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Vol. 12

今回は、3D映像、3DCG、3D空間、のすべてを活用したソリューションをご紹介します。
3Dをまるごと使いこなしている、ということは、さぞ高度な技術で利用するのにもハードルが高いのではないかと想像されるかもしれませんが、意外にもスマホで手軽にできてしまいうレベルにまで来ています。
みなさんも、是非体験してみてください。


■執筆者 町田 聡(まちだ さとし)氏 プロフィール
アンビエントメディア代表 コンテンツサービスプロデューサー。プロジェクションマッピング、デジタルサイネージ、AR、3DメディアのコンサルタントURCF アドバイザー、(財)プロジェクションマッピング協会 アドバイザー。著書に「3D 技術が一番わかる」技術評論社、「3D マーケティングがビジネスを変える」翔泳社 などがある。弊社非常勤顧問。(財)最先端表現技術利用推進協会 会長。
  Twitter:http://twitter.com/machida_3ds
  facebook:http://facebook.com/machida.3DS
  HP: www.ambientmedia.jp

Google Cardboad

手近になったHMD※1 による立体視VR

みなさんは、HMDという言葉を聞いたことがあるでしょうか?
Head Mounted Dispray※1の略で、両眼を覆うように頭部に装着して使用するディスプレイのことをいいます。ディスプレイだけではなく、どちらの方向を向いているかがわかる磁気センサーがついていることで向いている方向の映像を表示することができます。この時表示される映像の全てがCGであり、かつリアルタイムで表示することができれば仮想空間の中を自由に歩くことができることになります。実写でこのような体験をしたければ、360度全周パノラマの映像を用意しておけば同様のVR体験ができます。
HMDが登場する以前は、CAVE※2に代表されるような最大6面(6方向)のスクリーンにプロジェクターで投影する方法しかありませんでしたが、HMDの登場で大掛かりな投影システムがなくとも同様の体験ができるようになりました。もちろん、CAVEのような投影システムは高い没入感が得られるので全てHMDに置き換えられるわけではありませんが、現在ではほとんどのケースでHMDでも事足りるようになりました。

このようにCAVEから見たら手軽になったと言われたHMDですが、つい最近まではヘルメット型をしており、PCと接続される太いケーブルが重く、自由に歩くのが大変な代物でした。それがここ数年、メガネ型(VuzixやEPSONの製品など)になったり、頭につけても軽量で動きやすいHMD型になってきました(OculusやSonyの製品など)。そしてついに今年に入ってスマートフォンを活用したHMDがGoogleやSAMSUNG/Oculusから登場しました。今回は最も手軽に体験することが可能なGoogleのCardboardについてその詳細をみてみましょう。


※2米国イリノイ大学のElectronic Visualization Laboratoryで開発され、
1993年のSHIGGRAPHで発表された没入型多面ディスプレイシステムの名称。


Google Cardboardの概要

英語の“Cardboad”はボール紙や段ボールを指すことばですが、まさにGoogleのCaredboadは段ボールでできた立体視対応スマートフォン向けの3DVRビューアーです。

今年の6月25日にサンフランシスコで開催されたGoogleの開発者向け発表会「Google I/O 2014」の開幕キーノートの最後で配布されたのがこの組み立て前の単なる段ボール、だったということです。この何気なく配られた段ボールが、その後もHMD業界に多くの可能性と話題を提供することになりました。

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▲写真1 Google Cardboadの外観

一説にはFacebookが2000億円で6月末に買収を完了するOculusへのアンチテーゼであるとも言われていますが、OculusもすかさずSAMSUNGとスマートフォンを活用したHMD「Gear VR」を共同開発し9月3日に発表、9月18日からのTOKYO Game Showで公開しました。OculusVR社が2012年にHMDを発表してからわずか2年という短期間で世界のトップ企業が争うようにVR分野に参入してくるとは、この分野がいかに可能性があるか、ということが証明されたと言えるのではないでしょうか。
写真2は8月12日から14日までカナダのバンクーバーで行われたCG関連の展示会SIGGRAPH 2014のGoogleブースで配布されたCardboadで、筆者が手に入れたものです。開封前の外観は本当に郵便物で送れる程度の段ボールパッケージにしか見えません。このブースではCardboadの視聴体験をした上で欲しい人に無償でCardboodを配布していました。ブース名でも分かるとおり、CardboadがメインでGoogleの社名はカッコ付きです。

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▲写真2 SIGGRAPH 2014で配布されたCardboard

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▲写真3 SIGGRAPH 2014でのGoogleブース


Google Cardboadの入手方法

このCardboadですが、Googleの開発者会議や展示会以外でも簡単に入手することができます。

1.Webで購入できます
DODOCASEというケース屋さんのサイトなどで販売しています。製品は以前より改良されており執筆時点ではVer1.2という、内部が黒く塗られたものが販売されていました。本体価格はこの時点で24.95ドル、Fedexでの送料やTAXをいれると63ドル弱になるようですが、値段は変わる可能性があるので直接下記のサイトで確認してください。

DODOCASE
http://www.dodocase.com/products/google-cardboard-vr-goggle-toolkit
Knoxlabs(アルミニウム版も販売されるようです)
http://www.knoxlabs.com/#order
amazon (10/28にペーパーバックの本として販売されるようです)
Virtual Reality Beginner’s Guide+ Google Cardboard Inspired VR Viewer (英語)
  ペーパーバック2014/10/28 値段2,487円
Patrick Buckley (著), Frederic Lardinois (著), DODOcase (著)

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▲写真4 Google Cardboadが販売されているサイト

2.自作できる型紙が配布されています
GoogleのCardboadのプロジェクトWebサイトで型紙ファイルが配布されていますので、その型紙を使って自作することができます。ただし、NFCタグや磁石、レンズなどは自分で調達する必要があります。いくつか制作記事などもあるのでそれらを参考にするとよいでしょう。 型紙ファイルはPDFとレーザーカッター用のepsファイルが用意されています。
https://developers.google.com/cardboard/



ハイテク装備の段ボール

一見ただの段ボールなのですが、巧妙にハイテクが利用されており、その機能のおかげでスムーズなユーザーインターフェイスを実現しています。これらの機能はスマートフォンの機種により使用できない場合もあります。筆者が使用しているシャープ製の303SH(Android Ver.4.2.2)では下記の2つの機能が快適に動作しています。

1.NFC機能
スマートフォンが書かれた黒いシートの下にはNFCタグがあり、このシートの上にスマートフォンを置くと自動的にコンテンツサイトにアクセスしてメニュー選択画面が表示されます。 スマートフォン側にはあらかじめAndroid用のCardboardというアプリをインストールしておき、NFC機能を有効にしておく必要があります。

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▲写真5 黒いシートの下にNFCタグが埋め込まれている


2.磁気センサー機能
この機能には驚きました、機種にもよりますがスマートフォンが磁石というアナログなインターフェース部品で制御できるとは思ってもいませんでした。しかも振動による切り替わりの確認もあって非常にわかりやすいという、極めて自然なインターフェースになっていました。この磁石は写真にあるリングを下に押し下げることでメニューを選択する役割を果たします。このリングを押し下げても磁力によって自動的に元の位置にバネのように戻ります。
この他、メニューを戻りたい時にはビューアーを縦にして横に戻すことでひとつ前のメニューに戻ることができます。
デモ用のコンテンツはいまのところメニューで出てくるものに限られますが、3DCGや実写、地図アプリでの利用など様々な使い方のデモンストレーションを見ることができます。

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▲写真6

是非、あなたも段ボールでできたVRの世界を楽しんでみてください。今後拡大が予想される3DVRの世界を垣間見ることができるでしょう。

※社名・製品名は一般的に各社の登録商標または商標です。



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