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Vol. 16

一般財団法人最先端表現技術利用推進協会(以下、表技協)では、日本バーチャルリアリティ学会(以下、VR学会)からの依頼を受け、VR学会賛助会員であるフォーラムエイトさんの全体企画・監修とクリスティ・デジタル・システムズさんからの機材提供を受け、芝浦工業大学の協力の下、芝浦工業大学の学生が豊洲キャンパスの建物にプロジェクションマッピングを実施するための教育カリキュラムを提供しました。今回はそのレポートをお届けします。


■執筆者 町田 聡(まちだ さとし)氏 プロフィール
アンビエントメディア代表 コンテンツサービスプロデューサー。プロジェクションマッピング、デジタルサイネージ、AR、3DメディアのコンサルタントURCF アドバイザー、(財)プロジェクションマッピング協会 アドバイザー。著書に「3D 技術が一番わかる」技術評論社、「3D マーケティングがビジネスを変える」翔泳社 などがある。弊社非常勤顧問。(財)最先端表現技術利用推進協会 会長。
  Twitter:http://twitter.com/machida_3ds
  facebook:http://facebook.com/machida.3DS
  HP: www.ambientmedia.jp

プロジェクションマッピングの教育カリキュラム提供開始
「第一弾」 芝浦工業大学


大学向けに提供された、本格的な プロジェクションマッピングの教育カリキュラム

表技協の活動の一つに「表現技術に関する人材育成」があります。

昨年は長野県白馬村でワークショップを開催するなど、表技協では日ごろから社会人も含めた、プロジェクションマッピングが実施できる人材の育成を行っています。表技協が実施する教育の特長は、テキストによる座学にとどまらず、「構成を自ら考え、映像を自ら作り、投影や運営も自ら行う」という、実践的な教育を目指しています。

今回大学向けに提供されたカリキュラムは、過去の教育支援の経験を踏まえ、表技協の会員である、プロジェクションマッピングの経験と実績が豊富な専門家チームにより開発されました。

表技協がこのような教育用カリキュラムを提供する背景には、最近、全国的に認知され始めたプロジェクションマッピングが地方を中心に様々な形態で実施されるようになったものの、その効果に対する理解や、基礎的な技術、ノウハウがまだ十分に共有されているとは言いがたく、質の低下も懸念されている状況であることが挙げられます。

今回の「プロジェクションマッピング講座」のカリキュラムは、大学や専門学校などの教育機関向けに開発したもので、修了者には修了証が発行されるなど、プロジェクションマッピングのスキルを対外的に証明できる数少ない証となっています。

表技協では引き続き、プロジェクションマッピングの技術を体系化し、今後は他の大学や教育機関へのカリキュラムの提供にも拡げていく予定です。

表技協プロジェクションマッピング教育カリキュラムの概要

※内容や時間は提供時に調整して実施されます。

  • 講師3名(表技協会員)
    町田聡氏(アンビエントメディア):プロジェクションマッピングの基礎、計画、運用担当
    吉川マッハスペシャル氏: 2D/3Dプロジェクションマッピングの制作担当
    阿部信明氏(QXD): プロジェクションマッピングのテクニカルディレクション担当
  • 講義(2コマ):5回〜7回
  • 制作(2コマ):2回〜(作品により異なる)
  • 現場体験:ロケハン、テスト投影、本番設営・運営(3日〜4日)
  • 今回の受講者数:約50名
  • 今回の実施チーム数:7チーム(各チームの人数はバラバラです)

  1. プロジェクションマッピング全体基礎
    1)プロジェクションマッピングの概要が分かる
    2)プロジェクションマッピングの基礎的な企画提案が行える。
  2. プロジェクションマッピング制作基礎
    3)プロジェクションマッピング制作の概要が分かる
    4)マッピングソフトウエアの基礎的な使い方が分かる
  3. 2Dプロジェクションマッピングの制作基礎(既定)
    5)2Dプロジェクションマッピング制作体験をする
    6)2Dプロジェクションマッピング投影体験をする
  4. 3Dプロジェクションマッピングの制作基礎(既定)
    7)3Dプロジェクションマッピング制作体験をする
    8)3Dプロジェクションマッピング投影体験をする
  5. プロジェクションマッピング自由課題の制作
    9)実施計画書を作成する(運営含む)
    10)イメージボード作成する
    11)テスト投影用の映像を制作する
  6. テスト投影を実施する
    12)テスト投影の準備をする
    13)テスト投影を行う
  7. 映像制作
    14)2D/3D映像制作を行う
  8. 本番設置調整
    15)機器の搬入・設置、コンテンツの投影調整を行う
    16)運営手順の確認を行う
  9. 本番投影
    17)所定の位置で運営を行う(誘導・案内)
    18)撤収


▲図1 約50名、7チームが参加した
芝浦工業大学の講義室
   画像をクリックすると大きな画像が表示されます。
▲図2 表技協が発行の
修了証(サンプル)

投影対象の決定とテスト投影

講義の中には、私が担当する「プロジェクションマッピングの企画」があります。早い段階で、現地でのロケハンを行い投影対象の検討や企画案の作成を行います。今回は7チームが参加し、学内の様々な場所を投影候補にしたプランが提案されました。

その中から実現が可能で最も効果が発揮できる場所を選択しました。写真にあるのが投影対象となった14階建ての教育棟で、その中央開口部分の上側、学校名が入っており、渡り廊下も含めることで、立体的な構造への投影が可能となる場所で幅30mを超える開口部となっています。
※今回は最終的には機材や電源設備の関係で学生ではなく、専門家が提案した場所を選んでいただきました。

画像をクリックすると大きな画像が表示されます。 ▲図3    投影対象の教育棟の建物 画像をクリックすると大きな画像が表示されます。 ▲図4    テスト投影の様子

投影に当たっては、VR学会の賛助会員である、クリスティ・デジタル・システムズさんから提供いただいた、新製品の4K解像度かつ、1台で3万ルーメンという、強力なプロジェクターを使うことができました。通常このサイズ(幅30mi以上)の投影で十分な明るさを得る場合は、2万ルーメンのプロジェクターを4台程度用いることになりますが、今回は1台で十分な明るさを得ることができました。
※コンテンツの解像度は2Kで投影されました。

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▲図5 4K3万ルーメンの高輝度プロジェクター
   画像をクリックすると大きな画像が表示されます。
画像をクリックすると大きな画像が表示されます。
▲図6 模型による投影確認


いよいよ投影本番です!

学生さんは7つのチーム全てが脱落することなく、当日の本番を迎えることができました。

中には所定の制作時間以外に、学校に泊まり込んで制作するなど、全力を尽くして制作している学生さんもいたようです。今回は工学部の学生さんが中心でしたので、2D/3Dでの映像制作の経験がない学生さんがほとんどで、みなさんソフトの使い方から習得し、短い期間で、よく完成まで持っていけたと、講師陣も、見学の方々も関心していました。

画像をクリックすると大きな画像が表示されます。
▲図7 多くの観客が集まった本番の様子

当日はあいにくの雨、しかも台風の影響がのこる悪天候でした。設営や準備もカリキュラムに入っているので、雨対策をしたテントの設営、中止の判断、人の誘導や案内など、悪天候ならではの現場学習もすることができました。特に今回は費用がなく、費用をかけずにいかに雨対策を行うかが課題でしたが、運よくキャンパスの近くに、ホームセンターがあり、業務用の製品が手に入るので、随時買い出しに行きながら天候と睨めっこをしながら、なんとか実施にこぎつけました。ちなみに雨天では投影時よりも、搬入出や設営のときに雨が降っているときのほうが、滑りやすく、荷物や機器を雨の中移動するので大変です。

実際、中止か実施かの判断は、投影時間の19:30に対して、18:00に決定されるなど予断を許さない天候でした。最終的には19:30-20:15までの投影の間と、終了後は雨があがり、安心してみることができ、投影自体は大成功を収めることができました。

画像をクリックすると大きな画像が表示されます。  画像をクリックすると大きな画像が表示されます。
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▲図8 学生の作品の一部

謝辞


本プロジェクトは、VR学会の懇親会イベントとして実施されましたが、その後学生さんの自主プロジェクトとして芝浦工業大学さんにもオーサライズされるなど、芝浦工業大学様、日本バーチャルリアリティ学会様、全体企画と監修を担当されたフォーラムエイト様、および機材提供いただきました、クリスティ・デジタル・システムズ様、とくに芝浦工業大学での受け皿でご尽力いただいた、大倉典子先生、長澤純人先生、学生のみなさま、VR学会事務局でご尽力いただいた吉田ひさよ様、渡邊淳司様に、この場を借りて御礼申し上げます。

※社名・製品名は一般的に各社の登録商標または商標です。



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