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文教大学
情報学部 情報社会学科
交通システム研究室
 
vol.12

交通関係の施策評価や新技術の効果評価に
シミュレーション技術を駆使
UC-win/Road DS用い、安価に実験で使える
プラットフォームを構築


文教大学 情報学部
情報社会学科 交通システム研究室

URL ● http://open.shonan.bunkyo.ac.jp/~tslab/
所在地 ● 神奈川県茅ケ崎市
研究開発内容 ● 地域と交通の課題に対し情報
システムや人間工学を組み合わせた交通システムに
資する研究


文教大学 情報学部 情報社会学科
松本 修一 准教授

「(数年前、フォーラムエイトと議論を重ねる中で)シミュレーション技術を安価に、そして誰でも使えるようなプラットフォーム、あるいは(そのような)ドライビング・シミュレータ(DS)を作りたい、という思いが強くありました」

別の大学に在籍していた当時、そこでは大型DSを活用。DSの開発と設置に要するイニシャルコストはもちろん、毎年のランニングコストも相当な額に上っていました。しかし、そういった高価なモノを使える研究者は限られてきます。そのため、このままではシミュレーションを用いて今後の交通施策について考える人々の裾野が広がらなくなってしまうのでは、との危機感を覚えるに至りました。文教大学情報学部情報社会学科の松本修一准教授は、そう振り返ります。

その意味で、フォーラムエイトの3次元(3D)リアルタイムVR「UC-win/Road」のようなソフトウェアと、それをベースとし複数画面を備えたDS、少しハイスペックなパソコンがあれば、とりあえず安価に実験を行えることは非常に重要なこと、と位置づけ。「個人的には、こうしたシミュレーション技術を広く研究者や実務の方々に使っていただきたい」。自身の取り組みがその一助になればと、これまでの経験を通じ醸成してきた考えを述べます。

同准教授は6年以上前から前述のようなニーズに最適なDSの構築を模索。慶應義塾大学に在籍していた5年前、その一環としてUC-win/Roadを初めて導入。3年前の文教大学移籍とともに、UC-win/Road DSシステムとして導入しています。



 日本初の情報学部でICTと社会の繋がりに注目

「私が所属する(文教大学の)情報学部情報社会学科は、3年前に設置された新しい学科
です」

松本准教授は、1)「ポケモンGO」とそれへの過度な熱中に起因して発生した交通事故や深夜の徘徊などの社会問題、2)産学官の幅広い関係者が技術開発にしのぎを削る「自動運転」とそのための法整備の問題 ― を例示。情報通信技術(ICT)が社会の様々な面に及ぼす影響の大きさから、ICTと社会の繋がりに注目し、課題が顕在化する前にそのソリューション方法を考えるという、同学科独自のアプローチの一端を描きます。

■交通システム研究室のある校舎。
  キャンパス 同様レンガ造りで統一されている
■キャンパス内の広場のあちこちに
  オブジェが配置されている

「日本で最初に誕生した情報学部」として知られる同大の情報学部は現在、情報システム学科、情報社会学科およびメディア表現学科の3学科より構成。そのうち情報社会学科は、「現代社会の問題を理解し、新しい生活と企業の新しい活動を提案」するとの理念を掲げ、人や企業の「今」を知り、自らの発想で新しいビジネスの創造を目指す「コミュニケーション戦略領域」、およびITを活用して豊かな生活や企業活動を実現するリーダーを養成する「プロジェクトマネジメント領域」の2領域を柱としています。

その中で同氏は、自動運転技術や運転支援システムをはじめ交通に関係する要素技術あるいは社会的課題についての、DSを用いた実験や検討にウェートを置きます。また、同学科にはほかに、情報化社会で必要な様々な専門性を有する教員陣が組織されています。

文教大学学園の創立は、女子教育を使命として立正幼稚園および立正裁縫女学校を開設した1927年に遡ります。また、同大の前身となる立正女子大学が越谷キャンパス(埼玉県越谷市)に設置されたのは1966年。1976年には校名を現行の文教大学に改称し、翌1977年から男女共学に移行。さらに、1980年には情報学部を設置。1985年には湘南キャンパスを開設し、情報学部も同キャンパスへ移転しました。2005年には同大大学院に情報学研究科修士課程を設置。2014年、情報学部に情報社会学科が増設されています。

同大は現在、教育学部(2教育課程)、人間科学部(3学科)、文学部(4学科、うち1学科は2017年4月から設置)、情報学部(3学科)、国際学部(2学科)、健康栄養学部(1学科)および経営学部(1学科)の7学部のほか、大学院(5研究科)、専攻科および外国人留学生別科により構成。学部生・大学院生ら合せて9千人近く(2016年度)が越谷および湘南の2キャンパスで学んでいます。



 交通システム研究室を通じた研究の系譜

松本准教授は文教大学情報学部に情報社会学科が新設された2014年、慶應義塾大学から移籍。同時に「交通システム研究室(松本研究室)」を立ち上げました。そこでは、交通流シミュレータやDS、サイクリング・シミュレータなどを駆使し、交通関係の施策評価や新技術を導入する際の効果評価などを行っています。

同氏はもともと、慶應大学理工学部および大学院理工学研究科時代を通じシステム工学研究室に所属。その後、高知工科大学総合研究所の助手(助教)を経て、慶應大学に戻り先導研究センター特別研究講師、次いで理工学部専任講師と歴任。理工学部に異動した2012年、交通に特化したシステム工学を考える「交通システム研究室」を開設。そこでの研究のスタンスは、その名称とともに文教大学に設置された研究室へと引き継がれています。

その一方で、同准教授はITS(高度道路交通システム)専門家としてITSに関する学外活動にも長年従事。これまでに土木学会実践的ITS特別研究委員会や高知の地域ITS、長崎EV&ITSプロジェクト、ふじのくに静岡ITS推進協議会などの取り組みを通じた豊富な知見を誇ります。



 シミュレーション高度化を図りUC-win/Road導入

「元々は交通流シミュレータをメインに使う研究を行っていました。しかし、それだけではドライバーの微細な行動や(車両)挙動のデータが取れないため、交通流シミュレータとDSを使い分けて研究を行うべき、という考えに行き着きました」

当初は、信号制御など交通流全体を考慮するような研究に交通流シミュレーションを活用。ただ、情報提供を受けた際のドライバーの行動変容などの問題になると、それだけでは制約があり、10数年前からDSを使った実験に頼らざるを得ないケースが増えてきました。とはいえ、当時使用されていたDSはかなり大規模なもので、コストが高い上に自分たちでカスタマイズすることが出来ないなどの難点があった、と松本准教授は語ります。

そこで、もう少し簡単に自分たちでアレンジしてシミュレーションできるソフトウェアをと6年ほど前から様々な製品を当たりながら探すうち、自らのニーズに即して使えそうなUC-win/Roadに到達。自身が5年前に初めて交通システム研究室を立ち上げるにあたり、当時取り組んだ科学研究費助成事業を利用してUC-win/Roadを購入。さらに、文教大学に移り交通システム研究室を設置した3年前、UC-win/Road DSシステムとして導入しています。

「ある程度まではオープンソースで出してくださるので、(シナリオの作成や道路の設計など)自分たちでやりたいようにカスタマイズできる。そこがすごく嬉しかったです」

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■サグ部における先々行車両加減速情報提供の渋滞緩和効果


 UC-win/RoadベースのDS活用で広がる研究対象

研究室では、シミュレーション技術の有効活用を自らの特色として標榜。最初は交通流シミュレータ、次いでDS、近年はサイクリング・シミュレータへと活用の幅を広げてきています。

例えば、自動運転技術や運転支援技術の要素となる情報の要件を研究する一環として、「ドライバーが無理なく運転行動を変えられ、交通流にとってポジティブになることは何か」についてDSを使って探索。また、交通施策が自転車の利用者に与える影響については、サイクリング・シミュレータを用いて実験。後者ではクロスバイクやシティサイクル(ママチャリ)、子供用自転車など異なるタイプの自転車を用意、複数の車種が走行する実社会に近い環境での自転車交通に関する評価への対応も視野に入れています。

特筆されるのは、シミュレーション用VR空間の作成や実験で使う自転車の設置など多くを自身らでオリジナルに行っていること。交流のある他大学から「それを作ったの?」と、驚かれることもあると言います。

DSを活用した松本准教授らの主要な研究の一つが、先行車両の加減速情報がもたらす追従車両への影響の検討。これは、協調ITSの進展を視野に10年ほど前から取り組むもの。目の前のクルマではなく、状況が見えない2台前のクルマが発進あるいは減速し始めるという情報を提示することで、追従車両の、環境に良い発進あるいは交通渋滞を悪化させない運転行動や車両挙動に繋げることを意図。最近では最もホットなテーマと位置づけます。

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  ■錯視を利用してドライバーに減速感を与える効果をシミュレーション

また、高速道路渋滞の6割を占めるとされるサグ部での渋滞を緩和するアプローチとして、ドライバーに減速感を与える錯視の利用に着目。より安価かつ効率的な対策を探る中で、高速道路側面へのペイントを工夫することで得られる効果を検討。DSを用いた実験を通じ、施策を適用することによる交通流率の改善が検証されています。

さらに、以前から構想していたサイクリング・シミュレータを試行錯誤の末、昨年構築。自転車と自動車のコンフリクトや譲り合い行動、あるいは自転車の走行パフォーマンスを定量的にデータ化すべく取り組まれています。

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■複数の車種が走行する実社会に近い環境でのシミュレーションで自転車交通を評価


 DSがもたらす新たな可能性、今後の展開

「まず重要なことは(UC-win/Roadが)すごく使いやすいソフトウェアであるということ。(その意味で)良いソフトに巡り合えた、と非常に満足しています」

加えて、自身らが当社エンジニアに前例のない相談を持ち込むことが多いとしつつ、密接なやり取りを通じ重厚な信頼関係を築くとともに、それが新しいことにトライできる基盤にもなっている、と評価。互いの研究や商品開発に資するコラボレーションへの可能性に期待を示します。

また、UC-win/Road DSを導入して以降、「DSを使うノウハウについて一緒に勉強して欲しい」といった要請を他大学から受けるケースが増大。それをきっかけとして多様な大学との共同研究が広がっています。

今後は、出来れば複数台のDSを同時に使用。前後するクルマのドライバー間でのインターラクション、それが交通に与える影響なども見てみたい、と松本准教授は次なる展開を描きます。

「クルマを連携させ効率的な交通流を作ろうという取り組みが、最近のホットな話題です」

 それには、そのための要件を決める必要があり、「どんな情報を与えればドライバーが運転しやすいのか」「それによって交通流がどのくらい良くなるのか」をしっかり考慮することが求められる、と言及。そこではシミュレーション技術をはじめ最新のICTの有効活用がカギになる、との考えを述べます。

執筆:池野 隆
(Up&Coming '17 春の号掲載)



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