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■■■■
■   町田聡の3Dコラム【コンテンツはサービスだ!】
■■■                           2012年7月25
■ 町田聡(アンビエントメディア代表/コンテンツサービスプロデューサー)
http://twitter.com/machida_3ds

このメールニュースでは、プロジェクションマッピングやデジタルサイネージ、
ARなどの3Dコンテンツ・システムとその運用を提供するフォーラムエイトの
ソリューションにおいてプロデューサーを務める町田聡氏が、
最先端の3Dコンテンツサービスとその展開について紹介していきます。
フォーラムエイト機関誌Up&Comingにて好評連載中の、同氏執筆
「3Dコンテンツニュース」もせてぜひご覧ください。

●――――― 町田聡の3Dコラム【コンテンツはサービスだ!】─────●

第4回「3Dテレビの誤算」

コンテンツサ―ビスプロデューサーの町田聡です。
このコラムはコンテンツからの発想で皆様の業務の幅を広げていただくこと
を目的としています。今回はコンテンツサービスの具体例を見てみましょう。


■2010年はハードウエアの「3Dテレビ元年!」だった。
この年には多くのメーカーから「アクティブシャッター方式」のテレビが
発売になりました。2010年の春から年末にかけて、日本のほぼすべてのメーカ
ーが同じ方式で参戦を果たしています。そして、順次3D対応のブルーレイディ
スクプレイヤーやプレイステーションが3D対応になるなど、まずは放送ではな
く、映画のパッケージやゲームなどのコンテンツの受入体制が整ってきました。

実は、これらの動きが一気に展開できたのにはもう一つの大きな要因があります。
それは、周辺機器を接続するための規格である、HDMIとブルーレイの3D対応です。
それまでのHDMI(Ver1.3)では左右独立した2チャンネルを1本のケーブルで伝
送できませんでしたが、HDMI1.4ではじめて2チャンネルの伝送が可能となり、
3D対応となりました。

また、ブルーレイ3Dにおいては左右のフレームを時間的(縦)に連結したフレー
ムパッキングというフォーマットのサポートや圧縮方式として、MPEG-4MVCにより
3D対応が可能となりました。しかし、ブルーレイ3DにおいてはフルHD時には最大
24フレームが上限になっています。 これは、そう! 映画の規格なのです。

デジタルシネマの規格自体も、この24フレーム/秒というフィルム時代の遺産を
引きずっています。これでは、ビデオや放送の30フレームとは相性が悪い結果と
なり、ブルーレイ3Dディスクを手軽に作成できないだけでなく、ビデオ系の質を
落とした記録しかできないことになります。
これは、そもそも3D映像の主役は映画であり、ブルーレイ3Dは映画用のメディア
であるという戦略のもとに開発されてしまったためです。

ブルーレイ3Dの規格化はパナソニックの主導でまとめられたといわれています。
どうりで3Dテレビ発売当初は「3Dテレビは番組をみるものではなく映画を見るため
である」と宣伝していたわけです。テレビとブルーレイプレーヤーの両方を販売し
たいという戦略が見え隠れしています。しかも、後発でハリウッドに乗り込み多大
な投資をしてアバタ―を手に入れ、ハリウッドに対してもブルーレイ3Dに乗りやす
い24フレームで了解を取りやすいといったこともあるようです。

さらに、当時は普及を急ぐあまり、ソニーのプレイステーションをベースとした
再生が可能なことも、大きな検討課題であったといわれています。
つまり、ブルーレイ3Dの規格を満たしたプレイヤーが市場に提供されるには時間
がかかるので、ファームウエアのアップデートでブルーレイを搭載したプレイス
テーションを、ブルーレイ3Dの再生環境として一気に立ち上げたいという目論見
もあったようです。

その際に、当時のプレイステーションでのエンコードでは30フレームは実現でき
なかったことも影響しているという理由もあったそうです。また、ソニーもこの
話には乗りやすかったので、パナソニックとソニーの了解のもと、スムーズに
規格化されたといわれています。
このあたりから、3Dテレビの誤算は始まっていました。


■ハード主導メーカー主導で利用者は蚊帳の外
鳴り物入りで始まった「3Dテレビ元年!」でしたが、蓋をあけてみると見切り発車で
お粗末な展開になってしまいました。
それもそのはず、アクティブシャッターの重たいメガネをかけて、電池切れを気にし
ながら、しかも周囲の蛍光灯と同期してチラつく映像が受け入れられるはずもありま
せん。昔から業務用ではVRなどでも採用されていたアクティブシャッター方式ですが、
家庭用には本来は裸眼できれいな3D映像を提供することがメーカーに求められている
のではないでしょうか?

前回もお話した通り、3D映像の技術は100年以上も前からあらゆる方法が試みられて
います。今回のように短期間で多くのメーカーが似たようなものを商品化できた背景
には、各社がさまざまな方式を試しており、家庭用には裸眼が必要という認識のもと、
時間を掛けて取り組んでいたところに、枯れた技術であるアクティブシャッター方式
で仕掛けてこられたので、各社はすぐに同じもので対応したという構図です。
これでは、利用者不在といわれても致し方がないでしょう。

実は、当時3D映像に関わる多くの人は「なぜ偏光方式にしないのか?」と疑問を呈し
ていました。その理由は、眼鏡をかける負担がアクティブシャッター方式より少なく、
メガネのコストも安く、利用者の負担が少ないからです。裸眼ができないのであれば、
せめて偏光方式のメガネにすべきだという主張です。

実は、パナソニックにはアクティブシャッター方式にする理由がありました、それは
プラズマディスプレイであったからです。プラズマディスプレイは液晶ディスプレイ
よりも応答速度が速くその特徴を最大限に活かせるのは、偏光方式よりフレームレー
トを上げて左右にフルサイズの映像が提供できるアクティブシャッター方式だったの
です。であれば、本来は他社が偏光方式を採用するべきでしたが、この年は日本のす
べてのメーカーがアクティブシャッター方式を採用したわけです。


■利用者の支持を得たのは韓国製の3Dテレビ
このような利用者を無視した日本の家電メーカーの戦略は、世界でも通用することは
ありませんでした。その結果、現在の3Dテレビの主流は韓国のLG製品です。
もちろん、サムスンを含め世界のテレビ市場全体で日本は韓国に敗北しているわけで、
それを挽回するために高機能な3Dテレビに賭けていたはずですが、結果的にその分野
でも勝つことはできていません。

実は、LGの勝因は偏光方式を採用したことにあります。サムスンもLGも当初はアクティ
ブシャッター方式でしたが、LGだけが偏光方式の量産に成功しました。現在では東芝や
いくつかのメーカーも偏光方式の3Dテレビを発売しています。


■流行はしないが着実に広がる3D映像市場に期待
規格の問題といい、メーカー中心のマーケティングといい、3D映像を一気に普及させよう
という強引な時期はもう過ぎたといえます。昨今では、4K対応やスマートテレビのもと、
同じようなマーケティングが繰り返されていますが、これらのテレビの多くでは標準で
3Dの機能が付いています。つまり3Dテレビの普及率としては時間をかけてその割合が高
まっているといえます。
2012年5月の40型以上の出荷数の64.2%が3Dテレビでした(これはコンテンツの提供側と
しては重要なことで、今後は3Dコンテンツの提供側にとってビジネスがしやすくなるこ
とは間違いありません)。

また、3D対応のビデオカメラの登場により映画以外のコンテンツ供給が増え、家庭により
入りやすくなったといえます。依然としてアクティブシャッターの使いにくさは残ってい
ますが、一方で東芝が55インチの裸眼3Dテレビを発売するなど、家庭で受け入れられる3D
テレビへの模索も当初の志をもって継続されています。

このような状況を見ると、もともと一気に普及はしないものの使いやすくなれば、着実に
利用者は増え定着することは間違いありません。
はたして日本の家電メーカーは「3Dテレビ元年!」の失敗に学ぶことができるでしょうか?
規格化に勝ったからと言ってビジネスに勝ったとは言えません。この事例からは多くのこ
とが学べると思います。この教訓を糧にして、今後の3Dテレビに期待したいと思います。

次回は、「3D映像を取り巻く周辺技術」をみていきます

【参考資料]】
※1 3Dテレビは全体の5台に1台、大画面モデルの2台に1台以上……5月の国内テレビ出荷
http://www.rbbtoday.com/article/2012/06/25/90891.html


【関連リンク】
▼Up&Coming 3Dコンテンツニュース」
 http://www.forum8.co.jp/topic/3Dcontents96.htm
 http://www.forum8.co.jp/topic/3Dcontents97.htm
▼Up&Coming93号「ちょっと教えたいお話:プロジェクションマッピング」
 http://www.forum8.co.jp/topic/tyotto93.htm

▼FORUM8デザインフェスティバル2011-3Days 町田氏による講演資料(PDF)
 http://www.forum8.co.jp/fair/image/design-fes2011/PDF/Day2/Day2_S06.pdf
▼同講演の模様(ムービー)
 http://www.forum8.co.jp/fair/image/design-fes2011/Day2_PM/Day2-08.html

▼3Dレーザスキャン・モデリングサービス
 http://www.forum8.co.jp/product/3Dscan.htm
▼3D模型サービス
 http://www.forum8.co.jp/product/3Dmokei.htm

▼6Kマルチクラスタデジタルサイネージシステム
 http://www.forum8.co.jp/product/6K.htm
▼6Kマルチクラスタデジタルサイネージシステム展示予定イベント
 ・危機管理産業展2012(10/17〜)
  http://www.kikikanri.biz/
 ・建設技術フェア2012(10/25〜)
  http://www.cbr.mlit.go.jp/chugi/fair/
 ・Inter BEE(11/14〜)
  http://www.inter-bee.com/ja/
ぜひ、本社ショールームまたは各会場へご来場下さい。


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【リクエストを募集します】

このコラムで取り上げてほしいコンテンツに関するテーマがあれば、
下記Twitterアカウント宛てにリクエストをお送りください。
機会を見てコラムにふさわしいものは取り上げたいと思います。
※取り上げられない場合もありますので予めご了承ください。
また、フォーラムエイトではコンテンツに関するご相談や講演、
コンサルティングもお受けしていますので、お気軽にご連絡ください。

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町田聡の3Dコラム【コンテンツはサービスだ!】

    アンビエントメディア代表
3D /AR / DIGITAL SIGNAGE CONSULTING
3D PROJECTION MAPPING CONSULTING
  コンテンツサービスプロデューサー
   町田 聡 MACHIDA Satoshi
--------------------------------
Twitter:http://twitter.com/machida_3ds
facebook:http://facebook.com/machida.3DS
著書:http://www.amazon.co.jp/%E7%94%BA%E7%94%B0-%E8%81%A1/e/B005117ZHO

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