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   ホーム > セミナーフェア > セミナーレポート > フォーラムエイト デザインフェスティバル 2016-3Days+Eve > 11月18(金) Day3
 フォーラムエイト デザインフェスティバル 2016-3Days+Eve
●日時:2016年11月15日(Eve)、16〜18日(3Days) ●会場:品川インターシティ ホール (Up&Coming 2017年1月号)

11月15日(火) Eve  11月16日(水) Day1  11月17日(木) Day2  11月18日(金) Day3



社会環境やニーズの変化、これからの公共事業へのアプローチを探る

デザインフェスティバルDay3(2016年11月18日)は、品川インターシティ ホールで午前の部から午後の部前半にかけて「第10回 デザインコンファランス」の<耐震・地盤・水工セッション>を実施。午後の部後半は「第3回 ナショナル・レジリエンス・デザインアワード(NaRDA)」の各賞発表と表彰式が開催されました。

主催者挨拶を受けたDay3最初の特別講演は、衆議院議員の浅尾慶一郎氏による「人口減少社会における生産性向上に資する公共事業」。初めに、日本が中長期的に抱える政策的課題として、1)人口減少と高齢化の進行、2)世界的にも恵まれた健康保険制度に加え医療技術の進歩とともに増大する医療費負担など社会保障関係費の際立つ伸び、3)既に大きな借金を抱え新たな借金が難しい中での公共事業関係費の縮減 ― を列挙。
ただ、人口減少期においても道路や上下水道、公共建築物が更新時期を迎えている現状があり、更新投資の取捨選択は不可避。一方、医療や介護などのサービスを効率化するソリューションとしてコンパクトシティ化の意義を提示。そのようなケースを含め、都市の年齢構成を検証して優先順位を付けた取り組み、あるいはBREXITやトランプ現象で表出した人々の現状への不満を視野に、そうした不満を募らせない、日本のメリットを活かしたまちづくりが重要になるとの考え方に言及。そこでは人の移動などをVRでシミュレーションするといったアプローチの可能性に期待を示します。
■衆議院議員 浅尾 慶一郎 氏

続いて、グリニッジ大学火災安全工学グループ(FSEG)ディレクターのエドウィン・R・ガレア教授が「シミュレーションを通じた工学的な安全、安心および効率性」と題して特別講演。まず、FSEGのプロフィールや多様な安全・安心に関わるモデリング事例、各種FSEGソフトウェアの適用事例、データ・コレクション例を紹介。
その上で「混雑する場所での安全・安心」のコンセプトや具体的な惨事の事例を解説。エージェントベースの避難シミュレーション(「EXODUS」)の幅広い適用事例を挙げ、その可能性に言及。競技場や高層ビルを例に避難シナリオを修正することで混雑や避難時間に与える効果を説明。
また、避難の際にリフトを利用することのメリットを実証する調査結果やシミュレーション、高層ビルでの混雑をクリアし全員避難の効率性を改善する比較シミュレーションを紹介。加えて、1)セキュリティボラード(車止め)のテロ対策効果や群集の混雑緩和効果、2)ラッシュアワーでのより効率的なエスカレーターの利用法(歩くか否か)、3)都市規模の避難と群集流動に関する実験やモデリングによる検証結果について解説。
■グリニッジ大学火災安全エンジニアリンググループ
  (FSEG)教授 エドウィン・ガリア 氏
さらに、2つの新ツール(「urbanEXODUS」「webEXODUS」)をはじめとする大規模災害へのEXODUSやSMARTFIREによる対応、MR(複合現実)によるゲーム環境の対テロ訓練への取り組みとそこでのEXODUSやSMARTFIREの連携、爆発モデリングへの対応などにも言及します。

午後の部セッションのスタートは、埼玉大学レジリエント社会研究センター長の睦好宏史教授により「橋梁技術の変遷〜丈夫で長持ちする橋を目指して〜」と題する特別講演。まず、外ケーブル構造の定義と内ケーブルとの違い、特徴について実験や解析の結果などを踏まえて解説。次いで、2径間大偏心外ケーブルPC橋の構造上のメリット、その設計の柔軟性に関する実験と解析の結果、共同研究による同構造の実橋(鳥崎公園橋)への適用、同橋の完成に至る建設プロセスへと話を展開。その上で、一般の外ケーブルPC橋とPC斜張橋、エクストラドーズドPC橋という類似した各構造の差異を対比。一方、国内外におけるPC橋梁などの経年劣化の実例、および橋梁の劣化に影響を及ぼす外的・内的要因や解明すべき問題点を整理。これを受け、1)PC鋼材が破断したPC桁の力学的性状に関する研究、2)イオン交換樹脂を混和した再注入用PCグラウトの開発、3)微生物を用いたコンクリートのひび割れ治癒技術の開発など、橋梁の長寿命化に向けた自身の研究について実験結果などを交えて紹介。さらに、今後新設あるいは架け替えされる橋に高い耐久性を持たせるため、1)構造的合理性、2)多重防護層、3)検査が容易であること、といった観点から要件を説明。
■埼玉大学大学院 理工学研究科教授
  レジリエント社会研究センター長 睦好 宏史 氏
最後に、審議中の新道路橋示方書の改訂経緯と今回改訂における関連ポイントにも触れました。

同セッションの最後は、「IM&VR、国土強靭化ソリューションプレゼンテーション」。前半は当社担当者により「FEM解析シリーズ、最新製品とその機能」と題し、Engineer’s Studio®、WCOMD Studio、GeoFEAS Flow 3D、およびFEMLEEGそれぞれの特徴や主な機能、最新版の新機能を、操作手順のデモとともに紹介。併せて、各製品の今後の開発予定にも触れました。
後半は「フォーラムエイトが広げるBIM/CIMワールド」と題して当社担当者がプレゼンテーション。IM&VRに込められたコンセプトやBIM/CIMをカバーする広範な製品ラインナップ、主要製品の開発推移と主な機能、他の解析結果や作成データと連携した多様なVRシミュレーション事例、各種サービス、シミュレータ・ラインナップ、3DCAD Studio®を中心とする製品連携などについて紹介しました。

■フォーラムエイト 執行役員 システム営業マネージャ
  松田 克巳
■フォーラムエイト UC-1開発第1Group
  解析支援チームリーダ 柳 正吉
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多様な技術提案から技術者教育まで、新たな視点に期待

Day3午後の部後半、今回DFの掉尾を飾ったのは、国土強靭化に資する事例や成果を顕彰する「第3回 ナショナル・レジリエンス・デザインアワード(NaRDA)」の各賞発表と表彰式です。今回NaRDAの審査員は、審査委員長を務めた東京都市大学災害軽減工学研究室の吉川弘道教授をはじめ、芝浦工業大学副学長・工学部土木工学科都市環境工学研究室の守田優教授と、今回新たに加わった群馬大学理工学部の若井明彦教授の3氏により構成。各審査員の紹介後、吉川委員長がNaRDAの趣旨を解説してスタートしました。

これに先駆け、構造解析(土木・建築)や地盤、水工、防災の各分野を対象とするエントリー作品に対し、11月15日に最終審査を実施。Day3ではまず、そこで選定されたノミネート作品(8点)についてそれぞれの概要とポイントを紹介した後、各出品者にノミネート賞を授与。さらにその中から、「グランプリ」(「PC-壁体による自立式擁壁の高耐震化と合理的な性能照査型耐震設計法の提案」日本コンクリート工業株式会社)をはじめ、「準グランプリ優秀賞」(国土交通省中部地方整備局道路構造物研究会・橋梁技術研究会)、「審査員特別賞 Performance-based Design賞」(株式会社エーバイシー)、「同 Tsunami Risk Management賞」(大分工業高等専門学校)、「同 Tsunami Protection賞」(応用技術株式会社)の各賞が各審査員により発表・授与されました。
■ノミネート受賞者の皆様
最後に各審査員が講評を述べ、すべてのセッションは終了しました。

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