率の照査を行うことが可能な条件の場合、基礎が降伏に達しても、応答塑性率が許容塑性率以下,変位が許容変位以下,部材に生じる断面力が耐力以下であれば、照査結果はOKと判定されます。

ここで、橋脚基礎に主たる塑性化を考慮することが可能な条件とは、道示W12.10.3(P.405)の記述、「橋脚が十分大きな終局水平耐力を有している場合や液状化が生じる場合には、基礎に塑性化が生じることを考慮して設計してよい。」より、
@橋脚が十分大きな終局水平耐力を有している
A液状化が生じる場合
のいずれかとなります。

なお、液状化の影響を考慮する場合にレベル2地震時照査を行う橋台基礎においては、基礎が降伏に達した場合、常に応答塑性率の照査を行い、応答塑性率の照査,変位照査,部材照査を行っています。

1−1.適用範囲、準拠基準等

Q1−1−1.

X方向を橋軸方向,Y方向を橋軸直角方向としたい。
A1−1−1. [基準値]−[設計条件]−[荷重ケース]で方向名称を変更してください。
旧製品との相違は、ヘルプ[概要]−[プログラムの機能概要]−[旧製品との相違]を参照してください。
 
Q1−1−2. 側方移動の入力方法は?
A1−1−2. 本プログラムの軟弱地盤における側方移動の影響を考慮した杭基礎の設計は、「設計要領第二集 4章基礎構造 NEXCO(平成18年4月)」4-1-8(P.4-38〜)を参照し、常時,暴風時,レベル1地震時のみを対象として作成しております。
お考えの照査が、上記文献の計算に該当するのでしたら、下記をご参照ください。

本プログラムにおいて、側方移動の計算を行う場合、
 1)「計算条件」−「基本条件」画面の『橋台特殊条件=側方移動』を選択する。
 2)「地層」−「地層線」−「設計地盤面」画面の『側方流動圧載荷下面』を入力する。
 3)「杭配置」−「側方流動圧」画面で、側方流動圧による最大荷重強度を入力する。
の手順にて計算に必要なデータを設定します。
また、「橋台の設計」との連動時であれば、上記1)は、橋台側の「初期入力」画面にて『基礎形式=杭基礎(側方移動)』を選択する必要があります。これにより、基礎側の「橋台特殊条件」が『側方移動』へと切り替わります。

側方移動に関する詳細は、入力画面上の[ヘルプ],および「計算理論及び照査の方法」−「杭基礎」−「橋台特殊設計(側方移動/盛りこぼし橋台)」をご参照下さい。
また、サンプルデータの「Kui_17.F8F」が側方流動のデータとなりますので、あわせてご参照ください。
 
Q1−1−3. フーチング無しモデルの入力方法は?
A1−1−3.
本プログラムの杭基礎の安定計算は、基礎天端(杭頭)から杭先端までをモデル化して照査しており、底版形状は計算に影響を与えません。
底版形状は、
・常時,レベル1地震時の作用力自動計算,
・底版照査(許容応力度法,レベル2地震時)
・「レベル2地震時基本条件」−「基本条件(杭基礎)」画面の『作用力計算』ボタンによる底版下面中心における鉛直力の算出
の照査に用いており、これらの照査または計算を行わない場合、入力の必要はありません。
 
以上より、底版なしの照査を行う場合は、「計算条件」−「基本条件」画面で、
・作用力(常時,レベル1地震時)=入力
・底版許容応力度法の照査=しない
・底版レベル2地震時照査=しない
と設定し、「作用力」−「作用力」画面で基礎天端の常時,レベル1地震時の作用力を入力してください。
また、レベル2地震時照査(安定計算)を行う場合、「レベル2地震時基本条件」−「基本条件(杭基礎)」画面の『WF』,『hF』,『Ws』,『WF’』を0.000と入力してください。
 
Q1−1−4. 増し杭なしでフーチングのみの補強計算を行いたい
A1−1−4.
杭基礎でフーチング補強を行う場合、本プログラムでは、拡幅されたフーチング内に杭が存在するものとして照査しており、存在しない場合、照査することはできません。

杭基礎のフーチング補強は、「既設道路橋基礎の補強に関する参考資料(H.12.2)社団法人日本道路協会」を参照し作成しております。
本文献には、既設杭の周囲に新たな杭を増設して補強する方法として、増し杭工法の設計法が記述されており、本プログラムは本方法を採用しております。
既設杭と新設杭が一体として荷重に抵抗するとした計算方法としていることから、フーチングのみの補強は想定しておりません。ご了承ください。

ただし、「橋脚の設計」との連動時は、拡幅によるフーチング補強ではなく、上面増厚のみの補強の場合であれば、検討可能です。
この場合、橋脚側の「補強」−「工法、材料」−「フーチング」画面において、「橋軸方向」,「橋軸直角方向」を0.000(m)として「上面」のみ入力してください。
 
Q1−1−5. 単杭の検討は可能か。
A1−1−5.
本プログラムは単杭の検討に対応しており、「杭配置」−「寸法」画面で NX=1,NY=1 と入力することにより、常時,暴風時及びレベル1地震時だけでなく、レベル2地震時の検討まで行うことが可能です。
ただし、単杭の場合、下記に注意する必要があります。

まず、単杭の場合、ヘルプの「Q&A」-「2.解析方法、設計の基本的な考え方」-「Q2-6」,「Q2-7」に記載しておりますように、杭頭ヒンジ結合の計算(フーチングと杭がヒンジ結合されていると仮定した場合の計算)のとき、フーチングが回転し不安定構造になることから解を求めることができません。
したがって、杭頭ヒンジの安定計算を行うことができず、杭頭ヒンジとした場合の杭体断面力算出,杭体応力度照査を行うことができません。
詳しくは、前述のヘルプをご参照ください。

また、道示W12.10.4(P.408〜)において、レベル2地震時照査に用いる群杭効果を考慮した砂質地盤に対する水平地盤反力度の上限値の補正係数の記載がありますが、単杭のとき、この杭中心間隔/杭径をどのように設定すべきか明確ではありません。
杭中心間隔/杭径は「地盤データ」画面の「杭間隔÷杭径」により入力します。画面上の[計算]ボタン押下時、ηp・αpの上限値であるαp(=3)を初期設定しておりますが、最終的には設計者の方のご判断として入力してください。

以上に注意することにより、単杭の検討が可能です。
 
Q1−1−6. 道示に準拠した水平変位の制限を緩和した杭基礎の設計のとき、杭頭ヒンジの計算を行わない理由は?
A1−1−6.
水平変位の制限を緩和する杭基礎の設計は、平成14年3月の道示改訂により追加された設計法ですが、道示においては、詳細な設計方法が記載されていません。
このため、本プログラムでは、開発に当たり、「鋼管杭基礎の設計と施工 道路橋示方書(平成14年3月版)改訂対応(平成14年4月)鋼管杭協会」を参照させていただきました。
この文献には、水平変位の制限を緩和する杭基礎の設計の詳しい考え方,設計計算例が記載されており、具体的な設計方法としては、下記の設計手順が示されています。

<STEP1>
従来通りの変位法を用いて安定計算と杭体の計算を行い、発生変位が許容変位以下であることを照査する。

<STEP2>
STEP1で得られた結果に対して鉛直支持力および杭体応力度に著しい余裕がある場合、水平変位の制限を緩和した杭基礎の設計が適用できるか否かを検討する。

<STEP3>
変位以外の項目(支持力と部材応力)が許容値以内であることを前提とした上で、杭の削減等の構造諸元の見直しを行い、杭の配置と断面を決定する。杭体の設計(断面変化位置の決定を含む)には、杭頭ヒンジと仮定した場合の曲げモーメントを考慮する。

<STEP4>
STEP3で決定した構造諸元に対して地盤の非線形性を考慮した解析を行い、杭頭剛結時おける安定計算と杭体の計算を行う。

上記の通り、本文献では、通常設計(従来通りの変位法による照査)にて杭配置や断面変化位置等の構造諸元を決定しており、この場合においては、杭頭ヒンジと仮定した場合の断面力を用いています。
しかしながら、水平変位の制限を緩和した設計おいては、杭頭剛結時の断面力を用いて、各断面の応力度が許容応力度内であることを照査しており、杭頭ヒンジの計算は行っておりません。
杭頭剛結時とヒンジ結合時とで地盤の状態が異なる水平変位の制限を緩和する杭基礎の設計時においても、杭頭ヒンジにおける杭体の設計を行ってよいものか明確でないため、本プログラムでは、本文献と同様、杭頭剛結時のみを対象としています。
 
Q1−1−7. パイルベント橋脚の設計は可能か
A1−1−7.
本プログラムは、道路橋示方書に準じた計算を行っています。
しかしながら、道示の規定は、はり,柱およびフーチングから構成される構造形式を想定しており、パイルベント橋脚のような特殊な構造は想定しておりません。
したがって、本プログラムにおいても、基本的にはサポート外となります。現行のプログラムを用いてパイルベント橋脚の設計を行う場合、通常とは異なる入力により対処する必要があることから、最終的には設計者の方のご判断としてご検討いただくことになることをご了承ください。

まず、パイルベント橋脚は、杭を結合する横ばり(枕梁)をフーチングと仮定し、突出した杭としてモデル化することになると考えられます。
ただし、道示では、フーチングを剛体と仮定しています。フーチングは十分な剛性を有し、荷重が作用してもほとんどたわまないと考えていることから、剛体として取り扱えるか否かが重要となります。
仮に、剛体と仮定することができない場合、別途、汎用骨組み解析プログラムにおいて、弾性体フーチングとしたモデルを作成し計算していただく必要があります。

また、レベル2地震動に対する基礎の照査は、道示X12.1(P.213)のように、橋脚躯体および上部構造に対して橋脚の終局水平耐力に相当する設計水平震度khpを作用させます。
しかしながら、柱を有しないパイルベント橋脚の場合、この慣性力を求めることはできず、現行の道示の考え方を適用することはできません。
したがって、上部構造の慣性力は、橋脚の終局水平耐力に相当する設計水平震度khpではなく、道示に規定されるレベル2地震動の設計水平震度をそのまま作用させることになるのではないかと考えられます。
 
ここで、道示に規定される設計水平震度は、道示X6.4.3(P.89〜)に記載されておりますように、
 khc = Cs・Cz・khco
 ここに、
  khc:レベル2地震動の設計水平震度
  Cs :6.4.4に規定する構造物特性補正係数
  Cz :4.4に規定する地域別補正係数
  khco:レベル2地震動の設計水平震度の標準値
となります。
ただし、構造物特性補正係数Csは下部構造のエネルギー吸収による地震力の低減を見込んだものであり、基礎の照査においては不要であることから、基礎の設計に用いる設計水平震度はCz・khcoとなります。
よって、地域別補正係数Czにレベル2地震動の設計水平震度の標準値khcoを乗じたCz・khcoを入力してください。また、khp=Cz・khco,Wp=0.00としてください。
また、横ばり部に関しても、同様にCz・khcoを考慮するのであれば、khg=Cz・khcoとしてください。
計算書の「レベル2地震時の照査」−「液状化無視/考慮・地震動タイプT/U・浮力無視/考慮」の出力において、最終的に基礎に作用する設計荷重を確認することができます。想定される荷重が適切に載荷されているか、ご確認ください。

突出部の杭体の慣性力については、レベル1地震時は「作用力」−「杭突出部の水平荷重」を「あり」としてください。また、同画面の「杭突出部水平荷重」タブの「慣性力の計算」をチェックし、設計水平震度や[水平荷重]ボタンより開く画面にて慣性力の有無,向きを指定して下さい。
レベル2地震時においては、地表面(あるいは耐震設計上の地盤面)より上方の杭体の慣性力は、プログラム内部にて自動的に考慮しています。よって、杭体の慣性力については、任意荷重等により別途指定する必要はありません。

以上、通常の橋脚基礎との相違点を簡単に記述しましたが、前述のとおり、パイルベント橋脚はサポート外となりますので、あくまで設計者のご判断としてご検討ください。


1−2.解析方法、設計の基本的な考え方

Q1−2−1.

Ver.6で対応した回転杭工法について準拠している基準、考え方は?
A1−2−1. 回転杭工法は、様々なメーカー様より様々な種類が実用化されており、それぞれの支持力,引抜抵抗力の設計に対する考え方に相違があります。
全ての工法を網羅することは困難であり、また、今後新たな回転杭工法が追加される可能性もあることから、本プログラムでは、特定のメーカー様の仕様,設計法を採用するのではなく、「杭基礎設計便覧(平成19年1月)」参考資料「9.回転杭」(P.436〜)を参照し作成しております。
具体的には、羽根投影面積Awの算式は同文献(P.439)、杭先端の極限支持力の推定式は同文献(P.441)表-参9.1、最大周面摩擦力度は同文献(P.442)参9.5(a)(b)を参照しております。
詳しくは、上記文献をご参照ください。

なお、ご検討の回転杭工法が、杭基礎設計便覧の算定方法と異なる場合、現行では、以下の方法にてご対処いただくことになります。
1)最大周面摩擦力度,極限支持力度
 「基準値」−「その他」−「許容支持力算定条件」画面にて、ご検討の推定式となるよう係数を入力する。
2)軸方向許容押込み支持力
 「計算条件」−「入力条件」画面で「許容支持力・引抜力=直接入力」と設定し、別途計算した支持力・引抜力を「予備計算・結果確認」−「許容支持力」画面にて直接入力する。
3)軸方向許容引抜き力
 「基準値」−「杭基礎」−「回転杭」画面にて引抜き係数βを入力する。本係数の変更のみでは対処できない場合、2)と同様、「予備計算・結果確認」−「許容支持力」画面にて直接入力する。
4)押込み支持力の上限値/引抜き支持力の上限値
 レベル2地震時も2),3)と同様、必要に応じて別途算出した値を直接入力することにより対処する。
 
Q1−2−2. 基礎が降伏しても応答塑性率・変位でOKならば 総合判定でOKとならないのか?
A1−2−2. 杭基礎設計便覧(H19.1)に準拠しない場合は、応答塑性率の照査,変位の照査がOKならば総合判定OKとなりますが、杭基礎設計便覧(H19.1)準拠の場合、図-V.6.8(P.304)の照査手順に記載されておりますように、下記の「仮想鉄筋コンクリート断面の照査」も行う必要があります。

■基礎に主たる塑性化を考慮する場合
 杭体の降伏曲げモーメント ≦ 仮想RC断面の降伏曲げモーメント
■基礎に主たる塑性化を考慮しない場合
 杭頭発生曲げモーメント ≦ 仮想RC断面の降伏曲げモーメント

よって、「仮想鉄筋コンクリート断面の照査」でOUTの場合、総合判定はOUTとなります。
    
Q1−2−3. 突出杭のとき、水平荷重等は考慮しているか?
A1−2−3. 杭基礎では、次のように杭体慣性力を考慮しております。

■レベル1地震時
「作用力」−「基本条件」画面で『杭突出部の水平荷重=あり』を指定し、「作用力」−「杭突出部水平荷重」画面で必要なデータを入力した場合のみ、「地層」画面の『設計地盤面(地震時)』より上方の杭体慣性力を考慮した計算が行われます。

■レベル2地震時
「杭本体」−「その他」画面にて入力された『杭体単位長さ重量』を用いて、常に杭体慣性力を考慮した計算が行われます。したがって、杭体慣性力の有無の指定はありません。
   
Q1−2−4. 水平変位の制限を緩和する杭基礎の設計で、道路橋示方書Wモデルと杭基礎設計便覧モデルのどちらの設計法を適用したらよいか?
A1−2−4. 水平変位の制限を緩和する杭基礎の設計は、杭基礎設計便覧と道路橋示方書で異なる設計法が示されており、どちらの設計法を適用すればよいか明確ではありませんが、杭基礎設計便覧(P.265)の記述、
1)道路橋示方書の設計法
  レベル2地震時のような大変形時までの挙動に対する照査や変位量の制限を特に設けない場合での地盤の非線形挙動を扱う際に有効な方法
2)杭基礎設計便覧の設計法
  地盤抵抗を弾性限界とみなせる範囲において有効な方法
との位置づけを考えれば、地盤抵抗を弾性限界とみなせる範囲内であれば杭基礎設計便覧の設計法を、軟弱地盤等でレベル1地震動においても地盤の塑性化が進行すると考えられるケースにおいては道路橋示方書の設計法を適用するのがよいと考えられます。
しかしながら、地盤抵抗を弾性限界とみなせるか否か判断の基準となる明確な指標はありません。
したがって、最終的には、設計者の方のご判断で決定してください。
   
Q1−2−5. 動的解析時、どのバネ値を用いたらよいか?
A1−2−5. 道示X 7.3.2(P.114)に、「基礎の変形の影響は、一般に基礎の抵抗を表すバネにより線形でモデル化してよい。ここで、基礎の抵抗を表すバネ定数は、式 (解6.2.1)及び式(解6.2.2)による地盤反力係数の基準値を用いて式(解6.2.12)により算出してよい。」とあります。

計算書の「安定計算」−「杭基礎の剛性行列」は、常時,レベル1地震時の地盤の変形係数α・Eoを用いて算出した地盤バネ値となります。
これに対し、計算書の「基礎バネ計算」−「固有周期算定用地盤バネ定数」に出力している地盤バネは、動的変形係数EDを用いて計算したバネ値となります。
前述のとおり、動的解析には、式(解6.2.12)のとおり、動的変形係数EDを用いて計算した地盤バネ値を適用すべきと思われます。
本件につきましては、「基礎バネ計算」の出力をご参照くださいますようお願いいたします。
   
Q1−2−6. 杭基礎設計便覧準拠時の水平変位の制限を緩和した杭基礎の設計において、最小変位には何を入力すればよいか?
A1−2−6. 水平変位の制限緩和時の最小変位(以下yminとします)は、杭基礎設計便覧に規定された変位量ではなく、同様にひずみ依存性を考慮した水平方向地盤反力係数の補正を行う鋼管矢板基礎の規定(道示W(解13.5.2)(P.445))の
 y:・・・ただし、10mm以下の場合には10mmとする。
を参照し設けているもので、
 kH’ = kH・(y’/y)^-1/2 ・・・ (V.4.4)
のy’の下限を定義し、水平方向地盤反力係数が過大に評価されることがないよう制限しています。

具体的には、初回の計算において、y=yminとして算出したkH’値を用いて計算を行い、発生変位がymin以下であれば収束したと判定しています。
また、発生変位がyminを超える場合、仮定したy(前回計算時の変位)と発生変位とがほぼ等しくなるまで収束計算(誤差1%未満で収束)を行っています。

初回の計算で発生変位が最小変位以下とならない限り、最適解に向かって収束するため、最小変位が結果に直接影響することはありません(但し収束条件を誤差1%未満としているため、若干の差異は生じます。)が、最小変位をどのように定義するのが適切であるか判断することができないため、設計者の方のご判断により入力してください。
   
Q1−2−7 杭径や杭長が異なる杭が混在しているとき、各杭の杭頭に作用する荷重は、杭の剛比により分担しているのか。
A1−2−7. 本プログラムでは、道示W12.7(P.378〜)に記述されている変位法により、次のように計算しています。
(1)各杭の杭軸方向バネ定数Kvを算出
(2)各杭の水平方向地盤反力係数kH分布を算出
(3)(2)を用いて各杭の杭軸直角方向バネ定数K1〜K4を算出
(4)道示W(解12.7.1),(解12.7.2)(P.379〜)に記述されている三元連立方程式を作成
(5)(4)の三元連立方程式を解いて原点変位を算出
(6)(5)を用いて道示W(解12.7.3),(解12.7.4)により、各杭の杭頭変位,杭頭反力を算出
(7)杭1本の弾性床上梁モデルの杭頭部分に杭頭反力(軸直角方向反力)および杭頭曲げモーメントを載荷し、伝達マトリクス法により各杭の状態量分布(変位分布,曲げモーメント分布、せん断力分布)を求める。

杭1本当たりの杭頭の作用力は、上記(6)の杭頭反力がこれに該当しており、具体的には、2次元解析で直杭の場合、
 PNi = Kv・δyi’
 PHi = K1・δxi’ + K2・α
 Mti = −K3・δxi’ + K4・α
 δxi’ = δx
 δyi’ = δy + α・xi
 ここに、
  PNi :杭軸方向反力(kN)
  PHi :杭軸直角方向反力(kN)
  Mti :杭頭モーメント(kN・m)
  δxi’:杭頭水平変位(m)
  δyi’:杭頭軸方向変位(m)
  Xi:杭頭座標
のように求めています。(斜杭については道示を参照してください。)

上記式の通り、本プログラムの杭頭反力(杭頭作用力)は、各杭の杭頭変位および杭軸直角方向バネ定数K1〜K4より求めており、杭の剛比により分配しているわけではありません。
なお、K1〜K4とは、杭頭の力と変位との関係を表したもので、杭頭から杭先端の範囲の杭体の曲げ剛性,水平方向地盤反力係数kH分布および杭先端条件を用いて、杭頭に単位荷重を与えたときの杭頭変位を求め、この関係から算出する杭頭バネを示しています。

詳しくは、上記道示およびヘルプの「計算理論及び照査の方法」−「杭基礎」−「安定計算および杭体断面力の計算」の
 (1)杭体の断面力と変位の関係式
 (2)杭先端条件と杭1本当たりのバネ値
 (3)フーチングの変位と杭頭反力
をご参照ください。
   
Q1−2−8. 杭軸直角方向バネ定数K1〜K4はどのように算出されるのか。
A1−2−8. 道示W12.6.2(P.375〜)において、半無限長(βLe≧3)の杭,有限長(1<βLe<3)の杭ごとに、杭軸直角方向バネ定数K1〜K4の算定方法が記載されていますが、本項の算定方法は、水平方向 地盤反力係数が深さ方向に一定,つまり単一層の場合のみを適用対象とした簡易式で、多層地盤の杭に適用することはできません。
杭基礎設計便覧(H19.1)(P.357)においても、「地盤が深さ方向に変化する多層系地盤として評価し設計する場合には、道示Wに示される変位法を適用することはできない。」と記載されています。

本プログラムでは、上記の算定方法は用いておらず、βLeに関わりなく常に弾性床上はりの微分方程式を用いて有限長の杭として解析しており、常に杭先端条件および(多層地盤であれば)多層地盤を考慮した厳密な計算を行っています。

具体的には、杭1本に着目し、杭頭から杭先端までの杭体の曲げ剛性,水平方向地盤反力係数kH分布および杭先端条件を用いて、杭頭に単位荷重を与えたときの杭頭変位を求め、この関係から算出しています。

算出方法の詳細につきましては、ヘルプの「計算理論及び照査の方法」−「杭基礎」−「安定計算および杭体断面力の計算」の
 (1)杭体の断面力と変位の関係式
 (2)杭先端条件と杭1本当たりのバネ値
 (3)フーチングの変位と杭頭反力
をご参照ください。

なお、上記ヘルプにてお分かりのとおり、K1〜K4の算出は手計算で求められるような単純式で算出しているわけではありませんので、算定根拠を簡潔に示すことはできません。
   
Q1−2−9 「計算条件」-設計条件」-「杭」の『杭先端条件』はどのように扱われているか
A1−2−9. 杭先端条件は、次のように取り扱って、杭軸直角方向バネ定数K1〜K4を算出しています。
・固定
 水平,回転ともに拘束されている(杭先端で水平,回転変位が生じない)ものとして計算します。
・自由
 水平,回転ともに拘束されていないものとして計算します。
・ヒンジ
 水平方向が拘束され、回転は拘束されていないものとして計算します。
・バネ
 杭先端が次の関係となるものとして計算し、これを想定しております。
 せん断力=せん断バネ×水平変位
 曲げモーメント=回転バネ×回転変位
 (※せん断バネ,回転バネは、「杭配置」−「データ」画面で入力してください。)


詳しくは、ヘルプの「計算理論及び照査の方法」−「杭基礎」−「安定計算および杭体断面力の計算」
 (1)杭体の断面力と変位の関係式
 (2)杭先端条件と杭1本当たりのバネ値
をご参照ください。
   
Q1−2−10 杭体水平荷重はどのように安定計算に考慮しているのか。
A1−2−10. 本プログラムの杭体水平荷重は、道示W12.8(P.384〜)を参照し作成しており、次の手順にて計算を行っています。
(1)杭1本を弾性床上のはりとしてモデル化し、杭体水平荷重を載荷して杭頭水平変位,回転角を求めます。
 (解12.8.6のδx,α(上バー))
(2)(1)で求めた杭頭変位に相当する杭頭反力を求めます。
 (解12.8.5のFi,Gi)
(3)各杭の(2)の杭頭反力を集計し、作用力の補正値とします。
 (解12.8.5のGH,Gv,GM)
(4)杭基礎の剛性行列と補正を加味した作用力との関係から基礎の原点変位を算出します。
 (解12.8.4を解きδy,δx,αを算出します。)
(5)基礎の原点変位から各杭の杭頭変位を算出します。
 (解12.8.10のδyi’,δxi’を算出します。)
(6)(4),(5)で求めた杭頭変位と(2)で求めた杭頭反力相当から杭頭反力を算出します。
 (解12.8.9のPNi,PHi,Mti)

上記の(1)〜(4)は、基礎に荷重を与えたときの基礎の変位を求めているもので、杭体水平荷重による作用力の補正値を求め、求まった作用力の補正値を基礎に作用する荷重に加味して算出しています。
このとき、道示(解12.8.6〜8)において、杭体水平荷重による杭頭水平変位δ,回転角αの算出式が記載されていますが、地盤が単一層で杭の根入れ長が十分に長いケースに限定した記述になっていること、また杭突出部(設計上の地盤面より上方)に載荷することを想定した記述となっているため、本プログラムでは、上記(1)のように、杭頭から杭先端までの曲げ剛性,水平方向地盤反力係数kH分布および杭先端条件を用いて弾性床上のはりとしてモデル化し、このモデルに杭体水平荷重を載荷して求めています。
また、上記(5),(6)では、各杭の杭頭反力を算出しています。杭体水平荷重の影響が二重に考慮されるのを防ぐため、杭体水平荷重による杭頭反力を控除して求めています。
なお、杭体の断面力分布(曲げモーメント,せん断力,変位分布)は、上記(1)と同様、弾性床上のはりとしてモデル化し、杭頭に上記(6)で求めた杭頭反力を、杭体には水平荷重を載荷して算出しています。
   
Q1−2−11 増し杭工法における荷重分担はどのように考えているのか。
A1−2−11. 本プログラムの増し杭工法は、「既設道路橋基礎の補強に関する参考資料(H12.2)社団法人日本道路協会」に記述されている考え方を参照し、既設杭と増し杭が負担する荷重を次のように取り扱っています。
・既設死荷重は既設杭のみが負担する。
・補強に伴う増加荷重は既設杭と増し杭で分担する。
・地震力に対して、既設杭と増し杭で分担する。
具体的な取扱いは、製品ヘルプの「計算理論及び照査の方法」−「杭基礎」−「補強設計(増し杭工法)」をご参照いただくことになりますが、例えば、常時,レベル1地震時の安定計算では、
(1)既設死荷重時ケース(No.1)で入力された作用力に対しては、既設杭のみを考慮して計算
(2)No.2以降の荷重ケースについては、No.1の作用力を差し引いた作用力増分に対して、既設杭,増し杭両方を考慮した計算を行い、増し杭については、ここで求めた値を,既設杭についてはここで求めた値に(1)の計算値を加算した値を計算結果
としています。
   
Q1−2−12 杭体の水平荷重は杭1本当りのものか、全幅あたりのものか?
A1−2−12. 杭体の水平荷重の入力は、全幅当たりではなく杭1本当たりの入力となります。
 
Q1−2−13 底版の斜引張鉄筋の必要鉄筋量が手計算と合わない。何か特殊な計算をしているのか。
A1−2−13. 底版許容応力度法照査における斜引張鉄筋の必要鉄筋量は、道示W5.1.3(P.162)の式(5.1.3)により算出される鉄筋量を底版幅で除して単位幅(1m当たり)に直しています。
ただし、許容応力度法照査においては、次の記述が適用されます。手計算にて検証した結果とプログラムの結果が一致しない場合、下記を適切に考慮しているか、今一度ご確認ください。
@道示W(P.163)「なお、式 (5.1.3)で部材断面の有効高dを用いているが、せん断スパンaがd/1.15よりも小さい場合には、せん断ひびわれを横切る斜引張鉄筋量を過大に見積もることのないよう、式(5.1.3)中のd/1.15に代わってaを用いるものとする。」
A道示W(P.231)「常時,暴風時及びレベル1地震時に対する照査においては、式(5.1.3)中のσsaに式(8.7.3)により算出される低減係数Cdsを乗じるものとする。」
 
Q1−2−14 水平変位の制限を緩和する杭基礎の設計とは、具体的にどのような設計法なのか。。
A1−2−14.
水平変位の制限を緩和する杭基礎の設計は、道示および杭基礎設計便覧に規定された設計法で、常時,暴風時及びレベル1地震時の杭基礎の安定性の照査において、地盤抵抗の非線形性を考慮した解析を行う代わりに、許容変位を緩和(杭径の3.5%程度)した設計を行うものです。具体的な設計法は下記をご参照ください。
 
常時,暴風時及びレベル1地震時では、地盤に過大な非線形性が生じないよう許容変位を設けており、設計地盤面における水平変位が許容変位以下となることを照査しますが、条件によっては、基礎の変位を許容変位以下とすると、杭体応力度に著しく余裕が生じバランスを欠く設計となる場合があります。このような場合、橋脚の杭基礎に限り、許容変位を緩和した設計を行うことができます。
 
ここで、地盤抵抗の非線形性を考慮した設計法は、道示と杭基礎設計便覧では異なっており、次のようになります。
1)道示
 道示W12.10.4に規定されるレベル2地震時と同様の考え方により地盤抵抗の非線形性を考慮します。具体的には、水平地盤反力度の上限値pHuを上限とするバイリニア型としてモデル化します。
2)杭基礎設計便覧
 発生変位に応じて水平方向地盤反力係数を補正することにより地盤抵抗の非線形性を考慮する方法で、仮定した変位と発生変位とがほぼ等しくなるまで収束計算を行います。
 
両解析方法の相違につきましては、Q1−2−7も合わせてご参照ください。
 
Q1−2−15 盛りこぼし橋台の常時の検討において、地盤変位荷重を載荷した場合に許容変位に対する照査を行っていないがこれはなぜか。
A1−2−15.
設計要領第二集(NEXCO)(平成19年8月の新旧対照表以降)では、「レベル1地震時の水平変位について、通常荷重による相対変位,および地盤変位荷重を考慮した相対変位は、5章2-2に示す許容変位以下でなければならない。」と記載されており、レベル1地震時に対して許容変位の照査を行うよう規定されています。
 
また、「盛りこぼし橋台の設計・施工に関するQ&A(平成20年7月15日)(独)土木研究所 構造物メンテナンス研究センター 橋梁構造研究グループ/(株)高速道路総合技術研究所 道路研究部 橋梁研究室」では、「通常荷重+地盤変位荷重には、レベル1地震時の地盤変位による杭頭の相対変位に対して照査を行う。常時の地盤変位荷重時に考慮する施工時地盤変位は、長期的には消散する傾向にあるため、水平支持力の照査指標から省かれている。」と記載されています。
 
以上より、常時においては、地盤変位荷重を載荷した状態に対する許容変位の照査は行っておりません。
 
Q1−2−16 斜杭を考慮する場合、斜角の影響はどのように安定計算に考慮しているのか。
A1−2−16.
斜杭の場合、基礎に作用する水平力に対して、杭軸方向の抵抗を考慮した計算が行われます。以下に、杭軸方向の抵抗を考慮した計算方法を説明します。
まず、本プログラムの計算方法を以下に示します。
(1)各杭の杭軸方向バネ定数Kvを算出する
(2)各杭の水平方向地盤反力係数kH分布を算出する
(3)(2)および杭体の曲げ剛性を用いて、各杭の杭軸直角方向バネ定数K1〜K4を算出する
(4)(1)および杭頭座標,斜角を用いて、道示W(解12.7.2)のフーチング下面中心におけるバネマトリックスを作成する
(5)作用力と(4)を用いて、(解12.7.1)により原点変位を算出する
(6)(解12.7.4)により、各杭における杭頭の杭軸方向変位,杭軸直角方向変位を求める
(7)(解12.7.3)により、各杭における杭頭反力を求める
(8)杭1本の弾性床上梁モデルに杭頭の軸直角方向反力および曲げモーメントを載荷し、伝達マトリクス法により各杭の状態量分布(杭体曲げモーメント、せん断力分布等)を求める。
 
各杭ごとに、杭頭における杭軸直角方向のバネ定数K1〜K4を算出します。このとき、斜杭においては、斜角を考慮した実杭長を用いた計算を行うため、直杭とは異なる値となります。しかしながら、この影響は軽微であり、基礎の挙動に与える影響は僅かです。斜杭の影響は、上記(4),(5)に考慮されます。
道示W(P.379〜)の(解12.7.1)(解12.7.2)をご参照ください。
本プログラムでは、(解12.7.1)(解12.7.2)により基礎の原点における水平変位,鉛直変位,回転角を算出しておりますが、例えば、(解12.7.2)の水平方向バネ定数Axxは、
 Axx = K1・cos2θ + Kv・sin2θ
 ここに、
  K1:杭頭部に回転を生じないようにして、杭頭部を杭軸直角方向に単位量だけ変位させるとき、杭頭部に作用させるべき杭軸直角方向力(kN/m)
  θ:杭の斜角で直杭の場合0とする(rad)
  Kv:杭軸方向バネ定数(kN/m)
として求まります。
直杭においてはsinθが0となるためKvは考慮されませんが、斜杭では、Kvを考慮した水平方向バネ定数が求まります。
したがって、杭軸方向力が考慮された計算となります。
Ayy等の他のバネ定数についても同様です。
 
Q1−2−17 1/βが杭長よりも長くなるケースが生じた。このようなケースのとき、プログラムではどのように計算しているのか。
A1−2−17.
道示Wでは、例えば12.6.2(P.375〜)や12.9.1(P.387〜)において、βLeの範囲ごとに半無限長の杭,有限長の杭としての計算方法が記載されています。
しかしながら、道示の考え方は、水平地盤反力係数が深さによらず一定(杭頭から杭先端までの地盤抵抗が一様)と仮定した場合の計算方法で、多層地盤には適用できません。また、場所打ち杭の鉄筋の段落としを行った場合や鋼管杭の板厚を変化させた場合、杭体に任意荷重を載荷するケース等にも対応できません。
このため、本プログラムでは、βLeに関わりなく常に弾性床上はりの微分方程式を用いて解析しており、常に杭先端条件および多層地盤を考慮した厳密な計算を行っています。
具体的には、杭基礎設計便覧(P.357)の「弾性床上の梁部材の剛性マトリクスを用いた計算法」のように、部材ごとに、部材端力と部材端変位との関係を表すマトリクスを組み、これを解いて杭基礎の挙動を解析しています。(ただし、製品ヘルプの「Q&A」-「2.解析方法、設計の基本的な考え方」-「Q2-2」のように伝達マトリクス法を採用しています。)
計算上、杭としての特性値βは用いていないことから、本ケースのように1/βが杭長より大きくなるか否かにかかわらず計算を行っています。
1/βが杭の軸直角方向の抵抗に関与する(支配的となる)地盤の範囲と考えれば、杭頭から杭先端までの全ての層の地盤抵抗を厳密に評価した計算を行っている本プログラムの計算結果をそのまま採用してもよいのではないかと考えられますが、最終的には設計者のご判断としてください。
 
なお、伝達マトリクス法を用いた本プログラムの計算方法の詳細につきましては、製品ヘルプの「計算理論及び照査の方法」−「杭基礎」−「安定計算および杭体断面力の計算」をご参照ください。
 
Q1−2−18 せん断耐力の割増係数Cdcを線形補間により求めているが、線形補間ではなく道示W表-8.7.1のいずれかの値を選択すべきではないのか。
A1−2−18.
道示W(P.230〜)に示される割増係数Cdcに関する記述を参照すると、Ce,Cptとは異なり、線形補間により求めてよいと記載されているわけではありません。ただし、本プログラムでは、下記の理由により、線形補間により求めています。
はりと見なせる部材において、せん断スパン比(a/d)がある程度小さくなると、アーチ効果が卓越する耐荷機構となるため、斜めひび割れが形成されても直ちには破壊に至らず、せん断耐力が増加していると見なすことができるようになります。
このアーチ効果によるせん断耐力の増加は、せん断スパン比が2.5に近づくあたりから徐々に影響しはじめ、二次曲線的に増加します。
表-8.7.1は、このように発揮されるアーチ効果に関する様々な載荷実験結果を整理し、二次曲線的な増加をプロットして記載したものと考えられます。
よって、本来であれば、道示W表-8.7.1の各値の間については二次曲線的な増加を考慮するのがよいのかもしれませんが、実務上は線形補間を適用すればよいと思われます。

1−3.地層、土質定数

Q1−3−1.

地盤種別はどのように取り扱っているのか。
A1−3−1. 地盤種別は、
・設計水平震度
・液状化の判定および液状化による土質定数の低減係数DE
に影響しますが、本プログラムでは、設計に用いる設計水平震度を直接入力していただくようにしているため、地盤種別が影響するのは土質定数の低減係数DEの算定のみとなります。


ここで、本プログラムでは、「地層」−「計算条件」画面の「液状化の判定を行う」をチェックし、同画面で「地盤種別」を「内部計算」とした場合に地盤種別を計算しており、この値を用いて低減係数DEを計算しています。
なお、この地盤種別は、同画面の「低減係数」タブの[液状化の詳細出力]ボタンより表示される計算書(「2章 液状化の判定」−「地盤条件と地盤定数の設定」)により、計算過程の詳細を確認することが可能です。
また、「液状化の判定を行う」をチェックしていない場合、地盤種別は計算に用いません。よって、「地層」−「低減係数」画面で直接選択していただくようにしています。(出力のみに用います。)

なお、、「橋脚の設計」や「橋台の設計」等との連動時、これらの製品の「初期入力」画面で基礎側の地盤種別を連動するよう設定した場合、次のように連動しています。
■内部計算
「地層」画面の「液状化の判定を行う」をチェックし、「地盤種別」を「内部計算」とした場合、内部計算された地盤種別が連動されます。
■直接入力
「液状化の判定を行う」のチェックを外した場合、地盤種別は内部計算されません。よって、「低減係数」タブの「地盤種別」により直接設定された地盤種別が連動されます。「液状化の判定を行う」をチェックした状態で、同画面の「地盤種別」を「直接指定」とした場合も同様です。
    
Q1−3−2. 杭基礎の設計の耐震設計上の地盤面で、取り扱いをBとした場合 「耐震設計上の地盤面より上のDE(レベル2)>0.0の地層には、DE(レベル2)値に応じた地盤抵抗(水平方向地盤反力係数,水平地盤反力度の上限値)を考慮します。」となっているが道路橋示方書には特に明記されている文面が見当たらない。
A1−3−2. 道示X4.6(P.27〜)では、橋台基礎においては耐震設計上の地盤面より上の地盤の水平抵抗は無視するのがよいと記述されておりますが、橋脚基礎においては、耐震設計上の地盤面より上の土層の取扱いについて明示されていません。
よって、本プログラムでは、地盤抵抗の取扱いについて、橋台基礎/橋脚基礎の区別は行っておらず、設定されたDE値に応じた地盤抵抗を考慮しており、考慮されない場合は、耐震設計上の地盤面より上の地層のDEに0.000と入力していただくことにより、考慮する場合,しない場合いずれにも対応できるようにしています。

耐震設計上の地盤面より上の地盤抵抗を考慮するか否かにつきましては、設計者の方のご判断により決定していただき、地盤抵抗を考慮しない場合、杭前面地盤については「地層」−「低減係数」画面の『DE(レベル2)』,底版前面水平抵抗については「底版前面水平抵抗」画面の『低減係数DE(レベル2)』に0.000と設定ください。
    
Q1−3−3. 入力した地層数と出力された地層数が異なる。
A1−3−3. 「地層」画面上の[ヘルプ]ボタンから開く説明画面の「■低減係数」に記載しておりますように、「計算条件」ページで『液状化の判定を行う』がチェックされたとき、以下の深さで地層を分割しています。

(1)現地盤面から3.0mをまたぐ粘性土層があり、その層の一軸圧縮強度が20(kN/m2)以下の場合には、3.0mで分割。
(2)現地盤面から10.0mをまたぐ層がある場合は10.0mで分割。
(3)現地盤面から20.0mをまたぐ層がある場合は20.0mで分割。

(1)は道示X(H.14.3)8.2.2(P.120)によります。
(3)は8.2.3(P.121〜)により、判定対象を現地盤面から20m以内とするため
(2)は表−8.2.1(P.125)により、10m以下と10mを超える範囲とで動的せん断強度比Rを使い分けるために行っています。
    
Q1−3−4. 「土質」を変更後、「φの計算」を実行してもφの計算が行われない
A1−3−4. おそらく、平均N値に5以下が入力されていると思われます。
本プログラムの土のせん断抵抗角φの自動計算は、道示W参考資料「8.標準貫入試験のN値から砂のせん断抵抗角φを推定する場合の参考式(案)」(P.564〜)を参照し計算を行っております。
上記道示には、「本提案式は、式(参8.1)に示すようにN>5の範囲で適用するものとする。」と記載されております。
そのため、平均N値がN≦5の場合、砂質土/粘性土ともにφの計算は行っておりません。
    
Q1−3−5. 計算書の「地層データ」の項にある「f」「fn」とは?
A1−3−5. いずれも杭周面に働く最大周面摩擦力度を表しており、「f」は杭の支持力の算定に、「fn」は道示W12.4.3(P.364〜)の負の周面摩擦力の検討に用いています。
推定方法はどちらも同じですが、負の周面摩擦力の検討に用いる「fn」は、N値から推定するとき、N値が2以下の軟弱層においても推定値を適用します。
支持力算定用,負の周面摩擦力の検討用で異なる値となることがあるため、それぞれを算出,出力しております。
なお、負の周面摩擦力の検討を行わない場合、「fn」は計算に用いません。
    
Q1−3−6. 盛土地盤のせん断弾性波速度Vsdは、レベル1地震時のVsとは異なるのか。
A1−3−6. Vsd は、「設計要領第二集 4章基礎構造 NEXCO(平成18年4月)」(P.4-56)の「微小ひずみレベルでの盛土地盤のせん断弾性波速度Vsd」を示しておりますが、設計要領第二集では、具体的な算定方法が示されておりません。道示X(P.57)により算出してもよいのではないかと考えられますが、設計要領第二集に明示されていないことから、本プログラムでは、設計者の方のご判断で入力していただく仕様としております。おそれいりますが、最終的には設計者ご自身により算定し入力してくださいますようお願いいたします。

なお、レベル1地震時に用いるせん断弾性波速度Vsは、道示X(P.26)(解4.5.1)より、
 N = Ek/700
 Vs = 80・N^1/3  (^はべき乗を示しています。)
として算出しております。
    
Q1−3−7. 2方向傾斜時の杭基礎の照査を行うことは可能か?
A1−3−7. 本プログラムでは、地層傾斜を考慮できるのは1方向のみとしており、2方向に傾斜したケースの入力,計算を行うことはできません。

ただし、本プログラムでは、杭1本ごとに杭長を変化させることが可能です。また、杭位置の層厚を変更し、変更した層厚を用いて地盤反力係数,許容支持力等を算出することが可能です。
これより、以下の入力を行うことにより、2方向に地層傾斜した場合と等価な計算とすることが可能です。
なお、杭1本に対して背面側と前面側の層厚は同一として計算します。

(1)「地層」画面にて、どちらか1方向にのみ傾斜した地層を入力します。
(2)「計算条件」−「入力条件」画面で「層厚=直接入力」とします。
(3)「杭配置」−「基本条件」画面で『杭径・杭長の変化=あり』とし、「データ」画面で杭ごとに杭長を入力します。
(4) 「予備計算・結果確認」−「層厚」画面で、各杭の層厚を、別途算出した2方向傾斜を考慮した層厚となるよう調整します。このとき、層厚の合計が杭長と一致するように入力してください。全杭入力後、「k値」,「許容支持力」画面の[計算]ボタンにより、入力した層厚に応じたk値,許容支持力を計算します。
 ※層厚の指定は、杭の条件(杭径,厚さ,杭長等)が等しい杭を同一タイプとし、同一タイプごとに指定します。杭の条件が同一の杭に対して、異なった層厚を指定する場合、「杭配置」画面で異なる杭長(1(cm)程度の差)を入力してください。

操作方法につきましては、入力画面上の[ヘルプ]ボタンから開く説明画面をご参照ください。
    
Q1−3−8. 現地盤面,設計地盤面および地盤面の違い
A1−3−8. ■現地盤面について
地層データの第1層上面の標高としています。地表面の標高を入力してください。

■設計地盤面について
常時,地震時における設計上の地盤面としており、設計地盤面より上の杭前面の地盤抵抗は考慮しないようにしています。

■地盤面
地震時データは、「レベル2地震時照査」−「地盤データ」で『上載荷重算出用の上載土圧の指定=地盤面(地震時)』が選択されたとき、上載荷重として、地盤面(地震時)から基礎天端までの土の重量を算出する際に用いています。
なお、杭基礎の場合、常時データは計算に使用していませんが、現地盤面標高以深となるように入力してくださいますようお願いいたします。
(※道示モデルの水平変位の制限を緩和する杭基礎の設計の場合は、検討ケースに応じて、地盤面(常時),地盤面(地震時)を使用しています。)
    
Q1−3−9. 流動化時の許容変位が基礎の降伏に達するときの水平変位の2倍としている根拠
A1−3−9. 道示X8.3.1(P.127〜)をご確認下さい。
こちらの記載より、流動化時の許容変位は、基礎の降伏に達する時の水平変位の2倍としております。
    
Q1−3−10. 「地層」−「土質一覧」−「土質データA」画面の[φの計算]ボタンよる計算方法は?
A1−3−10 「地層」−「土質一覧」−「土質データA」画面の[φの計算]ボタンよる計算は、道示W参考資料「8.標準貫入試験のN値から砂のせん断抵抗角φを推定する場合の参考式(案)」(P.564〜)を参照し作成しております。
その際、σv’算出用の地表面からの深さxは、層下端ではなく層中心での深さとしております。
    
Q1−3−11. 地盤種別はどのように取り扱っているのか。
A1−3−11 地盤種別は、
・設計水平震度
・液状化の判定および液状化による土質定数の低減係数DE
に影響しますが、本プログラムでは、設計に用いる設計水平震度を直接入力していただくようにしているため、地盤種別が影響するのは土質定数の低減係数DEの算定のみとなります。
したがって、本プログラムでは、「地層」−「計算条件」画面の「液状化の判定を行う」をチェックし、同画面で「地盤種別」を「内部計算」とした場合のみ内部計算しており、この値を用いてDEの算定を行います。
計算された地盤種別は、同画面の「低減係数」タブの[液状化の詳細出力]ボタンより表示される計算書(「2章 液状化の判定」−「地盤条件と地盤定数の設定」)にて確認することが可能です。

ここで、「橋脚の設計」や「橋台の設計」等との連動時、これらの製品の「初期入力」画面で基礎側の地盤種別を連動するよう設定した場合、
@内部計算
前述の「地層」画面の「液状化の判定を行う」をチェックし、「地盤種別」を「内部計算」とした場合、内部計算された地盤種別を連動する。
A直接入力
「液状化の判定を行う」のチェックを外した場合、地盤種別は内部計算されない。よって、同画面の「低減係数」タブの「地盤種別」により直接選択された地盤種別を連動する。「液状化の判定を行う」をチェックした状態で、同画面の「地盤種別」を「直接指定」とした場合も同様。
としています。
    
Q1−3−12. 杭種や工法によっては、支持層を粘性土層にすると警告が表示される。回避する方法はあるか。
----------------------
警告:[20604]
粘性土層に支持層が設定されています。
極限支持力qdは砂層として算出します。
----------------------
A1−3−12
本プログラムでは、中掘り工法(セメントミルク噴出撹拌方式),プレボーリング杭工法,鋼管ソイルセメント杭工法,回転杭工法における支持層を粘性土層とした場合、警告を表示し、砂質土層として算出しています。
 
道示の杭先端の極限支持力の算定は、下部構造編(P.357〜)に記載されていますが、中掘り工法(セメントミルク)では、「砂質系地盤のみに適用」と規定されています。また、プレボーリング工法や鋼管ソイルセメント杭工法では、砂層,砂れき層に対する極限支持力度の推定方法しか明示されておりません。回転杭工法は、「杭基礎設計便覧(平成19年1月)」(P.436〜)を参照していますが、同様に、砂層,砂れき層に対してのみ推定方法が明示されており、粘性土層を支持層とする場合の推定方法は示されていません。
 
このように、上記の工法においては、粘性土層における推定方法が明示されていない、あるいは粘性土層を支持層とすることを原則禁止するといった規定があることから、現行では、警告を表示し、砂質土層として算出しています。
    
Q1−3−13. 土の飽和重量を湿潤重量+1とすることが多いが、これはなぜか。
A1−3−13
湿潤土は、土粒子,水,間隙により構成されており、それぞれの体積をVs,Vw,Va、単位体積重量をγs,γw,γa(=0.0)とすると、湿潤土の単位体積重量は
 γt = (Vs・γs+Vw・γw+Va・γa)/(Vs+Vw+Va)
により表すことができます。
一方、飽和土は、上記間隙がすべて水で満たされた状態で、単位体積重量は
 γsat = {Vs・γs+(Vw+Va)・γw}/(Vs+Vw+Va)
となります。したがって、γt≦γsatの関係になります。
 
ここで、道示W2.2.6(P.41)では、(注)(1)において、
 γ’ = γt - 9
としてよいと記載されています。(※γ’は水中重量)
飽和重量γsatは、
 γ’ = γsat−γw
 γsat = γ’+γw
の関係にあることから、γwを10(kN/m3)とすると、前述の道示の(注)(1)より、
 γsat = (γt - 9)+10
     = γt+1(kN/m3)
となります。
 
詳しくは、土質力学の文献・参考書等を参照して下さい。

1−4.支持力、周面摩擦力

Q1−4−1.

最大周面摩擦力度の算定に用いる係数を変更したい。
A1−4−1. 最大周面摩擦力度の算定に用いる係数は、「基準値」−「その他」−「許容支持力算定条件」画面の『最大周面摩擦力度』により変更することが可能です。
    
Q1−4−2. 道示W12.4.1 γ:極限支持力推定法の相違による安全率の補正係数を変更したい。
A1−4−2. 極限支持力推定法の相違による安全率の補正係数γは1.0固定としており、任意な補正係数γの入力はできません。ご了承ください。
「基準値」−「杭基礎」−「許容支持力安全率」画面において、安全率nを逆算して入力する方法も考えられますが、本入力は小数点以下の入力桁数を1桁としており、誤差が大きく、この方法を用いることができないのではないかと考えられます。
以上より、任意な補正係数γを用いて算出する場合は、「計算条件」−「入力条件」画面で『極限支持力・引抜力=直接入力』と設定し、「予備計算・結果確認」−「許容支持力」画面に別途算出された許容支持力,引抜力を直接入力することによりご対処くださいますようお願いいたします。
    
Q1−4−3. 中立点は何を入力すればいいのですか?
A1−4−3. 中立点は、画面上の[ヘルプ]に記載しておりますように道示Wの12.4.3負の周面摩擦力に対する検討に用いており、P.365の中立点位置を標高で入力していただくようにしております。
なお、「計算条件」−「設計条件」−「その他の条件」画面で『負の周面摩擦力=検討しない』が指定されたとき、中立点は計算に影響を与えません。(計算に用いません。)
負の周面摩擦力に対する検討が必要な場合、ご検討の設計条件に応じた値を入力してください。
    
Q1−4−4. 「計算条件」−「設計条件」−「その他の条件」画面の『群杭としての許容支持力照査』が選択できないのはなぜか?
A1−4−4. 本スイッチは、道示W12.4.4(P.369〜)を参照し対応したもので、本項の解説「杭中心間隔がある程度より密になると杭と杭間の土塊が一体となって、あたかも1基のケーソン基礎としての挙動を示すようになる」とあるように、杭および杭間の地盤の相互作用による群杭効果を考慮し、一体として挙動すると考えられる範囲をケーソン基礎とみなし、ケーソン基礎としての支持力照査を行います。
一体として挙動すると考えられる範囲を仮想ケーソンとみなして照査することから、全杭の杭径,杭長が同一で、地層傾斜がない場合に適用可能です。

そのため、地層傾斜あり及び杭径・杭長変化ありのときは選択できません。また、増し杭工法および盛りこぼし橋台時も選択できません。
    
Q1−4−5. 増し杭の許容支持力の計算で周面摩擦力が 0 になっているのはなぜか?
A1−4−5. 本プログラムの最大周面摩擦力度fは、「地層」−「土質一覧」−「土質データA」画面で設定,入力された値を計算時に用いております。
おそらく、上記画面下部の「周面摩擦力:増し杭」が『入力』となっており、周面摩擦力度が0.0(kN/m2)が設定されていないでしょうか。
こちらに該当する場合、上記の選択を該当する工法に変更するか、周面摩擦力度を直接入力してください。
    
Q1−4−6. 許容支持力の計算時に杭で置き換えられる部分の土の有効重量を考慮しない方法は?
A1−4−6. 「計算条件」−「設計条件」−「支持力・引抜力」画面の「支持力の杭の有効重量」にて設定下さい。
本スイッチは、「考慮」を
 Ra = (γ/n)・(Ru - Ws) + Ws - W
としたとき、
 「無視」  :W = 0.0,Ws>0.0
 「簡易式」:W = Ws = 0.0
とします。

ただし、W>0.0,Ws = 0.0としたいということでしたら、現行では、この考え方のスイッチは用意しておりません。
この場合、下記手順にてご対処ください。


1)「計算条件」−「入力条件」画面で「許容支持力・引抜き力=直接入力」と設定する。
2)「予備計算・結果確認」−「許容支持力」画面の[計算]ボタンにより一度算出する。
3)計算書の「予備計算」−「許容支持力・引抜力の計算」を参照し、ご検討の許容支持力を別途算出する。
4)「予備計算・結果確認」−「許容支持力」画面において、別途算出された許容支持力を直接入力する。

これにより、入力された許容支持力を用いて安定計算が行われます。
ただし、計算書の「予備計算」は、詳細な計算過程を出力することを目的としておりますが、設計者の方が別途算出された値を入力したとしても、この入力値から逆算して計算過程を出力することはできませんので、常にプログラム内部の計算値を出力します。よって、入力値に対する出力書式とはなりません。
    
Q1−4−7. 群杭としての許容支持力照査を行うとき、入力する必要があるのはどのデータか。また、支持力係数はどこで指定するのか?
A1−4−7. 群杭の影響を考慮した常時,暴風時,レベル1地震時の支持力照査は、道示W12.4.4(P.369〜)を参照し対応したものです。

本照査を行う場合、仮想ケーソン基礎底面地盤の極限支持力度,支持力係数および群杭としての周面摩擦力度の算出用として、
・「地層」−「土質一覧」−「土質データA」画面
 せん断抵抗力度τ
・「地層」−「土質一覧」−「土質データB」画面の『底面地盤の土質データ』
 基礎底面地盤の単位重量γ
 基礎底面地盤の粘着力c
 基礎底面地盤のせん断抵抗角φ
の入力が必要となります。上記の入力の他は、通常の安定計算の検討に用いる入力を用います。

なお、支持力係数はプログラム内部で自動算出しておりますが、計算実行後、「計算・結果確認」−「安定計算」−「群杭」画面下部のスイッチをチェックすることにより、任意の係数を直接指定することも可能です。
    
Q1−4−8. 群杭としての許容支持力照査の結果はどこで確認することができるのか。
A1−4−8. 群杭としての許容支持力照査を「検討する」とした場合、安定計算とは別に群杭としての照査を行い、計算書の「安定計算」−「群杭としての軸方向押込み力に対する検討」に検討結果を出力しております。

なお、お問合せが、常時,暴風時及びレベル1地震時の安定計算に用いる許容支持力として、群杭としての許容支持力を用いるべきとお考えでしたら、申し訳ございませんが、お考えの照査は行っておりません。

道示W12.3(P.352)では、「杭の軸方向支持力,水平地盤反力係数等を単杭の場合より低減して考える必要があるが・・・(中略)・・・この場合には群杭の影響について、12.4.4の規定により十分に検討する必要がある。」と記載されております。
群杭の影響について、別途十分に検討する必要があると記載されておりますが、12.4.1,12.4.2に示される許容支持力を低減して考えなければならないとの記述はなく、よって、本プログラムでは、群杭としての許容支持力照査は安定計算とは切り離して照査しております。

なお、本プログラムでは、「計算条件」−「入力条件」画面で「許容支持力・引抜き力=直接入力」と設定することにより、「予備計算・結果確認」−「許容支持力」画面にて許容支持力を直接入力することができます。
おそれいりますが、最終的には設計者の方がお考えの許容支持力を直接入力しご検討くださいますようお願いいたします。
    
Q1−4−9. 郡杭とした場合、仮想ケーソンとして照査しますが、根入れ(DF)を指定することはできますか?
A1−4−9. ヘルプの「計算理論及び照査の方法」−「杭基礎」−「許容支持力と許容引抜力」の『(6)群杭としての許容支持力照査』に記載しておりますように、基礎の有効根入れ深さは、「地層」画面で入力された『地盤面(常時)』から杭先端までの深さとしており、任意の長さを入力することはできません。
    
Q1−4−10. 杭の許容支持力算出のためのW(杭及び杭内部の土の有効重量)を算出したいが、杭重量しか算出されない
杭内部の土の有効重量は含まれないのか?
A1−4−10. 許容支持力算出における杭および杭内部の土砂の有効重量W(kN)は、『土砂の有効重量』の計算方法が明確にされておりませんので『杭自重』のみを求めております。

参考に、ヘルプの「概要」−「プログラムの機能概要」−「適用基準および参考文献」に記載している『杭・ケーソン・鋼管矢板および地中連続壁基礎の設計計算例(2000年2月)山海堂』に鋼管杭とPHC杭の設計例が記述されていますが、鋼管杭ではWは考慮せず、PHC杭ではWは杭自重として算出しています。
    
Q1−4−11. 「計算・結果確認」画面の「総括表」および「安定計算」において、許容支持力Ra,許容引抜力Paが「──」となり計算値が表示されない
A1−4−11. 本プログラムは、Ver.7.02.00において、「作用力」−「荷重ケースごとの設定」画面の「安定照査をする」の設定により、荷重ケースごとに基礎の安定性の照査を行うか否かを指定できるよう拡張いたしました。
上記画面において、「安定照査をする」にチェックがない場合、安定照査は行っておらず、安定照査を行わないケースのRa,Pa,δaには『──』を表示しています。
安定照査を行う場合は、上記画面にて設定下さい。
    
Q1−4−12. 摩擦杭、としても支持杭の安全率で計算されている
A1−4−12. 「計算条件」−「設計条件」−「支持力・引抜力」画面の『摩擦杭で根入れ長が杭径の25倍(杭径1m以上は25m)以上あるとき、支持杭の安全率を用いる』が チェックされている場合、道示W12.4.1(P.354)の「3)支持杭と同一の安全率を適用できる摩擦杭の条件」の「A杭の根入れ長が杭径の25倍 (杭径1m以上の杭については25m)程度以上あること」より、支持杭の安全率を用いて算出いたします。

こちらにチェックされていないかご確認をお願いします。
    
Q1−4−13. 杭の許容支持力の計算で、γ:極限支持力推定法による安全率の補正係数を変更したい
A1−4−13. 「基準値」−「杭基礎」−「許容支持力安全率」画面において、『安全率の補正係数γ』を変更していただきますようお願いいたします。

なお、本機能は、「杭基礎の設計 Ver.7.05.00」で対応したため、それ以前のバージョンではγ=1.0固定としており、変更することはできません。
よって、γ=1.0以外で設計したい場合は、 最新版をご利用くださいますようお願いいたします。
    
Q1−4−14. 杭の軸方向許容押込み支持力,許容引抜き支持力の算出において、周面摩擦力を無視する方法は?
A1−4−14. 本プログラムでは、任意の層(あるいは全層)の周面摩擦力を無視した計算を行う機能は用意しておりません。よって、周面摩擦力を無視するスイッチ等は用意しておりません。
ただし、許容支持力の算出に用いる周面摩擦力は、「地層」−「土質一覧」−「土質データA」の「f」の欄にて直接入力することができます。よって、本画面で周面摩擦力を考慮しない層の「f」の欄を0とすることにより、周面摩擦力を無視した検討が可能です。(※「f」を入力する場合、表の下部の「周面摩擦力」の選択を「入力」としてください。)
許容支持力の計算過程につきましては、計算書の「予備計算」−「許容支持力・引抜力の計算」に詳しく出力しています。上記の設定を行った場合、周面摩擦力が想定した状態となっているか、必ずご確認ください。

なお、ご検討のケースが突出杭(設計地盤面が杭頭より下に位置する)であり、杭頭から設計地盤面の範囲の周面摩擦力を考慮したくないということであれば、「計算条件」−「設計条件」−「支持力・引抜力」画面の「設計地盤面より上の周面摩擦力」を「無視」としてください。これにより、設計地盤面より上の周面摩擦力を無視した計算が行われます。詳しくは、入力画面上の[ヘルプ]より開く説明をご参照ください。
    
Q1−4−15. 道示W12.4.4(P.372)の群杭の補正係数μを考慮したい
A1−4−15. 群杭の補正係数μは、「計算条件」−「設計条件」−「k値・Kv値」画面に入力を設けております。
本画面にて方向ごとの補正係数を入力してください。
    
Q1−4−16. SL杭を選択したとき、常時,レベル1地震時の許容支持力を低減していないのはなぜか。
A1−4−16. 本プログラムのSL杭の検討は、杭基礎設計便覧(H19.1)(P.430)「8.SL杭の設計計算例」を参照し作成したものです。
本文献では、「SL杭は、杭に作用する負の周面摩擦力を低減するために、杭表面にすべり層材料を塗布したものである。」のように、ネガティブフリクション対策杭を対象としています。
また、
・圧密沈下のように荷重の作用が遅い動きに対しては粘性体となり、せん断抵抗が小さくなって、負の周面摩擦力の低減が可能となる。
・荷重が瞬間的に作用する場合には弾性体となり、大きなせん断抵抗が働く。
のように、圧密沈下のように除々に作用する荷重に対してのみ周面摩擦力を減じることができる杭とあります。
本プログラムでは、上記の考え方を参照し、通常の地震時等の照査では、施工工法に応じた支持力を発揮するものと考えています。

ただし、この考え方は杭基礎設計便覧によるものです。
メーカ様の仕様によっては、常時や地震時において、通常の周面摩擦抵抗を期待できない可能性もあります。
よって、ご使用のパイルメーカ様の仕様をご確認いただき、常時や地震時においても周面摩擦力を低減する必要があるのであれば、「計算条件」−「入力条件」画面で「許容支持力・引抜力=直接入力」とした上で、「予備計算・結果確認」−「許容支持力」画面において、別途算出された許容支持力を直接入力してご検討ください。


1−5.地盤反力係数、杭軸方向のバネ定数

Q1−5−1.

任意の杭のバネ値を低減させて計算する方法はあるのか。
A1−5−1. 水平方向地盤反力係数は、「計算条件」−「入力条件」画面で「直接入力」としているとき、
@常時,レベル1地震時
 「予備計算・結果確認」−「k値」画面
Aレベル2地震時
 「地盤データ」−「水平方向地盤反力係数」画面
にて入力することが可能です。

ただし、本プログラムでは、杭の条件(杭径、厚さ、杭長、斜角、先端バネ、地層、断面2次モーメント)が等しい杭を同一タイプとし、各杭をタイプ分けして杭タイプ番号を割り振り、この杭タイプごとにバネ値の設定を可能としています。
よって、バネ値を変更したい杭を別タイプと判断されるよう設定することにより、この杭に対する修正を行うことが可能となります。
具体的には、次のように設定します。
1)「杭配置」−「基本条件」画面で『杭径・杭長の変化=あり』と設定します。
2)変更したい杭の杭長を僅かに(0.01(m)程度)変更します。
3)上記@,Aの画面にてバネ値を設定します。
    
Q1−5−2. 群杭による低減係数を指定することはできるか。
A1−5−2. 本プログラムでは、道示W 12.4.4(2)(P.372)に示される、群杭効果による水平方向地盤反力係数の低減を考慮した安定計算に対応できるよう、「計算条件」−「設計条件」−「k値・Kv値」画面に『k値の補正係数μ』の入力を設けており、入力された補正係数μを水平方向地盤反力係数に直接乗じて安定計算を行います。
ただし、杭中心間隔L,杭径Dからμを求めることはできません。別途算出された方向ごとの補正係数μを直接入力してください。

1−6.杭配置

Q1−6−1.

「杭縁端距離に誤りが有ります」という警告で「強行」しても問題ないか?
A1−6−1. 杭縁端距離のデータチェックは、杭径・杭長変化あり/なしで下記のように異なります。

■杭径・杭長変化なし、且つ、地層傾斜なし
 「杭配置」−「寸法」画面で入力された『杭縁端距離』を用いてチェックを行っております。

■杭径・杭長変化あり、または、地層傾斜あり
 全杭同一の杭径にならないケースがありますので、杭径・杭長変化なしのように『杭縁端距離』ではチェックせず、杭頭座標を用い道示W図-解12.3.1(P.352)より杭1本ごとにチェックを行っております。
 上記道示には場所打ち杭の縁端距離は1.0Dと記載されておりますが、お送りいただいたデータの場合、1.0D=1.2(m)に対して杭縁端距離=0.85(m)(=底版幅/2−最外縁杭座標)となりますので、お問合せのメッセージを表示しております。

なお、本プログラムの杭基礎の計算は、道示W12.7(P.378〜)に記述されている変位法により照査しており、杭1本ごとに着目し、各杭の中心軸にてモデル化し計算しております。
杭ごとの相互作用は考慮しておらず、たとえ杭が重なっていたとしても計算することが可能ですが、十分な杭中心間隔を有しないケースにおける計算結果の適用の是非につきましては、設計者の方のご判断により決定していただくようにしており、「杭配置」画面にて警告のみ表示し、[強行]により計算可能としております。
    
Q1−6−2. 盛りこぼし橋台において、盛土のN値の入力がないが、どのように取り扱っているのか?
A1−6−2. 盛りこぼし橋台の設計において、盛土部のN値は、地盤の変形係数Ekより自動設定しています。このため、任意の値を入力することはできません。
これは、「設計要領第二集 4章基礎構造(平成18年4月)NEXCO」(P4-52)の記述、「良質な材料で十分な締固め施工を行うことを前提に、N≒15程度の地盤が造成されることを想定して、・・・Ek≒700N≒10000(kN/m2)程度としてよい。」を参照し、盛土部の土質データの入力を、N値ではなく地盤の変形係数Ekの入力とし、
 N=Ek/700
として算出した値を用いていることによります。ご了承ください。
    
Q1−6−3. 「橋台の設計」と連動して増し杭工法による補強設計を行うとき、「橋台の設計」側の計算書の「安定計算」−「作用力の集計」−「(2)フーチング中心での作用力の集計」で出力している作用力の値と、「基礎の設計計算,杭基礎の設計」側に連動されている作用力の値が異なるのはなぜか。
A1−6−3. 「基礎の設計計算,杭基礎の設計」では、増し杭工法時のとき、既設底版下面中心を杭頭座標の原点位置(X=0.000,Y=0.000)としており、この位置における作用力を集計し、この位置における結果(原点変位)を算出しております。
これに対し、「橋台の設計」で出力している作用力は、増設後の底版下面中心における作用力となります。
作用力の集計位置が異なることから、両者の作用力には相違が生じており、具体的には、鉛直力によるモーメント(=偏心量×鉛直力)分の相違が生じます。
    
Q1−6−4. プレロードを行うケースと行わないケースで結果がほとんど同じである
A1−6−4. プレロードを行う/行わないは、地盤変位荷重載荷時のみに影響します。
地盤変位荷重載荷時は、
・プレロードを行う場合:地盤変位による水平荷重を考慮
・プレロードを行わない場合:地盤変位による水平荷重と施工時地盤変位による水平荷重の1/2を考慮
となります。

なお、施工時地盤変位による水平荷重が小さい場合、プレロードを行う/行わないの結果は近い値になる場合があります。
また、両者の杭体が塑性化した場合、「計算・結果確認」−「レベル2地震時計算」−「一覧表」画面で表示される曲げモーメントは殆ど同じ値になります。
    
Q1−6−5. 「地層最深≦設計杭長になっています。」という警告にはどのように対処したらよいか。
A1−6−5. 本警告は、杭先端が入力された地層データの最下端より深くなっている場合に表示されます。
以下の手順により、正しくデータが設定されているかご確認ください。

1)「地層」−「地層線」画面を開き、画面下部の「入力方法」を『標高入力』にします。
2)最下層の標高を確認します。
3)「杭配置」−「基礎天端」画面の『基礎天端標高』を確認します。
4)3)の『基礎天端標高』と「杭配置」−「データ」画面の『設計杭長』から杭先端の標高を算出します。
5)上記2)の最下層の標高と、4)の杭先端標高を比較し、杭先端が層下端以深となっていないか確認し、層下端以深となっているのであればデータの修正を行います。

なお、地層傾斜を考慮する場合、または杭長の異なる杭が混在している場合、それぞれの杭について確認する必要があります。
    
Q1−6−6. 「杭配置」画面の「充填範囲」とは何か。
A1−6−6. 充填範囲とは、既製杭(PHC杭,PC杭,RC杭)において、道示W図−解12.9.9に示される杭内部に充填されるコンクリートの範囲を示しています。通常、2.5D(D:杭外径)以上の範囲に充填されます。
な お、本入力は、杭体のM−φ関係の算出に反映させており、道示W(P.410)に記載されておりますように、中詰めコンクリート充填部においては道示X耐 震設計編10.4、一般部(杭の内部にコンクリートが充填されていない区間)においては道示Vコンクリート橋編4.2.4を適用しています。
    
Q1−6−7. 場所打ち杭の時、「杭配置」画面の『断面の変化』と「断面計算」−「使用鉄筋」画面」の『断面数』の入力があるが、どちらの入力が適用されるのか
A1−6−7. 「杭配置」画面上の[ヘルプ]に記載しておりますように、場所打ち杭のときは、「杭配置」画面の『断面の変化』スイッチは無効となり、「断面計算」画面の断面数が有効となります。
ただし、全杭同一条件以外(地層傾斜あり,杭径・杭長変化あり,斜杭あり)の場合、且つ、「計算条件」−「設計条件」−「応力度照査」画面で『地層傾斜,杭径・杭長変化,斜杭あり時の杭体応力度計算方法=杭および断面を指定して計算』のときは、「杭配置」画面で設定した『断面の変化』が有効となります。

    
Q1−6−8. 斜杭の杭長は、斜角を考慮した長さを入力するのか。斜角を考慮した実杭長が既知のときはどのように入力するのか。
A1−6−8. 本プログラムの杭長の入力は、斜杭であっても、斜角を考慮しない鉛直方向での杭長を設定していただく仕様としており、安定計算,杭体断面力の算出時、斜角を考慮した杭長をプログラム内部で算出しています。杭長の入力は斜角によらず一定となることから、斜角を変更しても杭長を修正する必要はありません。
ただし、場合によっては、斜角を考慮した実杭長が既知の場合もあると考えられます。しかしながら、本プログラムでは、このようなケースを想定しておりません。よって、このような場合、鉛直方向での杭長を逆算(=実杭長/cosθ)して求め、この長さを入力してください。
    
Q1−6−9. H形鋼杭の腐食代を考慮した計算は可能か。
A1−6−9. 本プログラムのH形鋼杭は、「基準値」−「杭基礎」−「杭体データ」−「H形鋼杭」画面に日本工業規格の『JIS A 5526』の諸元を初期設定しており、初期状態においては、本諸元を用いるようにしています。この場合、錆代を考慮しない断面諸量が適用されます。
ただし、本プログラムでは、「杭配置」−「錆代・変位量」画面の「断面諸量を計算する」をチェックすることにより、プログラム内部にて断面諸量を算出することが可能です。この場合、錆代を設定すると、これを考慮した断面諸量が算出され、これを用いた照査が行われます。
錆代を考慮した断面諸量の算出方法については、ヘルプの「計算理論及び照査の方法」−「杭基礎」−「H形鋼杭の断面諸量」を参照して下さい。
    
Q1−6−10. 「杭配置」−「杭 データ」の『せん断KS』、『回転KR』にはどのような値を入力したらよいか
A1−6−10. 杭先端せん断バネ定数ks,回転バネ定数krは、「計算条件」画面で「杭先端条件=バネ」と指 定された場合に入力可能となります。
ここで入力されたバネ定数は、杭軸直角方向バネ定数K1〜K4の算出に使用されます。

本プログラムでは、杭軸直角方向バネ定数K1〜K4算出時、杭先端条件を次のように取り扱って おります。
・固定
 水平,回転ともに拘束されている(杭先端で水平,回転変位が生じない)ものとして計算します。
・自由
 水平,回転ともに拘束されていないものとして計算します。
・ヒンジ
 水平方向が拘束され、回転は拘束されていないものとして計算します。
・バネ
 杭先端が次の関係となるものとして計算し、これを想定しております。
 せん断力=せん断バネ×水平変位
 曲げモーメント=回転バネ×回転変位
 (※このせん断バネ,回転バネが、お問合せのKS,KRとなります)

詳しくは、ヘルプの「計算理論及び照査の方法」−「杭基礎」−「安定計算および杭体断面力の計算」
 (1)杭体の断面力と変位の関係式
 (2)杭先端条件と杭1本当たりのバネ値
をご参照ください。
1−7.突出部の水平荷重
1−8.底面前面水平抵抗

Q1−8−1.

底版前面水平抵抗を考慮した常時,レベル1地震時の安定計算において、底版前面の受働土圧強度は計算にどのように反映しているのか。
A1−8−1. 本プログラムの底版前面水平抵抗を考慮した計算は、道示W12.8(P.382〜)を参照し作成しています。
具体的には、「杭配置」−「水平抵抗」画面で入力された層厚,常時/地震時ごとのバネ値を用いて、道示W(P.383)(解12.8.3)より、底版前面のバネによる剛性行列を算出し、道示W12.7(P.380)(解12.7.2)の杭基礎の剛性行列に加味して杭基礎の計算を行います。(※実際には、kH が一定あるいは台形分布であっても適用できるよう道示の算式を拡張しています。)

ここで、道示W(P.383)では、根入れ部の地盤反力度(=水平変位×水平方向地盤反力係数)が抵抗受働土圧強度を超えないことを確認するように記述されています。
このため、本プログラムでは、受働土圧強度を入力していただき、計算書の「安定計算」−「底版前面水平抵抗」の「判定結果」において、塑性域が生じたか否か(根入れ部の地盤反力度が受働土圧強度に達したか否か)を出力しています。
具体的には、塑性域が生じていなければ「全弾性」,部分的に塑性域が生じた場合は「弾塑性」,底版前面の全範囲が塑性化した場合は「全塑性」と出力しています。

なお、塑性域が生じた場合(「弾塑性」,「全塑性」となる場合)、本プログラムでは、ヘルプの「計算理論及び照査の方法」−「杭基礎」−「安定計算および杭体断面力の計算」の「(4)フーチングの前面水平抵抗力」に記載しておりますように、弾塑性を考慮した計算を行っています。
具体的には、繰り返し計算により弾塑性の境界点を求め、弾性域は(解12.8.3)による剛性行列の補正を、塑性域は(解12.8.3)を適用することができないことから抵抗受働土圧による底版下面の水平力,モーメント(作用力の補正値)を算出し、これを基礎に作用する荷重に加味して計算しています。
ただし、前述の通り、道示では、根入れ部の地盤反力度が抵抗受働土圧強度を超えないよう記述されています。
上記の弾塑性解析結果を採用するか否かは、設計者ご判断としてください。

1−9.安定計算(杭反力、変位)

Q1−9−1.

液状化の低減係数を入力した場合、レベル1地震時の安定計算では、低減係数を無視した(液状化しないケース)場合の計算を行わないのか?
A1−9−1. 本プログラムのレベル1地震時の安定計算では、「地層」−「低減係数」画面で入力された『DEレベル1』値を常に用いて計算しており(レベル1地震時の周面摩擦力およびkH値に乗じています)、液状化を無視する,考慮するといった選択は設けておりません。
おそれいりますが、レベル1地震時で液状化を考慮しない場合、上記画面の『DEレベル1』値に全層1.0を、考慮する場合は該当する層に1.0以外を入力ください。
    
Q1−9−2. 底版形状は常に入力する必要があるか?
A1−9−2. 本プログラムの杭基礎の安定計算は、基礎天端(杭頭)から杭先端までをモデル化して照査しており、底版形状は計算に影響を与えません。
底版形状は、
・常時,レベル1地震時の作用力自動計算
・底版照査(許容応力度法,レベル2地震時)
・「レベル2地震時基本条件」−「基本条件(杭基礎)」画面の『作用力計算』ボタンによる底版下面中心における鉛直力の算出
・「底版前面水平抵抗」画面の[データ連動]
に用いており、これらの照査を行わない場合、入力の必要はありません。

なお、上記計算のする/しないは、「計算条件」−「基本条件」画面で選択してください。
    
Q1−9−3 温度変化時に対して、安定計算を行わず部材照査のみを行いたい。
A1−9−3. 本プログラムでは、Ver.7.02.00において、「作用力」−「荷重ケースごとの設定」画面の「安定照査をする」を設定することにより、荷重ケースごとに基礎の安定性の照査を行うか否かを指定できるよう拡張しております。
本機能は、道示W3.2(P.140)の「温度変化時の影響によって基礎は不安定にならないと考えられることから、基礎本体部材の安全性の照査のみ行えばよい場合が多い。」の記述を参照し対応したもので、上記の「安定照査をする」のチェックを外した場合、基礎の水平変位や鉛直反力等は算出されますが、制限値(許容支持力や許容変位)に対する判定は行わず、また出力もされません。
    
Q1−9−4 杭径や杭長の異なる杭が混在しているとき、常時,レベル1地震時の安定照査は、どの杭に着目して行っているのか。
A1−9−4. 全杭同一条件(全杭の杭径・杭長が同一で水平地盤)であれば、全杭の設計地盤面変位は同値となり、また、押込み側の最前列の杭鉛直反力が最大,引抜き側の最後列が最小となるため、この杭に着目して安定照査(支持力照査)を行えばよいことになりますが、地層傾斜や杭長・杭径の異なる杭が混在する条件のとき、許容値に対してどの杭が厳しくなるか一概に判断することはできません。
したがって、本プログラムでは、杭1本ごとに水平変位,杭頭反力を算出し、算出された水平変位,杭頭反力に対し、
・|PNmax/Ra|
・|PNmin/Pa|
・|δ/δa|
ここに、
 PNmax:最大杭鉛直反力(kN)
 Ra   :許容支持力(kN)
 PNmin :最小杭鉛直反力(kN)
 Pa   :許容引抜力(kN)
 δfx  :設計地盤面における水平変位(mm)
 δa   :許容変位量(mm)
のように、許容値に対する比(許容比)を算出し、全杭の中から最大許容比となる杭の結果を出力しています。

計算書の「基礎杭計算結果一覧表」あるいは「結果一覧の出力」−「安定計算・杭体応力度」の出力結果がこれに該当します。また、設計調書の出力も同様です。
これに対し、計算書の「安定計算」−「杭反力および変位の計算」では、杭ごとの結果を出力(ただし同結果となる杭は代表となる杭のみ出力)しており、抽出前の各杭の結果を確認することができるようにしています。

なお、上記の抽出方法は、「計算条件」−「設計条件」−「その他の条件」画面の『抽出方法』の選択により、
・計算値と許容値の比(計算値/許容応力度)
・計算値と許容値の差(計算値−許容応力度)
から選択することができるようにしています。
    
Q1−9−5. 杭頭条件を「剛結・ヒンジ」と指定しても安定計算結果には剛結時のみが出力されている。杭頭ヒンジの安定計算結果は出力しないのか。
A1−9−5. 常時,暴風時及びレベル1地震時の杭基礎の安定照査(安定計算)は、道示W12.1(P.348)のとおり、
 1)杭の軸方向反力が許容支持力以下であること
 2)設計地盤面変位が許容変位以下であること
を照査しておりますが、本照査は、同解説「・・・杭の頭部をフーチングと剛結合する杭基礎を対象とする。」のとおり、杭頭剛結を対象としています。

道示W12.9(P.388)において、「杭頭剛結合であっても、杭頭ヒンジ結合と仮定した場合の曲げモーメントと比較して、その大きい方で設計するものとする。」と記載されており、杭頭ヒンジと仮定した場合の照査も行うよう記載さ れていますが、本プログラムでは、本解説は杭体断面照査を目的としたもので、上記の安定計算は対象外であると判断しています。

よって、安定計算の結果出力を行うことを目的とした計算書の「安定計算」には、剛結時の結果のみを出力しています。

ただし、計算書の[プレビュー]ボタンのある「出力項目の設定/選択」画面にお いて、『杭頭ヒンジの出力=する』と選択しプレビューすることにより、杭頭ヒンジ時の結果出力(水平変位および杭頭反力等)も行っており、杭体断面照査に用いる断面力の算出根拠として確認できるようにしています。
    
Q1−9−6. 作用力自動計算において、底版の慣性力が考慮されない
A1−9−6. 作用力入力画面上の[ヘルプ]の『■柱下端作用力』に記載しておりますように、「柱下端作用力」タブの『慣性力』欄に、慣性力の有無および向きを入力していただくようにしております。
地震時ケースに対して、慣性力=1(正方向)または2(負方向)を設定して下さい。

    
Q1−9−7. 結果一覧の安定計算,部材計算の出力では、どのような方法により複数の荷重ケースから出力ケースを決定しているのか。
A1−9−7.
結果一覧の安定計算,部材計算の出力は、それぞれの出力項目ごとに、許容値に対する計算値が最も厳しくなる荷重ケースを1つ抽出し、この荷重ケースの結果を出力しています。
例えば、安定計算においては、全荷重ケースについて、
(1)変位/許容変位量
(2)最大反力/許容支持力
(3)最小反力/許容引抜力
を求め、これらの許容比が最大となる荷重ケースを判定し、この荷重ケースの変位,最大反力,最小反力等を出力します。
変位,最大反力,最小反力ごとに最も厳しくなる値を抽出しているわけではないため、現行では、変位,最大反力,最小反力それぞれが最も厳しい値とはならないこともあります。
杭体応力度やその他の部材計算結果についても同様です。

1−10.断面変化の扱い

Q1−10−1.

断面変化位置の決定方法として次の2つがあるが、これらの選択肢が設けられている理由は?
  ・全ケースの最下位置の荷重ケース
  ・第1断面の最大許容応力度比の荷重ケース
A1−10−1. 本プログラムの断面変化位置は、「杭基礎設計便覧(平成19年1月)社団法人日本道路協会」を参照し、第2断面変化位置は最大曲げモーメントの1/2となる位置(1/2Mmax点)、第3断面位置は設定された最小鉄筋量に対する抵抗曲げモーメントと設計曲げモーメントとの交点位置としております。

しかしながら、上記文献では、複数の荷重ケースが存在するとき、どのケースの結果を適用すればよいか、規定あるいは目安等はいずれも示されておりません。
このため、本プログラムでは、初期版より、荷重ケースごとに変化位置を求め、全荷重ケースのうち最も深い位置を各断面の変化位置と設定する仕様としておりました。

その後、断面変化位置の決定方法,考え方について、多数のユーザ様より、様々なご意見をいただきました。
その中で、最大曲げモーメントにて求まった応力度比(応力度と許容応力度の比)が最も大きくなるケースの断面変化位置を、第2,第3断面変化位置とする方法が最も適切ではないかと考え、「基礎の設計計算Ver.5(Ver.5.00.00)」において、この方法を追加し、「断面計算」画面に選択を設けました。

このような経緯にて2種類の選択を設けておりますが、依然として、各種文献,基準類には明確な決定方法が示されておりません。
よって、どちらの決定方法を採用されるかにつきましては、おそれいりますが、設計者の方のご判断として決定してくださいますようお願いいたします。

1−11.杭体断面力、断面計算

Q1−11−1.

PHC杭の許容せん断応力度が入力値と計算書で異なる。
A1−11−1. ヘルプの「計算理論及び照査の方法」−「杭基礎」−「杭体の断面計算と杭の断面諸定数の取扱い」に記載しておりますように、PHC杭の許容せん断応力度は、
 τa1’=CN・τa
 ここに、
  τa1’:軸方向圧縮力により補正された許容せん断応力度(N/mm2)
  CN:軸方向圧縮力による補正係数
  τa:許容応力度の割増係数を考慮した「許容値」画面の許容せん断応力度(N/mm2)
により算出しており、軸方向圧縮力による割増係数CNを考慮しております。
    
Q1−11−2. 2.5次元解析時の杭体モーメントが正値側しか図化されないのはなぜか?
A1−11−2. 2.5次元解析における杭体モーメント分布は、常に正値として描画されます。
これは、2.5次元解析時の杭体モーメント分布を、Y軸回りのモーメントMy,X軸回りのモーメントMxを合成し、
 M=√(My^2+Mx^2)
 (”^”はべき乗を示しています)
として図化していることによります。せん断力,水平変位についても同様です。

ここで、2.5次元解析では、道路橋示方書に記述されている2次元構造物として三元連立方程式を解く方法を拡張し、
 V :鉛直力(kN)
 Hx:X方向水平力(kN)
 Hy:Y方向水平力(kN)
 My:Y軸回りモーメント(kN・m)
 Mx:X軸回りモーメント(kN・m)
として、両方向の作用力を考慮した計算を行うため、
 PN :杭頭杭軸方向反力(kN)
 PHx:X方向の杭頭水平反力(kN)
 PHy:Y方向の杭頭水平反力(kN)
 MTy:Y軸回りの杭頭モーメント(kN・m)
 MTx:X軸回りの杭頭モーメント(kN・m)
のように、両方向の杭頭反力が算出されます。地中部の杭体断面力も同様です。
したがって、本プログラムでは、両方向の杭体断面力および水平変位分布を合成して図化,結果出力を行っています。
X方向/Y方向ごとに曲げモーメントが生じるケースを考えると、合成された曲げモーメントの方向は深度とともに変化し一定しないため、2.5次元解析時には、現行のように、合成して出力する仕様としています。
    
Q1−11−3. SC杭+PHC杭のとき、負の周面摩擦力の検討はPHC杭に対してのみ行っているのか?
A1−11−3. 負の周面摩擦力の杭体応力度の検討は、道示W12.4.3(P.366)(解12.4.3)を基本として照査しており、中立点を定義していただき、この中立点に作用する負の周面摩擦力,死荷重反力,および中立点より上方の杭の有効重量を用いて許容応力度に対する検討を行います。

一般に、中立点位置の負の周面摩擦力が最大となり、中立点位置が最も厳しくなると考えられることから、現行では中立点位置に対してのみ照査しており、中立点位置がSC杭部であればSC杭に対して、PHC杭部であればPHC杭に対して検討しています。
SC杭(PHC杭との接合位置)における杭体応力度が許容応力度に対して最も厳しくなるケースも考えられますが、現行では、中立点位置に対してのみ照査しており、したがって、SC杭に対して検討する場合、別途ご検討ください。
    
Q1−11−4. PHC杭の杭体応力度照査は、杭基礎設計便覧に記載されている正負符号および判定方法と同じであるか
A1−11−4. ヘルプの「理論理論及び照査の方法」−「杭基礎」−「杭体の断面計算と杭の断面諸定数の取扱い」に記載しておりますように、PHC杭の応力度の符号は、圧縮を正,引張を負としております。
(許容引張応力度σca’は、-3.0(N/mm2) or5.0(N/mm2)となります。)
よって、杭基礎設計便覧に記載されております判定方法と同じ方法となります。

計算書作成の「結果一覧の出力」−「安定計算・杭体応力度」の出力に、大小関係を出力しておりますので、ご参照ください。
    
Q1−11−5. PHC杭:せん断応力度の照査で、b:等積箱形断面の腹部の合計幅、d:等積箱形断面の有効高の算出方法
A1−11−5. 杭基礎設計便覧(H19.1)準拠時のPHC杭の杭体応力度照査は、本文献2-6-3(P.184)図-V.2.48のとおり、等積箱形断面に換算して照査します。この等積箱形断面への具体的な換算方法は、上記文献には記載されておりませんが、本プログラムでは、次のように算出しております。

■部材断面幅b(等積箱形断面の腹部の合計幅)
 b=t・√π
 ここに、
  t:厚さ

■部材断面の有効高d(等積箱形断面の有効高)
 d=1/2・h + 1/π・2・√2・rs
 ここに、
  h:等積箱形断面の部材断面の部材高h
    =1/2・√π・D
  D:杭外径
  rs:PC鋼材の配置半径
    
Q1−11−6. 場所打ち杭の主鉄筋が2段配筋で4本分の帯鉄筋を斜引張鉄筋として考慮したいがこれは可能か。
A1−11−6. 許容応力度法照査に用いる斜引張鉄筋の断面積は、「断面計算」画面の「共通データ」に入力を設けていますが、「鉄筋径」を選択したとき、常に2本分の断面積を初期設定しています。
これは、本プログラムが有している主鉄筋の自動配筋機能により、最終的に何段配筋となるか分からない(荷重により変動する)ケースがあること、あるいは中間帯鉄筋の入力そのものを設けていないことから、常に1段配筋と仮定した場合の 断面積を斜引張鉄筋の断面積として初期設定しているためです。
したがって、2段配筋で4本分の断面積を考慮したい場合、あるいは中間帯鉄筋を考慮したい場合等では、帯鉄筋径を選択した後、初期設定された「鉄筋量Aw」の欄にお考えの断面積を上書きして入力してください。

なお、「断面計算」画面が設定済みで、「杭本体」−「杭種別データ」−「横拘束筋」画面の[データ連動]ボタンを押下した場合、
・Ah:「鉄筋量Aw」の1/2を初期設定。
・Aw:「鉄筋量Aw」をそのまま設定。
としています。

こちらにつきましても、最終的には設計者の方のご判断として初期設定値を上書きしてご検討ください。
    
Q1−11−7. タイプT地震動とタイプU地震動の基礎の照査において、同じM−φ関係が用いられているのはなぜか。
A1−11−7. 杭体のM−φ関係は、道示W(P.410)より、タイプU地震動に対する値を用いています。したがって、タイプT地震動に対する基礎の照査においても、タイプU地震動のM−φ関係を用いた照査を行います。
このため、タイプT地震動のM−φ関係の算出および入力は行っておらず、よって、「杭本体」−「M−φ」画面では1種類のみ入力していただくようにしています。
    
Q1−11−8. 杭頭モーメントが地中部曲げモーメントと同じ向きに発生するのはなぜか
A1−11−8. 道示W12.9.1(P.392)表-解12.9.1の「イ)基本系」をご参照ください。
本プログラムと道示では、杭体モーメントの正負の向きが異なるので注意が必要ですが、「イ)基本系」において、杭頭モーメントおよび地中部最大曲げモーメントが同じ向き(いずれも負値)に発生するケースが示されています。
このように、必ずしも杭頭モーメントと地中部最大曲げモーメントの符号が異なるとは限らないと考えます。詳しくは、上記道示をご参照くださいますようお願いいたします。
    
Q1−11−9. 現場継手部の許容応力度を低減して計算する方法はあるか。
A1−11−9. 本プログラムでは、いずれの杭種においても、現場継手部の許容応力度を低減して応力度照査を行うことはできません。
現行では、「杭配置」画面で現場継手位置ごとに断面を分けていただき、「許容値」画面で90%に低減した許容応力度を直接設定し、応力度照査を行うことによりご対処いただくしかございません。
なお、鋼管杭,鋼管ソイルセメント杭の場合であれば、計算書の「断面計算」−「着目点ごとの杭体応力度」に現場継手不可位置(応力度が許容応力度の90%を超える位置)を出力しています。本出力をご参照ください。

    
Q1−11−10. せん断力に対する照査において、引張の向き(上面側が主鉄筋になるか下面側が主鉄筋になるか)はどのように判断しているか
A1−11−10. せん断力に対する照査において、引張の向き(上面側が主鉄筋になるか下面側が主鉄筋になるか)の判断は、道示W8.7.4(P.230)の記述、「せん断力に対する照査を行う場合のフーチングの主鉄筋は、柱又は壁前面のフーチング全面積に作用する鉛直荷重による柱又は壁前面位置における曲げモーメントの向きにより決定するものとする。」より、柱前面における曲げモーメントで行ってい ます。

なお、レベル2地震時の場合、杭頭水平反力および杭頭モーメントを考慮した断面力を算出していることから、曲げに対する照査に用いる柱前面の曲げモーメントから、杭頭水平反力および杭頭モーメントを控除して判定しています。
    
Q1−11−11. 2.5次元解析で、杭体モーメント図が正値のみで描画されるのはなぜ?
A1−11−11. 2.5次元解析における杭体モーメント分布は、常に正値として描画されます。
これは、2.5次元解析時の杭体モーメント分布を、Y軸回りのモーメントMy,X軸回りのモーメントMxを合成し、
 M=√(My^2+Mx^2)
 (”^”はべき乗を示しています)
として図化していることによります。せん断力,水平変位についても同様です。
詳しくは、「計算理論及び照査の方法」−「杭基礎」−「安定計算および杭体断面力の計算」をご参照ください。
    
Q1−11−12. 既設死荷重時の断面力算出に、「上載土高」が考慮されていない。
A1−11−12. 増し杭工法で、既設死荷重時に上載土砂を考慮する場合、「底版設計」−「計算条件」画面において「許容応力度法/レベル2地震時」タブ上の『増し杭工法時の既設死荷重時の上載土砂=考慮する』を選択する必要があります。
『考慮しない』が選択されている場合、既設死荷重時に上載土砂が考慮されません。

    
Q1−11−13. 断面変化位置を自動計算する場合と直接指定する場合で杭体応力度が異なる理由は?
A1−11−13.
場所打ち杭の断面変化位置の算定機能は、断面変化位置の目安を示すための機能であり、最終的には、この目安および荷重ケースごとの結果を参照し、設計者の方のご判断として決定していただくことを想定しています。
具体的には、
 1)「断面計算」画面で『断面変化位置を自動計算する』をチェックして計算を行う。
 2)算出された断面変化位置の目安および荷重ケースごとの結果を参照し、最終的な断面変化位置を決定する。
 3)1)のチェックを外し、「使用鉄筋」ページにて任意の断面変化位置,鉄筋径,本数等を設定する。(自動配筋を行った直後は、自動配筋結果が設定されています。)
 4)杭体応力度計算を行い、応力度が許容応力度以内となるまで諸元を変更する。
の手順を行っていただくようにしています。
 
上記の手順にて設計していただくことを想定しているため、断面変化位置を自動決定する場合、設計者の方が断面変化位置を決定するための参考となる情報を算出,出力しています。
具体的には、1/2Mmax発生位置や抵抗モーメントとの交点位置における応力度と許容応力度を算出,出力しており、これにより、これらの位置が許容応力度を満たしているかを判断できるようにしています。
これに対し、断面変化位置を直接指定する場合、各断面における最大曲げモーメント,最大せん断力による応力度照査結果を出力しており、決定された断面ごとの応力度が許容応力度を満たしていることを照査するようにしています。
よって、断面変化位置を自動計算する場合と直接指定する場合では、出力される杭体応力度が一致しないことがあります。
    
Q1−11−14. 計算書において、Mmaxの1/2となる位置「Z」とその位置のせん断力「S」が「−−−」と出力されるのはどういうケースか。
A1−11−14.
場所打ち杭の第1断面下端(第2断面上端)の段落とし位置は、杭基礎設計便覧(H19.1)2-6-6(P.200〜)を参照し、
(1)杭頭剛結の曲げモーメントの最大値
(2)杭頭ヒンジと仮定して算出した曲げモーメントの最大値
の大きい方をMmaxとしたとき、
@杭頭剛結の曲げモーメント分布からMmaxの1/2となる位置
A杭頭ヒンジの曲げモーメント分布からMmaxの1/2となる位置
を求め、@,Aの深い方を採用しています。
 
ただし、Mmaxは(1)杭頭剛結,(2)杭頭ヒンジの大きい方を用いていることから、例えば、(1)杭頭剛結の最大モーメントをMmaxとしたとき、(2)杭頭ヒンジの最大モーメントが非常に小さくMmaxの1/2未満となったとすると、(2)杭頭ヒンジについてはMmaxの1/2となる位置を求めることができません。
このようなとき、本プログラムでは、Mmaxの1/2となる位置「Z」およびその位置のせん断力「S」に対しては横棒(−−−)を出力しています。
    
Q1−11−15. 場所打ち杭の曲げ応力度はどのように算出されるのか。
A1−11−15.
本プログラムの場所打ち杭の曲げ応力度は、道示W5.1.2(P.159)に準じ、曲げモーメントと軸力が作用する円形の鉄筋コンクリート断面として計算しています。
具体的には、計算仮定に基づき中立軸位置を変化させながら、コンクリート,鉄筋による内力(Nc,Ns,Mc,Ms)と外力(断面力N,M)が釣り合うよう、繰り返し計算を行い、厳密な値を算出しています。
公式を用いて単純式により算出しているのではなく、繰り返し計算を行っていることから、計算過程の出力等は行っておりません。ご了承ください。
なお、詳しくは、「下図」をご参照ください。


1−12.杭体応力度計算

Q1−12−1.

RC杭のヤング係数比の初期値(=6)の根拠は?
A1−12−1. 旧杭基礎設計便覧(昭和61年1月 社団法人日本道路協会)表-6.2.5(P.59)にRC杭の断面性能表があります。
本表では、軸力=0に対する抵抗曲げモーメントMRC(コンクリートの応力度が許容応力度となるときの曲げモーメント),MRS(鉄筋の応力度が許容応力度となるときの曲げモーメント)が記載されておりますが、この抵抗曲げモーメント算出にヤング係数比6が用いられています。
本プログラムでは、本記述を参照し、杭体応力度算出にも抵抗曲げモーメントと同じヤング係数比を用いるものと判断し、初期設定を6としております。

ただし、上記以外に有効な文献等の記述は把握しておりません。
例えば、実ヤング係数比(n=Es/Ec)は、
・Ec=3.1×10^4(N/mm2)
・Es=2.0×10^5(N/mm2)
・n=2.0×10^5/3.1×10^4=6.4516
となるため、本係数を用いるのも一つの考えかと思われます。
最終的には、お考えのヤング係数比を、「計算条件」−「設計条件」−「応力度照査」画面に直接設定しご検討ください。
    
Q1−12−2. 「杭頭ヒンジの軸力選択」で「剛結」と「ヒンジ」が選択できるのはなぜか?
A1−12−2. 道示W12.9.1(P.387〜)に、杭頭剛結合の場合でも、杭頭ヒンジと仮定して求めた曲げモーメントを考慮することが記載されています。

お問合せの『杭頭ヒンジの軸力選択』スイッチは、杭頭結合条件が剛結・ヒンジのとき、杭頭ヒンジ時の曲げモーメントを用いて応力度照査を行う際に用いる軸力を、
・杭頭剛結時の杭軸方向反力
・杭頭ヒンジ時の杭軸方向反力
のいずれを用いるかを指定していただくものです。
前記の道示および他の文献等には軸力の取扱いが明記されておらず照査方法が不明なため、本選択を設けました。
おそれいりますが、設計にどちらを用いるかにつきましては、設計者の方のご判断で決定してください。

なお、モーメントおよび軸力の取り扱いは下記のとおりです。
・杭頭条件=剛結・ヒンジの場合
  杭頭剛結……モーメント=剛結、軸力=剛結
  杭頭ヒンジ…モーメント=ヒンジ、軸力=軸力選択による軸力(剛結またはヒンジ)
    
Q1−12−3. 場所打ち杭の断面計算において、鉄筋の許容応力度が意図しない地震時の値になっているとき、原因として何が考えられるか。
A1−12−3. 場所打ち杭の鉄筋の許容応力度は、道示W4.3(P.155)表-4.3.1より、
 2)荷重の組合せに衝突荷重又は地震の影響を含まない場合の基本値(一般の部材)
 3)荷重の組合せに衝突荷重又は地震の影響を含まない場合の基本値(水中又は地下水位以下に設ける部材)
 4)荷重の組合せに衝突荷重又は地震の影響を含む場合の基本値
 6)圧縮応力度
のいずれかが適用されます。

引張応力度では、「作用力」−「荷重ケースごとの設定」画面の『衝突,地震時σsaの基本値を用いる』により、上記2),3)の衝突荷重又は地震の影響を含まない場合、および4)の影響を含む場合の基本値の選択を行います。
ご検討の荷重ケースにおいて、上記の選択がチェックされていないかご確認ください。チェックされている場合、上記4)の衝突荷重又は地震の影響を含む場合の基本値(=200N/mm2×割増係数)が適用されます。

なお、上記の設定が正しく行われているのであれば、次の原因が考えられます。

場所打ち杭の鉄筋の応力度は、中立軸位置が断面内にない場合(全圧縮または全引張)でなければ、引張応力度,圧縮応力度の2つの応力度が算定されるため、「総括表」画面や計算書の「結果一覧」,「基礎杭計算結果一覧表」の出力においては、算定された2つの応力度のうち、より厳しい結果として、許容比(応力度/許容応力度)の大きい方を表示しています。

ここで、鉄筋の許容圧縮応力度は、上記の道示W 表-4.3.1 の6)許容圧縮応力度が適用されます。
ご検討のデータにおいても、許容圧縮応力度が表示されているのではないかと考えられます。
本プログラムでは、許容応力度の出力を、
・引張応力度・・・正値で表示
・圧縮応力度・・・負値で表示
と表示しており、表示されている結果が引張応力度,圧縮応力度のどちらを示しているかを確認できるようにしています。
おそれいりますが、表示値の符号により、引張応力度/圧縮応力度のどちらが表示されているかご確認ください。
    
Q1−12−4. PHC杭において、常時の許容応力度を地震時扱い(許容応力度の割増係数=1.50,許容曲げ引張応力度σta=3.0/5.0)としたい。どのように設定すればよいのか?
A1−12−4. 現行では、PHC杭において、常時の許容曲げ引張応力度を地震時扱いとすることはできません。

PHC杭の曲げ引張応力度は道示W4.2(P.151)に記載されていますが、表-4.2.8には、「地震の影響を考慮するときの・・・」と記載されています。また、P.154において、「PHC杭の許容曲げ引張応力度は零としたが、荷重の組合せのうち地震の影響を考慮する場合は、少なくとも単純曲げが作用した状態で破壊安全度が2以上確保されるように、表-4.2.8に示すとおり、有効プレストレス量に応じて設定した。」とあります。
本プログラムでは、上記道示の記述より、σta=3.0/5.0を適用するは地震の影響を考慮する場合のみと判断しています。したがって、現行では、常時ケースに対して割増係数を1.50と設定した場合、許容曲げ引張応力度σtaは常に0.00(N/mm2)としており、よって、割増係数=1.50,σta=3.0/5.0とすることはできません。
    
Q1−12−5. PHC杭でMyが自動計算されない
A1−12−5. 降伏モーメントMyは、最遠鋼材の引張ひずみが降伏ひずみに達するときの曲げモーメントで、最遠鋼材位置のひずみを降伏ひずみに固定して、中立軸位置を仮定しながら、断面内に生じる圧縮力Cと引張力Tの関係が、
 N=C−T
 N:作用軸力
となる中立軸位置を求めています。
このとき、断面内に生じる軸力が最大となるのは、圧縮縁のコンクリートひずみが終局ひずみとなる状態ですが、現在ご利用のデータの場合、断面内に生じる最大軸力よりも作用軸力の方が大きく、降伏モーメントが算出できない(軸力が範囲外)状態になっていると思われます。

おそらく、PC鋼材の降伏強度σpy,引張強度σpu,PC鋼材量(A/B/C種別),配置半径が検討の杭データに対して正しく入力されていないと思われます。
PHC杭メーカー様の資料等をご参照になり、正しい値が設定されているか再度ご確認くださいますようお願いいたします。

なお、本プログラムは、種別(A/B/C種)を変更してもPC鋼材量等は自動でセットしておりません。
よって、おそれいりますが、「杭配置」画面で杭外径,種類を変更した場合、杭データに応じたPC鋼材量等も変更していただきますようお願いいたします。

なお、杭基礎設計便覧(H19.1)準拠時は、入力画面上の[データ連動]ボタンをクリックすることにより、杭基礎設計便覧に記載されているPC鋼材量等をセットいたしますが、準拠しない場合は、他の基準類にPC鋼材量等が明示されておらず、また、特定のメーカー様のデータを初期設定値とすることができないため、直接設定していただく仕様としております。
    
Q1−12−6. 「作用力」−荷重ケースごとの設定」の「衝突、地震時σsaの基本値を用いる」のチェックをはずすと許容値はどのようになるのか
A1−12−6. 道示W(P.155)表-4.3.1では、鉄筋の許容応力度として、
@荷重の組合せに衝突荷重又は地震の影響を含まない場合の基本値(一般部材/水中部材)
A荷重の組合せに衝突荷重又は地震の影響を含む場合の基本値
が規定されており、衝突荷重,地震の影響を考慮するケースか否かよって、@,Aを使い分ける必要があります。

本プログラムでは、従来、「基準値」−「荷重ケース」画面にて設定された荷重ケースごとの許容応力度の割増係数を参照し、割増係数が1.50以上となる荷重ケースに対し、上記Aの許容応力度を用いるようにしておりましたが、その後、他のお客様より、他の基準等においては、衝突荷重,地震時ケース以外でも割増係数≧1.50となるケースがあり、このようなケースでは上記@の許容応力度を適用したいため、上記@,Aのどちらの基本値を用いるか、設計者判断として選択できるようにしてほしいとのご要望をいただき、Ver.6.05.00において、「作用力」−「荷重ケースごとの設定」画面において、荷重ケースごとに選択(スイッチ)を設けました。

このスイッチは、下記計算に用いております。
(1)杭体応力度計算
 1.RC杭,場所打ち杭の場合
   「許容値」画面において、
    ・σsa(*1):荷重の組合せに衝突荷重又は地震の影響を含まない場合 (チェックなしのとき)
    ・σsa(*2):荷重の組合せに衝突荷重又は地震の影響を含む場合   (チェックありのとき)
   の入力を割増係数ごとに設け、お問合せのスイッチより使い分けます。
 2.杭基礎設計便覧(H19.1)準拠時のPHC杭/PC杭/SC杭+PHC杭の場合
   「断面計算」画面において、
    ・スパイラル鉄筋のσsa      (チェックなしのとき)
    ・スパイラル鉄筋のσsa(基本値) (チェックありのとき)
   の入力を設け、お問合せのスイッチを参照し、計算時に割増係数を乗じております。
(2)杭頭結合計算
 1.仮想鉄筋コンクリート断面照査
   上記の(1)-1.と同様に、「杭頭結合計算」−「底版許容値」画面において、σsa(*1),σsa(*2)の入力を割増係数ごとに設け、お問合せのスイッチより使い分けます。
 2.杭頭カットオフ区間の照査(杭基礎設計便覧(H19.1)準拠時)
   上記の(1)-2.と同様に、「杭頭結合計算」−「杭頭カットオフ」画面において、2種類のσsaの入力を設け、お問合せのスイッチを参照し、計算時に割増係数を乗じております。
(3)底版許容応力度法照査
  「材料」画面において、
   ・鉄筋の許容引張応力度σsa         (チェックなしのとき)
   ・ 〃 地震時の許容引張応力度の基本値σsa (チェックありのとき)
  の入力を設け、お問合せのスイッチを参照し、計算時に割増係数を乗じております。
    
Q1−12−7. PC杭のヤング係数『3.3×10^4(N/mm^2)』の根拠は?
A1−12−7. 「杭基礎設計便覧 昭和61年1月 (社)日本道路協会」P.54の「表6-2-1 既製コンクリート杭」にPC杭のコンクリート設計基準強度σck=500(kg/cm^2)との記述がございます。
「道路橋示方書・同解説 T共通編/W下部構造編(H14.3)日本道路協会」P.83の「表-3.3.3
 コンクリートのヤング係数」に記述の内容より、σck=50(N/mm^2)時のヤング係数=3.3×10^4(N/mm^2)を内部設定しております。

[補足]
上記「杭基礎設計便覧 昭和61年1月 (社)日本道路協会」のP.325では、PC杭のヤング係数=4.0×10^5(kg/cm^2)との記述がございますが、この便覧時の道示(昭和55年 5月版 T共通編 P.67)ではσck=500(kg/cm^2)の
ヤング係数は4.0×10^5(kg/cm^2)と記述されておりました。
その後、平成2年版の道示でσckに対するヤング係数が改訂され、平成2年版から現在までσck=50(N/mm^2)時のヤング係数は 3.3×10^4N/mm^2)となっております。
    
Q1−12−8. RC杭のせん断応力度の照査で、結果画面などに出力される許容値が入力値と異なる場合があるのはなぜか
A1−12−8. ヘルプ「計算理論及び照査の方法」−「杭基礎」−「杭体の断面計算と杭の断面諸定数の取扱い」に記載しておりますように、RC杭の許容せん断 応力度は、
杭基礎設計便覧(H19.1)のP.191において、τa’=CN・τaと記載されており、本プログラムも軸方向圧縮力による補正係数CNを 考慮し下記の方法で算出しております。
 τa1’=CN・τa
 ここに、
  τa1’:軸方向圧縮力により補正された許容せん断応力度(N/mm2)
  CN:軸方向圧縮力による補正係数
  τa:許容応力度の割増係数を考慮した「許容値」画面の許容せん断応力度(N/mm2)

軸方向圧縮力による補正係数CNの値によっては、結果画面等に出力される許容せん断応力度が入 力値と異なるケースも考えられます。
※上記のCNを考慮した許容せん断応力度の補正は、PHC杭などにも同様に適用される考え方と なっております。
許容せん断応力度の詳しい算出過程は、計算書出力「断面計算」−「杭体応力度」内に有ります 『せん断応力度の照査』にてご確認ください。

1−13.結果一覧表
1−14.出力

Q1−14−1.

安定計算で出力されるバネと基礎バネで出力されるバネ値が異なっているのはなぜか?
A1−14−1. 計算書の基礎バネは、道示X(H.14.3)6.2.3(P.55〜)に記載されている固有周期算出に用いるためのもので、動的変形係数EDを用いて算出しています。
一方、安定計算では、地盤の変形係数α・Eoを用いて算出したものです。
安定計算と基礎バネ(固有周期算定用地盤バネ定数)の相違は、水平方向地盤反力係数kH値を求める際に用いる変形係数によるものです。

この基礎バネは、設計震度算出用のバネとなりますので、杭基礎の安定計算や断面計算には影響しません。
基礎バネの計算方法につきましては、ヘルプの「計算理論及び照査の方法」−「杭基礎」−「基礎バネ」に記載しておりますので、ご参照ください。
 
Q1−14−2. 杭基礎が降伏するまで、解析結果を出力することはできないか?
A1−14−2. 本プログラムは、杭基礎のレベル2地震時照査を荷重増分法により行っており、水平震度0.0から最終水平震度Cz・khco(αi=1.0)までを入力された「分割数」で分割して計算しています。
Cz・khco(αi=1.0)まで計算しても基礎が降伏に達しなかった場合、Cz・khcoより大きな震度で計算することはできませんので、本プログラムでは、計算を終了し、Cz・khcoにおける状態を出力しております。
Cz・khco,およびkhGに大きな水平震度を入力することにより対応ください。
 
Q1−14−3. 2.5次元解析のとき、計算書の「安定計算」−「杭基礎の剛性行列」に出力される剛性行列要素の記号は何を示しているのか。
A1−14−3. 剛性行列要素の記号は次を示しています。
 z :Z軸方向(鉛直方向)
 x :X軸方向(X方向水平)
 y :Y軸方向(Y方向水平)
 ay:Y軸回り回転(X方向回転)
 ax:X軸回り回転(Y方向回転)
鉛直,水平,回転バネは、
 Azz :鉛直方向バネ
 Axx :X方向水平バネ
 Ayy :Y方向水平バネ
 Aayay:X方向回転バネ
 Aaxax:Y方向回転バネ
連成バネは、
 Azx (Axz) :鉛直とX方向水平との連成バネ
 Azy (Ayz) :鉛直とY方向水平との連成バネ
 Azay(Aayz):鉛直とX方向回転との連成バネ
 Azax(Aaxz):鉛直とY方向回転との連成バネ
 Axy (Ayx) :X方向水平とY方向水平との連成バネ
 Axay(Aayx):X方向水平とX方向回転との連成バネ
 Axax(Aaxx):X方向水平とY方向回転との連成バネ
 Ayay(Aayy):Y方向水平とX方向回転との連成バネ
 Ayax(Aaxy):Y方向水平とY方向回転との連成バネ
 Aayax(Aaxay):X方向回転とY方向回転との連成バネ

また、計算書の「基礎バネ計算」−「固有周期算定用地盤バネ定数」との上記の関係は次の通りです。
・Y方向
 Ass   :Ayy
 Asr,Ars:Ayax,Aaxy
 Asv,Avs:Ayz,Azy
 Arr   :Aaxax
 Arv,Avr:Aaxz,Azax
 Avv   :Azz
・X方向
 Ass   :Axx
 Asr,Ars:Axay,Aayx
 Asv,Avs:Axz,Azx
 Arr   :Aayay
 Arv,Avr:Aayz,Azay
 Avv   :Azz
ここに、
 Ass    :水平方向バネ(kN/m)
 Asr=Ars:水平と回転の連成バネ(kN/rad,kN.m/m)
 Arr    :回転バネ(kN.m/rad)
 Asv=Avs:鉛直と水平の連成バネ(kN/m)
 Arv=Avr :鉛直と回転の連成バネ(kN.m/m,kN/rad)
 Avv    :鉛直バネ(kN/m)
 
Q1−14−4. 計算書プレビューをしようとすると 「下部出力ピッチ≧X.Xとなるように修正して下さい」 というメッセージが表示される。
A1−14−4. 計算書の「断面計算」−「杭体断面力」に出力される杭体断面力は、[プレビュー]ボタンのある「出力項目の設定/選択」画面上の
・上部出力ピッチ(m)
・下部出力ピッチ(m)
を用いて、
・出力行数
以内に収まるように調整し出力しています。
出力行数が少ないとき、出力ピッチを大きく設定しなければ出力行数内に収まりません。逆に、出力行数を多くすることにより、より細かいピッチにて出力することが可能となります。
よって、本メッセージが表示される場合、出力行数を多くする、あるいは出力ピッチを大きくしてご対処ください。
 
Q1−14−5. レベル2地震時照査で、橋軸方向、橋軸直角方向のどちらか一方だけを出力したい。
A1−14−5. 本プログラムでは、橋軸方向,橋軸直角方向の両方向の計算を行った場合、常に両方向の結果出力を行っています。
よって、片方向のみの結果出力を行いたい場合、「レベル2地震時基本条件」−「基本条件(杭基礎)」画面の「計算方向(Y方向/X方向)」を出力したい方向のみチェックし、計算,出力を行ってください。
また、「橋脚の設計」との連動時であれば、橋脚側の「荷重」−「保有耐力法ケース」画面において、出力する方向のみ「検討する方向」をチェックし計算,出力を行ってください。

1−15.杭頭結合照査(押し抜き、引き抜き等)

Q1−15−1.

杭頭結合計算の杭頭作用力が斜杭に対して連動されていない。
A1−15−1. 本プログラムの杭頭結合計算は、「杭基礎設計便覧(平成19年1月)社団法人日本道路協会」を参照し作成しておりますが、本文献は直杭を対象にしており、斜杭に対して安定計算にて算出された杭頭反力をそのまま用いてよいものか不明なため、現行では、杭頭結合計算に用いる杭頭反力の抽出において、斜杭は対象外としております。
全杭が斜杭と設定されている場合、杭頭作用力が抽出されず全て0となります。

おそれいりますが、本件につきましては、次の方法にてご対処くださいますようお願いいたします。
 1)「計算条件」−「入力条件」画面で「杭頭結合計算の杭頭作用力=直接入力」と設定する。
 2)「杭頭結合計算」−「杭頭作用力」画面にて杭頭作用力を直接入力する。
 3)杭頭結合計算を実行する。

なお、杭頭反力は、計算書の「安定計算」−「杭反力及び変位の計算」の出力により確認することが可能となっております。
    
Q1−15−2. フーチング端部の杭に対する押抜きせん断照査を行う方法
A1−15−2. 「杭基礎設計便覧(平成19年1月)社団法人日本道路協会」6-3-2(P.297)に準じた押抜きせん断応力度の照査を行いたい場合は、以下のスイッチをチェックして下さい。
・「計算条件」−「基本条件」画面の「杭基礎設計便覧の適用基準(H19年1月)」
・「杭頭結合計算」−「杭径・底版形状」画面の「フーチング端部の杭を対象とする」
    
Q1−15−3. 杭頭仮想鉄筋コンクリート断面照査の際、帯鉄筋はどこで入力するのか
A1−15−3. 本プログラムの杭頭仮想鉄筋コンクリート断面の照査は、杭基礎設計便覧(P.301〜)に準じて行っておりますが、本文献では、仮想鉄筋コンクリート断面の降伏曲げモーメントMy算出時のコンクリートの応力度−ひずみ曲線として、
(1)道示V4.2.4(横拘束効果なし)
(2)道示X10.4(横拘束効果あり)
のどちらを用いるか明確な記述はありません。
したがって、本プログラムは、開発時に参照させていただいた参考文献
・「鋼管杭基礎の設計と施工 道路橋示方書(平成14年3月版)改訂対応 (平成14年4月)鋼管杭協会」
・「道路橋の耐震設計に関する資料(H.9.3)」(4-33)
の設計計算例等を参考とし、(1)により算出しており、このため、帯鉄筋(横拘束筋)は考慮しておりません。よって、底版内仮想鉄筋コンクリート断面の帯鉄筋の入力は設けておりません。

なお、本プログラムでは、「計算条件」−「入力条件」画面で「レベル2地震時・M−φ=直接入力」と設定することにより、「杭本体」−「M−φ」画面において、杭頭仮想鉄筋コンクリート断面のMyを直接指定することが可能です。
  
Q1−15−4. 「杭頭結合計算」−「杭頭補強鉄筋」画面の『鉄筋量』と『有効鉄筋量』の違いは?
A1−15−4. 『鉄筋量』は入力された杭頭補強鉄筋の総鉄筋量を示しています。これに対し、『有効鉄筋量』は、常時,レベル1地震時の応力度計算に用いる実際の鉄筋量を示しています。通常両者は一致しますが、杭基礎設計便覧(H19.1)に準拠する設定で杭外周溶接鉄筋を配置しているとき、常時,レベル1地震時では杭外周溶接鉄筋を無視した計算を行うことから、入力した鉄筋量と実際の計算に用いる鉄筋量が異なるケースが生じます。よって、本プログラムでは、それぞれを表記しています。

なお、上記の考え方は、「杭基礎設計便覧(平成19年1月)社団法人日本道路協会」6-3-2(P.303)の「・・・常時の荷重や供用期間中に発生する確率が高いレベル1地震時の照査においては、品質が確実に確保される中詰め補強鉄筋(RC杭・PHC杭およびSC杭では杭体内補強鉄筋を含む)のみを杭頭補強鉄筋として考慮し、杭外周溶接鉄筋は考慮しないこととした。」を参照したものです。(※レベル2地震時では入力された全鉄筋を考慮しています。) 詳しくは、本文献をご参照ください。
  
Q1−15−5. レベル2地震時照査をする場合としない場合とで、杭頭結合計算の杭頭補強鉄筋計算の結果が変わるのはなぜか。
A1−15−5. 仮想鉄筋コンクリート断面の応力度照査の設計曲げモーメントは、「杭頭結合計算」画面上の[ヘルプ]より開く説明に記載しておりますように、
・レベル2地震時照査が必要な条件下であれば、設計曲げモーメントは杭頭曲げモーメントを用いる。
・レベル2地震時照査が不要な条件下であれば、設計曲げモーメントは杭頭曲げモーメントと地中部最大曲げモーメントのうち大きい方を用いる。
としています。

ここで、本プログラムの杭頭結合計算は、「杭基礎設計便覧(平成19年1月)社団法人日本道路協会」(P.294〜)を参照し作成しております。
本文献6-3-2(P.302)では、
 「杭頭部の発生断面力にて算出された応力度が許容応力度以下であることを照査する。」
と記載されており、本記述のみを参照するならば、仮想鉄筋コンクリート断面の照査に対しては、杭頭部の発生曲げモーメントを用いるものと考えられます。

しかしながら、次頁において、
 「液状化が生じない地盤にある橋台のようにレベル2地震時の照査を省略してもよい基礎においては、中詰め補強鉄筋(杭体内補強鉄筋)のみによる仮想鉄筋コンクリート断面で、杭頭部の設計に用いる曲げモーメントにて算出した応力度が許容応力度以下であることを照査する。」
との記述があり、これに対し、
 @橋台においては、偏荷重が常に作用していることや側方移動のおそれがあること。
 A地震時の動的非線形応答の推定法に不明な点が多いことより、杭頭結合部に想定外の断面力が発生する可能性があるという状況に対して、可能な限り杭頭部へ先に損傷領域を誘導するように配慮したものである。
と記載されています。
本解説の主旨は、レベル2地震時照査を行うケースにおいては、レベル2地震動を受ける場合に杭頭結合部にて損傷が先行し,進展することを避け,杭頭部へ損傷領域を誘導した設計が行われる、しかしながら、このような設計が行われないケースにおいては、現在の設計計算ではカバーできない大きさの応力状態が結合部に生じる可能性があり、また、可能な限り杭頭部へ損傷領域を先に誘導するように配慮した設計を行う必要性がある(基礎工2006.12月号.P.50)ということを論じたものであろうと考えられます。
本プログラムでは、上記の主旨を鑑み、前述の「杭頭部の設計に用いる曲げモーメント」は杭頭曲げモーメントと地中部最大曲げモーメントのうち大きい方を用いる必要があると判断し、仮想鉄筋コンクリート断面の照査を行っております。

なお、「計算条件」−「入力条件」画面で「杭頭結合計算の杭頭作用力=直接入力」を選択した場合、本プログラムでは、「杭頭結合計算」−「杭頭作用力」画面で設計に用いる曲げモーメントを入力することが可能です。
レベル2地震時照査を行わないケースにおいても、杭頭発生曲げモーメントを用いて照査を行う場合、上記画面にて、地中部モーメント=杭頭モーメントと入力することによりご対処くださいますようお願いいたします。地中部モーメントは、仮想鉄筋コンクリートの照査以外では、方法Aのフーチングコンクリートの水平支圧応力度の照査において、上記画面の「使用モーメント」を「2=地中部」とした場合のみ用いております。
  
Q1−15−6. レベル1、レベル2ともに仮想鉄筋コンクリート断面の照査を省略したい。
A1−15−6. 「杭頭結合計算」−「基本条件」画面で「杭頭補強鉄筋=しない」としてください。これにより、レベル1、レベル2共に仮想鉄筋コンクリート断面の照査は省略されます。
  
Q1−15−7. 鋼管杭の杭頭結合計算において、引抜き力に対する鋼管の付着応力度の照査は行っていないのか。
A1−15−7.
本プログラムの杭頭結合部の計算は、「杭基礎設計便覧(平成19年1月)社団法人日本道路協会」6-3-2(P.296〜)を準用しています。
本文献において、引抜き力に対する鋼管杭の杭頭結合部の照査は、結合方法ごとに次のように考えています。
 
■方法A
方法Aでは、フーチング内に十分な埋め込みを行いますが、鋼管杭に対する引抜き実験より得られた知見より、杭周面の付着応力やせん断抵抗よりも、フーチング内の杭に取り付けられたずれ止めの最下段から45°のクラックが発生し、このせん断破壊面を考慮した引抜き耐力を算定した方がより現実に即していると考え、ずれ止め最下段からフーチング下面までのせん断破壊面におけるせん断耐力を算定し、これが許容引抜きせん断応力度以下となることを照査します。
 
■方法B
方法Bでは、フーチング内への埋込み長さが最小限度(一般に100mm程度)であることから、この部分の付着応力やせん断抵抗は考慮せず、仮想鉄筋コンクリート断面(フーチングコンクリートと杭の溶接鉄筋や内詰め補強鉄筋を鉄筋コンクリートと仮定した断面)を仮定し、この断面に作用する押込み力,引抜き力および曲げモーメントにより生じる応力度が許容応力度以下となることを照査します。
 
杭基礎設計便覧では、上記のように考えており、本プログラムにおいても、引抜き力に対する鋼管の付着応力度の照査は、結合方法にかかわらず行っておりません。詳しくは、上記文献をご参照ください。


1−16.杭頭補強鉄筋照査

Q1−16−1.

杭頭補強鉄筋計算の必要鉄筋量が0.0となる。
A1−16−1. 杭頭補強鉄筋の必要鉄筋量算出は、以下のように行っています。
・断面:直径Doの円形断面
・軸力:「杭頭作用力」で設定された鉛直最大反力,鉛直最小反力
・曲げモーメント:「杭頭作用力」で設定されたモーメント
・許容応力度:「底版許容値」で設定されたσca,σsa
以上のデータを用いて、荷重ケースごとに
(1)σc=σcaとなるときの鉄筋量
(2)σs=σsaとなるときの鉄筋量
を算出し、最大となる鉄筋量を必要鉄筋量としています。

必要鉄筋量が0となるのは、微小な鉄筋量で許容応力度を満足していることを表しております。
    
Q1−16−2. 杭基礎設計便覧(平成19年1月)に準じたときの杭頭補強鉄筋において、杭外周溶接鉄筋の鉄筋がカウントされない。
A1−16−2. 「杭基礎設計便覧(平成19年1月)社団法人日本道路協会」6-3-2(P.303)において、「杭外周溶接鉄筋は、フーチング下面から100mmしか突出していない杭頭部への溶接であることや鉛直方向への溶接であるなど、一般の場合に比べて著しく施工性に劣ることから、想定した品質が確保されない可能性がある。したがって、常時の荷重や供用期間中に発生する確率が高いレベル1地震時の照査においては、品質が確実に確保される中詰め補強鉄筋(RC杭・PHC杭およびSC杭では杭体内補強鉄筋を含む)のみを杭頭補強鉄筋として考慮し、杭外周溶接鉄筋は考慮しないこととした。」とあり、常時,レベル1地震時に対する照査では、杭外周溶接鉄筋を考慮せずに行うことが規定されております。

本プログラムでは、上記を参照し、「計算条件」−「基本条件」画面の「杭基礎設計便覧の適用基準(H19年1月)」がチェックされているとき、杭外周溶接鉄筋を考慮せずに照査を行っております。
    
Q1−16−3. 以下のエラーが発生する原因は?
-----------------------------
杭頭補強鉄筋データエラー
*段目かぶりに誤りがあります。
下記のように修正して下さい。
*段目かぶり < (直径−内径)/2
------------------------------
A1−16−3. 「杭頭結合計算」−「杭頭補強鉄筋」画面において、『内径』を入力されているのではないでしょうか。

杭頭結合部の照査は、フーチング内に定着された仮想鉄筋コンクリート断面に対する照査であることから、通常内径は0(mm)として入力し、円環断面ではなく円形断面として照査します。
内径が入力されている場合、中詰め補強鉄筋が中空部に配置されていると判断され、ご質問のデータエラーが生じています。

なお、本プログラムでは、前身であるDOS版製品時に、PHC杭で仮想鉄筋コンクリート断面を円環断面として検討したいというご要望をいただき、内径の入力を設けております。
通常の仮想鉄筋コンクリート断面の設計では、円形断面として照査しますので、内径は0.0となります。
    
Q1−16−4. 杭頭補強鉄筋の外周溶接鉄筋のかぶりはどのように入力したらよいか。
A1−16−4. 本プログラムの杭頭補強鉄筋のかぶりは、仮想鉄筋コンクリート断面の直径Doの外周面から鉄筋中心までの距離となります。
例えば以下の条件の場合、
・仮想鉄筋コンクリート断面の直径Do=800(mm)
・鋼管径φ=600(mm)
・杭外周溶接鉄筋径D=32(mm)

 かぶり=(Do−φ)/2−D/2
    =84(mm)
となります。

1−17.杭頭カットオフ照査

Q1−17−1.

PHC杭のレベル2地震時照査において、杭頭カットオフの影響を考慮する必要はないのか?
A1−17−1. 常時,レベル1地震時に対しては、杭基礎設計便覧(H19.1)2-6-3(P.185)において、カットオフによるプレストレスの損失を考慮した鉄筋コンクリート断面としての照査方法が規定されていることから、本プログラムでは、これに準じた照査を行っています。
これに対し、レベル2地震時では、道示や他の文献等においても、カットオフ区間に対する照査方法は明記されておりません。よって、本プログラムでは、レベル2地震時に対するカットオフ区間の照査は行っておりません。

ただし、「道路橋の耐震設計に関する資料(H.9.3)社団法人日本道路協会」(P.9-21)において、「杭頭付近はカットオフによりプレストレスが減少していることから、軸方向圧縮力によるせん断耐力の割増しは死荷重による杭頭での軸力のみを考慮した。」と記述されており、カットオフによるプレストレスの損失を考慮する場合、せん断耐力照査時の軸方向圧縮力による補正係数CN算出に有効プレストレスσceを考慮せずに計算を行うよう記述されています。同様に、杭基礎設計便覧(H19.1)3-8-2(P.237),2-6-3(P.187)においても、「ただし、有効プレストレスσe=0とする。」と記述されています。
これより、本プログラムでは、「レベル2地震時基本条件」−「計算条件@」画面に『せん断耐力照査用のCN算出時の有効プレストレスσceの取扱い』スイッチを設け、プレストレスの損失を考慮する場合、「無視」を選択することにより、有効プレストレスを考慮せずに照査を行うことが可能で、これにより、カットオフの影響を反映しております。

1−18.他「UCー1シリーズ」との関連
1−19.その他

Q1−19−1.

千鳥配置の場合のスターラップの入力方法は?
A1−19−1. 千鳥配置は鉄筋量が半分になるため、整形配置を元に下記のいずれかの入力を行えばよろしいかと思います。
(1)本数を半分にする
(2)間隔を倍にする

なお、お問合せのスターラップの入力は、
・許容応力度法
 ・道示W5.1.3(P.160〜)の式(5.1.3)(必要斜引張鉄筋量)
・レベル2地震時
 ・道示W5.2.3(P.166〜)の式(5.2.1)(斜引張鉄筋の負担するせん断耐力)
に用いております。
    
Q1−19−2. スパイラル鉄筋の配置区間について2画面あるが、それぞれの入力方法は?
A1−19−2. それぞれの配置区間の入力方法は以下の通りです。
(1)「断面計算」画面(杭体応力度照査用)
 「杭配置」−「基本条件」画面で入力された『断面の変化』スイッチ(断面変化なし/上・下杭/上・中・下杭)を参照しており、配置区間の最大値は、
  ■断面変化なし
   最大値=1
  ■上・下杭
   最大値=2 (上杭のみ配置=1,杭先端まで配置=2)
  ■上・中・下杭
   最大値=3 (上杭のみ配置=1,中杭まで配置=2,杭先端まで配置=3)
 となります。

(2)「杭本体」−「杭種別データ」画面(レベル2地震時照査用)
 (1)と同様に『断面の変化』スイッチを参照しますが、M−φ関係により「杭配置」−「データ」画面で入力された『充填範囲』を考慮します。

 充填範囲が入力されていない場合は上記(1)と同じ入力となりますが、入力されている場合の配置区間の最大値は、(1)の最大値より+1され、
  ■断面変化なし
   最大値=2 (充填範囲のみ配置=1,杭先端まで配置=2)
  ■上・下杭
   最大値=3 (充填範囲のみ配置=1,充填範囲以外の上杭まで配置=2,杭先端まで配置=3)
  ■上・中・下杭
   最大値=4 (充填範囲のみ配置=1,充填範囲以外の上杭まで配置=2,中杭まで配置=3,杭先端まで配置=4)
 となります。
    
Q1−19−3. 偏心した増し杭の場合、作用力の作用原点位置は杭全体の図心、もしくは底版の図心であるか
A1−19−3. 増し杭工法のとき、作用力の作用原点位置は、既設底版下面中心となります。したがって、既設底版下面中心の作用力を集計し、入力してください。なお、レベル2地震時の死荷重時の作用力も同様です。

ヘルプの「計算理論及び照査の方法」−「杭基礎」−「補強設計(増し杭工法)」にも同様の説明を記載しておりますのでご参照ください。
    
Q1−19−4. 回転杭の羽根外径は任意で入力できないか?
A1−19−4. 本プログラムの回転杭工法は、「杭基礎設計便覧(平成19年1月)」参考資料「9.回転杭」(P.436〜)を参照し作成しております。
上記の杭基礎設計便覧は、1.5倍径,2.0倍径の羽根外径のみ記載されておりますので、本プログラムも同様の羽根外径としております。
そのため、任意の羽根外径を入力することはできません。
    
Q1−19−5. 鋼管ソイルセメント杭の場合、「計算条件」−「設計条件」−「鋼管ソイルセメント杭」の「許容荷重Na」とは?
A1−19−5. 許容荷重Naとは、杭部材の圧縮強度による杭軸方向の許容荷重(=鋼管断面積×許容応力度)を示しており、許容荷重を「考慮する」としたとき、
(1)通常の許容押込み力Ra,引抜き力Pa
(2)許容荷重Na
の計算を行い、小さい方を許容押込み力,引抜き力として採用します。
上記(1),(2)の計算値および計算過程は、計算書の「予備計算」−「許容支持力・引抜力の計算」の最後のページに出力しておりますのでご参照ください。

なお、本プログラムの鋼管ソイルセメント杭の計算は、道示Wの参考文献(P.431〜)に記載されている、
28)「(財)国土開発技術研究センター,ガンテツパイル(鋼管ソイルセメント杭工法),一般土木工法・技術審査証明報告書,2000.3」
29)「(財)国土開発技術研究センター,HYSC杭(鋼管ソイルセメント杭工法),一般土木工法・技術審査証明報告書,2000.12」の資料を参照しており、前述の許容支持力の考え方は、29)の文献の(P.154〜P.155)の記述を参照したものです。
また、上記の説明は、「計算条件」画面上の[ヘルプ]の「鋼管ソイルセメント杭データ」にも詳しく記述しておりますので、あわせてご参照ください。
    
Q1−19−6. SC杭の杭体単位長さ重量はどのように算出されるのか?
A1−19−6. SC杭においては、「杭基礎設計便覧」記載の単位重量(参考値)は用いておらず、次のように、プログラム内部にて厳密に計算しております。
詳細は、下記の例をご参照ください。なお、^はべき乗を示します。

■杭体諸元(SC杭)
外径D = 0.600(m)
内径H = 0.420(m)
鋼管厚t = 0.006(m)

■コンクリート部の断面積
Ac = π・{(D/2 - t)^2 - H/2^2}
= π・{(0.600/2 - 0.006)^2 - 0.420/2^2}
= 0.1330024(m2)

■鋼管部の断面積
As = π・{D/2^2 - (D/2 - t)^2}
= π・{0.600/2^2 - (0.600/2 - 0.006)^2}
= 0.0111966(m2)

■杭体重量
W = Ac・25.5 + As・77.0
= 4.2537(kN/m)
    
Q1−19−7. 底版形状に対して45°の方向に荷重が作用する場合の入力方法
A1−19−7. 本プログラムの作用力は、X軸,Y軸平行に作用するように入力していただく仕様としておりますが、底版形状に対して45°の方向に荷重が作用する場合、下記の2通りの設計で対処できるものと思われます。

■2.5次元解析で設計
 常時,暴風時,レベル1地震時であれば、2軸方向に荷重が作用するケースの計算を行うことが可能と考えられます。
 この場合、橋軸方向に作用する水平力,モーメント、橋軸直角方向に作用する水平力,モーメントを分力として入力してご対処ください。
 2.5次元解析における計算方法につきましては、ヘルプの「計算理論及び照査の方法」−「杭基礎」−「安定計算および杭体断面力の計算」 に詳しく記載しておりますので、ご参照くださいますようお願いいたします。

■2次元解析で設計
 作用力の向きをX軸,Y軸にし、杭配置(座標)を変更によりご対処くださいますようお願いいたします。
 ただし、この場合は、安定計算,杭体断面力計算のみ可能で、底版照査は適用不可となります。
  
Q1−19−8. 液状化を考慮したケースと無視したケースを同時に計算することはできるか。
A1−19−8. 本プログラムでは、次の設定を行うことにより、液状化の影響を無視したケース,考慮したケースの同時計算が可能です。

■レベル1地震時
「計算条件」−「基本条件」画面において、「レベル1地震時の液状化有無」の「無視」,「考慮」を両方ともチェックします。

■レベル2地震時
「レベル2地震時基本条件」−「基本条件(共通)」画面において、「液状化」の「無視」,「考慮」を両方ともチェックします。

ここで、液状化を考慮したケースとは、「地層」−「低減係数」画面で入力あるいは計算された土質定数の低減係数DEを、地盤バネや周面摩擦力に考慮した計算を行うことを示しています。ただし、全層のDEが1.000のとき、DEを考慮しても(地盤バネや周面摩擦力にDEを乗じても)結果に相違が生じないことから、本プログラムでは、全層のDEが1.000のとき、上記のスイッチは「無視」に固定し選択できないようにしています。選択不可(グレー表示)となっている場合、「地層」−「低減係数」画面の低減係数DEをご確認ください。

なお、常時,レベル1地震時の計算では、「作用力」−「荷重ケースの設定」画面の「地盤バネ」(「基準値」−「荷重ケース」画面で荷重ケースごとに設定)が「地震時」となる荷重ケースに対し液状化の影響を考慮した計算を行っており、この荷重ケースに対しては、液状化無視/考慮の両方の計算結果を出力しています。

また、橋台基礎のレベル2地震時照査は、道示X6.4.8(P.105)より、液状化の影響を考慮する場合のみ検討を行えばよいと考えています。よって、参考として液状化無視の計算を行うことも可能としておりますが、これらの同時計算を行うことはできません。
    
Q1−19−9. 汎用骨組み解析プログラムで基礎をモデル化するとき、本プログラムで算出されるバネ値のどれを用いたらよいか。
A1−19−9.
杭軸直角方向バネ定数K1〜K4は、杭頭の力と変位との関係を表したもので、道示W12.6.2(P.375)の解説のように、杭1本のバネ値を示しています。杭頭の集約バネであり、ラーメン橋脚やBOXカルバートの断面方向のモデル化で杭を1本ごとに支点バネとして定義する際に用います。
これに対し、基礎バネは、道示W12.7(P.380)(解12.7.2)により求まる基礎天端中心における杭基礎全体のバネ値を示しています。各杭のKvやK1〜K4を集約して求めたもので、一般に、橋梁全体の骨組解析のように、杭基礎全体を一つの支点として定義する場合に用います。
 
また、上記のバネ値は、
・常時,地震時のα・Eo
・固有周期算定用の動的変形係数ED
のいずれかを用いて算出します。
α・Eoを用いて算出されたバネ値は、支承の水平移動量の算定などに用います。これに対し、EDを用いて算出されたバネ値は、固有周期を算定するために橋梁全体をモデル化する場合に用います。また、道示X7.3.2(P.114)の記述、「基礎の変形の影響は、一般に基礎の抵抗を表すバネにより線形でモデル化してよい。ここで、基礎の抵抗を表すバネ定数は、式(解6.2.1)及び式(解6.2.2)による地盤反力係数の基準値を用いて式(解6.2.12)により算出してよい。」より、動的解析を行う場合の基礎の動的バネとしても用います。
 
以上のように、どのような解析モデルに使用するかにより必要とするバネ値が異なります。ご検討の照査内容を勘案し、下記のいずれかの値をご参照ください。
 
■地盤の変形係数α・Eoによるバネ値
・Kv
 「設計条件」−「バネ定数,許容支持力・引抜力,断面二次モーメント」
・K1〜K4
 「安定計算」−「杭軸直角方向バネ定数」
・基礎バネ
 「安定計算」−「杭基礎の剛性行列」
 
■動的変形係数EDによるバネ値
・Kv,K1〜K4
 「基礎バネ計算」−「杭軸直角方向バネ定数,杭軸方向バネ定数」
・基礎バネ
 「基礎バネ計算」−「固有周期算定用地盤バネ定数」
    
Q1−19−10. 底版照査に用いる引張主鉄筋比ptの算出方法
A1−19−10.
底版照査に用いる引張主鉄筋比は『断面図心位置から引張側にある主鉄筋の断面積の総和を全幅×有効高で除した値』として算出しております。
pt=As/(b・d)
ここに、
 As:断面の図心位置から引張側にある主鉄筋の総和(mm2)
 b:部材断面幅(=全幅)(o)
 d:部材断面の有効高(o)
    
Q1−19−11. メイン画面「ファイル」メニューの『柱状図』が選択できない
A1−19−11.
本メニューは、杭基礎側の「予備計算」が実行されていない状態では選択できません。
    
Q1−19−12. 予備計算を行っていない状態で、柱状図のみ出力したい
A1−19−12.
本プログラムでは、Ver.8.04.00にて、「地層」−「N値」画面に測定点ごとのN値の入力を追加し、平均N値の推定および測定点ごと の詳細なN値を用いた液状化の判定が行えるように機能を拡張いたしました。
この機能では、「杭配置」画面が未入力の状態でも出力できるため杭の概略図は出力しておりませんが、その他の部分に関してはメイン画面の 「ファイル」メニューにある柱状図とほぼ同等の入力と出力が可能となっております。
以下は、操作方法の概略となります
 1.「地層データ」画面に入り「N値」タブを選択する
 2.「N値測定点を入力する」チェックボックスにチェックを入れ、深さとN値のデータを入力する
  (※入力方法を「標高入力」に変更すれば測定点位置を標高で入力する事も可能です)
 3.「印刷」ボタンを押し出力を行う。(現行ではプリンタ出力のみに対応しております)

「地層データ」画面のヘルプボタンより開くヘルプも併せてご参照ください。
    
Q1−19−13. 常時,レベル1地震時では浮力の有無のスイッチがないが、浮力の有無はどのように取り扱っているのか。
A1−19−13.
常時,レベル1地震時において、浮力は、
@許容支持力,引抜き力算定時の杭および土の有効重量
Aフーチング下面中心の作用力計算における土砂やフーチングの浮力
Bフーチング許容応力度法照査の断面力計算における土砂やフーチングの浮力
に考慮されます。
 
上記@の計算では、一般に、浮力考慮,浮力無視で変わることはないものと考えることから、本プログラムでは、「地層」−「地層線」−「設計地盤面」画面の「水位(常時)」,「水位(地震時)」を用いた2種類の許容支持力,引抜き力のみ計算し、「基準値」−「荷重ケース」画面の「許容支持力(常時/地震時)」スイッチにより使い分けています。
 
これに対し、上記@,Aに関しては、「作用力」−「柱下端作用力」(あるいは「作用力」−「作用力」)画面の「水位」により、計算に用いる水位を直接指定していただくようにしています。
あらかじめ浮力考慮時の水位,浮力無視時の水位(フーチング下面)を設定し、荷重ケースごとに「浮力考慮」,「浮力無視」スイッチを指定するのではなく、荷重ケースごとに直接水位を指定します。
 
なお、「作用力」画面では、画面上の[水位連動]ボタンにより、前述の「地層」画面の水位を連動することができます。
ただし、前述のように、荷重ケースごとの浮力有無のスイッチを用意しているわけではありませんので、常時は常時水位,地震時は地震時水位が全ケースに一様にセットされます。
お手数ですが、浮力無視ケースについては、[水位連動]を行った後、手動で0.000(m)と設定してください。


1−20.段落とし自動配筋

Q1−20−1.

自動配筋を選択した場合、1/2Mmax位置はどのケースの深さを選択しているか?
A1−20−1. 本プログラムでは、ヘルプの「計算理論及び照査の方法」−「杭基礎」−「場所打ち杭の自動配筋」の『4.断面変化位置の算出方法』に記載しておりますように、断面変化位置の決定は、各荷重ケースごとに変化位置を求め、最も深い位置を各断面の変化位置としています。
これは、どの荷重ケースの結果を断面変化位置とすべきかプログラム側で判断できないためです。
しかしながら、特定のケースの結果を用いて、断面変化位置を決定する方法も考えられます。
そこで、本プログラムでは、以下の手順が行えるようにしております。

 (1)『自動配筋=する』あるいは『自動配筋=しない』とし断面変化位置を自動計算
 (2)「計算・結果確認」−「杭体応力度」画面で自動配筋計算結果を確認し、設計者の方のご判断で断面変化位置を決定
 (3)「計算・結果確認」−「杭体応力度」画面上の[断面位置指定]ボタンから(2)の位置を直接入力

あるいは

 (1)『自動配筋=する』あるいは『自動配筋=しない』とし断面変化位置を自動計算
 (2)「計算・結果確認」−「杭体応力度」画面で自動配筋計算結果を確認し、設計者の方のご判断で断面変化位置を決定
 (3)『自動配筋=しない』として、(2)の位置を入力
 (4)入力された断面変化位置に応じた応力度計算を実行

なお、「基礎の設計計算Ver.5,杭基礎の設計Ver.5(Ver.5.00.00)」において、杭体応力度/許容応力度の許容比が最も大きなケースの断面変化位置を採用することができるよう下記の選択を設けました。
■全ケースの最下位置の荷重ケース
 各断面に対して荷重ケースごとに変化位置を求め、最も深い位置を変化位置します。(上記(Ver.4)の決定方法)
■第1断面の最大許容応力度比の荷重ケース
 第1断面(Mmax)で算出された許容応力度比(σc/σca,σs/σsa,σs'/σs'a)が一番大きくなるケースの断面変化位置を、第2,第3断面の断面変化位置とします。

1−21.設計調書

Q1−21−1.

設計調書の「基礎工詳細設計調書(その2)」の『鉛直変位δz』の算出方法
A1−21−1. 「基礎工詳細設計調書(その3)」の『鉛直変位δz』は、ヘルプの「操作方法」−「メニューの操作」−「設計調書」−『A杭基礎の設計計算』の「1.基礎工詳細設計調書」−「(2)その2 および その3」に記載しておりますように、抽出された荷重ケースのPmax/Raの最大となる杭のPmax/Kvを出力しています。
なお、鉛直変位δzは、安定照査には用いておりませんので、計算書では出力しておりません。

1−22.地震時保有水平耐力

Q1−22−1.

底版レベル2地震時照査において、「以上のように、基礎はkhyF=0.###で降伏に達したが 〜」のようなコメント(詳細欄参照)が表示され、応答塑性率照査を行わない場合があるが、どういう意味か?
A1−22−1. 表示されるコメント
------------------------------
以上のように、基礎はkhyF=0.###で降伏に達したが
khcF≦khyF(0.###≦0.###)より、基礎の降伏が生じるが基礎本体あるいは
基礎周辺地盤に塑性化が生じることにより減衰の影響が大きくなるので基礎の
損傷はそれ以上進展しないと判断される。
上表の青表示は基礎が降伏に達した条件を示しています。
------------------------------

『道路橋の耐震設計に関する資料 (平成9年3月) 社団法人日本道路協会』のP.2-62〜2-63に、基礎の応答塑性率の照査に関する記述があります
ここに、「……khyFがkhc以下であるが,道路橋示方書V編式(11.4.3)により算出される基礎の地震時保有水平耐力法に用いる設計水平震度khcF(=CD・khc)以上の場合には,基礎に降伏が生じるが基礎本体あるいは基礎周辺地盤に塑性化が生じることにより減衰の影響が大きくなるので,基礎の損傷はそれ以上に進展しないと判断される。」とあり、本プログラムではこれを参照しています。

khcF≦khyFの関係で基礎が降伏に達したとき、応答塑性率の算式、
 μFR=1/2{1+(khcF/khyF)2}
に代入すると、μFR<1の関係になりますが、前述の資料のP.2-63の図-2.3.12より、応答塑性率μFR=1.0となるため、応答変位時=基礎降伏時としています。
このため、応答塑性率の照査結果は出力しておらず、上記の解説文を表示・出力しています。
 
Q1−22−2. 杭基礎の「レベル2地震時照査」−「基本条件」−「計算条件(1)」で『塑性化した部材の曲げ剛性の取り扱い』に10000を入力しているが問題ないか?
A1−22−2. 基礎が降伏に達して応答塑性率照査を行う場合、基礎降伏後、応答変位となる状態を求めるために水平震度を増加させながら計算を続行していますが、応答変位状態とな る前に地中部杭体モーメントが終局モーメントあるいは全塑性モーメントに達する部材が発生した場合、この部材の曲げ剛性は、「レベル2地震時基本条件」−「計算条件」画面の『塑性化した部材の曲げ剛性の取扱い』により与えられます。
本入力は、地中部杭体モーメントが終局モーメントあるいは全塑性モーメントに達し た部材の曲げ剛性を、コンクリート杭は道示W12.10.4(P.412)図-解12.10.3のY−U区 間,鋼管杭及び鋼管ソイルセメント杭はY−Y’区間の勾配に対する低減率(何分の1とするか)として指定します。

この低減率は、道示モデルのように、曲げ剛性が極めて0に近い値となるよう1/10000 を初期設定していますが、あまりにも曲げ剛性が小さくなりすぎると、プログラム内 部で用いている実数値の有効範囲(桁数)が不足し、桁落ちし、『0割が発生しました。』とエラーが発生するケースがあります。
この状態となる低減率は計算モデルに依存し、事前に適切な低減率を提示することはできません。計算可能な範囲内で低減率を設定して下さい。
 
Q1−22−3. 「地盤データ」画面の『上載荷重』で、浮力無視と浮力考慮が同じである。
A1−22−3. 「地盤データ」画面上の[ヘルプ]に記載しておりますように、上載荷重算出用の水位は、「レベル2地震時基本条件」−「基本条件(杭基礎)」画面で設定された『予備計算用水位』を用いております。
『予備計算用水位』が浮力無視/考慮で同じ場合、上載荷重は同じになります。
 
Q1−22−4. 左ツリー部の「流動荷重」が選択できない。
A1−22−4. 「レベル2地震時基本条件」−「基本条件(共通)」画面で『計算条件=流動化考慮』を選択ください。
なお、入力画面上の[ヘルプ]に記載しておりますように、「地層」−「低減係数」で流動荷重強度>0.000の地層が存在する場合のみ『計算条件=流動化考慮』が選択可となります。

以上より、「レベル2地震時照査」−「流動荷重」画面の入力が可能となります。
 
Q1−22−5. 作用力直接指定によるレベル2地震時照査時において、huは何に用いているのか?
A1−22−5.
荷重変位曲線(作用水平力と上部構造慣性力作用位置の水平変位の関係をグラフ化したもの)を出力するために用いており、具体的には、上部構造慣性力作用位置での水平変位(=基礎天端水平変位δo+基礎天端回転角αo・hu)として算出しております。
以上より、huは底版下面から上部構造慣性力作用位置までの高さを入力してください。
なお、荷重変位曲線のための入力であるため、huを変更しても、基礎の安定計算に影響はありません。
    
Q1−22−6. 釣合鉄筋量の算出方法は?
A1−22−6.
釣合鉄筋量は、道示W7.3(P.176)(2)において、次のように定義されています。
「釣合鉄筋量は、軸方向引張鉄筋が降伏点に達すると同時にコンクリートの縁圧縮ひずみがその終局圧縮ひずみに達するような引張鉄筋量とする。」

釣合鉄筋量の算出方法は以下のとおりです。
 a)引張側の最遠位置のひずみをεsy(鉄筋の降伏ひずみ)、コンクリート圧縮縁のひずみをεcu(終局圧縮ひずみ)として中立軸位置を求める。
 b)各位置のひずみを用いて、コンクリートの圧縮応力度の合力、および圧縮側鉄筋に生じる圧縮力を算出する。
 c)(作用軸力が0なので)コンクリートの圧縮力と圧縮鉄筋の圧縮力の合計値を、鉄筋の降伏点強度で除した面積を、釣り合い鉄筋量とする。
参考)道示V4.2.4(P.141)では、次の様に定義されています。
「コンクリートの終局ひずみと引張鋼材の降伏ひずみが同時に生じる場合をつり合い状態といい、その時の引張鋼材量を終局つり合い鋼材量と呼ぶ。」
(解 4.2.5)を軸力が無い場合に変更すると以下のようになります。
Asb=(b・d・0.68・εcu/(εcu+εsy)・σck+As’・σs’)/σsy
この式ではコンクリートの応力度分布として「図-解4.2.3」(P.140)を用いるのに対し、本プログラムでは「図-解4.2.2」-「(c)」(P.140)の応力度分布を用いておりますが、この点を除けば(解4.2.5)と同じ方法です。
   
Q1−22−7. レベル2地震時の底版前面水平抵抗において、液状化考慮時は前面抵抗を考慮せずに照査したい。
A1−22−7.
「底版前面水平抵抗」画面の『低減係数DEレベル2』に0.0を入力することで、液状化考慮時は底版前面水平抵抗を考慮しない状態となります。(※液状化無視時は底版前面水平抵抗を考慮します。)
    
Q1−22−8. 計算書の最小鉄筋量照査で「Mc=Muとなる鉄筋量」が表示されている場合と「−」の違いは?
A1−22−8.
「Mc=Muとなる鉄筋量」は、曲げモーメントの1.7倍がひびわれ曲げモーメントより大きくなるとき(1.7M>Mcの関係となるとき)出力しています。
    
Q1−22−9. 「作用力を指定する」とは、どのような場合に使用するのか?
A1−22−9.
作用力直接指定によるレベル2地震時照査は、道示X7.4(P.117)に記述されている「動的解析の結果,橋脚の挙動が弾性域にとどまる場合には,橋脚基部に生じる断面力を橋脚基礎に作用する地震力とみなして、6.4.7の規定に基づいて照査を行えばよい。」に対応したもので、入力された作用力に対して、基礎が降伏に達するか否かを計算しています。
現行では、上記の柱基部断面力を指定する方法の他、底版下面中心の作用力を直接与えて照査する方法も用意しております。
具体的な計算は、下記の初期作用力から全作用力まで、荷重を増加させながら計算を行い、全作用力時に基礎が降伏に達しないことを照査しています。

・初期作用力
 V=Vp+V’
 Ho=H’・SW
 Mo=M’・SW
  慣性力の向きが正方向のとき、SW=1
  慣性力の向きが負方向のとき、SW=−1
・全作用力
 V
 H=Hp+WF・kh+H’・SW
 M=Mp+Hp・(底版厚)+WF・hF・kh+M’・SW
ここに、
 Vp:柱基部における鉛直力(kN)
 Hp:柱基部における水平力(kN)
 Mp:柱基部におけるモーメント(kN・m)
 V’:柱基部断面力以外の鉛直力(kN)
 H’:柱基部断面力以外の水平力(kN)
 M’:柱基部断面力以外のモーメント(kN・m)
 h:頂版厚
 kh:地盤面の水平震度
計算方法につきましては、ヘルプの「計算理論及び照査の方法」−「杭基礎」−「レベル2地震時照査」−「基礎の耐力の照査」−「作用力を指定してレベル2地震時照査を行う」に記載しておりますので、ご参照くださいますようお願いいたします。

なお、作用力直接指定の場合、前述の通り、基礎の耐力照査(設定された全作用力を載荷したときに基礎が降伏に達しているか否か)のみを行っており、応答塑性率の照査は行いません。
詳しくは、ヘルプの「Q&A」−「杭基礎」−「23.地震時保有水平耐力」−「Q23−32」に詳しく記載しておりますのでご参照ください。
    
Q1−22−10. 作用力を指定してレベル2地震時照査を行う場合に柱間の底版レベル2地震時照査を行う方法は?
A1−22−10. 「レベル2地震時基本条件」画面上の[ヘルプ]の「(3)作用力を指定する場合」に記載しておりますように、本プログラムでは、作用力を指定して杭基礎レベル2地震時照査を行う方法として、
 @柱基部の作用力を指定し、プログラム内部にて底版下面中心の作用力を算出を行い、この作用力を用いて照査する方法
 A底版下面中心の作用力を直接指定する方法
の2種類を用意しております。
ただし、@の柱基部の作用力を指定する方法は、単柱橋脚のみのサポートとしており、多柱式橋脚の場合、Aの方法により照査していただく必要があります。
よって、本件につきましては、「レベル2地震時基本条件」−「基本条件(共通)」画面で「作用力を指定してレベル2地震時照査を行う=する(底版下面作用力)」と設定したあと、同画面の「基本条件(杭基礎)」において、底版下面中心の初期作用力(=死荷重時の作用力),全作用力(=慣性力が作用した状態における全荷重)を別途算出し、直接入力することによりご対処くださいますようお願いいたします。
これにより、「底版設計」−「計算条件」画面の「レベル2地震時照査:連続フーチングの柱間照査」が選択できるようになりますので、安定計算を実施した後、「計算・結果確認」−「底版照査」−「X方向」−「柱基部断面力」画面にてそれぞれの柱の断面力(断面照査時の柱基部の断面力)を入力し、底版レベル2地震時照査を行ってください。
    
Q1−22−11. レベル2地震時基本条件の計算条件の「上限値pHuの取扱い」にある「L/DE」とは?また計算のどの部分に用いられているのか?
A1−22−11.
レベル2地震時照査では、杭前面地盤の非線形性を考慮した照査を行っておりますが、砂質地盤の水平地盤反力度の上限値は、道示W(P.409)のとおり、最前列/2列目以降で異なり、2列目以降の上限値を1/2とします。

しかしながら、増し杭工法で既設杭の外側に増し杭が増設されたとき(全杭を考えたとき既設杭が最前列とならないとき)、既設杭の最前列の地盤反力度の上限値を1/2とするか否か、道示において明確な規定がありません。
したがって、本プログラムでは、既設杭の最前列の地盤反力度の上限値を1.0とするか、1/2とするかを選択していただくようにしております。

ここで、「上限値pHuの取扱い」に表示される「L/DE」は、「既設基礎の耐震補強技術の開発に関する共同研究報告書(その3)(平成14年9月)」の
・既設杭径DE/増し杭径DM≧3.4
・増し杭1列目から既設杭1列目までの距離L/既設杭径DE≧1.8
をいずれも満たすとき、既設杭の最前列の地盤反力度の上限値を低減せず1.0として評価してよいとの記述を参照し、参考値として表示しているもので、計算には用いておりません。
    
Q1−22−12. 壁式橋脚の橋軸直角方向に対してのみ、基礎の塑性化を考慮した設計を行うものと考えていたが、橋軸方向に対しても考慮しても良いのか?
A1−22−12.
旧道路橋示方書X(H8.12)の5.2(2)2),11.1におきまして、「橋軸直角方向において橋脚躯体が設計水平震度に対して十分大きな終局水平耐力を有している場合」という記述があり、橋軸直角方向に限定して応答塑性率の照査を満足すればよいとされておりましたが、改訂後の道示X(H14.3) 6.4.7(3),12.1におきましては、『橋軸直角方向』との記述が削除されており、方向に依存せず、橋脚躯体が十分大きな水平耐力を有している場合は応答塑性率の照査を満足すればよいという記述となっております。
したがって、本プログラムでは、橋軸方向に対しても応答塑性率の照査を行っています。
    
Q1−22−13. 盛りこぼし橋台の設計において基準変位量Soには何を入力すればよいか
A1−22−13. 「杭の基準変位量So」についての情報を持っておらず、適切な返答ができません。ご了承ください。

レベル2地震時の地盤反力係数は、「設計要領第二集 橋梁建築編(H18.4)」の図4-4-21(P4-57)におけるワイブル曲線にて推定すると規定されておりますが、本項における基準変位量So(=ひずみ1%)をどのように算出すべきか明確な記述がなく、本説明から把握することができません。
このため、設計者の方のご判断で入力していただく仕様としております。
    
Q1−22−14. 「レベル2地震時基本条件」−「計算条件B」画面の照査判定用の軸力の取扱いはどれを選択したらよいか
A1−22−14.
杭基礎設計便覧(P.303の4行目)では、「仮想鉄筋コンクリート断面の降伏曲げモーメントの算定においては軸力Nを零とする。」と記載されております。
これより、仮想鉄筋コンクリート断面My算出用の軸力は「軸力=0」で良いのではと思われますが、杭基礎設計便覧(P.303の5行目)に、「ただし、レベル2地震時の照査において、基礎に主たる塑性化を考慮する場合は・・・・」と記載されております。
取り方によっては、(P.303の4行目)の「軸力Nを零とする。」は「基礎に主たる塑性化を考慮しない」場合に対してと読み取ることもできます。
以上より、杭基礎設計便覧では軸力の取扱いが詳しく明記されておりませんので、本プログラムは、
 (1)降伏判定用
 (2)基礎に主たる塑性化を考慮するとき
 (3)基礎に主たる塑性化を考慮しないとき
に用いる仮想鉄筋コンクリート断面My算出用の軸力を選択していただく仕様としております。
杭基礎設計便覧をご参照いただき、最終的には設計者の方のご判断により選択してください。
    
Q1−22−15. 2柱式のフーチングで断面力の耐力照査を行いたい
A1−22−15.
レベル2地震時照査につきましては、次の手順にて入力,計算を行ってください。

1)「底版設計」−「計算条件」画面の【連続フーチングの柱間照査】で『連続フーチングの柱間照査=する』と指定する。
2)レベル2地震時の安定計算を行う。
3)「計算・結果確認」−「底版照査(レベル2)」結果確認画面を開き、「X方向」−「柱基部断面力」で、断面照査時の『柱基部断面力』を入力する。
4)同画面の「曲げ照査」,「せん断照査」に移動し、照査結果を確認する。

なお、連続フーチング柱間レベル2地震時照査を行うには、底版自重,上載土重量,浮力,杭頭反力,および部材照査時の各柱基部の作用力が必要となりますが、例えば、ラーメン橋脚において柱基部断面力を算出する際に部材の曲げ剛性等をどのように評価して算出すべきか基準類に明示されておらず、また、本プログラムには多柱式橋脚そのものの設計機能がありませんので、設計者の方のご判断により別途算出された部材照査時の荷重状態における柱基部断面力を直接入力していただくようにしております。
部材照査時の荷重状態は次のとおりです。
・基礎が降伏に達しなかったとき:最終震度時
・基礎が降伏に達して応答塑性率照査を行わないとき:基礎降伏時
・基礎が降伏に達して応答塑性率照査を行ったとき:応答変位時

詳しくは、各入力画面,結果確認画面の[ヘルプ]をご参照ください。
    
Q1−22−16. 基礎が降伏に達し、応答塑性率の照査を行うことが可能な条件にもかかわらず、応答塑性率の照査が行われない。これはなぜか?
A1−22−16. 「レベル2地震時基本条件」−「計算条件A」画面の「橋脚に主たる塑性化が生じるとき、基礎に主たる塑性化を考慮しない」をご確認ください。
本スイッチは、道示X12.1(P.211)の「ただし、橋脚基礎に主たる塑性化が生じることを考慮する場合には、主たる塑性化が橋脚基礎にのみ生じるようにするために、図-解12.1.2に示すように、基礎の降伏耐力が橋脚の終局水平耐力あるいは橋脚躯体基部に生じる断面力を上回らないことを確認するものとする。」に対応したもので、基礎が降伏に達したときの水平震度khyFを用いて、
 khyF≧khp・・・・橋脚基部に主たる塑性化が生じる
 khyF<khp・・・・基礎〜地盤系に主たる塑性化が生じる
により、橋脚基部に主たる塑性化が生じているか否かを判断し、khyF≧khpの関係で基礎が降伏に達したとき、応答塑性率の照査を行いません。

また、作用力を直接指定してレベル2地震時照査を行う場合、基礎の耐力照査(設定された作用力を載荷したときに基礎が降伏に達しているか否か)のみを行っており、応答塑性率の照査は行っておりません。

この他、「A1−22−1」の条件も考えられます。こちらも合わせてご参照ください。
    
Q1−22−17. 「レベル2地震時照査」−「地盤データ」の「杭間隔÷杭径」はどの計算に用いられ、どこに影響するのか?
A1−22−17.
杭間隔÷杭径は、道示W12.10.4の解12.10.8(P.409)の
 ηp・αp=荷重載荷直角方向の杭の中心間隔/杭径
を指しており、次に示される、砂質地盤の群杭効果を考慮した水平地盤反力度の上限値の補正に用いられます。
pHu=ηp・αp・pu
ここに、
pHu:水平地盤反力度の上限値
pu:地震時の受働土圧強度

杭間隔÷杭径が異なった場合、水平地盤反力度の上限値が変わるため、杭前面地盤に塑性化領域が生じるケースでは、杭前面地盤抵抗が異なり、基礎の挙動に影響を与えます。
詳しくは、上記道示をご参照くださいますようお願いいたします。
    
Q1−22−18. レベル2地震時の計算書において、(1)杭,(2)杭・・・とあるが、これはどの杭を示しているのか?
A1−22−18.
本プログラムでは、水平地盤で杭径,杭長が全杭同一となるとき、全杭の結果は出力せず、条件が同一となる杭をまとめ (1)杭,(2)杭・・・として結果出力を行っています。
(1)杭,(2)杭の分け方については下記説明をご参照ください。

杭体のM−φ関係,水平地盤反力度の上限値が同一の杭の場合、レベル2地震時照査結果は、杭頭から杭先端までの杭体状態量(曲げモーメント,せん断力,変位)分布が同じになります。これに対し、杭体のM−φ関係,水平地盤反力度の上限値が異なる杭の杭体状態量分布は異なります。
本プログラムでは、杭体状態量分布が同一となる杭を同一タイプとし、このタイプ番号を(1)杭,(2)杭,・・・としています。

例えば、道示W12.10.4に記述されていますように、コンクリート杭の場合、杭体のM−φ関係は
 (A)図心より押込み側(軸力=死荷重時反力)
 (B)図心位置および引抜き側(軸力=0.0)
で異なります。
また、水平地盤反力度の上限値は
 (a)最前列
 (b)2列目以降
で異なります。
これらを組み合せる事により、
 (1)杭:最前列の杭
  ・M−φ関係:(A)図心より押込み側(軸力=死荷重時反力)
  ・地盤反力度の上限値:(a)最前列
 (2)杭:2〜3列目の杭
  ・M−φ関係:(B)図心位置および引抜き側(軸力=0.0)
  ・地盤反力度の上限値:(b)2列目以降
のようにタイプが割り振られます。

計算書の「レベル2地震時の照査」−「荷重変位曲線」の出力において、(1)杭,(2)杭の説明を出力しております。また、「液状化無視/考慮,地震動タイプT/U,水位無視/考慮」の出力に、それぞれのタイプ番号に該当する杭を杭配置図で図示しておりますので、こちらでご確認くださいますようお願いいたします。
    
Q1−22−19. レベル2地震時の降伏判定に杭頭部の耐力(仮想鉄筋コンクリート断面の降伏曲げモーメントMy)が用いられているが、これはどのような理由によるのか?
A1−22−19.
平成8年道示W10.9.3(P.371)において、「仮想鉄筋コンクリート断面の耐力は,杭本体と同程度以上とするのが望ましい。」という記述が追加されました。
また、その後、平成9年に発刊された「道路橋の耐震設計に関する資料社団法人日本道路協会」(P.4-33)において、「したがって、杭頭部における杭体の曲げモーメントM−曲率φの関係としては鋼管杭と結合部の仮想鉄筋コンクリート断面のうち降伏曲げモーメントの小さい方を用いる必要がある。ただし、杭基礎全体の耐力を向上させるという観点から、仮想鉄筋コンクリート断面の耐力は、配筋上制約のない範囲内で鋼管杭本体の耐力以上とするのが望ましい。」との記述が記載されています。

上記の道示および青本の記述は、仮想鉄筋コンクリート断面の耐力を杭体と同程度以上とした設計を行うことを期待するが、仮想鉄筋コンクリート断面の耐力を杭体以上とすることができない場合、その小さい方を用いて基礎の降伏判定を行う必要があることを示しております。
本プログラムでは、上記を参照し、杭頭部の降伏判定には、仮想鉄筋コンクリート断面の耐力と杭体の耐力のうち小さい方を用いています。

なお、平成19年1月に発刊された杭基礎設計便覧において、レベル2地震時における杭頭部の照査方法が明確に規定されました。
よって、現行では、杭基礎設計便覧に準じた杭頭部の照査を満足すれば、仮想鉄筋コンクリート断面の耐力を用いて降伏判定を行うケースは少ないものと考えられます。
ただし、例えば既設照査等においては、必ずしも杭頭部の耐力が杭体と同程度以上となっていないことが考えられます。この場合、前述の青本の記述が適用され、仮想鉄筋コンクリート断面の耐力を用いて降伏判定が行われます。
    
Q1−22−20. 3列杭のレベル2地震時照査結果において、降伏時の最大曲げモーメントに着目すると、1,2杭は制限値である降伏曲げモーメントと一致しているが、3杭は制限値を超えた状態となっている。制限値を超えた状態となるのはなぜか。
A1−22−20.
本プログラムのレベル2地震時照査では、基礎が降伏に達したとき、降伏に達した状態の結果を表示,出力しています。

道示X12.3(P.217)に記述されていますように、杭基礎の降伏は、
 (1)全ての杭において杭体が降伏する。
 (2)一列の杭の杭頭反力が押込み支持力の上限値に達する。
のいずれかに最初に達する状態となります。

本ケースの場合、上記の(1)に該当しています。
3列目の最大曲げモーメントが制限値(降伏曲げモーメントMy)に達しても、1,2列目の杭列がMyに達していない場合、基礎が降伏したとは判断せずさらに水平震度を増加させて計算を行います。
最終的には、「全ての杭において杭体が降伏する」、つまり1,2列目の杭列がMyに達して初めて基礎が降伏したと判断され、この状態を降伏時の状態として表示,出力します。
よって、1,2列目の杭列はMyと一致し、3列目については制限値を超えた状態となっています。
    
Q1−22−21. レベル2地震時照査―基本条件のkhgはCzをかけた値を入力するのか?
A1−22−21.
「レベル2地震時基本条件」−「基本条件(共通)」画面の『khG』は、道示X6.4.3(P.89〜)の「khg=Cz・khgo」を入力して下さい。
    
Q1−22−22. 作用力を指定してレベル2地震時照査を行う場合の初期作用力,全作用力は具体的には何を示しているのか。
A1−22−22.
初期作用力,全作用力とは、次の荷重を示しています。

■初期作用力
初期作用力とは、死荷重時(慣性力が作用しない状態)における底版下面中心の作用力となります。
なお、初期水平力,初期モーメントは通常0となりますが、柱中心位置と底版下面中心位置が一致していない、橋脚形状,上部工反力が左右非対称で偏心モーメントが生ずる、死荷重時に水平力が作用している等により発生する荷重がある場合、入力してください。
■全作用力
慣性力が作用した状態における底版下面中心の全荷重となります。
「柱基部断面力」を指定する場合であれば、指定した柱基部断面力より底版下面中心の全作用力を内部計算し、この作用力を用いて照査します。これに対し、「底版下面作用力」を指定する場合であれば、底版下面中心に作用する荷重を直接指定してください。
    
Q1−22−23. 底版レベル2地震時照査における降伏曲げモーメントはどのように算出されるのか?
A1−22−23.
以下の条件にて算出しております。
・コンクリートの応力度−ひずみ曲線:道示V図−4.2.2
・鉄筋の応力度−ひずみ曲線:道示V図−4.2.3(a)
・考慮する鉄筋:引張側のみ(圧縮側鉄筋無視)

本プログラムでは、上記の条件にて、中立軸を仮定し各要素の応力度を積分し軸力を求め、作用軸力(底版の場合は0)と比較することで最終的な中立軸位置を求める(中立軸を移動し計算を繰り返す)という収束計算を行っています。
    
Q1−22−24. レベル2地震時の照査で「M−φ関係において、My≦0.0,Mu≦0.0となるケースが発生しました。」というメッセージが表示されるが、どういう状態を表しているのか?
A1−22−24.
本警告は、軸力変動を考慮したレベル2地震時照査を行う場合に表示されます。

本プログラムでは、レベル2地震時照査を荷重増分法により行っており、「レベル 2地震時基本条件」−「基本条件(共通)」画面の『分割数』より、水平震度0.0から最終水平震度までを何分割して計算するかを入力していただき、死荷重時から最終水平震度まで水平震度を増加させながら計算を行います。
軸力変動を考慮した照査では、この分割されたステップごとに、各杭列の杭頭反力を軸力としてM−φ関係を再定義し、より厳密に杭体の曲げ剛性を評価した照査を行います。
ただし、レベル2地震動による慣性力を考慮した杭頭反力を軸力とするため、慣性力が作用する押込み側では軸力が非常に大きくなり、逆に引抜き側では引抜き力(負値の軸力)が生じます。
通常の設計では、死荷重時あるいは軸力を零としてM−φ関係を算出しますが、上記の通り、軸力変動を考慮する場合、大きな押込み力,引抜き力を軸力とするため、軸力が範囲外となりM−φ関係を算出することができず、Mc<My<Mu,φc<φy<φuの関係とならない場合や、M−φ関係が負値となるケースが生じます。
本プログラムでは、このようなケースの時、計算を中断し、計算不能としております。

なお、計算書の詳細出力である「レベル2地震時の照査」−「液状化無視/考慮・地震動タイプT/U・浮力無視/考慮」の「・M−φ関係」により、計算不能となる直前の杭体のM−φ関係を確認することができます。
    
Q1−22−25. 有効長とは?
A1−22−25.
入力画面上の[ヘルプ]に記載しておりますように、有効長dはレベル2地震時照査時のM−φ算出に用いており、道示X10.4(P.160〜)記述のdを示しています。この値を入力してください。
なお、P.162には、「図-解10.4.1に示すように、円形断面の場合には、帯鉄筋によって拘束される内部コンクリートの直径を用いる」と記述されています。
    
Q1−22−26. 杭頭鉛直反力PNiによる単位幅当たりの底版の曲げモーメントMp1の算出方法
A1−22−26.
杭頭鉛直反力PNiによる単位幅当たりの底版の曲げモーメントMp1は、 
Mp1=Σ(PNi・Xi)/L  

Xi:照査断面から各杭中心までの距離(m) 
L:奥行き幅(m)
となります。
なお、計算書の「レベル2地震時の照査」−「底版照査」−「断面力算出」−「b)杭反力」の出力において、杭頭反力による曲げモーメントMp1(鉛直反力),Mp2(水平反力),Mp3(モーメント)を出力しておりますので、ご参照ください。
(「断面力算出」で出力している照査位置は、平面図上でY方向は下から上,X方向は左から右の順に出力しております。)
    
Q1−22−27. レベル2の最小鉄筋量の照査は必要か
A1−22−27.
本件につきましては、ヘルプの「計算理論及び照査の方法」−「杭基礎」−「レベル2地震時照査」−「基礎の非線形性を考慮した解析方法」−「底版照査」の『最小鉄筋量照査』に記載しておりますのでご参照ください。

「道路橋の耐震設計に関する資料(H.9.3)社団法人日本道路協会」の「2.鉄筋コンクリート橋脚を用いた場合の設計計算例」では、フーチングの最小鉄筋量照査は許容応力度法照査に対して行っており、地震時保有水平耐力法照査では行っておりません。
本プログラムでは、当初、この方法を参照し、橋台,橋脚ともにレベル2地震時では最小鉄筋量照査を行っておりませんでしたが、その後、複数のユーザ様から、レベル2地震時においても最小鉄筋量照査を行うことができるようにしてほしいとのご要望をいただき、「基礎の設計計算Ver.5,杭基礎の設計Ver.5 (Ver.5.00.01)」(2006/02/14リリース)において、「底版設計」−「計算条件」画面に照査の有無の選択を設けました。

このような経緯があり、本プログラムでは、最小鉄筋量照査を行うことができるようになっておりますが、文献,基準類等に照査が必要と明記されているわけではございませんので、最小鉄筋量照査を行うか否かにつきましては、設計者の方のご判断で決定してくださいますようお願いいたします。
    
Q1−22−28. 作用力を指定してレベル2地震時照査を行うときの『地盤面の水平震度kh』は何に用いているか?
A1−22−28.
『地盤面の水平震度kh』は、「底版慣性力」および「突出時の杭体慣性力」の算出に用いております。
底版下面中心における作用力を直接入力する場合は、突出時(底版下面〜耐震設計上の地盤面間)の杭体慣性力の算出のみに用いております。
    
Q1−22−29. 地震時保有水平耐力法による橋脚基礎の照査に用いる設計水平震度Khpは、どのように使われているか?
A1−22−29.
杭基礎のレベル2地震時照査では、水平震度0.0〜Cz・khcoを計算範囲としています。
橋脚に生じる応答が塑性域に達する場合は、khp<Cz・khcoの関係のケースで、この場合、上部構造および橋脚躯体の水平震度の上限はkhpとしています。
一方、橋脚に生じる応答が弾性域にとどまる場合は、Cz・khco<khpの関係のケースで、この場合、khpではなく、Cz・khcoまでを計算範囲としています。
本プログラムは、「レベル2地震時基本条件」画面上の[ヘルプ]に記載しておりますように、上記のとおり、0.0〜Cz・khcoを計算範囲とし、上部構造および橋脚躯体の水平震度khiは0.0≦khi≦khpの範囲でkhi、khp<khi≦Cz・khcoの範囲でkhpとしています。

 鉛直力 V=Vo
 1)0.0≦khi≦khpのとき
  水平力   H=(Wu+Wp)・khi+WF・khG・(khi/Cz・khco)+Hd
  モーメント M=(Wu・hu+Wp・hp)・khi+WF・hF・khG・(khi/Cz・khco)+Md
 2)khp<khi≦Cz・khcoのとき
  水平力   H=(Wu+Wp)・khp+WF・khG・(khi/Cz・khco)+Hd
  モーメント M=(Wu・hu+Wp・hp)・khp+WF・hF・khG・(khi/Cz・khco)+Md
    
Q1−22−30. 断面力算出の照査位置Lは引抜き側からの距離?
A1−22−30.
計算書の「レベル2地震時の照査」−「底版照査」−「断面力算出」の『照査位置』は、 Y方向:平面図上で下からの距離 X方向:平面図上で左からの距離となります。
    
Q1−22−31 「橋脚の設計」との連動時、橋脚の水平耐力に余裕がない場合でも基礎の応答塑性率照査を行う方法はあるか?
A1−22−31.
応答塑性率の照査は、橋脚が十分大きな終局水平耐力を有している場合、あるいは液状化が生じる場合に行うことが可能ですが、「橋脚の設計」,「基礎の設計計算,杭基礎の設計」との連動時、橋脚の水平耐力に余裕があるか否かは、「橋脚の設計」側で自動的に判定され、これを任意に変更することはできません。
したがって、この場合、基礎単独設計にてご検討いただくことになります。
基礎単独設計であれば、「レベル2地震時基本条件」−「基本条件(共通)」画面の「橋脚の終局水平耐力」により、橋脚の終局水平耐力に大きな余裕があるか否かを変更することができるため、便宜的に「余裕がある」と設定することにより、基礎が降伏に達した場合、応答塑性率の照査,応答変位の照査を行うことが可能となります。

なお、基礎単独設計を行うには、
@橋脚連動時に基礎側メニューの「ファイル」−「名前を付けて保存」より基礎単独ファイル(*.F8F)を保存し、保存したファイルを読み込む。
A 基礎単独にて起動し、新規作成状態から「地層」,「基本条件」,「形状」,「予備計算」までを設定したあと、橋脚側のメニューの「ファイル」−「基礎連動用XMLファイル」より連動ファイルをエクスポートし、基礎側のメニューの「ファイル」−「橋脚連動用XMLファイル」よりインポートすることにより、基礎の設計に必要な柱形状,作用力,設計水平震度等を読み込む。
のいずれかの方法にて行ってください。
    
Q1−22−32 作用力直接指定によるレベル2地震時照査を行う場合、プッシュオーバー解析を行っているのか?
A1−22−32.
本プログラムの杭基礎レベル2地震時照査は、プッシュオーバー解析として荷重増分法を採用しており、これは作用力を直接指定する場合においても同様です。
具体的には、死荷重時から全作用力まで、徐々に荷重を増加させながら地盤および杭部材の非線形性を考慮した計算を行っています。
    
Q1−22−33 盛りこぼし橋台の杭基礎の設計において、杭基礎設計便覧(H19.1)準拠時であっても、レベル2地震時の杭頭部の照査が行われない理由は?
A1−22−33.
盛りこぼし橋台は、「設計要領第二集 橋梁建設編 4章基礎構造(平成18年4月)NEXCO」に準じた設計法で、杭の変形性能の照査として、全杭体の曲率が許容曲率塑性率以下となることを照査します。
これに対し、杭頭仮想鉄筋コンクリート断面の照査方法は、「杭基礎設計便覧(平成19年1月)社団法人日本道路協会」(P.303〜)に規定された設計法で、基礎に主たる塑性化を考慮するか否かにより、
■基礎に主たる塑性化を考慮する場合
 杭体の降伏曲げモーメント≦仮想鉄筋コンクリート断面の降伏曲げモーメント
■基礎に主たる塑性化を考慮しない場合
 杭頭発生曲げモーメント≦仮想鉄筋コンクリート断面の降伏曲げモーメント
として照査します。
両者は基本的な設計方法が異なっており、盛りこぼし橋台に対し、単純に仮想鉄筋コンクリート断面の降伏曲げモーメントと杭体の降伏曲げモーメントまたは杭頭発生曲げモーメントと比較することにより照査してもよいか判断することができません。
また、盛りこぼし橋台では、全ての杭において杭体が塑性化し、道示の考え方によれば降伏するとみなされる状態となったとしても、杭の変形性能の照査を満足すればよいと規定されており、基礎に主たる塑性化を考慮するか否かは設計において考慮されていません。

以上のように、盛りこぼし橋台における杭頭部のレベル2地震時照査は、その照査方法が明確でないと判断されるため、現行では設計対象外としています。
    
Q1−22−34 「レベル2地震時照査」−「基本条件」−「基本条件(杭基礎)」画面の鉛直力算出用水位と予備計算用水位は何に影響するのか。
A1−22−34. それぞれ次を示しています。

■鉛直力算出用水位
底版,上載土,および橋脚躯体の浮力の算出に用いており、底版下面における鉛直力に影響します。

■予備計算用水位
極限引抜き力や上載荷重、受働土圧強度等の算出に影響します。

鉛直力算出用水位は底版下面の鉛直力を算出するための水位であるため、底版下面以深となるよう設定しても結果に影響はありません。これに対し、予備計算用水位は極限引抜き力や受働土圧強度に影響するため、底版下面以深に対しても適切に設定する必要があります。
浮力無視時の予備計算用水位を地震時水位とすべきか底版下面位置とすべき判断することができないため、現行では、選択スイッチを設け、設計者の方のご判断として設定していただくようにしています。
    
Q1−22−35 「レベル2地震時照査」−「基本条件」−「基本条件(杭基礎)」画面の「鉛直力算出用水位」,「予備計算用水位」の取扱い
A1−22−35. レベル2地震時の照査に用いる水位は、「レベル2地震時照査」−「基本条件」−「基本条件(杭基礎)」画面で入力される『鉛直力算出用水位』と『予備計算用水位』の2種類あり、これらを用いてレベル2地震時の照査を行っております。
「地層」−「地層線」−「設計地盤面」画面の『水位(地震時)』は、[水位高連動]ボタン押下時にのみ用いており、レベル2地震時の照査には直接使用しておりません。

■『鉛直力算出用水位』について
(1)「レベル2地震時照査」−「基本条件」−「基本条件(杭基礎)」画面上の[作用力計算]ボタンを押下時に用います。
(2)底版レベル2地震時照査で断面力算出に用います。
「橋脚の設計」との連動の場合、橋脚側の「荷重」−「保有耐力法ケース」画面の『水位』を標高に置き換えてセットしております。((1)は連動値をそのまま用いるため無効([作用力計算]ボタンは非表示)となります。)

■『予備計算用水位』について
予備計算用水位は、下記の画面の『計算』ボタンから算出される計算項目に用いています。

・「杭本体」画面
・地盤から決まる極限引抜き力
・「地盤データ」画面
・上載荷重
・受働土圧強度pp
・水平地盤反力係数kHEの層分け
・「底版前面水平抵抗」画面
・上載荷重
・水平地盤反力度の上限値pHu
    
Q1−22−36 杭基礎レベル2保耐時に鋼管杭の場合せん断耐力照査を行わないのはなぜ?
A1−22−36. 道示W12.10.5(P.414)に、「鋼管杭,鋼管ソイルセメント杭及びSC杭においては、(中略)杭体の塑性化においては曲げモーメントの影響が支配的であることから、せん断耐力の照査は省略してよい。」と記載されております。
よって、上記杭種の場合は、せん断耐力照査は行っておりません。
    
Q1−22−37 場所打ち杭の杭頭結合部の耐力照査(L2)において、杭頭結合部と杭体の鉄筋量が同じであるにも関わらず、杭頭結合部の降伏曲げモーメントMyの方が小さく判定がOUTとなる。これはなぜか。
A1−22−37. 場所打ち杭で杭体の主鉄筋が杭頭補強鉄筋をなすとき、杭体と杭外径+200(mm)とした杭頭結合部の仮想鉄筋コンクリート断面とを比較すると、コンクリートの設計基準強度および軸力が同じと仮定すれば、より断面の大きい杭頭結合部の方が降伏曲げモーメントMyは大きくなるものと考えられます。

ただし、本プログラムでは、「レベル2地震時基本条件」−「計算条件B」画面において、「仮想鉄筋コンクリート断面の降伏曲げモーメントMy算出用の軸力の取扱い」の選択を設けています。
本選択は、仮想鉄筋コンクリート断面のMy値を算定する際の軸力の取扱いを指定していただくものですが、本選択を「軸力=0」とした場合、場所打ち杭の押込み側では、
・杭体=死荷重反力によるMy値
・杭頭結合部=軸力0によるMy値
とした条件により算定されるため、この場合であれば、軸力を0とした杭頭結合部の方がMy値が小さくなるケースが生じます。

なお、上記スイッチにつきましては、設計者の方のご判断として選択してください。
    
Q1−22−38 レベル2地震時基本条件−計算条件Bの杭頭仮想鉄筋コンクリート断面の照査で「1列(本)ごとに照査」「全列(杭)で照査」が選択できるが、どちらを選択したらよいか
A1−22−38. 本プログラムの仮想鉄筋コンクリート断面の照査は、杭基礎設計便覧(H19.1)6-3-2(P.301)を参照し作成しておりますが、本文献では、一部 の杭列のみ杭体の降伏曲げモーメントあるいは杭頭発生曲げモーメントが仮想鉄筋コンクリート断面の降伏曲げモーメントを超えたとき、仮想鉄筋コンクリート断面の照査を満足したとみなすべきか否か、明確な記述がありません。

ただし、杭基礎設計便覧の執筆者による各論(基礎工2006.12月号.P.048〜)では、
・結合部に損傷が生じた場合の基礎の挙動や変形性能は、現在のところ不明である。設計法を確立するためには、今後も実験や万が一損傷が生じた場合の補修方法などの研究が必要である。
・基礎の許容塑性率に関するこれまでの実験的研究については、杭頭結合部に損傷が生じる場合を想定していない。したがって、確実に基礎で塑性化を先行させるためにも、杭頭結合部をフーチング−杭体間で確実に荷重伝達が行えるような構造としておく必要がある。
とあります。
本記述は、結合部に損傷が生じた場合の基礎の挙動は未解明な部分が多く、今後の研究成果により設計法が確立されるまでは確実に安全性が確保される構造とする必要があると述べているものと考えられます。

本プログラムでは、上記の記述を参照し、本照査に対応したVer.6.01.00においては、安全側の評価となるよう、部分的にでも杭頭結合部に損傷が生じるケースは許容せず、1列でも仮想鉄筋コンクリート断面の降伏曲げモーメントを超える杭列が生じたとき、仮想鉄筋コンクリート断面の照査を満足しないもの と考え、最終的な判定をOUTとしておりました。
しかしながら、その後、他のユーザ様より、一部の杭の杭頭部が損傷を受けたとしても、ただちに基 礎全体の挙動が不安定とはならないケースも考えられることから、部分的に杭頭に損傷が生じることを許容した照査を行ってもよいのではないかとのご意見,ご要望をいただき、Ver.6.04.00において、お問合せの選択を設けました。

ただし、前述のとおり、杭基礎設計便覧には、本選択に関する明確な記述はありません。

最終的には設計者の方のご判断により選択してくださいますようお願いいたします。
なお、「1列(本)ごとに照査」が部分的な損傷を許容せず、全杭の耐力を満足して初めてOKと判断する方法、「全列(杭)で照査」が部分的な杭頭結合部の損傷を許容する方法となります。
    
Q1−22−39 橋台基礎でレベル2地震時のタイプT、タイプU両方の計算を行う方法は?
A1−22−39. 道示X13.2(P.224〜)において、「橋台基礎の照査に用いる設計水平震度は、値の大きいタイプUの地震動の地盤面における設計水平震度を用いて算出すればよい。」と記載されております。
よって、本プログラムでは、橋台基礎のとき、地震動タイプUのみを照査対象とし、タイプTとタイプUの同時計算には対応しておりません。
    
Q1−22−40 レベル2地震時の計算で表示されるメッセージについて解説してほしい。
------------------------
構造系が不安定になりました。
支持力の上限値に達していない杭が2列以上なく、且つ、全杭の杭頭に塑性ヒンジが
発生しました(杭頭M≧Mu,Mp)。
-------------------------
A1−22−40. 本プログラムは、杭基礎のレベル2地震時照査を荷重増分法により行っており、死荷重時から最終水平震度まで水平震度(荷重)を増加させながら地盤および杭部材の非線形性を考慮した計算を行っています。
このときの解析モデルは、道示W12.10.4(P.409)図-解12.10.1のとおりで、杭頭の鉛直バネ(杭軸方向バネ定数KvE)により鉛直方向(杭軸方向)の荷重に抵抗し、また杭頭から杭先端までの水平バネ(水平方向地盤反力係数kHE)により水平荷重に対して支持されます。これらの杭は、剛体と仮定したフーチングに杭頭が剛結された状態です。
この解析モデルを用いて、水平震度(荷重)を増加させながら計算を行う過程において、杭頭モーメントが終局モーメントあるいは全塑性モーメントに達した場合、杭頭に塑性ヒンジが発生した状態となります。杭頭部がピン結合された状態と等しくなるため、杭頭に作用する回転に対し抵抗することができません。
また、杭頭鉛直反力が押込み支持力あるいは引抜き支持力の上限値に達した場合、これ以上の鉛直荷重(杭軸方向力)に対し抵抗することができません。

ここで、全杭の杭頭に塑性ヒンジが発生した場合、全杭の杭頭がピン結合された状態であることから、基礎に生じる回転に対して抵抗できるのは杭軸方向の抵抗のみとなります。
押込み/引抜き支持力の上限値に達していない杭が2列以上残っていれば、これにより基礎の回転に抵抗することができますが、上限値に達していない杭が1列しかない場合、基礎の回転に抵抗することができず、力の釣合がとれなくなり、構造系が不安定となります。

構造系が不安定となった場合、結果を得ることができないことから、本メッセージを表示し、計算を中断しています。
計算不能となる直前の状態を参考値として出力していますが、この参考値を近似値として採用することはできません。
本出力を参照していただき、必要に応じて構造諸元の見直し等を行ってください。
    
Q1−22−41 杭基礎レベル2地震時の最大曲げモーメントの抽出結果が実際の最大曲げモーメントとなっていないのはなぜか。
A1−22−41. 図をご参照ください。本画面は杭基礎レベル2地震時の結果確認画面ですが、グラフは、杭体の曲げモーメント分布(赤線),降伏曲げモーメント分布(青点線)を示しています。
本例では、杭頭から11.4(m)位置の杭体曲げモーメントが降伏曲げモーメントに達し、杭体が降伏しています。しかしながら、杭体の降伏が発生しているのは、最大曲げモーメント発生位置ではありません。
これは、11.4(m)位置で主鉄筋の段落としが行われ、第1区間は大きな降伏曲げモーメント,第2区間は小さな降伏曲げモーメントとなっているためで、最大曲げモーメントが発生する第1区間は降伏曲げモーメントに対して余裕があり、逆に第2区間は降伏曲げモーメントに対して余裕がない状態となっています。よって、最大曲げモーメント発生位置とは異なる第2区間(段落とし位置)において杭体が降伏しています。

多くのケースでは、最大曲げモーメント発生位置が杭体の降伏に対して最も厳しくなりますが、上記の例のように、段落としが行われる場合、必ずしも最大曲げモーメント発生位置にて杭体が降伏に達するとは限らないことから、本プログラムでは、基礎の降伏に対して最も厳しい箇所の結果を抽出し、これを最大曲げモーメントの欄に出力しています。
具体的にどのような方法にて抽出されたかについては、計算書の「レベル2地震時の照査」−「計算結果一覧表」の条件1〜条件4にてご確認いただけますのでご参照ください。


    
Q1−22−42
杭頭仮想鉄筋コンクリート断面のMyの計算に帯鉄筋(横拘束筋)は考慮しているのか。
A1−22−42. 降伏曲げモーメントMyの算出に用いるコンクリートの応力度−ひずみ曲線は、
(1)道示V4.2.4(横拘束効果なし)
(2)道示X10.4 (横拘束効果あり)
がありますが、本プログラムの杭頭仮想鉄筋コンクリート断面のMy計算では、上記(1)の道示Vを用いています。
よって、帯鉄筋(横拘束筋)はMy計算に用いておらず、底版内仮想鉄筋コンクリート断面の帯鉄筋の入力は設けておりません。

ここで、道示Vのコンクリートの応力度−ひずみ曲線を用いているのは、
・「道路橋の耐震設計に関する資料(平成9年3月)社団法人日本道路協会」
・「鋼管杭基礎の設計と施工 道路橋示方書(平成14年3月版)改訂対応 (平成14年4月)鋼管杭協会」
の設計計算例等を参考としたものです。
道示,杭基礎設計便覧等の基準・文献において、道示Vを用いるべきか道示Xを用いるべきか明確な記述がないことから、現行では、上記の設計計算例等を参考とし、道示Vとしています。
    
Q1−22−43 「橋脚の設計」連動時、底版下面中心における作用力を直接指定する方法
A1−22−43. 「橋脚の設計」との連動時は、下記手順にて底版下面中心における作用力を直接指定することができます。
(1)橋脚側の「考え方」−「保有耐力法」−「はり・フーチング・基礎」画面で『レベル2地震時の作用力を直接指定する』にチェック(レ)する。

(2)杭基礎側の「レベル2地震時基本条件」−「基本条件」画面で『作用力を指定してレベル2地震時照査を行う=する(底版下面作用力)』を選択する。
(3)「基本条件(杭基礎)」画面で作用力を入力する。

詳しくは、入力画面上の[ヘルプ]をご参照くださいますようお願いいたします。
    
Q1−22−44 「レベル2地震時基本条件」−「計算条件A」画面において、「免震橋のとき、基礎に主たる塑性化を考慮しない」の項目を設けている理由は?
A1−22−44. 現行道示の耐震性能の照査では、橋全体系として考えたときの部材(橋脚,基礎,免震支承や上部構造)のいずれかに塑性化を考慮し、塑性化に伴うエネルギー吸収を期待する構造とする考え方が示されていますが、道示X(P.34)の記述、「複数の部材に同時にエネルギー吸収を期待する構造とする考え方もあるが、地震時の挙動が複雑になる可能性もあり、このような構造系の地震応答特性についてはさらに研究が必要であることから、現段階では、確実にエネルギー吸収を図るための主たる塑性化あるいは非線形性を考慮する部材としては、図-解5.3.1に示すように、橋脚,基礎あるいは免震橋であれば免震支承のいずれかを選択するのが望ましい。」のように、原則として主たる塑性化を考慮する部材は1つとすることが基本となります。

免震橋の場合、免震支承の変形に伴いエネルギーを吸収する構造であるため、道示X(P.33)のとおり、非線形性を考慮する部材として取り扱われます。よって、主たる塑性化を考慮する部材を一つとする上記の考え方によれば、非線形性を考慮する免震支承を用いる場合、橋脚や基礎に塑性化は考慮することは望ましくありません。更に、(P.36)4)の記述、「橋脚のエネルギー吸収の分担を高めすぎると、免震支承の保有する減衰性能が発揮できず、免震支承による確実なエネルギー吸収を担保できなくなる場合も生じる。」のとおり、免震橋では、橋脚(基礎も同様と考えられる)にエネルギー吸収を期待すると、所要の免震効果を確保できなくなる可能性も生じます。

以上より、免震支承においては、橋脚および基礎の塑性化を考慮しないよう設計することが必要と考えられます。(P.38)図-解5.3.1(b)、および(P.35) 3)の記述「なお、基礎に塑性化を考慮する場合は、橋脚,橋台,支承部,上部構造の各部材は、力学特性が弾性域を超えない限界の状態が限界状態となる。」からも、同様の主旨を確認することができます。よって、本プログラムでは、「免震橋のとき、基礎に主たる塑性化を考慮しない」スイッチを設け、基礎に主たる塑性化を考慮しない設計を行うことを可能としています。
    
Q1−22−45 斜引張鉄筋の負担するせん断耐力Ssの算出方法は?
A1−22−45. ヘルプの「計算理論及び照査の方法」−「杭基礎」−「レベル2地震時照査」−「基礎の非線形性を考慮した解析方法」−「底版照査」の『(2)はりとしてのせん断照査』に記載しておりますように、斜引張鉄筋の負担するせん断耐力Ssは、下記のように算出しております。
・せん断スパンa≧d/1.15の場合
Ss=(Aw・σsy・Cds・d)/(1.15・s)
・せん断スパンa<d/1.15の場合
Ss=(Aw・σsy・Cds・a)/s
    
Q1−22−46 底版が存在せず、柱と杭を直接結合する構造の場合、どのように入力,計算すればよいか。
A1−22−46.
本プログラムの杭基礎の安定計算は、基礎天端(杭頭)から杭先端までをモデル化しています。底版形状は、
・常時,レベル1地震時の作用力自動計算,
・底版照査(許容応力度法,レベル2地震時)
・「レベル2地震時基本条件」画面の底版重量の算出
に用いていますが、これらの計算,照査を行わなければ、底版形状の入力の必要はありません。
よって、本件につきましては、次のようにご対処ください。
 
■「計算条件」−「基本条件」画面
次のように設定します。
・作用力(常時,レベル1地震時)=入力
・底版許容応力度法の照査=しない
・底版レベル2地震時照査=しない
 
■「底版形状」画面
入力せず、ツリービューの項目を未入力(項目がピンク色)の状態としたままとします。
 
■「レベル2地震時基本条件」画面
「基本条件(杭基礎)」タブにおいて、『WF』,『hF』,『Ws』,『WF’』を全て0.000と入力します。他の入力については、通常どおり指定します。
また、動的解析結果等により基礎に作用する荷重が別途求められている場合、「基本条件(共通)」タブの「作用力を指定してレベル2地震時照査を行う」を「する(底版下面作用力)」とした上で、「基本条件(杭基礎)」タブの初期作用力/全作用力に荷重を直接入力します。

    
Q1−22−47 レベル2地震時の計算書において、下記の設計荷重の算式の見方が分からないので説明してほしい。
 鉛直力 V = Rd + Wp - Up + Ws + WF'
 水平力 H = (Wu + Wp)・khp + WF・khg・khi/(Cz・khco) + Hd
 モーメント M = (Wu・yu + Wp・yp)・khp + WF・khg・khi/(Cz・khco)・yF + Md
A1−22−47.
レベル2地震動の設計水平震度は、道示X6.4.3(P.89〜)の
 khc = Cs・Cz・khco
 ここに、
  khc:レベル2地震動の設計水平震度
  Cs :6.4.4に規定する構造物特性補正係数
  Cz :4.4に規定する地域別補正係数
  khco:レベル2地震動の設計水平震度の標準値
が該当しますが、Csは下部構造の照査に用いる補正係数であるため、基礎の照査に用いる設計水平震度はCz・khcoとなります。
よって、死荷重時(水平震度=0.0時)の状態から上部構造および橋脚躯体にはCz・khcoを,フーチングにはkhgに相当する荷重を漸増載荷させながらプッシュオーバー解析を行っています。
 
ただし、上部構造および橋脚躯体に作用する水平震度が橋脚の終局水平耐力に相当する設計水平震度khpを超えると、橋脚躯体基部に塑性ヒンジが形成され、橋脚から基礎に伝達される作用力はこれ以上増加しないものと仮定した計算を行っています。
よって、水平震度khiがkhpに達するまでは上部構造,橋脚躯体,フーチングの慣性力を増加させながら計算を行い(領域@)、水平震度khiがkhpを超えた以降の計算(領域A)については、フーチングの慣性力のみを増加させながら計算を行っています。
この考え方は、「道路橋の耐震設計に関する資料(平成9年3月)社団法人日本道路協会」(P.2-60〜)以降に詳しく記載されておりますのでご参照ください。(※文中のkhcは現行道示のCz・khcoにあたります)
また、現行道示を対象とした資料としては、「鋼管杭基礎の設計と施工 道路橋示方書(平成14年3月版)改訂対応(平成14年4月)鋼管杭協会」(P.67)に同様の説明がございますのでご参照ください。
 
ここで、本プログラムの計算書の設計荷重の出力では、水平震度を0.0〜Cz・khcoまで計算する過程における水平震度をkhiと表記しています。
上部構造および橋脚躯体の慣性力は、
 (Wu + Wp)・khi
となります。ただし、khiがkhpを超える場合、
 (Wu + Wp)・khp
と表記し、水平震度をkhpに固定しています。
また、最終震度Cz・khcoが作用した状態(khi = Cz・khcoの状態)をαi = 1.000と考えると、αiは、
 αi = khi/(Cz・khco)
と表されます。よって、フーチングに作用する水平震度は、
 khg・αi = khg・khi/(Cz・khco)
となります。これは、最終震度Cz・khco時のとき、khgが作用することを示しています。
    
Q1−22−48 レベル2地震時照査において、基礎の応答塑性率の照査を行うときに限り、基礎の変位の照査が行われる理由は?
A1−22−48.
道示W9.2(P.247)の設計の基本において、「なお,基礎が降伏に達しないことを照査する場合には過大な残留変位が生じないものと考えられるため,許容変位に対する照査を行う必要はない。」と記載されています。よって、応答塑性率の照査を行わない場合、基礎の変位の照査は行っていません。
 
なお、基礎の変位の照査は、基礎に主たる塑性化を考慮する場合において、基礎に著しい残留変位が生じ、修復が難しく、橋としての機能の速やかな回復が困難となることがないよう規定されたものであるため、基礎が降伏に達しない状態に対しては本照査を行う必要はありません。
道示では、この状態(副次的な塑性化。基礎全体の挙動を見たときに弾性範囲内とみなせる範囲に収まっている状態)であれば、残留変位が無視できなくなる範囲に達することはないと判断しているものと考えられます。
    
Q1−22−49 計算書の「荷重変位曲線」の章にある表中の「杭本体状態」とは?
A1−22−49.
杭本体状態は、杭体に生じる曲げモーメントとM−φとの関係を示しており、
・コンクリート系杭の場合
 1 : M<Mc
 2 : Mc≦M<My
 3 : My≦M<Mu
 4 : M = Mu
・鋼管系杭の場合
 1 : M<My
 3 : My≦M<Mp
 4 : M = Mp
の状態となります。
数値が大きくなるほど厳しい状態となっていることを示しており、杭頭から杭先端までの杭部材の中で最も厳しい状態を出力しています。
これにより、多数の杭が配置されている杭基礎においても、杭基礎全体の状態をある程度把握できるようにしています。
    
Q1−22−50 レベル2地震時照査結果の応答変位時とはどのような状態か。
A1−22−50.
道示W12.10.5(P.414)の記述、「基礎の応答塑性率の照査を行う場合は、耐震設計編12.4(※橋台基礎の場合は13.3)の規定により算定された応答塑性率あるいは応答変位の状態において杭体に生じるせん断力に対し照査するものとする。」のように、基礎の変位の照査(回転角≦許容変位0.02rad)や杭体のせん断耐力照査,フーチングの照査等の部材照査は、「応答塑性率あるいは応答変位の状態」を用いて照査します。
この状態は、基礎の塑性化を考慮する場合の設計水平震度khcF(橋台基礎の場合はkhA)を作用させたときの杭基礎の状態を示していますが、一般に、上部構造慣性力作用位置の水平変位が応答変位δFrと一致する状態とします。
具体的には、
@基礎が降伏に達し応答塑性率の照査が可能な条件であれば、応答塑性率が許容塑性率以下であることを照査する。
A@の応答塑性率を用いて応答変位を算定する。
B@の状態から基礎に作用する水平震度(荷重)を徐々に増加させながら荷重増分法によるプッシュオーバー解析を行う。
CBの計算の過程において徐々に増加する上部構造慣性力作用位置の水平変位がδFrと一致する状態を求める。
として求めています。
本プログラムでは、この状態を「応答変位時」と呼んでいます。
    
Q1−22−51 レベル2地震時の作用力と杭反力の向きはどのように取り扱われているか
A1−22−51.
レベル2地震時の作用力の向きは、鉛直力の正方向は下向きですが、水平力,モーメントの正方向は、「レベル2地震時基本条件」で指定された慣性力(土圧)の向きに応じて異なります。
杭反力の正方向は作用力の正方向の逆向きとなり、鉛直反力の正方向は上向き、水平力,モーメントの反力の正方向は、慣性力(土圧)の向きに応じて異なります。
ヘルプの「計算理論及び照査の方法」−「杭基礎」−「作用力及び反力の向き」に図示しておりますのでご参照ください。
    
Q1−22−52 連続フーチングの柱間レベル2 地震時照査を行う場合、柱基部断面力Vpi,Hpi,Mpiには、どのような断面力を入力したらよいか
A1−22−52.
連続フーチング柱間レベル2地震時照査を行うには、底版自重,上載土重量,浮力,杭頭反力,および部材照査時の各柱基部の作用力が必要となりますが、例えば、ラーメン橋脚において柱基部断面力を算出する際に部材の曲げ剛性等をどのように評価して算出すべきか基準類に明示されておらず、また、本プログラムには多柱式橋脚そのものの設計機能がありませんので、部材照査時の荷重状態における柱基部断面力を直接入力していただくようにしております。
恐れ入りますが、部材照査時の荷重状態における柱基部断面力につきましては、設計者の方のご判断により別途算出してくださいますようお願いいたします。
なお、「計算・結果確認」−「底版照査(レベル2)」−「X方向」画面において、画面下部の作用力は、それぞれ次の値を示しています。

断面照査時の底版下面作用力
基礎の安定計算に用いた設計荷重を示しており、計算書の「レベル2地震時の照査」−「液状化無視/考慮・地震動タイプI/U・浮力無視/考慮」−「橋軸直角方向」の設計荷重がこれに該当します。
この荷重状態は、
 ・基礎が降伏に達しなかったとき:最終震度時
 ・基礎が降伏に達して応答塑性率照査を行わないとき:基礎降伏時
 ・基礎が降伏に達して応答塑性率照査を行ったとき:応答変位時
となります。

■柱基部断面力より算出した作用力
本画面で入力した各柱の基部断面力に底版自重,慣性力,上載土重量,浮力を考慮し、底版下面中心の作用力に換算した値です。
具体的には、 
 V=Σ(Vpi)+上載土重量+底版重量−浮力+任意荷重 
 H=Σ(Hpi)+底版慣性力 
 M=Σ(Mpi)+Σ(Vpi・xi)+底版慣性力によるモーメント+上載土および底版自重の左右非対称性によるモーメント−浮力によるモーメント+任意荷重によるモーメント  
  xi:底版下面中心を原点とした各柱中心のx座標
となります。
    
Q1−22−53 杭基礎設計便覧(P.296)より、フーチング縁端距離が十分でない場合はレベル2地震時に対する杭頭結合部の計算が必要と考えられるが、プログラムは対応しているのか。
A1−22−53.
杭基礎設計便覧(P.296)の規定では、杭頭結合部のレベル2地震動に対する照査は、被災例や様々な載荷試験等より得られた過去の実績,信頼性より、常時,レベル1地震時の照査を満足していれば省略してよいとあります。
しかしながら、本項の意図するところを勘案すると、道示に規定された構造細目を満たしていない場合(フーチング縁端距離を満たしていないケース等)においては、常時,レベル1地震時の照査を満足していたとしても、レベル2地震動に対する安全性を保証することができず、杭頭結合部に対するレベル2地震時照査を行わなければならないと記述されているようにみえます。
 
ただし、現行の杭基礎設計便覧に示される杭頭結合部の照査方法は、いずれも応力度が許容応力度以下であることを照査するものであり、あくまで耐震性能1(レベル1地震動)に対する考え方です。
レベル2地震動に対してこれらの照査方法を適用することはできず、また、仮にレベル2地震動において生じる杭軸方向力や杭軸直角方向力,モーメント等を当てはめてみたところで、想定する地震動レベルが異なることから、許容応力度を満足させることは困難ではないかと思われます。
したがって、杭頭結合部の押抜き,引抜きせん断方向力や水平方向力、あるいはフーチング端部の水平方向力に対する耐力照査が必要となりますが、これらに対する明確な評価指標は、今のところ示されておりません。

以上のように、NEXCOの規定を適用する場合や施工上の制約から道示に規定される縁端距離を満たさないケースがあるとしても、レベル2地震動に対する評価指標が示されていない現時点では、照査しようがないというのが現状です。
よって、現行では、レベル2地震動に対する杭頭結合部の照査は行っておりません。

1−23.図面作成
 2.直接基礎
2−1.設計方法

Q2−1−1.

動的解析による応答値を用いて直接基礎のレベル2地震時の計算を行う方法はあるか。
A2−1−1. 直接基礎のレベル2地震時照査においては、作用力を直接指定することはできません。

道示W10.6(P.289〜),道示W参考資料3(P.547〜)に記載されておりますように、直接基礎においては、非線形応答を考慮した直接基礎底面の地盤反力度が基礎に作用するものとして計算します。具体的には、基礎の浮上りによって生じるモーメント〜回転角関係の非線形性を考慮して地盤反力度分布を求める必要があります。
しかしながら、作用力を直接指定した場合、この直接基礎の非線形挙動をどのように考慮するべきか不明です。また、道示W10.6の式を用いて計算するとした場合であっても、道示X12.4に規定する橋脚基礎に塑性化を考慮する場合の設計水平震度が作用したときの基礎底面モーメント,地盤反力度の合力の作用位置までの距離、慣性力作用重心位置までの高さ等を、どのように考慮すべきか不明です。
よって現行では、作用力を指定する機能は設けておりません。

なお、底版下面中心における作用力は、ヘルプの「計算理論及び照査の方法」−「直接基礎」−「底版照査」−「レベル2地震時照査」に記載している方法にて算出しています。
最終的なV,MLがご検討の作用力となるようWu,Wp,hu,hp等のデータを調整して入力していただく方法が考えられますが、直接基礎の底版レベル2地震時照査においては、水平方向せん断地盤反力度が計算に関係してきます。この水平せん断地盤反力度は、慣性力によるモーメントを慣性力作用重心位置までの高さで除して求めた水平力を用いて算出します。このため、同じML値となる場合でも、Wu,Wpを考慮した場合とWu,Wpを考慮せずにMdに置き換えた場合とでは、計算結果が異なります。
よって、断面力が同一となるよう入力を調整した場合の計算結果を適用できるかどうか明確に判断することができません。
    
Q2−1−2. 2軸による安定計算に対応しているか?
A2−1−2. 本プログラムの直接基礎では、道示準拠時、道示W10.3.1(P.276〜)に準じた2方向偏心時の有効載荷面積(図-解10.3.5の斜線部の面積)による極限支持力の算出,および鉛直支持力の照査を行うことが可能です。
本照査は、「設計条件」−「検討項目」画面で「偏心方向=2方向」と設定することにより適用され、この場合、
 V :鉛直力(kN)
 Hx:X方向水平力(kN)
 Hy:Y方向水平力(kN)
 My:Y軸回りモーメント(kN・m)
 Mx:X軸回りモーメント(kN・m)
のように、両方向の作用力を与え、両方向の作用力を考慮した計算を行います。
詳しくは、上記の道示をご参照ください。
    
Q2−1−3. 直接基礎のレベル2地震時底版照査で、柱基部の断面力は完全に一致させる必要があるか。
A2−1−3. FRAMEモデルは、作用力と地盤反力との力の釣合がとれていること を前提としておりますので、入力画面上に断面照査時底版下面作用力と入力された柱基部断面力より算出した作用力を表示し、両者が一致するように、あるいは両者の差が微小となるように入力していただくことを想定しています。
入力された柱基部断面力より算出した作用力と断面照査時底版下面作用力とが一致しないケースでは、作用力と反力とが釣り合わない状態となり、便宜上設けている支点に反力が生じ、断面力が正しく算出されません。

2−2.入力方法

Q2−2−1.

斜面上の直接基礎照査時、設計条件−形状タブの『前面余裕幅b』には何を入力したらよいか
A2−2−1. 前面余裕幅bは、斜面開始位置からのフーチング前面までの距離となります。
詳しくは、設計要領第二集(H18.4)の図4-3-13(P.4-24),図4-3-14(P.4-25)をご参照ください。

 3.液状化判定
3−1.設計方法

Q3−1−1.

液状化判定において、各地層のR、L、値はどのように算出しているか
A3−1−1. 地層ごとの「液状化に対する抵抗率FL」は、層内のN値測定点データから算出したFLの平均値としております。
また、「動的せん断強度比R」は、「設計条件」画面で選択された『動的せん断強度比Rの取扱い(最小値/平均値)』スイッチより算出方法が異なります。
・最小値:層内のN値測定点データから算出したRの最小値
・平均値:層内のN値測定点データから算出したRの平均値(※平均値はFLと同じ方法となります。)

平均FLの算出方法につきましては、ヘルプの「計算理論及び照査の方法」−「液状化の判定」−「土質定数の低減係数」−「層ごと」に記載しておりますので、ご参照くださいますようお願いいたします。
    
Q3−1−2. 層ごとの液状化の判定において、層内に複数の測定点が存在する場合、どのように判定しているのか?
A3−1−2.
本プログラムの液状化の判定は、N値測定点に対して行っております。

層ごとの液状化の判定は、層としてのFL値(液状化に対する抵抗率)が1.0以下であるか否かではなく、層内に液状化すると判定されるN値測定点が存在しているか否かにより判断しています。
よって、層ごとの液状化の判定結果は、当該層に液状化すると判定される測定点が存在するか否かを示す目安として出力していることになります。

なお、層ごとのFL値は、層内の全測定点のFL値の平均としており、これは土質定数の低減係数の算定にのみ用いています。
この平均FLを用いて層としての液状化の判定を行った場合、特に層厚が大きい場合において、液状化する測定点が存在するにもかかわらず、液状化しないと判定されるケースが生じるため、現行では、層ごとの平均FLを用いた液状化の判定は行っておりません。

    
Q3−1−3. 液状化の判定を行うか否かのスイッチ(SW)を0(=判定しない)としているが、ごく軟弱な土層に対しては低減係数が0となる。これはなぜか?
A3−1−3.
本プログラムでは、道示X8.2.1(P.120)の記述、
 「8.2.2の規定により耐震設計上ごく軟弱な土層と判定された土層,又は,8.2.3の規定により橋に影響を与える液状化が生じると判定された砂質土層については、8.2.4の規定により耐震設計上土質定数を低減させるものとする。」
に準じ、
 1)ごく軟弱な土層と判定された土層
 2)液状化が生じると判定された土層
に対し、土質定数の低減係数を設定しています。

前述のスイッチ(SW)は、上記2)の液状化の判定に対する設定であるため、1)のごく軟弱な土層と判定される場合、SWの設定にかかわらず、土質定数の低減係数を零としています。

    
Q3−1−4. 液状化の判定における 塑性指数Ip,10%粒径D50,D10 は何に影響するのか?
A3−1−4.
塑性指数Ip,10%粒径D10は、いずれも、液状化の判定を行う必要のある砂質土層であるか否かの判定に用いています。
具体的には、道示X耐震設計編8.2.3(P.121〜)(1)に記述されているD10,Ipを示しており、
■塑性指数Ip
「2)細粒分含有率FCが35%以下の土層,又は,FCが35%を超えても塑性指数Ipが15以下の土層」
■10%粒径D10
「3)平均粒径D50が10mm以下で,かつ,10%粒径D10が1mm以下である土層」
として判定しています。
したがって、D10,Ipをいずれも0.000と設定した場合、液状化の判定を行う必要のある砂質土層にもかかわらず判定が行われないケース、逆に、液状化の判定を行う必要がないにもかかわらず判定が行われるケースが生じる可能性があると考えられます。D10,Ipが正しく設定されているかご確認ください。
    
Q3−1−5. 層ごとの液状化の判定および土質定数の低減係数DEはどのように算出しているのか。
A3−1−5.
層ごとの液状化の判定は、層内に液状化すると判定されるN値測定点が存在しているか否かにより判断しており、層内に1点でも液状化する測定点が存在するとき、当該層は液状化すると判定されます。層としてのFL値(液状化に対する抵抗率)により判断しているわけではありませんので、FL>1.0であっても、液状化が生じると判定されるケースが生じます。

また、層としての土質定数の低減係数DEは、
・層内の全測定点の平均FL値
・層内の全測定点の平均R値あるいは最小となるR値のいずれか
を用いて道示X表-8.2.1より算出しています。
動的せん断強度比Rは、「設計条件」画面での指定により、平均値か最小値を選択していただくようにしています。
なお、平均FL値は、各測定点が負担する範囲を考慮し、次のように求めています。(平均R値の求め方も同様です)。
 FL = Σ(FLi・Li)/ΣLi
 ここに、
  FL:液状化に対する抵抗率の平均値
  FLi:各測定点の液状化に対する抵抗率
  Li :各測定点が負担する層厚(m)  

3−2.入力方法
 4.その他
4−1.その他

Q4−1−1.

「杭基礎プログラム」単独データを「橋脚の設計」プログラムと連動することはできるか?
A4−1−1. 「橋脚の設計」,「基礎の設計計算、杭基礎の設計」連動時、「基礎の設計計算、杭基礎の設計」単独データの読み込みを行った場合、フーチング寸法が合致しない等、橋脚側と共有するデータに矛盾が生じ、正しく動作しない恐れがあるため、従来、読み込み行えないよう制限しておりましたが、「基礎の設計計算 Ver.4.05.00」において対応いたしました。
基礎側のメニューの「ファイル」−「開く」において、基礎単独ファイル(*.F8F)を指定してください。これにより、基礎のデータを読み込むことが可能です。
ただし、前述のように橋脚側との整合が取れなくなるおそれがあるため、本機能はサポート対象外として対応しており、最終的な動作の保証はできません。読み込み前には必ず現データの保存を行い、十分注意して読込みを行ってください。
なお、UC−1連動は杭基礎しか対応しておりません。よって、鋼管矢板基礎,ケーソン基礎,地中連続壁基礎,直接基礎,液状化の判定の読込みはできません。ご了承ください。
また、いくつか制限事項があります。
詳しくは、ヘルプの「操作方法」−「UC−1連動」−「UC−1製品との連動」の『□データの読込み』をご参照ください。
     
Q4−1−2. 「橋脚の設計」,「橋台の設計」との連動時、地層傾斜や杭長・杭径の異なる杭が混在する条件におけるレベル2地震時照査を行う方法は?
A4−1−2. 地層傾斜や杭長・杭径の異なる杭が混在する条件において、杭基礎レベル2地震時照査を行う場合、「2.5次元解析」により計算する必要があります。
具体的には、次のように設定します。
(1)データファイルを読み込む。
(2)橋脚,橋台側の「初期入力」画面で『基礎形式=杭基礎(2.5次元解析)』を選択する。
(3)橋脚,橋台側の「計算確認」モードより計算実行する。
(4)基礎側の「計算条件」−「基本条件」画面で『レベル2地震時照査=する』を選択する。
(5)基礎側の紫色で表示している未確定状態の入力画面(「着目杭指定」等)を、全て入力確定状態にする。
(6)基礎側の「計算・結果確認」−「レベル2地震時計算」をダブルクリックする。



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