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Vol.5
3 次元土木建築CAD

AllPlan
IT活用による建設産業の成長戦略を追求する「建設ITジャーナリスト」家入龍太
イエイリ・ラボ・体験レポート

建設ITジャーナリスト家入龍太氏が参加するFORUM8体験セミナー有償セミナーを体験レポート

建設ITジャーナリスト家入龍太氏が参加するFORUM8体験セミナーの体験レポート。
新製品をはじめ、各種UC-1技術セミナーについてご紹介します。
製品概要・特長、体験内容、事例・活用例、イエイリコメントと提案、製品の今後の展望の内容など、全12回にわたってお届けする予定です。

【プロフィール】
BIMや3次元CAD、情報化施工などの導入により、生産性向上、地球環境保全、国際化といった建設業が抱える経営課題を解決するための情報を「一歩先の視点」で発信し続ける建設ITジャーナリスト。日経BP社の建設サイト「ケンプラッツ」の人気コーナー「イエイリ建設ITラボ」を連載。「年中無休・24時間受付」をモットーに建設・IT・経営に関する記事の執筆や講演、コンサルティングなどを行っている。公式ブログはhttp://ieiri-lab.jp




●はじめに
 建設ITジャーナリストの家入龍太です。今回、取り上げるのはBIMビルディング・インフォメーション・モデリング)に対応した3次元土木建築CAD「Allplan」です。
 BIMとは、コンピュータ上に構築した建物や構造物の3次元モデルBIMモデル)によって設計する手法です。従来のCGやアニメーションとの違いは、建物や構造物の外観だけでなく、柱や床スラブ、鉄筋といった隠れた部分まで実物同様にデータとして作り込んでいることです。そして、これらの各部分には、部材の種別や材質、強度などのデータが「属性情報」としてインプットされています。
 一つのBIMモデルを作ると、様々な用途に使うことができます。設計中、いつでも3次元で設計の内容を確認できるほか、CGやアニメーションの作成もお手のものです。建物や構造物の隠れたところまで作り込んであるので好きな断面でBIMモデルを切断すると、平面図や立面図、断面図などの図面が作れます。
 また、各部材の属性情報を引き出してくると、コンクリートや鉄筋、建具の数量計算や構造解析、耐震解析、避難シミュレーションなども行え、用途は無限と言ってもいいくらいです。
 フォーラムエイトの製品群には、土木・建築向けの様々な設計、解析、シミュレーションのソフトがあります。これらの製品がBIMモデルのデータを入出力できるようになると、設計の効率は飛躍的に高まります。BIMのワークフローの中でAllplanはBIMモデルを作成し、各ソフトと連携させるための中心的な位置づけのソフトウエアと言えるでしょう。

▲BIM対応の3次元土木建築CAD「Allplan」 ▲Allpanの画面
CGパース、平面、立面を同時に確認しながら
設計が行える


●製品概要・特長
 BIMに対応した3次元土木・建築CAD「Allplan」は、建築設計用の「AllplanArchitecture」と構造設計用の「AllplanEngineering」の2つのパッケージがあります。2D描画や基本的な3Dモデリング、数量計算、アニメーションなどの基本的な機能は両パッケージとも共通していますが、「Architecture」には手すりやファサード、「Engineering」には鉄筋の配筋機能やシェル構造など、それぞれの独自に備えている機能があります。
 建築の意匠設計を行う場合は「Allplan Architecture」、土木や建築構造設計を行う場合には「Allplan Engineering」が向いています。日本語版はそれぞれ98万円(税抜き)ですが、両方をセットで買うと127万円(同)と割安です。一方を買ってから、他方を買い足すこともできます。
 Allplanで入出力できるファイルにはいろいろありますが、オリジナルファイルとして、「Allplanファイル(.aファイル)」があります。また、他社のソフトとBIMモデルデータを交換するために「IFCファイル」も使えます。
 IFCファイルとは、建物や構造物の3次元形状とともに属性情報を同時に受け渡すことができるもので、IAIという国際的な組織がBIMモデルのデータ交換標準として開発しています。フォーラムエイトもIAI日本のメンバーとして参加しています。
 最近はIFCファイルの機能や精度がどんどん向上しており、多くのソフトベンダーがIFCファイルへの対応を重視して製品開発を行っています。つまり、IFCを入出力できることが、BIM対応ソフトの必要条件になってきているのです。
 Allplanはドイツのネメチェック社(Nemetschek)が開発しました。BIM対応の意匠設計CADソフト「Vectorworks」や「Archi CAD」、レンダリングソフト「CINEMA 4D」など、10の製品ブランドを傘下の企業が有しており、大きなシェアをもっている国際的な企業です。


●体験内容
 12月14日の午後、フォーラムエイト東京本社で「Allpan体験セミナー」が開催されました。当日の参加者には首都圏だけでなく、新潟県や宮城県から駆けつけた人もいました。
 まずフォーラムエイト東京本社VRサポートグループの今泉潤さんがBIMやAllpanの機能の概要、そしてこれまでフォーラムエイトが参加したBIMの仮想コンペ「BuildLive Tokyo」や「Build London Live」でのAllplanや各種解析・シミュレーションソフトとの連携などについて説明しました。
 休憩をはさんでいよいよAllplanの操作体験です。フォーラムエイト東京本社技術サポートグループの遠藤直生さんの説明に従って、各参加者は1人1台のパソコンを操作し、「Allplan Architecture」で地上2階、地下1階建ての建物のモデリングを始めました。
▲フォーラムエイト東京本社で開催された
「Allpan体験セミナー」
 あらかじめ階高を決めておくと、平面図を描くだけで同時に3次元モデルが作られていきます。建物のファサードとなるカーテンウォールは、ソフトに内蔵されたテンプレートから好みのデザインや種類を選び、縦横の分割数を入力して平面図上で配置する位置を指定するだけで、モデリングが完了。美しい建物のBIMモデルがあっという間にできました。
 さらに「自動−部屋」というツールを使って、部屋ごとに内装の仕様を割り当てていくと、CG画面でも床のフローリングや壁紙の色が変わっていくことが分かりました。
 次は「Allplan Engineering」による3次元の配筋設計です。曲面の回転体形状の鉄筋コンクリート製タンクを題材に、同心円状に配置された円周方向と、放射状に配置された縦方向の鉄筋を配置していきます。完成した3Dの配筋モデルはとても複雑で、相当、大変なモデリング作業が必要なのではと思いました。しかし、実際の操作はとても簡単でした。
 まず円周方向の鉄筋の配置です。鋼等級や鉄筋径、コンクリートのかぶり、鉄筋ピッチを入力。配筋の中心軸を指定した後、円周方向の鉄筋を配置する輪郭線をコンクリート外面上で一筆描きのように指定していきます。
 その後、しばらくコンピュータが固まった感じになりましたが、これはコンピュータがフリーズしたのではなく、膨大な配筋作業を自動的に行っている最中なのです。作業が完了すると、タンク全体に細かく鉄作業が完了すると、タンク全体に細かく鉄筋が配置されていました。
 次は縦方向の配筋です。鉄筋の種類などを指定した後、最初に1本だけ鉄筋をコンクリート断面上に配置します。種類などを指定した後、最初に1本だけ鉄筋をコンクリート断面上に配置します。その後は配置する鉄筋の本数を入力して配置コマンドの「OKボタン」をクリックすると、タンク全体をぐるりと囲むように縦方向の鉄筋が配置されました。
 最後はIFC形式などを使って、ほかのソフトとAllplanとの間でBIMモデルのデータ交換を行います。土木設計用のパッケージソフト「UC-1シリーズ」の「橋脚の設計 forAllplan」は、自動設計した橋脚の3次元形状や鉄筋のデータをIFC形式やAllplan形式で書き出せるようになっています。
 このIFC形式のデータをAllplan Engineeringに読み込み、表示させることができます。ただ、まだ鉄筋部分の属性情報の伝達には対応していませんが、今後、機能拡張で対応する予定です。
 Allplan Engineeringには鉄筋加工図の自動作成機能が搭載されています。橋脚のBIMモデルを「Allplan形式」で読み込んで、鉄筋をクリックします。そして別の場所でもう一度クリックするだけで、なんとその鉄筋の加工図が現れました。また、ツールボックスの「ボーナスツール」にある「リスト生成機能」を使うと、この橋脚全体の鉄筋加工図をまとめて作成できました。今回の橋脚では79種類の鉄筋があることが一瞬で分かりました。

→ →
▲UC-1「橋脚の設計」で設計した
橋脚のBIMモデルを
Allplan形式やIFC形式で保存
▲Allplanで橋脚のBIMモデルを
読み込んだところ
▲Allplan形式で読み込んだ時は
鉄筋加工図を自動作成できる

▲回転体の形状をした鉄筋コンクリート製タンク ▲Allplan Engineeringで配筋を行ったところ


●イエイリコメントと提案
 ソフト間のデータ交換を、それぞれのオリジナルファイルの形式で行おうとすると、ソフトベンダーは相手のソフトの種類だけファイル交換用のコンバーターソフトを作らなければいけないので気の遠くなるような作業が必要です。一方、IFC形式という共通フォーマットを通してのデータ交換は、各ソフトをIFC対応にするだけでよいので、少しの手間で済みます。
 フォーラムエイトは、BIMによる設計の中核となるAllplanだけでなく、構造解析や耐震解析用のソフト、洪水や避難のシミュレーション、そして各種土木構造物の設計に使えるソフトなどを幅広くラインアップしています。さらに、クルマや人など、様々なものの動きを再現するバーチャルリアリティーソフトもあります。
 これらのソフトがIFC形式を通じてデータ交換できるようになると、各ソフト間で建物や構造物のBIMモデルを共有し、非常に効率的なコラボレーションができるようになります。事実、2010年10月に行われた仮想BIMコンペ「Build Live Tokyo 2010」では、フォーラムエイトを中心に構成したチーム「F8W16」が、IFCによるデータ交換で多くの解析やシミュレーションを行いました。それが評価され、「IFCデータ連携賞」を受賞しました。
 さらにフォーラムエイトの強みは、約30年間にわたって様々な土木構造物用の設計ソフトを展開してきたことです。公共工事の電子納品では「SXF形式」が使われており、将来的には3次元の属性情報付きのデータを交換できることを目指しています。既にIFC形式がそれと同様の機能を果たしており、土木用ソフトにそのデータ交換機能が搭載されたことは注目に値します。


▲仮想BIMコンペ「Build Live Tokyo 2010」でフォーラムエイト主体のチーム「F8W16」がBIMモデルで行った解析やシミュレーション
▲フォーラムエイトの今後のBIM連携ビジョン。
Allplanを中心にIFC形式での連携が実現する予定だ


●製品の今後の展望
 土木設計ソフトの「UC-1」シリーズのうち、「橋脚の設計 Ver.8」、「橋台の設計 Ver.9」、「BOXカルバートの設計 Ver.9」、「擁壁の設計 Ver.10」には、既にIFC形式のデータ出力機能を搭載しています。
 市販の製品には搭載されていませんが、UC-win/Road用にもIFC形式を読み込む機能が開発されています。これは仮想BIMコンペ「Build Live Tokyo 2010」のときにIFC形式の地形データを読み込むために開発されたものです。そのうちバージョンアップで一般ユーザーも使えるようになるでしょう。
 このほか耐震解析ソフト「UC-win/FRAME3D)」でも、IFC形式への対応を計画しています。各ソフトを自社開発しているので、IFC形式への対応も他社に依存することなく、社内でスピーディーに行えるのもフォーラムエイトの大きな強みです。
 土木分野のソフトベンダーにはなじみが薄かったIFC形式でのデータ交換機能を、UC-1シリーズに搭載したことは、建築分野のBIMソフトも手がけるベンダーならではの先進的な着想と言えるでしょう。

●次回は、「UC-1 for SaaS FRAME-RC 断面」体験セミナーをレポート予定です。


     
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