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Users Report   ユーザ紹介/第92回
 宮城県   東北ユーザ特集 2

株式会社テクノ東北

蓄積したノウハウ活かし
震災後の広範な調査に対応
橋梁点検支援システム」を共同開発、
新たな展開も視野


 User Information
 株式会社テクノ東北 第一技術部橋梁保全グループ/第二技術部橋梁下部工グループ
  URL● http://www.techno-tohoku.co.jp/
  所在地● 宮城県仙台市   研究内容● 各種構造物、道路・交通、環境に関するコンサルタント業務


 東日本大震災発生以来の自社への影響について、株式会社テクノ東北・代表取締役の櫻井福雄氏は3月11日の本震もさることながら、4月7日の余震の方がむしろダメージは大きかったと語ります。

 3月11日午後2時46分頃に発生した三陸沖を震源とする東北地方太平洋沖地震(マグニチュード9.0)は、テクノ東北の本社が位置する仙台市泉区周辺に震度6弱の揺れをもたらしました。その後、断続的な余震は見られたものの、月が改まる頃には次第に余震への警戒心が薄らぎつつありました。

 それが本震からひと月近くを過ぎた4月7日午後11時32分頃、宮城県沖を震源とするマグニチュード7.1の余震が発生。泉区周辺では震度5強が観測されました。

 その結果、本震ではパソコンのモニターや一部のロッカーが倒れたのに対し、余震ではモニターはもちろん、ほぼすべてのロッカーや書棚、パーティションが倒れ、資料などが床に散乱したといいます。

 今回2社目のユーザーとしてご紹介する株式会社テクノ東北は、多様な分野をカバーする建設コンサルタントです。同社ではこれまで、土木ソフトについてはフォーラムエイト製品をメインに利用。加えて、当社が2008年1月に初版リリースした「橋梁点検支援システム」の開発に当たっては、技術協力により重要な役割を果たしています。そこでとくに、同システムの開発に関わられた第一技術部橋梁保全グループおよび第二技術部橋梁下部工グループに焦点を当てます。

▲(左から)佐藤清彦氏(第二技術部橋梁下部工グループ)、代表取締役 櫻井福雄氏、
松長直樹氏・藤田久一氏(第一技術部橋梁保全グループ)


 道路・交通や橋梁をはじめ各種構造物をカバー

 「私たちは、自社のみで取り組むプロジェクトはさほど多くなく、どちらかというと(元請を支援する)下請業務の方が多い会社です」

 テクノ東北の創業は1989年。道路および橋梁をはじめとする構造物の設計を中心にスタートし、段階的にその対象領域や業務内容を拡大してきました。

 現在、本社(仙台市泉区泉中央)および郡山事務所(福島県郡山市大町)を拠点に約50名の従業員を配置。その事業内容は、(1)道路の予備・詳細設計、交通計画、交通シミュレーションや各種データ解析といった道路・交通技術/(2)橋梁上部工・下部工の設計、橋梁点検、電線共同溝の設計、下水道の設計などの構造技術/(3)自然環境や生活環境に関する調査を行う環境技術/(4)河川・海岸構造物の設計を行う水工技術/(5)落石や法面崩落対策の計画・設計を行う防災技術 ― をカバー。櫻井福雄氏は、下請としてはかなり幅広い店構えをしていると位置づけます。

 そのうち、第一技術部橋梁保全グループは橋梁をはじめ各種構造物に対し、現地調査や試験、補修設計を実施しています。

 高度経済成長期に整備された大量の社会資本ストックが更新の時期を迎える一方、公共事業コストが縮減。それに伴い、近年は社会資本を広く資産と捉え、その損傷や劣化などをライフサイクルにわたって把握、費用対効果の最も高い維持管理を行おうというアセットマネジメントが注目されてきました。また、社会資本の長寿命化に向け、さまざまな維持補修・補強技術に関する知見の重要性も高まっています。こうした流れの中で、同社が請け負う国土交通省や地方自治体向け橋梁点検業務の実績は年300橋前後に及びます。

 これに対し、第二技術部橋梁下部工グループは同社設立当初よりそのメインストリームを成す橋梁下部工および一般構造物の設計業務を担当、豊富な実績を誇ります。東北6県はもちろん、関東や関西、北海道の事業にも対応。新設構造物の設計のほか、耐震補強設計や動的解析に力を入れています。

 同社のユニークな試みの一つが、第二技術部に設置されたシビルデザイングループです。これは、以前は部署ごとに配属されていた短期契約のスタッフを独立した機能として新たに組織化。各部門に跨る図面作成や数量計算などの補助的な仕事を一旦同グループに集約し、分担してこなすことで作業の平準化と併せ、組織の効率化が図られています。

▲震災直後の社内の様子(左)と同じ方向から撮影した営業中の社内の様子(右)


 通勤やライフラインにも一時支障

 今回震災では、地震そのものはもちろん、それにより発生した大津波が重なり、それらが複合的にもたらす被害は最終的に災害史上最大級になるものとされています。とくに宮城県は、その犠牲者数が被災地全体の6 割を超え、被害の深刻さが窺われます。 テクノ東北では社員やその家族に人的な被害はなかったものの、津波によって実家を流されたケースは複数あると言います。また、本社周辺では建物の損壊や道路の陥没などが多く見られたのに加え、仙台市地下鉄南北線の最寄り駅・泉中央駅は隣接する八乙女駅との間で高架橋が損傷。その復旧には、全線で運転が再開された4 月29日まで要しています。

 同社の本社社内は前述のように、パソコン用モニターが3 月11 日の本震で机上からすべて落下。その対策として、しばらくは帰宅時に社員がモニターを机の上に寝かせていました。4 月に入って、通常通りの体制に戻していたところへ、4 月7 日の余震が発生。再びすべてのモニターが落下してしまいました。

 また、書棚などについてはもともとアンカーボルトでボードに留める転倒防止策を講じていたこともあり、本震では一部のロッカーが倒れるに留まりました。これに対し、同余震ではアンカーボルトがボードから抜けてしまい、本震よりも被害が増す結果となっています。

 ただ、2010 年1 月に泉区内の別のビルから本社オフィスを現在の場所に移転した際、サーバの地震対策を強化。そのおかげで複数のモニターが破損したとはいえ、業務に大きな支障を来さずにすんだと櫻井福雄氏は述べます。「もし前のままだったら、サーバが壊れてもっと大変なことになっていたと思います」

 さらに、年度末の納品を控え、最後の一踏ん張りを期していた同社にとって、一時的にせよ、通勤手段が断たれ、電気や水道、用紙などの物資が途絶える事態を生じた影響も小さくなかったとしています。


 「橋梁点検支援システム」共同開発への流れ  ソフトの評価と新たな可能性

 テクノ東北が請け負う国交省東北地方整備局管内の橋梁の定期点検の件数は年々増大。とくに2006年度以降は、年間300橋前後を数えるに至っています。一方、それらの業務は膨大かつ単純な繰り返し作業のほか、写真の整理や多数の図面作成を含み、作業が集中する年度末には徹夜や短期雇用の補充で凌いでいるのが実態でした。 そこで、それらの作業を何とか簡略化し、効率化できないか。たとえば、作成した図を基に損傷の程度や部位などの情報を国交省のサーバに入力する際、入力ミスを生じないよう支援するソフトウェアの開発が求められた、と第二技術部橋梁下部工グループ課長代理の佐藤清彦氏は振り返ります。

 そうした折、国交省により「橋梁定期点検要領(案)」(2004年3月)が定められたのを受け、同社からフォーラムエイトにそれを反映したプログラムの共同開発について提案。2006年頃から具体的な開発に向け動き始めました。約1年間かけて一通り完成したプログラムはさらに1年ほど手直しが重ねられ、2008年1月に「UC-1 橋梁点検支援システム」として製品化(初版リリース)されました。

 これは、橋梁定期点検要領(案)に準じ、橋梁定期点検業務での近接目視による損傷状況を記録し、各種点検調書の作成と部材図・損傷図の作画を行うもの。当社は2010年4月、これをベースに「道路橋に関する基礎データ収集要領(案)」(国交省・国土技術政策総合研究所)に準じた「UC-1 橋梁点検支援システム(国総研版)」も初版リリースしています。

 同社内部の試算では、同ソフトの導入効果により、開発に要したコストはほぼ2年で回収。第一技術部橋梁保全グループ参与の藤田久一氏は、最終的には熟練者がチェックするものの、ミスが少なくなり、作業の多くを前述のシビルデザイングループのスタッフが短時間に対応できるなど、予期した以上のメリットに繋がっているとの見方を述べます。

 同グループ課長の松長直樹氏は同ソフトが保守設計のレベルまでは一定の評価を得てきたと位置づけ。今後の展開として、橋梁のみならず、道路やその付帯施設、その他構造物に対する点検への応用の可能性、あるいは損傷状況の可視化、補修費用の算出といった機能の拡張にも触れます。

 また佐藤清彦氏は、同ソフトがクラウド型のサービスに対応するようになれば、現場でタブレットPCを利用、容易かつスピーディな作業に結び付くのではとの期待を示します。

 さらに櫻井福雄氏は、わが国の急速な少子高齢化に伴う熟練技術者不足への懸念を視野に、原因対策型の補修方法を提示する機能とそれを通じた点検技術の向上、そこでの費用と連動した工法提案の可能性を解説します。

▲橋梁点検支援システム(中)は同社の技術協力によりFORUM8がリリース。右はこれをベースとした国総研版。


 被災地での緊急点検  浮かび上がる実感と知見

 東日本大震災を受け、国交省や被災した各都県を中心に土砂災害危険個所などの緊急点検を実施。テクノ東北も福島・宮城・岩手の3 県で橋梁や道路、港湾、河川、下水道などさまざまな分野の調査を行ってきました。これと関連し、今回自ら橋梁を中心とした調査に取り組んできた藤田久一氏は、これまで蓄積してきた橋梁点検技術のノウハウが非常に有用であることを再認識。改めて、調査を通じて得た知見を補修設計にも反映していけるような体制づくりの必要性を説きます。

 同様に現地で調査を行った観点から、松長直樹氏は報道を通じて見る被災状況と実際に現地で受ける感覚との違いの実感に言及。その上で復興に向け、個人としては自らの周りから良くしていくという発想に立って行動し、その一方で建設コンサルタントとしては街づくりや都市計画といった大きな観点に立って考えていく、と目指すべきアプローチを描きます。

 「(震災後の調査で)被災した現場へ行って感じたのは、今回震災では従来想定されていたのと異なる壊れ方が何件か見られるということです」

 櫻井福雄氏は、例えば、橋梁下部構造において従来の考え方では説明できないような壊れ方も窺われたことから、今後の設計方法などに何らかの影響があるのではと注目しています。

▲株式会社テクノ東北の皆さん(前列中央は代表取締役 櫻井福雄氏)

(取材/執筆●池野 隆)

     
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