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vol.17
 Academy Users Report
 アカデミーユーザー紹介/第17回
中央大学 理工学部 精密機械工学科 「音響システム研究室」

各種シーンに応じた快音化にいち早く注目、スマートサウンドデザインへの展開も
クルマ走行時の音質評価や快音設計向け実験環境VR構築へUC-win/Road利用

中央大学 理工学部 精密機械工学科
「音響システム研究室」
URL https://toi-lab.com/
所在地 東京都文京区
研究開発内容 自動車や家電製品、精密機器をはじめ広範な分野における快音化および快音設計の研究

「私たちの研究室では、いろいろなモノに対して『音』をデザインする研究を行っています。(その一環として)VR(ベースのドライビングシミュレータ(DS))を用いてクルマの運転シーンを変え、その時の音に対するヒトの反応を見ています」

「音」がとかく「悪いモノ、うるさいモノ」、すなわち騒音とみなされ、低騒音化を志向する考え方が主流だった20数年前、音量をただ下げてしまうと良い音まで消され、操作感など音が本来有する魅力(「うまみ成分」の部分)も失われてしまいかねない、との観点に立脚。むしろ、音をうまく使っていこうという「快音化」をキーワードに、中央大学理工学部精密機械工学科の戸井武司教授は独自の研究アプローチを展開してきました。そこでは、大学卒業後、電機メーカーに一時勤務した自らの経験を踏まえ、当時はさほどメジャーではなかった外部企業との共同研究も積極的に推進。音に関わる社会の様々な現象や問題へのソリューションを探ろうとの構想が具体化されてきました。

そうした中で同氏は、自動車関連の研究に際して早くからDSの可能性に注目。聴覚と視覚、さらに運転操作を連動させつつ取得される生体情報に基づく評価などを、各種の快音化や快音設計の取り組みに活用してきたと振り返ります。

さらに自身が指導する「音響システム研究室」、および公益社団法人自動車技術会に設置した音質評価技術部門委員会などでの活動を通じ、クルマの加速感と音の関係、あるいは生体情報に基づくクルマ運転時の音質評価などの研究にあたり実際の運転状況をよりリアルに再現するシミュレータの構築が求められてきました。そのようなニーズに対応するため、多様な実験環境を作成するツールとして、フォーラムエイトの3次元(3D)リアルタイムVR「UC-win/Road」が導入されています。



 都心に研究拠点、産学官連携などでメリットも

中央大学は1885年、英吉利法律学校として創立。「實地應用ノ素ヲ養フ」との建学の精神の下、130年超の歴史を重ねる中で文字通り、知性を社会のために発揮しようという実学教育が体現されてきました。

同大は現在、法学、経済学、商学、理工学、文学および総合政策学の6学部、法学、経済学、商学、理工学、文学、総合政策および戦略経営の大学院7研究科、法務および戦略経営の専門職大学院2研究科などにより構成。大学・大学院を合わせて約2万6千人の学生に対し、690人の専任教員(数字はいずれも2018年5月現在)を擁し、多摩をはじめ後楽園、市ヶ谷、市ヶ谷田町の4キャンパスおよび駿河台記念館を教育・研究の拠点として展開しています。

そのうち理工学部は数学、物理学、都市環境学、精密機械工学、電気電子情報通信工学、応用化学、経営システム工学、情報工学、生命工学および人間総合理工学の10学科により構成。大学院理工学研究科とともに後楽園キャンパスに配置されています。戸井教授は前述の企業との共同研究や産学官連携プロジェクトの企画推進などを例に、理工系大学として都心に研究設備を備えたキャンパスを置くメリットに触れます。

最先端の精密機械を研究対象とする「精密機械工学科・精密工学専攻」には、大学・大学院生を合わせて700人超が在籍。「音響システム研究室(戸井研究室)」をはじめ14研究室が設置されています。

 中央大学 理工学部 精密機械工学科
 (音響システム研究室)戸井 武司 教授
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戸井研究室ホームページ


 快音化への着想と快音設計の考え方

「昔は騒音が大きかったのです。今はオフィス環境でも昔に比べて非常に騒音が小さくなりました」

これは一生懸命に低騒音化を図ってきた成果と言える半面、今度は「小さな騒音」が目立つようになってきています。では、音をどんどん下げていって無音が良いのかというと、それでは音からの情報が入らなくなり、不気味にさえ感じかねません。そこで、快音化の発想が必要ではというのが自ら当該分野の研究を始めた動機、と戸井教授は語ります。

「最初は我々も製品単品で快音設計していたのです」。それが、住環境で何が必要になるのか、あるいは時間帯や目的に応じて適切な音にしよう、といった考え方へと移行。戸井教授は、音の発生源をそれぞれ楽器と仮定し、そこに住む人が疲れない、あるいは快適な音環境と感じるようコーディネートする(スマートサウンドデザイン)、というスタンスを志向するに至りました。

つまり、従来は何かを作って出る音が悪ければ不快な音として低騒音化する、といったアプローチでした。それに対し同氏はまず、快適性を向上させるための音を作ることを「快音設計」と位置づけました。クルマや家電などを作る初期段階で「こういう音にしたら気持ちよく使えるか」というように、それが製品そのものの機能性に資するか否かを定義するために音を決める。ただそのためには、現状の音を評価する必要があり、その上で音の設定目標を定める。そして例えば、「どこをどう弄るとどういう音に変わるのか」「この音を出すためにはどう設計変更するのか」というように、評価から設計へのフィードバックまで一貫して考慮する手法を形成してきています。

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同研究室での音響に関する研究例


 多様なICTを活用し広範な分野でユニークな研究を展開

20年以上前に同氏が研究室を立ち上げた当初、「快音」という言葉自体がほとんど使われておらず、学会での発表時ですらその定義から説明する必要があったと言います。それが近年では、「快音化」や「快音設計」の考え方が普通に用いられるほどに浸透してきています。

一方、「音響システム研究室」には学部生と大学院生がそれぞれ10名前後、共同研究を専門に行う研究員数名が在籍。早くから精力的に取り入れてきた企業との共同研究は、年間10テーマ以上が同時進行。各テーマは2〜3年のプロジェクトとの位置づけで、トータルでは200数十件を数えます。

それらの研究に欠かせない要素施設の一つが音響実験室です。同研究室では2つの無響室と、実車や大型構造物も収容可能な都内の大学としては最大規模の半無響室など複数を、目的に応じて使用しています。また、振動解析や音響解析、各種数値シミュレーションなどを行うソフトウェア、生体情報や加速度、音圧などを計測するセンサー、振動や音響などの計測器、各種シミュレータなど、多岐にわたるICT(情報通信技術)を活用。特に、複数ソフトを独自に組み合わせ、融合しつつ、従来見過ごされてきた視点からの評価、あるいはそれらの設計へのフィードバックに繋げるべく努めています。

「機械系で音を扱うというのは、実はそれほど多くありません」

音の世界といえば一般的に建築音響や音を消したり・作ったりといった電気音響(アクティブノイズコントロール、アクティブサウンドコントロールなど)が知られています。精密機械工学に立脚した同研究室はその専門性を反映し、機械から生じる騒音に関する研究からスタート。その対象を着実に拡大する中で、クルマやオフィス、居住空間、福祉医療における音の問題もカバーしてきています。

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住環境のサウンドデザインについて説明


 クルマ関係の研究にUC-win/Road導入、今後の研究展開と課題

音響システム研究室ではもともと共同研究などを通じ、クルマに関する様々な音の研究でDSを使って行うことが近年の傾向でした。そのような中で「動画をうまく作れ、私たちが持っている他のソフトウェアに比べれば比較的買いやすい値段」というのがUC-win/Roadに対する当初の率直なイメージだった、と戸井教授は明かします。

数年前、「クルマの中は(ドライバー、助手席および後部座席の)それぞれが同じ音環境で良いのだろうか、異なる音環境が必要なのでは」との研究を着想。実験室内で「音のみ」「音と視覚」「音と視覚と運転動作」ごとに音を評価するための実験環境を構築しようとすると、視覚や運転動作に関する部分ではUC-win/Roadのようなツールなしにはなかなか難しい。特に運転状況を加味しようとすると、運転の加減速に基づき画面や音が連動して変化する必要があったことから、そうしたニーズに対応するUC-win/Roadの導入が検討されました。

またほぼ同時期、冒頭でも触れたように、自身が発足当初から関わる音質評価技術部門委員会(自動車技術会)において、生体情報を用いたクルマ走行時の音質評価について研究しているワーキンググループで「実際の運転状況をよりリアルに再現したい」との話があり、UC-win/Roadを紹介して導入に至った経緯もありました。

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UC-win/Roadで作成された音響を評価するための実験環境(昼夜や晴天・雨天などの天候を切り替えてシミュレーションを実施)

例えば、脇道からヒトが飛び出してくるシーンに対し、どのくらい前に適切な警報音を出せばドライバーがより安全に認知できるか、といった環境作成で実際にUC-win/Roadを利用。昼夜や晴天・雨天などの切り替えが容易など、その利便性を実感したと言います。また、以前はなかなか難しかった走行環境の再現が簡便化。加えて、作成した疑似的な運転環境は加速(急加速および緩加速)、あるいはルート上に設定した各種イベントが運転動作などに基づいて動き、優れた一体感を発揮。しかもログが全て残り、非常に有力なツールになり得ると評価。特に、操作系を伴った音環境の変化を見るという意味ではUC-win/Roadは非常に使いやすく、快適かつ機能的なスマートサウンドデザインの構築にも有用と同氏は述べます。

その一方で同氏は、音を専門とする観点から音質変更など音に対する自由度が上がることへの期待を示します。また現在、ヒトの情報をモニターすることが一つの大きな課題となっており、例えば感情をモニターできれば、それに基づいて適切に音環境や振動環境を作っていくことになるはず。そのようなモニタリングに応じた五感環境の構築が、クルマ関係でこれからやるべきこと、と説きます。

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無響室でUC-win/Roadの実験環境を適用したDSを囲む研究室の皆さん
執筆:池野隆
(Up&Coming '18 盛夏号掲載)



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