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東南アジアユーザー特集 3
Users Report ユーザ紹介/第99回
スイーホン社(シンガポール)


Allplan、UC-win/Roadを短期間で土木部門に導入
BIM普及を急速に進めるシンガポールの建設会社

 User Information
Swee Hong Engineering & Construction Pte Ltd
URL● http://www.sweehong.sg/
所在地● 190A/190C Choa Chu Kang Avenue 1, Singapore 689466
事業内容● 道路、橋、トンネル、地盤改良などの土木事業のほか建築や設備、造園など


シンガポールでは建設業の生産性向上を図るため、政府主導によるBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)導入が急速に進んでいます。地元の建設会社、スイーホン社はここ3年ほどで入札から施工までの業務にBIMを活用する体制を整えました。その中心となるソフトが、BIM対応の3次元土木建築CAD「Allplan」と3次元リアルタイムVR(バーチャルリアリティー)ソフト「UC-win/Road」です。

 1962年に設立されたシンガポールの建設会社、スイーホン社の主力事業は道路や橋、トンネル、地盤改良などの土木分野です。社員約150人、作業員約250人を抱え、2012年6月期の売上高は約9730万シンガポールドル(約63億2000万円)と、シンガポールで10本の指に入る規模です。

 建設業の生産性向上を図るため、BIM導入を積極的に進めるシンガポール政府のBCA(Building and Construction Authority。建築建設局)は、2013年から3年をかけて段階的に建築確認申請のBIMによる電子申請を義務づけていきます。2015年には5000m2を超える建物は、意匠、構造、設備のすべてについて、BIMモデルでの電子申請が義務付けられます。その結果、2015年には設計者や施工者の80%にBIMを普及させることを狙っているのです。

 スイーホン社は、政府主導のBIM導入を自社にとってのチャンスと前向きにとらえ、約3年前から積極的なBIM導入を始めました。

 AllplanをBIMモデル作成に活用し、UC-win/Roadでリアルなプレゼン

 BIMモデル作成を行うソフトとしては、ドイツ・Nemetschek Allplan社の3次元土木建築CAD「Allplan」を使っています。鉄骨構造の詳細設計にはフランス・Graitec社の「Advance Steel」、型枠設計や数量計算にはNemetschek Allplan社の「Allplan Precast」、そしてプレゼンテーション用にはフォーラムエイトの3次元リアルタイムVRソフト「UC-win/Road」を使用しています。

 このほか景観検討には「SketchUp」、施工手順の検討には「iTWO、コンピューターグラフィックス(CG)や動画の作成には「Maya」や「3ds Max」社)など、様々なソフトを厳選して使っています。

 Allplanで作成したBIMモデルデータは、これらのソフトとIFC形式やDWG形式などによって連携させることを意識しています。BIMソフトの導入とともに、BIMに対応した組織体制を作り、社内のワークフローも整えました。

 同社アシスタント・ディレクターのケネス・リム氏(Kenneth Lim)は「BIMの導入費用はハード、ソフト、そして教育訓練を含めて約100万シンガポールドル(約6500万円)かかりました。本格的にBIMを使い始めたのは2009年からです」と説明します。

 2009年と言えば、日本でも“BIM元年”と言われ、この年からBIMを導入する建築設計事務所や建設会社が急増しました。スイーホン社のBIM歴もこれらの会社とほとんど変わりません。

 しかし、BIMを会社全体のツールとして位置づけ、生産性を高めるために導入するという意識のためか、既に工事入札における見積もりやプレゼンテーションから、詳細設計や施工計画まで、広範囲なBIM活用が実現しています。

▲使用しているBIMソフトのデータ連携関係図
(資料:Swee Hong)
▲BIMの使用を前提とした社内部門間のワークフロー
(資料:Swee Hong)

 シンガポールでもBIMは発展途上 PDF図面から3Dモデルを立ち上げることも

 シンガポールの土木分野では、現在のところ2次元図面が主流になっています。例えば、スイーホン社が高速鉄道の駅や高架橋の工事入札に参加する時には、発注者からは建設コンサルタントが作成した2次元図面のPDFデータが支給されます。

 スイーホン社はこのPDF図面をもとに、入札前の準備段階から3次元のBIMモデルを立ち上げ、鉄筋の詳細設計や見積もり、施工計画などを効率的に行っています。

 「今のところ、設計情報はBIMモデルでなく2次元図面として受け取ることが多いのが現状です。そこで2次元図面を基にBIMモデルを作成し、様々なソフトウエアとBIMモデルを連携させて配筋や型枠、仮設計画などの計画や施工手順の検討などを行っています」とリム氏(Kenneth Lim)は語ります。

 建設プロセスの上流に位置する建設コンサルタントのBIM導入を待たずして、施工者の立場として施工者の立場として自社の段階から積極的にBIMモデルを構築し、以後の業務の生産性を図ろうというのがスイーホン社の流儀です。

 スイーホン社はシンガポールに建設する都市鉄道システムの工事入札でも、この方法を用いました。長さ175mの駅2カ所と最大スパン40mの複線高架橋からなる1.8km区間の工事入札に当たって、真っ先に行ったのは、PDF図面をBIMモデル化することでした。

 入札前の段階にもかかわらず、BIMモデルの各部材には材質や部材名と部材番号、寸法、体積などを「属性情報」としてインプットし、様々なソフトで詳細な配筋設計を行い、鉄筋やコンクリート、型枠などの数量計算や施工手順の検討などを効率的に処理しました。

▲建設コンサルタントが作成した2次元図面のPDFデータを
基に作成したモノレール駅のBIMモデル
(資料:Swee Hong)
▲BIMモデルの部材にインプットされた
属性情報の例
(資料:Swee Hong)
▲モノレール駅と高架橋のVR。
下の道路を走るクルマの動きも再現した
(資料:Swee Hong)
▲ニコル・ハイウエー拡幅現場の
工事入札時に作成した施工計画のVR。
UC-win/Roadを使用した(資料:Swee Hong)

 BIMモデルをUC-win/Roadに読み込み施工中の現場をリアルにプレゼン

 作成されたBIMモデルは、「UC-win/Road」にも引き継がれました。施工手順や工事現場周辺の交通規制などをVRで表現し、ドライバーや歩行者、現場周辺などからの様々な視点で工事中の問題点などを検討しました。

 現場の仮囲い板によって見通しの悪くなる場所や、ドライバーから見た圧迫感などを考慮して、交通規制の見直しなどが行われました。そして、ドライバーの視認性や工事中の景観を細かく検討し、最適な計画を発注者に提案したのです。

 リム氏らは、BIMを使った一連の業務について9月19日〜21日に東京・品川で開催された「フォーラムエイトデザインフェスティバル2012-3Days」でも発表。会場に詰めかけた来場者の注目を集めていました。

 こうしてBIMをフルに活用し、入札準備を整えたスイーホン社は、発注者にBIMやVRを使ったプレゼンテーションを効果的に行った結果、見事に工事の受注に成功したのです。

 スイーホン社は、BIMモデルを使って入札準備を行い、詳細設計からVRによるプレゼンテーションまでに活用する手法を、様々なプロジェクトで使っています。

 例えば、シンガポールの中心街で建設中の国立競技場「スポーツ・ハブ」脇を走る「ニコル・ハイウエー」の拡幅工事では、拡幅工事が完成した後の景観や、地下道を走行するときドライバーからどのように見えるのかなどをVRによってシミュレーションし、工事の受注に大きな力となりました。

 スイーホン社がBIMを導入に当たっては、社内のワークフローや仕事の手順を見直し、入札から施工までの業務をスムーズに行えるようにしました。社員教育もその1つです。BIMの活用を促すように社員の変革を促したり、新しい仕事の手順やBIMの教育訓練に時間をとったりする必要がありました。

 スイーホン社のBIMへの取り組みは、シンガポールの中でも特筆すべきものとして捉えられています。BCAは「ビルド・スマート(build smart)」という建設情報誌を発行していますが、2011年12月号に同社が紹介されています。

 「BIMに対する投資は時間の節約を意味し、将来のコストダウンにつながります。企業の組織構造や文化、ターゲット市場、そして業務プロセスは会社ごとにそれぞれ異なります。特に土木会社に対しては、万能のBIM導入手法はないでしょう」と、記事中でリム氏は語っています。

▲BCAが発行する「ビルド・スマート」誌。「BIM特集」となった2011年12月号の表紙

 シンガポールの新名所「ガーデン・バイ・ザ・ベイ」の工事でもBIMが活躍

 屋上にプールを備えたホテルなどで知られる「マリーナ・ベイ・サンズ」は、シンガポールの新しい観光スポットとしてすっかり有名になりました。その海側では、広さ55Haの広大な公園「ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ」の整備工事が2020年まで行われています。

 スイーホン社は既にオープンしている公園中心部の施工を元請け会社として担当し、現在でも同公園の数カ所の工区でプロジェクトマネジメントや機械設備、景観設計や建築、そして道路などの土木工事を行っています。この工事でもBIMは大活躍しています。

 例えば、起伏のある地形や水面などの高さと位置関係を分かりやすく表現するために、BIMモデルから地盤のカットモデルを作るなど、可視化のメリットを最大限に生かしています。

 シンガポールはアジアにおけるBIMの先進国として、建築物だけでなく、道路や鉄道などの土木構造物にもBIM活用が広がっています。AllplanとUC-win/Roadをデータ連携しながら着実にBIM導入を進めるスイーホン社の取り組みは、日本の建設会社がCIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)を導入する上でも参考になりそうです。

▲BIMモデルを切り出した
ガーデンズ・バイ・ザ・ベイの立体モデル
詳細な配筋もBIMモデル化
(資料:Swee Hong)
▲屋上にプールのあるシンガポールの新名所
「マリーナ・ベイ・サンズ」の
すぐ隣で整備が進められている
ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ
▲マリーナ・ベイ・サンズから見下ろした
ガーデン・バイ・ザ・ベイ。
2020年まで整備が続く
▲スイーホン社のアシスタント・ディレクター、ケネス・リム氏。
フォーラムエイト デザインフェスティバル2012 の
建築・BIM セッションでも講演いただいた

(執筆/取材:イエイリ・ラボ 家入 龍太)


     
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