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Q&A土留め工の設計・3DCAD Q&A ('24.10.02)


NEW!更新内容

Q1−1−73.「設計調書」ボタンを押すと「プロダクトキーが設定されていないため、設計調書を起動できません。」というメッセージが表示される。('24.10.02)

Q2−1−1.掘削完了後、コンクリートを打ち、これを捨て梁とする方法は?(Ver.5)('24.10.02)




 ■ よくあるご質問 ■

 Q1−1−3. 上載荷重を片側の壁だけに掛ける方法は?

 Q1−1−8. 初期入力画面で平面形状に直線の任意区間を選択すると、切梁の計算がされない。

 Q1−1−10. 鋼矢板SY295の許容せん断応力度の初期値を150N/mm2としている理由は?

 Q1−1−18. 土留め壁を地盤面から突出させ、突出した部分に水圧をかけることはできるか。

 Q1−1−29. 河川内の仮締め切りを計算したいのですが、どのように入力したら良いか。

 Q1−1−57. 仮設指針の最小根入れ長について、自立式土留めや小規模土留めの場合などで異なるが、指針の記載ページも含めて教えてほしい。

 Q1−1−58. 鋼矢板の継手部の照査を行いたいが、可能か。

 Q1−1−59. 切ばり支保工で隅火打ちをある箇所だけ設置したくないのだが、そのような設定はできるか。

 Q2−1−1. 掘削完了後、コンクリートを打ち、これを捨て梁とする方法は?

 Q2−2−3. 慣用法の支保工反力の値よりも弾塑性法の支保工反力の値のほうがが小さいにも関わらず、弾塑性法の値を用いて計算が行われている理由は?

 Q2−2−28.仮設指針などで自立式の場合(Changの方法による計算の場合)に、土留め壁の剛性の大きなものほど必要根入れ長が長くなるのはなぜか。

 Q3−1−1. 基礎コンクリートを盛り替え梁とする場合のバネ定数はどのように算出したらよいか。

 Q3−2−2. 埋め戻して切梁を撤去するにはどのようにモデル化したらよいか。

 Q11−1−1. FEM解析を実行するには?

 Q14−1−2. 図面作成すると、鋼矢板が重複して作図される。



目 次
 1.共通編

 (1)入力関連

 Q1−1−1.切ばり支保工の各スパンは自動的に決定されるようだが、これを任意に設定することはできるか。

 Q1−1−2.掘削側の水位を掘削底面に合わせたい。どのように入力したらよいか。

 Q1−1−3.上載荷重を片側の壁だけに掛ける方法は?

 Q1−1−4.壁体に任意の水平力(任意荷重)を作用させたいが、可能か。

 Q1−1−5.初期入力画面で切ばりの段数を変更するにはどうしたらよいか。

 Q1−1−6.自立時の計算結果一覧の最小根入れ長が掘削深さと同じ理由は?

 Q1−1−7.仮設工指針P.56の、背面に河川があるケースの計算は可能か。

 Q1−1−8.初期入力画面で平面形状に直線の任意区間を選択すると、切梁の計算がされない。

 Q1−1−9.二重腹起しはどのように入力したらよいか。

 Q1−1−10.鋼矢板SY295の許容せん断応力度の初期値を150N/mm2としている理由は?

 Q1−1−11.適用基準を鉄道標準としたときに、粘性土の変形係数αEo=400Co(kN/m2)が初期設定されているが、その根拠は?

 Q1−1−12.法面の天端に上載荷重をかけたい。

 Q1−1−13.「有限長の上載荷重」とは?

 Q1−1−14.N値をゼロにしたところ、αEoがゼロになるため計算を中断する旨のメッセージが表示される。計算する方法はあるか。(Ver.5)

 Q1−1−15.壁体断面照査や支持力計算において土留め壁の自重を考慮するには?

 Q1−1−16.仮設指針(平成11年)では鋼矢板SY295の許容応力度は265N/mm2となっているので、「土留め工の設計」で270N/mm2としているのは誤りではないか。(Ver.6)

 Q1−1−17.切ばりの段数を変更したところ、「切ばり第○部材の検討でエラーが発生しました。存在しない支保工段位置を設定しています。」というメッセージが表示され、計算が中断する。(Ver.6)

 Q1−1−18.土留め壁を地盤面から突出させ、突出した部分に水圧をかけることはできるか。(Ver.7)

 Q1−1−19.偏土圧が作用するため、左右の壁で上載荷重が異なるように入力したい。(Ver.6)

 Q1−1−20.鋼材名称に「孔」とついているものがあるが、これは何を意味しているのか。(Ver.7)

 Q1−1−21.アンカーの周面摩擦抵抗は内部計算されるのか。(Ver.7)

 Q1−1−22.「土留め工の設計」で、土留め壁の上に覆工板を設置した場合の計算は可能か。「仮設構台の設計」と併用することになるか。(Ver.7)

 Q1−1−23.支保工段数を増やしたとき、火打ちはどの画面で配置するのか。(Ver.7) 

 Q1−1−24.検討ケースごとに余掘り量を設定することはできるか。

 Q1−1−25.親杭の許容応力度が低減されていない理由は?(Ver.7)

 Q1−1−26.親杭の根入れ部の地盤抵抗に側面抵抗を考慮/無視の設定をしたい。(Ver.8)

 Q1−1−27.軽量鋼矢板の断面諸量の出典は?(Ver.8)

 Q1−1−28. 鋼材登録プログラムの鋼矢板のIII型が2種類あるが、この違いは何か?一般的にはNo.2のものが多いと思うが・・・ (Ver.11)

 Q1−1−29. 河川内の仮締め切りを計算したいのですが、どのように入力したら良いか。(Ver.11)

 Q1−1−30. 掘削面が背面側地表面よりも高い状態から計算をすることは可能か。(Ver.11)

 Q1−1−31. 「親杭間隔」と「土留め板設計用親杭間隔」は同値を入力するのではないのか。(Ver.11)

 Q1−1−32. 多重火打ちのモデルで、ある段のみ多重の内側の火打ちを抜いた配置とすることができるか。(Ver.11)

 Q1−1−33. 平面形状を「矩形」から「直線の任意区間」に変更して計算を実行すると結果が変わるが何故か。(Ver.11)

 Q1−1−34. 通常、上載荷重は10kN/m2にするが、重機などが載る場合はどんな値を入力すれば良いか。

 Q1−1−35. 支保工の設計は別途行うので、支保工反力までを計算したいが可能か。(Ver.11)

 Q1−1−36. 適用基準を「土地改良基準(平成13年)」とした場合に、鋼矢板の有効率が『土地改良事業計画設計基準 設計「水路工」 基準書 技術書」 平成13年2月 農林水産省』のP371の値となっている。 この値は鋼矢板頭部を補強した場合のものとなるが、この値をデフォルトとしている理由はなぜか。(Ver.11)

 Q1−1−37. 腹起しに溝形鋼を用いたいが可能か。(Ver.11)

 Q1−1−38. 特定の切ばりのみに火打ちを設置したいが可能か。(Ver.11)

 Q1−1−39. 切ばり+アンカー併用工の場合に外的安定計算ができない理由は?(Ver.11)

 Q1−1−40. 撤去時のあるケースで壁体応力度照査と支保工の設計を行いたいが可能か。(Ver.11)

 Q1−1−41. 撤去時の検討を行う場合で、支保工をすべて撤去しない場合はどのように設定したら良いか。(Ver.11)

 Q1−1−42. 水平載荷試験結果がある場合の地層データの入力はαを考慮したαEoを直接入力すればよいか。(Ver.12)

 Q1−1−43. 外的安定性の検討で格子範囲はどこで設定するのか。(Ver.12)

 Q1−1−44.Ver.12からの製品構成で、Standard版とAdvanced版の違いは何か。(Ver.12)

 Q1−1−45. ある延長上で場所によって土留め壁の壁長が異なる場合はどうすれば良いか。(Ver.12)

 Q1−1−46. 有限長の上載荷重の入力にある主働崩壊角θのデフォルト値(40度)の根拠は?(Ver.12)

 Q1−1−47. 親杭横矢板壁の横矢板を軽量鋼矢板にした場合に継手剛性の低減を考慮することは可能か。(Ver.12)

 Q1−1−48. 土留工設計マニュアルには壁体天端≧地盤高とあるが、地表面に覆工版やその受桁を設置するような場合において、壁体天端を地盤高より低く設定することはできないのか。(Ver.13)

 Q1−1−49. N値が100を超える場合の扱いについて留意点は?(Ver.13)

 Q1−1−50. 列車荷重直接支持の場合、SS400からSM490に部材を変更しても親杭の許容値が変わらないのはなぜか。(Ver.13)

 Q1−1−51. 有限長の上載荷重を選択し、荷重強度および載荷位置を入力した場合、計算にそれが反映されているかどうかの確認は、どこを見ればよいのか。入力データとしては出てこず、計算の中身から確認するしかないのか。(Ver.13)

 Q1−1−52. フランジ固定間距離Lbはどこで入力するのか。(Ver.14)

 Q1−1−53. 鋼矢板を1枚で計算することができないか、また入力方法について。(Ver.14)

 Q1−1−54. 左側は45H型 右側をW型を検討したい。左右異なった矢板の計算が可能か。(Ver.15)

 Q1−1−55. 親杭の受動抵抗で粘性土の場合、親杭側面部の粘着力による抵抗を考慮する。この抵抗を無視した計算は行えるか。(Ver.15)

 Q1−1−56. 切ばり支保工の時、[部材]-[腹起し]画面に「曲げ作用面内(面外)の座屈の検討を行う」という入力があるが、腹起しの面内・面外とはどの方向を指すのか。(Ver.15)

 Q1−1−57. 仮設指針の最小根入れ長について、自立式土留めや小規模土留めの場合などで異なるが、指針の記載ページも含めて教えてほしい。(Ver.15)

 Q1−1−58. 鋼矢板の継手部の照査を行いたいが、可能か。(Ver.15)

 Q1−1−59. 切ばり支保工で隅火打ちをある箇所だけ設置したくないのだが、そのような設定はできるか。(Ver.15)

 Q1−1−60. 形状が矩形で切ばり支保工を検討する場合、左右方向と前後方向の切ばりが重ならないように配置されると思うが、[初期入力]画面の支保工位置はどちらの位置を入力すればよいか。また、切ばりの左右方向と前後方向の上下はどのように決まるのか。変更することはできるか。(Ver.15)

 Q1−1−61. 鋼矢板壁の弾塑性法で検討しているが、矢板頭部を連結固定するので、仮設指針p.107の記載の通り、壁体の断面二次モーメントの有効率を変更したい。どこの入力を変更すればよいか。(Ver.15)

 Q1−1−62. 親杭横矢板で検討しているが、親杭の間隔が一定ではないため、通常の親杭間隔と土留め板の計算に用いる間隔を別に入力することはできるか。(Ver.15)

 Q1−1−63.仮設指針(平成11年)で検討しているが、水平地盤反力係数kHを変形係数αE0からの換算ではなく、直接入力することはできるか。

 Q1−1−64.適用基準が「土地改良基準」の時に[荷重]-[自動車+盛土荷重]という入力があるが、この画面で入力する「自動車荷重強度」はどのような値を入力すればよいか。基準に具体的な記載があれば教えてほしい。

 Q1−1−65.親杭横矢板で遮水用薬液注入を行うので背面側水位を掘削底面ではなく任意の位置としたいが、どう入力すれば良いか。
(親杭横矢板の場合は自動的に「掘削底面=水位面」で補正されてしまう)


 Q1−1−66.鋼矢板が頭つなぎなどで固定されている場合の効果など見込む方法はあるか。また、基準類や文献に記載があれば教えてほしい。

 Q1−1−67.[初期入力]画面などに地層データ入力の補助機能として「N値から内部摩擦角Φを推定]ボタンがあるが、N値が小さい場合(例えば、N値 = 3)にΦが更新されないのはなぜか。

 Q1−1−68.地中連続壁の場合の鉄筋の許容値の出典を教えてほしい。
([部材]-[壁体]画面においてデフォルトでセットされる値)


 Q1−1−69.外的安定(円弧すべり)の照査は本製品のみで行えるのか。


 Q1−1−70.[地層]画面の「土の水中単位重量γ'」の初期値は[初期入力]画面の「土の湿潤重量」から9.0kN/m3を差し引いた値となっているようだが、この考え方に根拠はあるか。

 Q1−1−71.以下の場合に水平地盤反力係数kHを直接入力できるが、親杭横矢板の場合は「壁体形式に係る係数η」を考慮した値を入力するのか、それともη=1.0として入力するのか。
・[考え方]-[照査項目]の「水平地盤反力係数を層ごとに入力する」がON
・[考え方]-[慣用法]の「自立時のChangの計算に用いる水平地盤反力係数を直接入力する」がON


 Q1−1−72.切ばり支保工で[部材]-[隅火打ち]画面に「2段重ねの検討を行う」というスイッチがあるが、どのような検討なのか。

 Q1−1−73.「設計調書」ボタンを押すと「プロダクトキーが設定されていないため、設計調書を起動できません。」というメッセージが表示される。
 (2)計算関連

 Q1−2−1.建築学会基準のとき、砂の単位体積重量が土水圧分離で計算されるが、その理由は?(Ver.5)

 Q1−2−2.鋼矢板の変位量にはアンカー頭部の変位量も含まれているのか。(Ver.7)

 Q1−2−3.砂質土と粘性土が混在しているとき、断面計算に用いる土圧はどのように判定されるのか。(Ver.7)

 Q1−2−4.親杭式の場合、土留め板の最大土圧はどのように算出されるのか(外力表と異なる値になっている)。(Ver.7)

 Q1−2−5. 鉄道標準で断面計算用側圧に上載荷重が考慮されていないがなぜか。(Ver.11)

 Q1−2−6. 仮締切工の計算する際の平面形状だが、コの字型での計算は可能か。または方法はあるか。(Ver.15)

 Q1−2−7.Ver.15以降で、支保工反力等の採用値が変更出来なくなったのは何故か。(Ver.15)

 Q1−2−8. 「土木学会H28」(トンネル標準示方書開削工法編・同解説 2016年版)で検討した場合、粘性土地盤の根入れ長土圧は内部摩擦角が5度以上(例えばφ=10や20)の場合に「φ=5度」で土圧を計算しているが、具体的には「トンネル標準示方書開削工法編・同解説 2016年版」のどこの記載に従っているのか。
([基準値]-[設計用設定値]-[慣用法]の「根入れ長計算用土圧の粘性土にφを考慮する」がONの場合)


 Q1−2−9. 土地改良基準(H26)で検討した場合、壁面摩擦角の初期値(内部値)が15°なのはなぜか。

  (3)印刷関連

 Q1−3−1.弾塑性法による解析結果だけを出力したい。

 Q1−3−2.計算書に切ばりの計算結果が出力されていない。

 Q1−3−3. 計算を行うと、断面力の計算にて最大曲げモーメントととその生ずる位置が計算される。この最大曲げモーメントの生ずる位置の算出式はどこに記載されているのか。(Ver.14)

 2.慣用法編

 (1)入力関連

 Q2−1−1.掘削完了後、コンクリートを打ち、これを捨て梁とする方法は?(Ver.5)

 Q2−1−2.上載荷重の換算高を断面計算の掘削深さによる係数aに考慮したい。(Ver.6)

 Q2−1−3.自立時の検討を行わないようにする方法は?(Ver.6)

 Q2−1−4.任意の壁の腹起しを計算対象とする方法はあるか。(Ver.7)

 Q2−1−5.腐食代を考慮して検討することはできるか。(Ver.8)

 Q2−1−6. 撤去時の計算結果が出てこない。(Ver.11)

 Q2−1−7. 自立式の計算時に、安全係数βが2.5で計算されているが、3.0など任意の値で計算することは可能か。(Ver.14)

 Q2−1−8. 慣用法設計時に最下段切梁設置前より以前の自立時、2次掘削時の検討を行いたいが可能か。(Ver.14)

 Q2−1−9.自立式で地盤バネの扱いを「福岡・宇部の式」で行うことできるか。

 (2)計算関連

 

 Q2−2−1.計算書にある下記記述の根拠は?(Ver.5) 「・最下段切ばりと仮想支持点間の単純スパン 仮想支持深さは、根入れ長の計算で算定された0.177mを0.750mに補正しました。」

 Q2−2−2.「検討ケース」において、デフォルトでは慣用法の計算を行わないケースがある理由は?(Ver.5)

 Q2−2−3.慣用法の支保工反力の値よりも弾塑性法の支保工反力の値のほうがが小さいにも関わらず、弾塑性法の値を用いて計算が行われている理由は?(Ver.5)

 Q2−2−4.仮設指針などで、自立式土留めの検討を行った際に、杭下端の層厚を変えることにより、必要根入れ長も変わるのはなぜか。(Ver.6)

 Q2−2−5.土留め板の必要長さはどのように算出されるのか。(Ver.6)

 Q2−2−6.「考え方」−「慣用法」画面の「岩盤層の扱いを行う」は何にもとづいているのか。(Ver.6)

 Q2−2−7.ある位置の曲げモーメントを確認する方法はあるか?(Ver.6)

 Q2−2−8.撤去自立時の断面力算出用土圧として、断面力算出用土圧ではなく、根入れ長計算用土圧を用いている理由は?(Ver.6)

 Q2−2−9.「考え方」−「慣用法」画面の「水圧形状」について説明してほしい。(Ver.6)

 Q2−2−10.変位の計算(もしくは最大モーメント)の詳細(計算根拠)を確認する方法はありますか。(Ver.6)

 Q2−2−11.プレボーリング工法のモルタル充填で、掘削以深でも周長が U=1/2πD で算出されている理由は?(Ver.6)

 Q2−2−12.鉄道基準で計算実行したときに表示されるメッセージは何を示しているのか。(Ver.6) ('09.11.27)
          『警告:力のつりあいによる必要根入れ長の計算で、1次掘削時において、検討可能な最下層位置まで根入れ長を延ばしましたが、安全率が2.80となり必要安全率を満足していません。』

 Q2−2−13.仮設指針(平成11年)に準拠するとき、最小根入れ長は3.0mになるはずだが、結果はそれより短くなっている。(Ver.7)

 Q2−2−14.切梁の位置を変えると支保工反力も変わる理由は?(Ver.7)

 Q2−2−15.自立式のとき、弾性床上はり理論による計算は可能か。(Ver.7)

 Q2−2−16.撤去時の根入れ長の計算を行わないのは、どの基準、考え方に基づいているのか。(Ver.7)

 Q2−2−17「最大変位」と「全壁体変位量」の違いは?(Ver.8)

 Q2−2−18. 製品ヘルプに記載されている支保工反力の計算方法のうち、「集中荷重法」と「1/2分割法」は同じ方法になるか。(Ver.11)

 Q2−2−19. 盛替え支保工の反力が0で算出されてしまうが何故か。(Ver.11)


 Q2−2−20. 仮設指針の場合の自立撤去時の計算を掘削時と同様に下方支点なし(Changの方法)で計算できないか。(Ver.12)

 Q2−2−21. 自立矢板を仮設指針の慣用法で計算したデータを、本設設計が必要になったために土地改良基準(平成13年)に変更したが、変位量が仮設指針よりもかなり大きく出るのは何故か。(Ver.12)

 Q2−2−22. 突出モデルの場合に結果画面には矢板天端の変位が表示されるが、地表面位置の変位を確認することはできるか。(Ver.12)

 Q2−2−23. 有限長の上載荷重が慣用法自立時の掘削底面以深の土圧に考慮されない。(Ver.12)

 Q2−2−24. 小規模土留で最小根入れ長が掘削深の1/2にならないのはなぜか。(Ver.13)

 Q2−2−25. 建築学会の基準で自立式の土留めを設計している。根入れ長の決定を行う場合、Df=2.0/βが確保されている状態でもFs≧Mp/Maの検討を行い、どちらか深い方で根入れ長が決定されているが、Fs≧Mp/Maの検討を省略する方法はあるか。(Ver.14)

 Q2−2−26. 自立式土留めで検討しているが、掘削底面に土留め壁にかかるように切土を残しているので、この切土の影響を掘削側の上載荷重として換算して載荷した。しかし、掘削側の上載荷重にどんな値を入力しても必要根入れ長が全く変わらないのは何故か?

 Q2−2−27. 1層目の層厚を少し変更したら変更前と変更後で支保工反力の結果に予想以上の大きな相違が生じた。層厚以外の条件は変更していないが、どんな理由が考えられるか。(Ver.15)

 Q2−2−28. 仮設指針などで自立式の場合(Changの方法による計算の場合)に、土留め壁の剛性の大きなものほど必要根入れ長が長くなるのはなぜか。

 Q2−2−29. 仮設指針で[検討ケース]画面の「小規模土留めの検討を行う」をONにして計算したら、壁体応力度照査がNGになった。
このような状況はあり得るか。


 Q2−2−30.背面側の地層厚さを少し変えただけで断面力や支保工反力が大きく異なる結果となった。
変更前と変更後で計算書を比較すると[断面力の計算]の「地盤種類」が異なっていたが、これはどのように考えればよいか。


 Q2−2−31.必要根入れ長を満たす決定長としたが、根入れ照査がNGとなった。
このような状況は有り得るのか。また、有り得るとしたらどのような理由によるものか教えてほしい。


 Q2−2−32.仮設指針の自立時で検討したが、変位が大きいので変位を抑えるために掘削側を地盤改良として設定した。
改良範囲の粘着力をかなり大きくしたが、特に変位が変わらない結果となったが、どのような理由が考えられるか。


 3.弾塑性法編

 (1)入力関連

 Q3−1−1.基礎コンクリートを盛り替え梁とする場合のバネ定数はどのように算出したらよいか。

 Q3−1−2.盛り替え支保工で、埋め戻し土をバネとして考慮するにはどうしたらよいか。

 Q3−1−3.「考え方」−「弾塑性法」画面にある「弾塑性解析用側圧を用いた掘削時の根入れに関する安定計算」は、通常どれを選んだらよいか

 Q3−1−4.切梁がなく隅火打ちだけの平面形状のとき、切梁を隅火打ちに置き換え水平バネ定数を指定して弾塑性解析を行いたい。(Ver.6)

 Q3−1−5.両側の壁を検討するための入力方法は?(Ver.6)

 Q3−1−6.弾塑性の土圧により内的安定計算を行うとき、土圧力は直接入力しなければならないが、どの土圧力を参照したらよいか。(Ver.6)

 Q3−1−7.盛り替え梁を入力せずに撤去時の検討を行うことはできるか。(Ver.7)

 Q3−1−8. 弾塑性解析で一度設置した盛替え支保工を別のケースで撤去できるか。(Ver.11)

 Q3−1−9. 左右壁で支保工位置が異なるモデルの計算は出来ないのか。(Ver.11)

 Q3−1−10. 弾塑性法の両壁一体解析を実施する際に左右壁で壁の種類が異なる場合(例えば鋼矢板と鋼管矢板)の計算は可能か。(Ver.11)

 Q3−1−11. ある検討ケースのみに有限長の上載荷重を載荷して弾塑性解析を行うことはできないか。(Ver.11)

 Q3−1−12. SMW壁の等厚壁の場合、断面変化できない理由は?(Ver.11)

 Q3−1−13. 弾塑性法用側圧の土圧係数を各掘削ステップ毎に入力したいが可能か。地層データの入力では全ケース共通となる。(Ver.12)

 Q3−1−14. [結果確認]-[弾塑性法]-[詳細確認]画面を開きますと、[側圧・地盤バネデータファイルの保存]ボタンがありますが、ここで保存したファイルはどこで使用できるか。(Ver.12)

 Q3−1−15. 盛り替え支保工の水平ばねの算出方法は? デフォルトは10万という値になっている。(Ver.12)

 Q3−1−16. 施工ゆるみについて、ヘルプには「支保工が有効に働くと判断できる場合は」とあるが、そのような判断ができる状態とはどのような状態なのか。(Ver.12)

 (2)計算関連

 Q3−2−1.弾塑性法による解析で、埋め戻し土の定数を用いて撤去時の検討を行いたい。

 Q3−2−2.埋め戻して切梁を撤去するにはどのようにモデル化したらよいか。

 Q3−2−3.必要弾性域率が50%で結果はOUTとなった。必要弾性域率を変えることはできるか?(Ver.5)

 Q3−2−4.計算書の弾塑性解析結果にある「前回変位」「今回変位」「合計変位」とは?(Ver.5)

 Q3−2−5.弾性域率の判定でNGとなったときの対策は?(Ver.5)

 Q3−2−6.水位があるにも関わらず、弾塑性法の計算書における地盤条件の水位の有無が「×」となっている理由は?(Ver.6)

 Q3−2−7.弾塑性法結果総括画面「最大値最小値一覧」の「最大」「最小」とは?(Ver.6)

 Q3−2−8.弾塑性法における地下水位以下の有効土被り圧の算出で、指定した土の単位重量が考慮されず、水圧が差し引かれている。(Ver.6)

 Q3−2−9.弾性域長の計算で、先端部が弾性域か否かの判定の根拠を確認する方法はあるか。(Ver.6)

 Q3−2−10.「定常性の検討」とはどういうものか。(Ver.6)

 Q3−2−11.立坑のように切梁を設置しない場合も、それに代わる部材を入力する必要があるのか。(Ver.7)

 Q3−2−12.弾塑性法の計算で、支保工反力がマイナスになるのはどういう状況か。(Ver.7)

 Q3−2−13.弾塑性法用側圧を使用した自立時の根入れ長計算は可能か。(Ver.10)

 Q3−2−14. 弾塑性法の解析結果において、設定した計算ピッチではない箇所に計算点ができるのは何故か。(Ver.11)

 Q3−2−15. 撤去時ケースの弾塑性解析結果で「盛替無効」となっているが、これを有効にすることはできないか。(Ver.11)

 Q3−2−16. 弾塑性解析を解析法Tで行っているが、撤去時の盛替え支保工位置の変位が前のケースに比べて小さくなっているのに「盛替有効」となっているのはなぜか。(Ver.11)

 Q3−2−17. 弾塑性解析結果で、ある検討ケースのみ土留め壁の先端部に弾性域が存在しないために「×」となってしまうが解決方法は?(Ver.11)

 Q3−2−18. 弾塑性解析の計算書で、切ばりの位置の有効受動側圧の欄に値が入っているが何の値か。(Ver.11)

 Q3−2−19. 解析法Tの弾塑性解析結果で、プレロードがある場合の弾性反力の算出方法を教えてほしい。 (Ver.11)

 Q3−2−20. 水平ばね定数はどのように計算に影響しているのか。(Ver.12)

 Q3−2−21. 弾塑性法Tで偏土圧が作用するような設定にした時に計算は問題なく回るが、偏土圧が反映されているということか。それとも、解析法Tでは偏土圧モデルは対応しておらず、解析法Uで計算する必要があるのか。この場合、解析法TとUでは何が異なるのか。(Ver.13)

 Q3−2−22. 根入れ長の検討において  pa:*=max(pa,pamin) とあるが、この記述の鉄道標準で該当する箇所および内容について教えてほしい。(Ver.14)

 Q3−2−23. 「土留め工の設計」で、弾塑性法−解析法U・親杭切梁式で計算している。計算結果で杭の変位量が算出されているが、この変位量の計算式は?(Ver.15)

 Q3−2−24. 弾塑性法(解析法I)で計算したが、変位や断面力、支保工反力の内部計算値などがほぼ0になってしまった。どのような原因が考えられるか。

 Q3−2−25.切ばり支保工バネ定数の計算について、仮設構造物工指針および製品ヘルプの計算式と異なり、プログラム内の計算式では[本数]を掛ける部分で違いがあります。この本数とはなんでしょうか。また、なぜ本数をかけているのでしょうか。

 Q3−2−26.アンカー支保工の弾塑性法で検討しているが、アンカー長を長くしたら壁体応力度照査がNGとなった。
結果を見ると短い場合と比べて壁体断面力が大きくなっていたが、これはどのような理由によるものか。
(アンカー長さ以外の条件は変えていない)


 Q3−2−27.基準を変えて、親杭横矢板での受働土圧を比較した所、値が大きく異なる結果となったが、どのような理由が考えられるか。
(基準以外は全て同一条件)


 (3)印刷関連

 Q3−3−1. 弾塑性解析を行った場合に撤去時の検討条件が計算書に印刷されない。(Ver.11)

 Q3−3−2. 解析法Tの弾塑性解析結果の計算書で、「支保工水平反力」と「弾性反力」の違いは何か。(Ver.11)

 Q3−3−3. 弾塑性解析結果のモデル図、変位図、モーメント図を横並びで印刷する事は可能か。(Ver.11)


 Q3−3−4. 解析法Uで計算した場合に各節点が弾性か塑性かはどこで確認できるか。

 4.部材応力度照査編


 5.建築学会(平成14年、平成29年)編

 Q5−1−1. 建築学会(平成14年)の自立時の根入れ長さの計算をモーメントのつり合いによる方法のみで計算する(特性値による方法を行わない)ことは可能か。(Ver.11)

 Q5−1−2. 建築学会(平成14年)の場合に親杭のβ、kH算出時の杭幅の扱いは、親杭横矢板壁なら「杭幅の扱い」、SMW壁や鋼矢板壁の場合は「連続壁の扱い」で良いか。(Ver.11)

 Q5−1−3. 適用基準が建築学会(平成14年)だが、設計用設定値の[安全率]−[壁体の剛性検討時の許容変位量]はどの計算に使用されるのか。(Ver.11)

 Q5−1−4. 建築学会(平成14年)で地表面位置の有効上載圧にしか上載荷重が考慮されていないのは何故か。(Ver.11)

 Q5−1−5. 建築学会(平成29年)では、累計変位が計算されるが、これを計算(出力)しないという設定はできるか。

 Q5−1−6. 建築学会の場合、地層データの水平地盤バネkHの推奨値はどのように算出しているのか。
仮設指針などの場合の変形係数αE0=2800Nの換算式のように、指針に記載があれば該当箇所も含めて教えてほしい。


 Q5−1−7.側圧係数法の係数は変更できるか。

 6.支持力編

 Q6−1−1.ウォータージェット併用油圧圧入工法による先端処理の検討を行う方法はあるか。(Ver.6)

 Q6−1−2.良質層とみなすN値の下限値の値について、何か参考資料があるか。(Ver.9)

 Q6−1−3. 仮設指針のP.66にあるような鋼矢板に覆工受桁を取り付けた場合の分担を考慮した鉛直荷重を考慮したい。(Ver.12)

 Q6−1−4. 支持力係数を変更することはできるか。

 7.底面安定編

 Q7−1−1.ヒービングの検討における「検討開始半径」「検討終了半径」とは何か。「検討開始半径」で安全率を満たしているようだが。

 Q7−1−2.設計要領第二集に則りボイリングの検討を行うとき、どの計算式を採用したらよいか?(Ver.5) 

 Q7−1−3.ヒービングの検討結果がOUTのため掘削側だけを地盤改良したいとき、掘削側と背面側で土質定数を変えることはできるか?(Ver.5)

 Q7−1−4.「掘削底面の安定」−「ヒービング」の「土留壁の剛性は十分高いとみなす いいえ/はい」の判断基準は?(Ver.5)

 Q7−1−5.ボイリングの計算において、水位以下の土の単位重量が水中重量になっていないのは誤りではないか。(Ver.6)

 Q7−1−6.安定数の検討で判定がNGのとき、ヒービングの検討が行われない。(Ver.7)

 Q7−1−7.安定数Nbを算出する際に土の単位体積重量はどのような取り扱いをしているのか。(Ver.7)

 Q7−1−8. 仮設指針の方法によるヒービングの安定数の検討で、結果がOKとなってしまうがヒービングの検討結果を確認したい。(Ver.11)

 Q7−1−9. 仮設指針によるヒービングの検討で、[深さ方向の粘着力増分 a]の初期値は「2.0」だが、仮設指針P.84では「0.2」と記載されている。(Ver.11)

 Q7−1−10. 盤ぶくれ(荷重バランス法)の入力で、入力の「掘削底面から難透水層上端までの距離 h1」と「難透水層の層厚 h2」の合計値が同じであれば結果が全て同一となるが、このような入力としている理由は?(Ver.12)

 Q7−1−11. パイピングの入力項目である「背面側の控除すべき礫層長」には何を入力すれば良いか。(Ver.12)

 Q7−1−12. 仮設指針P.84にある式(2-9-18)でヒービングの検討ができるか。

 Q7−1−13. 自立式の場合に道路公団の考え方でヒービングの検討ができないのはなぜか。(Ver.12)

 Q7−1−14. ヒービングの検討において、自立時の場合、すべり円の中心を掘削深さとしているようだが、基準等に記載はあるか。(Ver.13)

 Q7−1−15.盤ぶくれの改良体の設計計算の「改良体の決定厚さ」において、「最小必要厚さtb(m)」が掘削深さにより変化することの根拠となる出典を教えてほしい。
また、これらの値は変更することができるか。


 Q7−1−16. 道路公団のヒービングの計算式について、√内の数値が4aとなっているが、同指針では2aであるので間違いではないか。(Ver.13)

 Q7−1−17. ヒービングの検討で用いる粘着力について教えてほしい。地層データから内部計算されているのか。それとも[掘削底面]-[ヒービング]画面で設定した粘着力が優先されるのか。(Ver.15)

 Q7−1−18. ヒービングの検討における必要根入れ長が計算される場合とされない場合があるが、どのような条件によるのか。
 8.法面の影響編

 Q8−1−1.背面側に盛土があるので、通常の上載荷重とは別にこの盛土の影響を考慮したいが、そのような設定はできるか。
(自分で上載荷重に換算するのではなく、形状などを入力したい)


 Q8−1−2.法面の影響による上載荷重を計算する時、掘削深さを開始位置とする主働すべり面によるモデルで換算しているようだが、検討ケースが複数ある場合に主働すべり面の開始位置を最終掘削深さではなく各掘削時の深さで計算することはできるか。

 Q8−1−3.法面の影響範囲について、デフォルトでは掘削深さを開始位置とする主働すべり面によるモデルとなっているが、すべり面の開始位置を仮想支持深さや壁体先端にすることはできるか。

 9.切ばり支保工編

 (1)入力関連

 Q9−1−1.道路土工の仮設構造物工指針P50の(2-6-1)式にはσbagyの値は強軸まわりの許容曲げ圧縮応力度とあるが、打ち出しを見ると弱軸になっていると思われる。

 Q9−1−2.計算時に下記エラーメッセージが表示された。この中の「L/b>30」とは何の規定によるものか。
「切ばり第1部材の検討でエラーが発生しました。座屈照査時の曲げ圧縮応力度算定でL/b>30となっています。」

 Q9−1−3.「支保工バネ特性」について、ヘルプ解説で“引張バネとして働く場合には基本的に「有効」”としている理由は? 

 Q9−1−4.支保工の軸力分担幅、曲げスパン、座屈スパンはどこで入力するのか。

 Q9−1−5. 火打ちの取付け角度として既定値(30,45,60度)以外を使用したいが可能か。(Ver.11)

 Q9−1−6. 腹起しの曲げスパンの内部計算値に、火打ち間が考慮されていないようだ。(Ver.11)

 Q9−1−7. 切ばり火打ちと隅火打ちの鋼材長は何に関係するのか。(Ver.11)

 Q9−1−8. 中間杭の座屈スパンはどこで設定するのか。(Ver.12)

 Q9−1−9. 切梁火打ちを下記のとおり設置して検討したいが可能か。可能であればどのように設定すればよいか。(Ver.13)
           1段目:隅火打ちのみ(多重)
           2段目:切梁のみ

 Q9−1−10.親杭横矢板で腹起しの設計を行う場合、腹起しには親杭からの集中荷重を作用させて断面力を求めているが、鋼矢板などと同様に等分布荷重で考えることはできないか。

 Q9−1−11.鉄道標準において、腹起しの曲げモーメントおよびせん断力は、通常の式に加えて
「切ばりと腹起しの間に火打ちが用いられる場合には、切ばりと火打ちは同じ断面の部材を用いる条件で...」
という記載と共に別の式が記載されている。
こちらの式を使用して検討することはできるか。


 (2)計算関連

 Q9−2−1.腹起しの計算で、面内と面外の座屈スパンが異なるのはなぜか。

 Q9−2−2.支保工の検討で、自動計算されるスパン長が、仮設構造物工指針に沿っていないのはなぜか。

 Q9−2−3.切ばりが無いにも関わらず計算結果が出力されている。

 Q9−2−4.面外座屈スパンの計算で火打ちが考慮されない理由は?(Ver.5)

 Q9−2−5.腹起しの合成応力度の計算は行われないのか。(Ver.6)

 Q9−2−6.腹起しを片持ち梁として計算することはできるか。(Ver.6)

 Q9−2−7.中間杭の作用鉛直力N4に300kNを指定したにも関わらず、0kNで計算されている。(Ver.6)

 Q9−2−8. 親杭横矢板壁で腹起しに作用する荷重を親杭1本ずつからの集中荷重として載荷する場合の荷重個数の算定方法を教えてほしい。(Ver.11)

 Q9−2−9. 腹起しおよび切ばりの座屈計算において、設計要領第二集で計算する場合に仮設指針などち違って常に面内方向と面外方向を計算するのはなぜか。(Ver.11)

 Q9−2−10.隅火打ちが30度または60度の場合の腹起しの曲げスパンの算定方法が仮設指針に明記されていないが、何を根拠に算定しているか。(Ver.11)

 Q9−2−11.中間杭の支持力の検討で、周面摩擦力度の計算値が0になってしまう。(Ver.12)

 Q9−2−12.腹起しの曲げモーメントの式について、1/10wL^2を用いる場合とはどのような条件の時か。(Ver.13)

 Q9−2−13. 腹起しの計算スパンで仮設指針p.118の図2-10-5内に記載がある「(隅火打ちの)端部に油圧ジャッキを入れゆるみをとった場合」のスパンは内部計算できるか

 Q9−2−14.腹起しは同位置に多段や多重の配置ができるが、支保工の設計にはどのように影響するのか。

 Q9−2−15.中間杭の設計で切ばり座屈にともなう鉛直力を1/50しているのはなぜか。

 10.アンカー支保工編

 (1)入力関連

 Q10−1−1.除去式アンカーの計算における「許容引張力の低減率:通常10」は何の文献をもとにしたものか。

 Q10−1−2.PC鋼より線の見掛けの周長はどこで変更するのか。

 Q10−1−3.ブラケットのタイプ1とタイプ2の違いは?

 Q10−1−4.プレロード量はどの程度の値を入力したらよいか。(Ver.6)

 Q10−1−5.アンカー支保工の単独設計時に見かけの周長を指定できるか。(Ver.6)

 Q10−1−6. アンカー支保工で、水平方向に2列配置されるような場合にアンカー水平間隔が初期入力で入力した間隔にならない場合があるが?(Ver.11)

 Q10−1−7. アンカーの内的安定計算に使用する土圧に「根入れ長計算用土圧」と「断面計算用土圧」の2つがありますが、それぞれの考え方が記載されているのはどの文献のどの部分か。(Ver.11)

 Q10−1−8. 耐荷体PC鋼より線1組の許容引張力のデフォルト値の200.0kNの根拠は?(Ver.12)

 Q10−1−9. アンカー支保工の場合に設定可能な傾斜地形は、土圧計算に影響するか。(Ver.12)

 Q10−1−10. プレロードはどこで入力するのか。(Ver.15)

 Q10−1−11.アンカー台座のd2とd5は、実際の台座の上端幅と下端幅を入力すればよいのか。([部材]-[台座]画面にある説明図のように、d2が台座の上端幅、d5が下端幅で問題ないか)

 (2)計算関連

 Q10−2−1.入力したブラケット間隔を変更しても、ブラケットの計算に影響しない理由は?(アンカー間隔は反映されている)

 Q10−2−2.アンカーPC本数はどのように決定されるのか。PC耐力に余裕があっても本数が変わらないときがある。(Ver.5)

 Q10−2−3.アンカー支保工の計算で、支持力による必要根入れ長を決定長にしているにも拘らず支持力照査でNGになるのはなぜか。(Ver.6)

 Q10−2−4.最終掘削時とそのひとつ前のケースだけを計算対象の初期値にしている理由は?(Ver.6)

 Q10−2−5.計算書において、弾塑性法の計算のアンカーバネ値と、アンカー支保工の計算のアンカーバネ値が異なっている。(Ver.7)

 Q10−2−6. 永久アンカーの検討をした場合、壁体の設計も本設で行ってくれるのか。(Ver.11)

 Q10−2−7. 親杭とアンカーのピッチを同一とした場合、アンカーによる鉛直成分RVはブラケット1本で受ける条件になるかと思うが、そうした場合の検討はできないか。(Ver.11)

 Q10−2−8. 除去式アンカーで「グラウトと引張材との付着から必要な長さLas」を計算しない理由は?(Ver.11)

 Q10−2−9. アンカーブラケットの検討でアンカー力の鉛直力を下段で全て受け持っているのはなぜか。(Ver.12)

 Q10−2−10. アンカー台座の必要板厚とは、どの部分を指しているか。(Ver.12)

 Q10−2−11. アンカー自由長の起点は?(Ver.15)

 11.FEM解析編

 Q11−1−1.FEM解析を実行するには?(Ver.14) 

 Q11−1−2.Z方向応力とは何か?(Ver.5)

 Q11−1−3.FEM解析結果の「傾き」とは?(Ver.6)

 Q11−1−4.FEM解析のファイルの保存先を指定することができない。指定せずにそのまま解析を実行するとI/Oエラーが発生する。(Ver.8)

 Q11−1−5. FEM解析において作用させている強制変位はどの検討ケースの変位なのか。(Ver.11)

 Q11−1−6. 強制変位の入力値を変更できるか。(Ver.11)

 Q11−1−7. FEM解析のポストプロセッサから計算書を出すにはどうしたら良いか。(Ver.11)

 Q11−1−8. FEMはこのソフトのみで処理できるか。別に post prossecer が必要か。(Ver.11)

 Q11−1−9. 一度FEM解析を実行したデータに対して条件を変更し、再度、弾塑性解析を実行後にFEM解析を行ったが結果に変化がないのは何故か。(Ver.12)

 Q11−1−10.本プログラムのFEM解析は仮設指針p.61の「c)有限要素法等の数値解析による方法」の記載内容の内、「地盤と土留め壁および支保工全体をモデル化して解析する方法」と「地盤のみをモデル化し、別途弾塑性法等により計算した、あるいは掘削時に計測した壁体変位を入力し、地盤変形を計算する方法」のどちらの方法となるか。

 Q11−1−11.FEM解析で解析領域(背面側解析範囲)はどの程度あればよいか。
デフォルト値として基準幅(D)の3倍となっているが、この値に根拠はあるか。


 12.周辺地盤への影響検討編

 (1)入力関連

 Q12−1−1.周辺地盤検討の中で、許容値を入力するが、その数値根拠はあるか?(Ver.9)

 Q12−1−2.FEM解析で盛土を含めた解析は可能か。(Ver.11)

 Q12−1−3.引抜きに伴う地盤沈下の推定方法で、鋼矢板の引抜き跡空隙計算時の壁体幅が鋼矢板の場合に鋼矢板高さの2倍としている理由は?(Ver.11)

 Q12−1−4.仮設指針の方法での近接程度の判定で、自立時の検討を行う場合に仮想支持点の入力が必要になるが何故か。(Ver.11)

 Q12−1−5.近接程度の判定で、土留め壁の「引抜きに伴う地盤沈下の推定方法」の検討を行う際に、現在ソフトでは「引抜き跡空隙Vp」の計算が普通鋼矢板の場合は自動的に2×hになっている。この「h」の値を変更することはできるか。(Ver.12)

 Q12−1−6.仮設構造物工指針のP.60に記載のある周辺地盤への影響の検討のPeckの方法に対応しているか。(Ver.12)

 Q12−1−7.簡易な情報化施工方法の入力画面にある「本手法による検討には2ケース以上の計測データが必要です」の意味は?(Ver.12)

 Q12−1−8.「軌道の簡便推定法」で検討を行う場合、使用する変位の計算結果を「慣用法」と「弾塑性法」で選択できるが、どちらの結果を使用すればよいか。

 Q12−1−9.粘性土地盤だが、仮設指針P.59の「図2-8-1(b) 土留め壁のたわみに起因する影響範囲(粘性土地盤)」の考え方で近接程度の影響を検討できるか。

 (2)計算関連

 Q12−2−1. 本製品のFEM解析による周辺地盤の影響検討である強制変位法と、弾塑性地盤解析(GeoFEAS)による逐次解析法の変位の解析結果が大きく異なる場合があるのは何故か。(Ver.11)

 13.控え杭タイロッド式編

 Q13−2−1.タイロッド腹起しの曲げモーメント算出式が「T・L/10」と「T・L/4」で選択できるようになっているが、「T・L/4」の準拠基準を教えてほしい。(Ver.10)

 Q13−2−2.控え杭の種類を鋼矢板とした際に、ハット型を用いることはできないか。(Ver.11)

 Q13−2−3. 控え杭タイロッド式の場合、内部計算された支保工反力とタイロッドの設計に用いるタイロッド反力は一致するのか。(Ver.15)

 Q13−2−4.控え杭タイロッド式で検討した時、控え杭用の仮想地盤面を任意の位置に設定することはできるか。

 Q13−2−5.控え杭の計算に用いる水平地盤反力係数は直接入力できないか。

 14.図面作成偏

 Q14−1−1.計算書と図面の柱状図の標高にずれがある。(Ver.7) 

 Q14−1−2.図面作成すると、鋼矢板が重複して作図される。(Ver.7)

 Q14−1−3.登録されている図面用鋼材の出典を知りたい。(Ver.11)

 Q14−1−4. 中間杭の設置される象限を変更することはできないか。(Ver.11)

 Q14−1−5. 隅火打ちの数量計算の方法は?(Ver.11)

 Q14−1−6. C-C平面図とA-A断面図で切ばり間隔の寸法が異なっている。(Ver.12)

 Q14−1−7. [柱状図]を深度表示ではなく標高表示としたい

 Q14−1−8. 図面に出力される[設計条件]表に「対象構造物」があるが、これは変更できるか。

 Q14−1−9.図面作成で縮尺を変更して作図出来るか。

 Q14−1−10.柱状図を作成したい。



上記以外のQ&Aはすべて製品ヘルプのQ&Aに取り込んでおります。最新バージョンの製品を取得の上、Q&Aをご覧下さい。

Q&A履歴




 

 1.共通編
 (1)入力関連

Q1−1−1.

切ばり支保工の各スパンは自動的に決定されるようだが、これを任意に設定することはできるか。
A1−1−1. 一連設計の場合は、ご指摘のとおり、内部で計算スパンをセットしています。セットのルールにつきましては製品ヘルプの[計算理論及び照査の方法]−[切ばり支保工編]−[一連設計と単独設計]−[一連設計]をご参照ください。
このルールにしたがってご希望のスパンとなるように初期入力で形状を変更していただく方法もございますが、単独設計にデータをコピーしていただきますと、自由に変更することが可能です。
コピーの方法は、[計算確認|支保工]の総括表ウィンドウにある[単独設計にコピー]ボタンをクリックしてください。
なお、[単独設計]メニュー−[切ばり支保工]を選択していただきますと、単独設計を行うことができます。


 
Q1−1−2. 掘削側の水位を掘削底面に合わせたい。どのように入力したらよいか。
A1−1−2. 以下の手順にて、掘削底面側水位(掘削底面の水位高)の変更が可能です。
なお、水位は検討ケースごとに設定可能としており、他のケースに自動的に反映されることはありません。

《手順》
1.「初期入力」画面の[側面形状]において、『水位(掘削前)』をチェックする
2.[詳細設定]ボタンを押して確定する
3.[□検討ケース]ボタンを押して「検討ケース」画面を表示する
4.水位を変更するケースの「掘削時ケース」画面を表示する
 ・ケース選択後、[編集]ボタンを押す
 ・ケース名をダブルクリックする
5.『掘削側水位を変更する』をチェックして、『掘削側水位G.L.』を入力する
 [掘削底面]ボタンにて、掘削底面位置に水位を自動セットします。
6.[確定]ボタンを押して確定する


 
Q1−1−3. 上載荷重を片側の壁だけに掛ける方法は?
A1−1−3. [初期入力]画面上の[ヘルプ]ボタンから開く解説にもありますように、[側面形状]で入力した『背面側上載荷重』は、いったん、すべての壁体(最大4壁)に反映されますが、個別に載荷/非載荷を設定可能です。

変更するには、以下の手順にて行ってください。
 1.[検討ケース]画面を表示する
 2.掘削時のケースを選択して[編集]ボタンを押す
 3.壁の選択ボタン([左壁]、[右壁]など)より、上載荷重を考慮したくない方を選択する
 4.『上載荷重を変更する』をチェックして背面側/掘削側の値を0.000kN/m2とする
 5.[確定]ボタンを押す

なお、上述したように各検討ケースごとに上載荷重を個別に変更することもできますが、全ケース一括で変更する場合は[検討ケース]画面の「上載荷重の一括セット」ボタンをクリックし、「上載荷重の一括セット」機能をご利用ください。


 
Q1−1−4. 壁体に任意の水平力(任意荷重)を作用させたいが、可能か。
A1−1−4. 弾塑性法でしたら、任意の荷重を載荷することができます。(Ver.12以降)
この場合、[考え方]-[弾塑性法]で「任意荷重を載荷する」のチェックをONにした上で、[検討ケース]の各検討ケース画面に[任意荷重の設定]ボタンがありますので、そちらで荷重の設定をして下さい。
(弾塑性法では集中荷重および分布荷重の載荷が可能です)
なお、この荷重は弾塑性法のみに考慮されます

慣用法につきましては、任意の水平荷重の載荷には対応しておりません。
ただし、[背面側 → 掘削側]ならば「有限長の上載荷重」(側圧として加算)を設定することで、ある程度考慮することが可能と考えております。
(有限長の上載荷重は荷重強度や側圧開始位置を直接指定することができます)

この場合、あくまでも有限長の上載荷重としての扱いになりますので、以下にご注意ください。
 ・分布荷重としての載荷となる(主働側の側圧として加算される)
 ・各壁につき扱える荷重は1つのみ
 ・壁体の突出部(地表面より上)への載荷は不可

 
Q1−1−5. 初期入力画面で切ばりの段数を変更するにはどうしたらよいか。
A1−1−5. 初期入力画面では、3段のデータが初期値としてセットされておりますが、2段や1段で計算を行いたい場合は、不要な箇所(データ行)を削除していただく必要があります。
例えば、3段目を選択していただき「Delete」キーを押すと3段目のデータが削除されます。1段で計算を行いたい場合は、同様に2段目を削除してご利用ください。
〔行の削除〕
・数値(文字列)のセルが入力状態でない(カーソルを移動した直後で、まだキャレットが表示されていない、セルが点線で囲まれている状態)とき「Delete」キーを押すと、カーソル行が1行削除されます。
・コンボボックスのセルが選択状態でない(カーソルを移動した直後で、文字列の色が反転表示されていない)とき「Delete」キーを押すと、カーソル行が1行削除されます。

表入力操作の詳細は、本製品ヘルプの[操作方法]−[その他]−[表入力の操作]をご参照ください。


 
Q1−1−6. 自立時の計算結果一覧の最小根入れ長が掘削深さと同じ理由は?
A1−1−6. 適用基準が仮設指針の場合の自立時の最小根入れ長は、仮設指針(P.150)に記載の通り、掘削深さが3.0m以深では3.0m、3.0m以浅では、掘削深さと同等とします。

 
Q1−1−7. 仮設工指針P.56の、背面に河川があるケースの計算は可能か。
A1−1−7. 左右の土留め壁の挙動が「非対称」な場合は、「2-14-2 偏土圧が作用する土留めの設計」P.166による設計を行うべきであると考えられます。
この場合、P.167にある通り、(1)〜(4)の設計法があり、当社のプログラムでは(1)の方法による解析が可能です。
ヘルプ−[操作方法|標準的な処理の流れ|弾塑性法両壁一体解析を行う手順]をご覧頂くか、付属のsample-3というデータをプログラムでご確認ください。ちなみに、sample-3は仮設指針P.356の計算例です。
なお、地形的には、ご質問のような形状を直接入力する事はできません。地表面位置を下げるなどのモデル化でご対処ください。


 
Q1−1−8. 初期入力画面で平面形状に直線の任意区間を選択すると、切梁の計算がされない。
A1−1−8. 「初期入力|平面形状]を「直線の任意区間」にされている場合、直交する切ばり情報が無い(入力する必要がない)などの理由により、本プログラムでは、切ばり材を照査するための設計スパンを内部的に生成することができません。
そのため、計算実行後に表示される[切ばり支保工の設計条件]画面の「切ばり」ボタンを押して表示される「切ばりの設計条件」画面において、採用値欄が空欄になっています。つまり、切ばりの設計条件が未入力の状態になるわけです。
お手数ですが、こちらの画面にて「追加」ボタンを押して、ご自身で、切ばりの設計条件を入力されるか、[初期入力|平面形状]を「矩形」にして頂くことにより、プログラム側で内部生成させるかの対策を講じてください。
矩形を選択した場合のBx、Byにつきましては、例えば、左右の壁を設計される場合は、Bxが切梁の長さになると考えられます。このあたりは、平面図などを確認しながら、適切と思われる形状にして頂きたいと考えています。


 
Q1−1−9. 二重腹起しはどのように入力したらよいか。
A1−1−9. [部材]-[腹起し]画面で重数を変更することができますので、重数を2として下さい。

 
Q1−1−10. 鋼矢板SY295の許容せん断応力度の初期値を150N/mm2としている理由は?
A1−1−10. 本プログラムのVer.1.03.02以前は、仮設指針記載の溶接部の許容せん断応力度を適用していました。 しかしながら、「鉄道構造物等設計標準・同解説 開削トンネル」(鉄道総合技術研究所)のP.188を参照した結果、150N/mm2が妥当だと考え、少し古い話ですが、Ver.1.03.03にて初期値を変更しております。なお、同時にSY390も195N/mm2に変更しております。 また、「鋼矢板 設計から施工まで 2007年改訂版」のP.107には許容応力度として、 「許容応力度は各設計指針で異なる値となっておりますが、本章では『港湾基準』に基づき取りまとめました」 という記載と共に、SY295のせん断応力度=100N/mm2の記載があります。仮設構造物の場合は100×1.5 = 150kN/mm2と考えて良いと思われます。 (ただし、「鋼矢板 設計から施工まで 2014年改訂版」は本記載がなく、P.313に各設計指針ごとの比較表が記載されています) 初期値が不適切とお考えの場合には、[部材|壁体]にて変更していただきますようお願い致します。

 
Q1−1−11. 適用基準を鉄道標準としたときに、粘性土の変形係数αEo=400Co(kN/m2)が初期設定されているが、その根拠は?
A1−1−11. 鉄道構造物等設計標準・同解説 開削トンネル 平成13年3月 財団法人 鉄道総合技術研究所(以下、「鉄道標準」と略します)P.390一番下の行をもとにしています。

 
Q1−1−12. 法面の天端に上載荷重をかけたい。
A1−1−12. Ver.16で法面上への上載荷重の載荷に対応しました。
[法面の影響]画面に「法面上の上載荷重」という入力がありますので、法面上に上載荷重を載荷する場合は値を入力してください。
法面上の上載荷重も含めて法面の影響による上載荷重が換算されます。
(法面形状が「水平-斜面-斜面」である必要があります)


 
Q1−1−13. 「有限長の上載荷重」とは?
A1−1−13. 仮設指針などに示されている上載荷重(10.0kN/m2)は、背面側地表面上に、半無限長に載荷されている状態を想定しています。よって、土留め壁の天端から先端まで、その影響があるものとして、土圧計算に加算されています。
ご質問の「有限長の上載荷重」は、背面側のある範囲に荷重が載荷された状態を想定したものであり、結果的に、土留め壁に影響する側圧の範囲も、ある深さから、ある限定された区間に、載荷されることになります。荷重強度の与え方は、基本的に、前述の上載荷重と同じです。
具体的にどのような荷重かというと、おそらく、近接の構造物荷重とか、盛土のようなものではないかと推察されます。建築学会などに示されているビル荷重に近いものです。
特段、土圧や水圧以外に、土留め壁のある区間に考慮しなければならない荷重が存在しない場合は、無視して頂いて結構です。
設計者のご判断にて、採用をご検討頂きたいと考えています。

本プログラムで扱っております有限長の上載荷重の考え方につきまして、詳しくは、[Help-計算理論及び照査の方法-慣用法編-慣用法の側圧(土圧及び水圧)について-有限長の上載荷重による側圧]をご覧下さい。


なお、有限長の上載荷重は「通常の上載荷重は半無限長の帯状荷重扱いだが、有限長の帯状荷重の扱いに対応して欲しい」というご要望に対応したものです。
「鉄道構造物等設計標準・同解説 開削トンネル 平成13年3月 財団法人 鉄道総合技術研究所」で扱っている列車荷重などを参考にしておりますが、基準類には明記されているものではありません。
半無限長の上載荷重に加えて、土留め壁の任意の区間に荷重を作用させたい場合にご利用頂いている機能とご理解いただきますようお願いいたします。


 
Q1−1−14. N値をゼロにしたところ、αEoがゼロになるため計算を中断する旨のメッセージが表示される。計算する方法はあるか。(Ver.5)
A1−1−14. 現状のプログラムでは、αEo=0のときには自立時の特性値計算用のkH(水平地盤バネ定数)が計算できません。
殆ど地盤バネが期待できない場合でもαEo=1で代用していただきますようお願い致します。


 
Q1−1−15. 壁体断面照査や支持力計算において土留め壁の自重を考慮するには?
A1−1−15. 本プログラムでは、土留め壁の自重として「土留め壁本体の自重および切りばりの鉛直荷重が特に大きい場合には、これを荷重として考慮する必要がある」という仮設構造物工指針の記載に基づき、「荷重」−「土留め壁に作用する鉛直荷重」の画面で入力していただくようにしております。
本入力は壁体断面照査や支持力の計算などに考慮されます。
 
Q1−1−16. 仮設指針(平成11年)では鋼矢板SY295の許容応力度は265N/mm2となっているので、「土留め工の設計」で270N/mm2としているのは誤りではないか。(Ver.6)
A1−1−16. 雑誌「道路」1999年5月において「道路土工指針の訂正のお知らせ」として、鋼矢板(SY295)の許容応力度265N/mm2は270N/mm2に訂正するという正誤表が提示されたことを受けて、本プログラムでもこの訂正に該当する全ての箇所について訂正値を採用しました。
プログラム対応前に作成されたデータにつきましては、「部材」−「壁体」画面にてこの数値をご変更ください。
初期入力でデータを作成していただきますと上記画面にてデフォルト値が270になっていることが確認いただけます。


 
Q1−1−17. 切ばりの段数を変更したところ、「切ばり第○部材の検討でエラーが発生しました。存在しない支保工段位置を設定しています。」というメッセージが表示され、計算が中断する。(Ver.6)
A1−1−17. エラーは、計算途中に表示される[切ばり支保工の設計条件]ダイアログにおいて、[腹起し][切ばり][切ばり火打ち]の設計条件として、入力している段数(n段)よりも大きなn+1段目の切ばりなどを設定していることが原因です。
n+1段目以降のデータを削除するか、画面下にある「全内部計算値採用」ボタンを押して、採用欄を内部計算値に更新して下さい。


 
Q1−1−18. 土留め壁を地盤面から突出させ、突出した部分に水圧をかけることはできるか。(Ver.7)
A1−1−18. 突出モデルには対応しております。また、この時、突出区間(背面側地表面から壁体天端の間)に水位を設定して頂くことで、土留め壁突出部分に静水圧を作用させることができます。
なお、本プログラムでは掘削していることが前提となりますので、掘削を行わない場合でも微量(1mm程度)に掘削側の地盤面を下げて入力いただくことになります。


 
Q1−1−19. 偏土圧が作用するため、左右の壁で上載荷重が異なるように入力したい。(Ver.6)
A1−1−19. 付属の「Sample-3.F8L」データをプログラムでご確認ください。
sample-3は仮設指針P.356の計算例です。
このデータにおきまして、[検討ケース]をご確認いただくと、左壁の[上載荷重を変更する]にチェックが付いており、値を0.0として左壁には上載荷重を考慮しない設定としていることがお解かりになると存じます。
同様の手続きでお願いします。


 
Q1−1−20. 鋼材名称に「孔」とついているものがあるが、これは何を意味しているのか。(Ver.7)
A1−1−20. 「孔」のついたものはリース材になっております。
施工にリース材をご検討であればこちらをご選択ください。
リース材でない場合には、「孔」のついていない鋼材をご選択ください。


 
Q1−1−21. アンカーの周面摩擦抵抗は内部計算されるのか。(Ver.7)
A1−1−21. アンカー用の摩擦抵抗については、初期入力画面にて代表値を入力します。
地層データの各層ごとにその代表値と異なる値を使用したい層がある場合には、[地層|×壁側]で表示されるダイアログにて層ごとに値を変更することができます。
具体的には、同ダイアログにて[摩擦抵抗]ボタンをクリックし、初期入力で設定した摩擦抵抗とは異なる層の番号とその摩擦抵抗値を入力します。


 
Q1−1−22. 「土留め工の設計」で、土留め壁の上に覆工板を設置した場合の計算は可能か。「仮設構台の設計」と併用することになるか。(Ver.7)
A1−1−22. 「土留め工の計算」と「路面覆工の計算」を同時に行なうことはできません。土留め工は「土留め工の設計」で、路面覆工は「仮設構台の設計」での取り扱いとなります。
まず最初に、路面覆工の計算を行い、路面覆工から土留め壁天端の桁受けに伝達される反力を求めて下さい。
次に、「土留め工の設計」にて、鋼矢板に路面覆工からの反力(鉛直荷重)を作用させることで計算が可能です。
鉛直荷重は、[荷重|土留め壁に作用する鉛直荷重]の鉛直荷重の欄にて入力してください。具体的な鉛直荷重の入力値につきましては、[荷重|土留め壁に作用する鉛直荷重]の画面ヘルプまたは、製品ヘルプのQ&Aの[慣用法編]−[Q1−9]をご覧の上、ご判断ください。

※「仮設構台の設計」では、土留め壁の設計は行えませんが、土留め壁に作用する鉛直荷重を算出する機能がございます。


 
Q1−1−23. 支保工段数を増やしたとき、火打ちはどの画面で配置するのか。(Ver.7)
A1−1−23. [形状-平面(支保工)]のn段目重数のツリービュー右側を[+]から[-]状態にしますと、隅火打ちという項目が表示され、これを選択(反転)しますと重数が表示されます。この状態で、重数を変更してください。

 
Q1−1−24. 検討ケースごとに余掘り量を設定することはできるか。
A1−1−24. [初期入力]画面の[余掘り量の設定方法]を「段毎」とすると、各支保工の段毎に余堀り量を変更できます。
なお、本入力は[初期入力]確定後に各掘削検討ケースを生成する際の掘削底面深さを決定するためのいわゆる一時的なデータです。
こちらを変更しますと、最終掘削時以外の各検討ケースの掘削深さに反映される仕組みになっています。
したがって、[初期入力]画面確定後に掘削深さを変更したい場合は[検討ケース]画面で直接入力することができます。


 
Q1−1−25. 親杭の許容応力度が低減されていない理由は?(Ver.7)
A1−1−25. 土留め壁の壁体応力度照査は、仮設指針P.109〜に準じており、合成応力度の照査を行っております。この時の親杭横矢板の許容応力度につきましては、親杭間に土留め板などが配置され、曲げによる横倒れ座屈は生じないものと考え、許容応力度の低減は行っておりません。状況に応じて、[部材-壁体]画面にて、許容応力度を変更するなどで対処下さい。

 
Q1−1−26. 親杭の根入れ部の地盤抵抗に側面抵抗を考慮/無視の設定をしたい。(Ver.8)
A1−1−26. [基準値|設計用設定値|親杭の土圧作用幅]にて「考慮する/考慮しない」の設定ができます。

 
Q1−1−27. 軽量鋼矢板の断面諸量の出典は?(Ver.8)
A1−1−27. 「新版 軽量鋼矢板設計施工マニュアル 軽量鋼矢板技術協会」のP.5です。

 
Q1−1−28. 鋼材登録プログラムの鋼矢板のIII型が2種類あるが、この違いは何か?一般的にはNo.2のものが多いと思うが・・・ (Ver.11)
A1−1−28. 違いはメーカによるものです。
高さが125mmは、新日本製鐵(FSP-V)、NKK(NKSP-V)、住友金属(SKSP-V)の各社製品で、130mmは、川崎製鉄(KSP-V)社製の鋼矢板です。
断面係数などの数値の出典は、「道路土工 仮設構造物工指針 P.320」をご参照ください。


 
Q1−1−29. 河川内の仮締め切りを計算したいのですが、どのように入力したら良いか。(Ver.11)
A1−1−29. 初期入力画面の側面形状で、壁体天端>地表面天端として入力することで、壁体が地表面より上に突出した状態になります。 その上で、水位を、地表面から壁体天端の間に設定して頂ければ、水圧が作用するモデルになります。 サンプルデータ「TopEjection.f8L」をご確認ください。 なお、任意の荷重を土留め壁に作用させることはできません。この点につきましては、今後の検討課題扱いとさせて頂きたいと思います。

 
Q1−1−30. 掘削面が背面側地表面よりも高い状態から計算をすることは可能か。(Ver.11)
A1−1−30. 掘削面が背面側地表面天端より上になる場合は解析はできません。 これは、掘削面が背面側地表面天端より高いはずがないという前提で開発を行ったためで、その点は今後の改善点としております。

 
Q1−1−31. 「親杭間隔」と「土留め板設計用親杭間隔」は同値を入力するのではないのか。(Ver.11)
A1−1−31. 通常は同値だと考えられます。 例えば親杭ピッチが等間隔ではなく3.0m+1.5mのような場合に、「親杭間隔」は(3.0+1.5)/2=2.25mとし、「土留め板設計用親杭間隔」は3.0mとするというような使用法を想定しています。

 
Q1−1−32. 多重火打ちのモデルで、ある段のみ多重の内側の火打ちを抜いた配置とすることができるか。(Ver.11)
A1−1−32. 本プログラムでは、段や隅角部ごとに隅火打ちの重数を変更することはできますが、ご質問のように多重とした場合の内側の隅火打ちがないような形状は設定できません。 対処法としましては、2重として入力データは作成いただき、1段目の隅火打ちの設計スパンなどの条件を計算途中に表示される[切ばり支保工の設計条件]画面より変更いただく方法がございます。

 
Q1−1−33. 平面形状を「矩形」から「直線の任意区間」に変更して計算を実行すると結果が変わるが何故か。(Ver.11)
A1−1−33. 初期入力画面にて平面形状を「矩形」から「直線の任意区間」に変更して[詳細設定]ボタンを押しますと、[初期入力更新時の反映]画面にて「全入力データ」と表記されますが、これは全てのデータが初期入力画面の入力値によって再生成されることを表しております。(「矩形」から「直線の任意区間」とした場合、詳細データや作図データへの影響範囲が大きいため、全データを再生成しております) したがいまして、初期入力終了後に、詳細入力データ([形状]ボタン以降のデータ)をご確認いただきますようお願いいたします。

 
Q1−1−34. 通常、上載荷重は10kN/m2にするが、重機などが載る場合はどんな値を入力すれば良いか。
A1−1−34. 通常の上載荷重(10.0kN/m2)は、地表面に半無限長に載荷されているものと仮定し、結果的に土被り圧として加算され、土圧係数を考慮することで壁体全長にわたって水平荷重(土圧)として載荷されます。
ここに加算するという方法とは別に重機荷重や載荷幅が限定されている盛土などについて、このような一様載荷の上載荷重として評価するのは過大ではないかという考え方もございます。
これを受けて本プログラムでは「建設用重機荷重」や「有限長の上載荷重(土留め壁の任意の区間に載荷する荷重)」という機能もご用意しております。
製品ヘルプで考え方などをご参照いただき、設計者のご判断で載荷する荷重の種類および数値につきましてはご検討ください。

[計算理論及び照査の方法]-[慣用法編]-[慣用法の側圧について]-[有限長の上載荷重による側圧]
[計算理論及び照査の方法]-[慣用法編]-[慣用法の側圧について]-[建設用重機等による側圧]


 
Q1−1−35. 支保工の設計は別途行うので、支保工反力までを計算したいが可能か。(Ver.11)
A1−1−35. 入力の[考え方|照査項目]にて、[支保工の設計を行う]のチェックを外して計算を実行してください。

 
Q1−1−36. 適用基準を「土地改良基準(平成13年)」とした場合に、鋼矢板の有効率が『土地改良事業計画設計基準 設計「水路工」 基準書 技術書」 平成13年2月 農林水産省』のP371の値となっている。 この値は鋼矢板頭部を補強した場合のものとなるが、この値をデフォルトとしている理由はなぜか。(Ver.11)
A1−1−36. 通常の仮設計算で用いる有効率の記載が基準書にないため、P371に掲載されている値をデフォルトとしております。 あくまでもデフォルト値ですので、設計者のかたのご判断で適宜ご変更いただくようお願いいたします。

 
Q1−1−37. 腹起しに溝形鋼を用いたいが可能か。(Ver.11)
A1−1−37. 本プログラムの適用外なので、支保工反力までは本プログラムで計算していただき、支保工の検討は別途行ってください。

 
Q1−1−38. 特定の切ばりのみに火打ちを設置したいが可能か。(Ver.11)
A1−1−38. [形状]-[平面(切ばり支保工)]で、各段ごとの切ばり火打ちを選択され、該当する行、または列の火打ち重数をゼロにしてください。

 
Q1−1−39. 切ばり+アンカー併用工の場合に外的安定計算ができない理由は?(Ver.11)
A1−1−39. 切ばりがある場合は外的安定計算の際に両壁モデルとする必要がありますが、本プログラムでは切ばり+アンカー併用工は単壁の設計となるので、外的安定計算の適用外としております。

 
Q1−1−40. 撤去時のあるケースで壁体応力度照査と支保工の設計を行いたいが可能か。(Ver.11)
A1−1−40. あるケースに限定して検討するには以下の方法があります。

■壁体の応力度照査
・単独設計にて対応。

■支保工の設計
・一連設計の採用値の支保工反力を検討したい撤去時ケースのものに変更する。
・単独設計にて対応。

 
Q1−1−41. 撤去時の検討を行う場合で、支保工をすべて撤去しない場合はどのように設定したら良いか。(Ver.11)
A1−1−41. 初期入力]画面の[架設データの本支保工を撤去する撤去次数]において、支保工を撤去しないケースに0を入力してください。
撤去する場合は、下から順にもれなく撤去するものとします。ただし、途中段から上方すべてを撤去しない(=上方すべて0入力)はできますが、途中段だけ撤去しない(=途中0入力)はできません。
初期入力画面内のヘルプにあります[架設データの本支保工を撤去する撤去次数]もご覧下さい。

 
Q1−1−42. 水平載荷試験結果がある場合の地層データの入力はαを考慮したαEoを直接入力すればよいか。(Ver.12)
A1−1−42. ご質問の通りです。

 
Q1−1−43. 外的安定性の検討で格子範囲はどこで設定するのか。(Ver.12)
A1−1−43. 計算途中に表示される[円弧すべり検討結果(外的安定)]画面にて変更します。
入力の[考え方|照査項目]で[自動決定モード]をONにしている場合には、OFFにして計算を実行してください。

 
Q1−1−44. Ver.12からの製品構成で、Standard版とAdvanced版の違いは何か。(Ver.12)
A1−1−44. Standard版はVer.11までのフル機能版相当で、Advanced版はそれに逆解析ツールを追加したライセンスとなります。(下図はホームページの製品情報より)

解析方法 慣用法 弾塑性法 逆解析ツール 旧製品
土留め工の設計・3DCAD Lite × × 土留め工の設計
土留め工の設計・3DCAD Standard × 土留め工の設計(フル機能版)
土留め工の設計・3DCAD Standard ---
 
Q1−1−45. ある延長上で場所によって土留め壁の壁長が異なる場合はどうすれば良いか。(Ver.12)
A1−1−45. 直接、プログラムでご質問のケースの入力を行うことはできません。
計算に関しますと延長上のある断面について行うことになりますので、壁長が異なる2つのデータを作成して対処いただくことになります。

 
Q1−1−46. 有限長の上載荷重の入力にある主働崩壊角θのデフォルト値(40度)の根拠は?(Ver.12)
A1−1−46. JR東日本マニュアルに掲載されている列車荷重による主働崩壊角になります。

 
Q1−1−47. 親杭横矢板壁の横矢板を軽量鋼矢板にした場合に継手剛性の低減を考慮することは可能か。(Ver.12)
A1−1−47. [基準値]メニュー−[鋼材]−[土留め壁]−[横矢板軽量鋼矢板]にて、使用している鋼材の断面係数を変更いただくことで対処をお願いいたします。

 
Q1−1−48. 土留工設計マニュアルには壁体天端≧地盤高とあるが、地表面に覆工版やその受桁を設置するような場合において、壁体天端を地盤高より低く設定することはできないのか。(Ver.13)
A1−1−48. 本プログラムは壁体天端が地表面より下のモデルは適用外となっております。
実際に土留め壁に作用する側圧は壁体天端以深になりますので、地表面天端を壁体天端に合わせてご入力いただきますようお願いいたします。
その上で、壁体天端より上の地層分を評価されたいということでしたら、その分の重量を上載荷重に加算する方法でご対応ください。

 
Q1−1−49. N値が100を超える場合の扱いについて留意点は?(Ver.13)
A1−1−49. N値99.9で入力した場合、例えば、αEoは内部的に2800Nを地層データとしてセットしてしまうので、入力画面でαEoをご自身で変更しなければならない点が挙げられます。

 
Q1−1−50. 列車荷重直接支持の場合、SS400からSM490に部材を変更しても親杭の許容値が変わらないのはなぜか。(Ver.13)
A1−1−50. 列車荷重を直接支持する場合の対応は、支保工関連のみの対応になっています。
誠に申し訳ございません。壁体については、許容値を直接変更して頂きたいと思います。
壁体についても、ご指摘の件について対応すべきであると考えられますので、将来的には改善して参りたいと思います。

 
Q1−1−51. 有限長の上載荷重を選択し、荷重強度および載荷位置を入力した場合、計算にそれが反映されているかどうかの確認は、どこを見ればよいのか。入力データとしては出てこず、計算の中身から確認するしかないのか。(Ver.13)
A1−1−51. 詳細印刷で、弾塑性法-右壁の設計-最終掘削時の
(1)検討条件
4)側圧に関する詳細表
・背面側:主働側圧
の表に反映されます。
本件につきましては、わかり易い計算書となるように今後検討していきたいと考えております。

 
Q1−1−52. フランジ固定間距離Lbはどこで入力するのか。(Ver.14)
A1−1−52. フランジ固定間距離Lbは下記の要領にて直接入力できます。
計算実行時に表示される【切梁支保工の設計条件[左右壁]ダイアログ】の切ばりタブを開きます。
その後、検討される切ばりを選択して、編集ボタンを押します。
【切ばりの設計条件ダイアログ】が開きますので、こちらの、フランジ固定間距離Lbに入力することで、入力された値にて計算を行います。

 
Q1−1−53. 鋼矢板を1枚で計算することができないか、また入力方法について。(Ver.14)
A1−1−53. まことに申し訳ございませんが出来ません。
ただし、単位幅での検討で対処できると存じます。

 
Q1−1−54. 左側は45H型 右側をW型を検討したい。左右異なった矢板の計算が可能か。(Ver.15)
A1−1−54. 矢板で左右異なった型番にて計算することは可能です。
ただし、タイプ(普通型orハット型)は全壁で共通の設定となっておりますので、今回のようにタイプが混在する場合の入力方法としては、少々コツが必要になります。

<手順>
(1)[基準値]の鋼材登録で「普通鋼矢板」に使用したいハット型鋼矢板の断面性能を登録
(2) 初期入力画面で選択する鋼矢板タイプを「普通鋼矢板」とする
(3)[部材]ー[壁体]画面で壁ごとに使用したい鋼材を設定

上記の設定にて計算は可能ですが、図面作成時は選択した鋼矢板タイプで全壁作成されますので、左右の壁ごとにデータを分けて図面作成を行っていただく必要がございます。

 
Q1−1−55. 親杭の受動抵抗で粘性土の場合、親杭側面部の粘着力による抵抗を考慮する。この抵抗を無視した計算は行えるか。(Ver.15)
A1−1−55. ご希望の計算は可能です。
[基準値|設計用設定値|親杭の土圧作用幅]にて「受働土圧の側面抵抗」の「考慮する/考慮しない」を設定してください。

 
Q1−1−56. 切ばり支保工の時、[部材]-[腹起し]画面に「曲げ作用面内(面外)の座屈の検討を行う」という入力があるが、腹起しの面内・面外とはどの方向を指すのか。(Ver.15)
A1−1−56. 腹起しは土圧によって押される部材ですので、面内が水平方向、すなわち支保工反力の方向。面外が鉛直方向とお考えください。

 
Q1−1−57. 仮設指針の最小根入れ長について、自立式土留めや小規模土留めの場合などで異なるが、指針の記載ページも含めて教えてほしい。(Ver.15)
A1−1−57. 仮設指針の最小根入れ長についてまとめますと以下の通りです。(p.##は指針の記載ページ)

(1)通常((2)(3)以外の場合)
 ・親杭:1.5m
 ・親杭以外:3.0m
 ※慣用法(p.87)、弾塑性法(p.95)で同一
(2)自立式土留め(p150)
 ・掘削深さ3m以深:3m
 ・掘削深さ3m以浅:掘削深さと同等
(3)小規模土留め(p.159)
 ・最小根入れ長は土留め壁の種類に関係なく掘削深さの1/2
  ※土留め壁の種類によらない

なお、本製品ではデフォルトでは基準に従いますが、以下の方法で自身の用意した値を最小根入れ長として使用することもできます。
・[基準値]-[設計用設定値]の「最小根入れ長」画面で設定したい最小根入れ長を入力する
・[基準値]-[設計用設定値]の「慣用法」画面の「最小根入れ長の規定」を「最小根入れ長テーブルを用いる」に変更する

(関連:Q1-1-6, Q2-2-13, Q2-2-24

 
Q1−1−58. 鋼矢板の継手部の照査を行いたいが、可能か。(Ver.15)
A1−1−58. 普通鋼矢板の場合に検討可能です。
[部材]-[壁体]画面に「継手部の照査を行う」というチェックボックスがありますので、ONとしてください。
また、壁体ごとに照査の有無を設定できますので、同画面にある壁体ごとの「継手の有無」を対象壁について「有り」としてください。
継手位置の入力は[計算実行]時(壁長の決定後)に入力画面が表示されますので、そちらで入力してください。

※なお、継手部の設計は以下の場合に対応しておりませんので無効となります。
 ・鋼矢板でハット形の場合
 ・支保工形式が「自立式」で、1次掘削時(自立時)がChangの式による場合

 
Q1−1−59. 切ばり支保工で隅火打ちをある箇所だけ設置したくないのだが、そのような設定はできるか。(Ver.15)
A1−1−59. 可能です。
[形状]-[平面(切ばり支保工)]で、各段の隅火打ち(ツリーメニューの[##段目重数]-[隅火打ち])を選択し、該当する箇所の火打ち重数をゼロにしてください。
この時、他の多段についても同様の設定とする場合は同画面にある[本段の設定を全段に適用する]ボタンをクリックしますと、他の段にも同様の条件が適用されますので、入力の手間が省けます。
(関連:Q1-1-38Q1-1-32

 
Q1−1−60. 形状が矩形で切ばり支保工を検討する場合、左右方向と前後方向の切ばりが重ならないように配置されると思うが、[初期入力]画面の支保工位置はどちらの位置を入力すればよいか。
また、切ばりの左右方向と前後方向の上下はどのように決まるのか。変更することはできるか。(Ver.15)
A1−1−60. 支保工位置については、[初期入力]画面に「支保工位置を入力する壁」(左右壁 or 前後壁)という入力がありますので、本入力に従21います。
左右と前後の切ばりの上下関係については、デフォルトですと左右方向と前後方向で短い方を下段とします
なお、この位置関係は[形状]-[側面]画面で「左右、前後方向支保工の高さ関係を指定する」にチェックを入れていただければ変更することができます。

 
Q1−1−61. 鋼矢板壁の弾塑性法で検討しているが、矢板頭部を連結固定するので、仮設指針p.107の記載の通り、壁体の断面二次モーメントの有効率を変更したい。
どこの入力を変更すればよいか。(Ver.15)
A1−1−61. [部材]-[壁体(鋼矢板)]画面で鋼矢板の有効率を変更できます。
お考えのように仮設指針に従い壁体の断面二次モーメントの有効率を上げる場合は「断面2次モーメント用(変位、断面力)」を変更してください。

 
Q1−1−62. 親杭横矢板で検討しているが、親杭の間隔が一定ではないため、通常の親杭間隔と土留め板の計算に用いる間隔を別に入力することはできるか。(Ver.15)
A1−1−62. 可能です。
[部材]-[壁体(親杭横矢板)]画面で「親杭間隔」と「土留め板設計用親杭間隔」(こちらを土留め板の計算に用います)を分けて入力することができます。
(関連:Q1-1-31

 
Q1−1−63. 仮設指針(平成11年)で検討しているが、水平地盤反力係数kHを変形係数αE0からの換算ではなく、直接入力することはできるか。
A1−1−63. [考え方]-[照査項目]画面の「水平地盤反力係数を直接入力する」にチェックを入れてください。
本入力をONにしますと、[地層]画面の「変形係数αE0」の入力が「水平地盤バネkH」に変わりますので、地層ごとに直接設定することができます。

 
Q1−1−64. 適用基準が「土地改良基準」の時に[荷重]-[自動車+盛土荷重]という入力があるが、この画面で入力する「自動車荷重強度」はどのような値を入力すればよいか。基準に具体的な記載があれば教えてほしい。
A1−1−64. 「土地改良基準」にはT-25などの自動車荷重の換算等分布荷重について、以下のように記載されております。

T-25:10kN/m2
T-14:7kN/m2
T-10:5kN/m2

なお、同画面内に「自動車荷重強度の自動セット」機能があり、本機能を利用していただければ基準に示された値(上記の値)をセットすることができます。

 
Q1−1−65. 親杭横矢板で遮水用薬液注入を行うので背面側水位を掘削底面ではなく任意の位置としたいが、どう入力すれば良いか。
(親杭横矢板の場合は自動的に「掘削底面=水位面」で補正されてしまう)
A1−1−65. 親杭横矢板の場合は、[初期入力]画面の確定時に「背面側水位を掘削底面と同レベルにセットしますか?」というメッセージが表示されますので、「いいえ」を選択して下さい。
(「はい」を選択しますと、「掘削底面=水位面」で補正されます)

また、水位面については、[検討ケース]画面で各検討ケースごとに設定可能ですので、[初期入力]確定後はそちらで設定することもできます。
(関連:Q1−1−2.)

 
Q1−1−66. 鋼矢板が頭つなぎなどで固定されている場合の効果など見込む方法はあるか。また、基準類や文献に記載があれば教えてほしい。
A1−1−66. 頭つなぎは変位を抑える一定の効果があると考えられています。
頭つなぎ(固定)の効果について記載された文献は「道路土工 仮設構造物指針」のP.107に鋼矢板についてのみですが以下の記載があります。
「鋼矢板頭部から30p程度まで連結して固定したもの等については、断面二次モーメントと断面係数の断面効率を80%まで上げることができる。」

このことから壁体の断面効率(有効率)を上げることにより考慮することができると考えられますので、本製品では[部材]-[壁体]画面より鋼矢板の有効率を変更して下さい。

 
Q1−1−67. [初期入力]画面などに地層データ入力の補助機能として「N値から内部摩擦角Φを推定]ボタンがあるが、N値が小さい場合(例えば、N値 = 3)にΦが更新されないのはなぜか。
A1−1−67. N値から内部摩擦角Φを推定する式は仮設指針P.30に記載されている換算式を用いておりますが、条件として「N値 > 5」となっております。
そのため、「N値 ≦ 5」の場合は本機能の適用外としております。

 
Q1−1−68. 地中連続壁の場合の鉄筋の許容値の出典を教えてほしい。
([部材]-[壁体]画面においてデフォルトでセットされる値)
A1−1−68. 許容値のデフォルトにつきましては、「道路土工 仮設構造物工指針 平成11年3月」(日本道路協会)のP.49にある[表2-6-4 鉄筋の許容応力度]の記載に準じております。

 
Q1−1−69. 外的安定(円弧すべり)の照査は本製品のみで行えるのか。
A1−1−69. 本製品のみで照査することができます。
[考え方]-[照査項目]画面で「外的安定性の検討を行う」にチェックを入れ、[外的安定]画面で条件を入力して計算実行して下さい。
円弧すべりの検討に必要な形状モデルやネバーカットラインなどは全て内部生成されますので、最小限の入力で外的安定(円弧すべり)照査を行うことが可能です。

また、基本的な照査は本製品のみで検討することができますが、生成した「斜面の安定計算」データ(*.f8m)をエクスポートできますので、本製品からエクスポートしたデータを、「斜面の安定計算」でインポートした後に詳細な設定を行うことで、さらに高度な検討を行うこともできます。

(関連:Q1−1−391−1−43
 
Q1−1−70. [地層]画面の「土の水中単位重量γ'」の初期値は[初期入力]画面の「土の湿潤重量」から9.0kN/m3を差し引いた値となっているようだが、この考え方に根拠はあるか。
A1−1−70. 仮設指針の以下の記載に基づいております。

■仮設指針 P.28-29
「慣用法に用いる土圧を設定する場合の地下水位以下にある土の水中単位体積重量は、土の飽和状態と湿潤状態の単位体積重量の差を1.0kN/m3と想定し、土の湿潤単位体積重量から9.0kN/m3を差し引いた値を用いてよい」
 
Q1−1−71. 以下の場合に水平地盤反力係数kHを直接入力できるが、親杭横矢板の場合は「壁体形式に係る係数η」を考慮した値を入力するのか、それともη=1.0として入力するのか。
・[考え方]-[照査項目]の「水平地盤反力係数を層ごとに入力する」がON
・[考え方]-[慣用法]の「自立時のChangの計算に用いる水平地盤反力係数を直接入力する」がON
A1−1−71. kHを直接入力する場合は親杭横矢板でも入力したkHがそのまま使用されます。
(内部で換算などはせずに、直接入力した値がそのまま用いられるということになります)
そのため、「壁体形式に係る係数η」を考慮する場合は、考慮した値をkHとして設定していただくようお願いいたします。
また、[地層]画面にある[kH=推奨値]セットボタンは親杭横矢板の場合でも連続壁と同様にη=1.0の値がセットされますのでご注意ください。
 
Q1−1−72. 切ばり支保工で[部材]-[隅火打ち]画面に「2段重ねの検討を行う」というスイッチがあるが、どのような検討なのか。
A1−1−72. 隅火打ちの「2段重ねの検討を行う」は、火打ち材を上下2段に重ね状態に対して、重ね継手部の必要ボルト本数、必要板厚の検討を行うスイッチです。通常の隅火打ちの検討には影響しません。
必要に応じてチェックしてご検討ください。
 
Q1−1−73. 「設計調書」ボタンを押すと「プロダクトキーが設定されていないため、設計調書を起動できません。」というメッセージが表示される。
A1−1−73. 「土留め工の設計・3DCAD」の実行ファイル(Ver.18であればDodomeCAD18.exe)あるいはショートカットの右クリックメニューで「管理者として実行」を選んで起動してから、ファイルを開き、設計調書作成時のエラーが解消されるかご確認をお願いいたします。
※Ver.18のデフォルトのインストールフォルダ: C:\Program Files (x86)\FORUM 8\DdmCAD 18
 (2)計算関連

Q1−2−1.

建築学会基準のとき、砂の単位体積重量が土水圧分離で計算されるが、その理由は?(Ver.5)
A1−2−1. 本プログラムは、「山留め設計施工指針」に基づいて作成しています。
本指針P.77に受働土圧式が式(1.3)に示されています。この式を見ると、ご質問の通り、砂層については、土水圧分離と考えられますので、本プログラムでも、そのように計算処理しています。よって、砂層に対して土水圧一体として土圧を計算することはできませんが、地層データにて、土質種類を、強引に、粘性土にすることで、土水圧一体として、土圧計算はできます。
なお、粘性土につきましては、[基準値-設計用設定値-慣用法]画面で、土水圧分離、または、土水圧一体の計算スイッチを用意しています。


 
Q1−2−2. 鋼矢板の変位量にはアンカー頭部の変位量も含まれているのか。(Ver.7)
A1−2−2. 慣用設計法での鋼矢板の変位量にアンカー頭部の変位量は含んでおりません。
弾塑性法での鋼矢板の変位量には、アンカーをバネとしてモデル化していますので、含まれているとお考え下さい。


 
Q1−2−3. 砂質土と粘性土が混在しているとき、断面計算に用いる土圧はどのように判定されるのか。(Ver.7)
A1−2−3. 断面計算に用いる土圧については、仮設指針P.36〜P.38に記述があります。
地盤種類(砂質土地盤、粘性土地盤)を決定する考え方については、仮設指針P.37のAに明記されています。
仮想支持点の求め方につきましても、仮設指針P.87〜P.90に記述があり、プログラムもこれに準じてます。


 
Q1−2−4. 親杭式の場合、土留め板の最大土圧はどのように算出されるのか(外力表と異なる値になっている)。(Ver.7)
A1−2−4. 親杭の場合、土圧、水圧は、親杭1本当たりで計算しています。
よって、外力表の側圧を単位幅にするために、親杭間隔で除する必要があります。

 
Q1−2−5. 鉄道標準で断面計算用側圧に上載荷重が考慮されていないがなぜか。(Ver.11)
A1−2−5. 入力の[列車荷重]にて、[断面計算用側圧に上載荷重側圧を考慮する]にチェックを付けてください。
鉄道標準に記載の断面計算用土圧については、上載荷重(地表面載荷荷重と列車荷重)の扱いを考慮するのか無視するかが不明でした。
よってスイッチ化し、設計者の判断に委ねることにしています。

 
Q1−2−6. 仮締切工の計算する際の平面形状だが、コの字型での計算は可能か。または方法はあるか。(Ver.15)
A1−2−6. 現在の土留め壁の設計法(慣用設計法、弾塑性法)では、平面形状がL字型であってもコの字型であっても、その平面形状の要素は、土留め壁の設計(根入れ長の計算、断面力の計算、反力の計算)に何も反映されません(影響しません)。
支保工の設計は、上記で求まった反力を作用力として、設計スパンを与えることで照査することができますので、この場合は、隅火打ちがどのように配置されているかを正しく設計スパンとして与えれば、その部材については問題なく設計計算は成立します。
わかりにくい回答かもしれませんが、平面形状が再現できないからと言って、設計計算が成立しないということはありませんし、逆に、現在の設計法は平面形状の要素を設計に直接的に反映できるものではありません。
上記のように、設計条件を正しく設定すれば(計算実行後の[切梁支保工の設計条件]画面)、その支保工の照査は正しくなされるものと考えられます。

 
Q1−2−7. Ver.15以降で、支保工反力等の採用値が変更出来なくなったのは何故か。(Ver.15)
A1−2−7. Ver.15以降で、計算途中に表示される採用値を自動的に内部計算値とする機能に対応したためです。
[基準値]-[設計用設定値]-[採用値自動更新設定]で設定の変更を行うことができます。Ver.15以前と同様の状態にするには自動更新フラグをすべてOFFとして下さい。
なお、Ver.16以降では[計算実行]後に表示される各画面にてフラグを切り替えることができるように入力を改善しました。
(例えば[支保工反力]画面には「支保工反力の採用値を常に計算値とする」という入力を追加しました。従来通り[基準値]-[設計用設定値]でまとめて変更することもできます)



 
Q1−2−8. 「土木学会H28」(トンネル標準示方書開削工法編・同解説 2016年版)で検討した場合、粘性土地盤の根入れ長土圧は内部摩擦角が5度以上(例えばφ=10や20)の場合に「φ=5度」で土圧を計算しているが、具体的には「トンネル標準示方書開削工法編・同解説 2016年版」のどこの記載に従っているのか。
([基準値]-[設計用設定値]-[慣用法]の「根入れ長計算用土圧の粘性土にφを考慮する」がONの場合)
A1−2−8. 本製品では「トンネル標準示方書開削工法編・同解説 2016年版」の以下の記載(p.174〜p.175)に従い、粘性土の場合の内部摩擦角の考慮は最大で5度としております。
「粘性土地盤でも土質や排水条件によって内部摩擦角の存在が認められることもあるが、このような場合には、φ≦5.0度の範囲で内部摩擦角を考慮してもよい」

 
Q1−2−9. 土地改良基準(H26)で検討した場合、壁面摩擦角の初期値(内部値)が15°なのはなぜか。
A1−2−9. 土地改良基準(H26)の場合、以下の記載に従い、15°にしております。
なお、[地層]画面の[壁面摩擦角]タブより任意の値に変更することもできます。
『土地改良事業計画設計基準 設計「水路工」 基準書 技術書 平成26年3月』(農林水産省)
P.461
「矢板の場合、通常背後地は自然地盤で地下水の存在も考えられ、壁面摩擦角を的確に推定することは容易ではないが、一般にはコンクリートと土の壁面摩擦角として、地下水のある場合も含め±15°を採用してよい。」

 (3)印刷関連

Q1−3−1.

弾塑性法による解析結果だけを出力したい。
A1−3−1. 以下の方法がございます。
(1)弾塑性法のみの検討を行う(Ver.14以降)
(2)慣用法も行った場合で弾塑性法のみの出力を行う

(1)の場合は計算を実行し、そのまま出力すれば弾塑性法の出力が得られます。弾塑性法のみ検討する場合は[初期入力]画面で慣用法を「設計しない」として下さい。
(2)の慣用法も行った場合は下記の操作により、弾塑性法のみの計算書出力項目の選択を行うことが可能です。

1.計算書作成モードにて「結果詳細」等のボタンを押し、「印刷プレビュー」画面を表示する
2.「印刷プレビュー」画面左の[編集]ボタン(左上の筆の絵のボタン)を押して編集モードにする
3.ツリーウインドウにて出力したい項目以外のチェックを外す(筆の絵のボタンの下に、全選択/全削除のボタンを準備しております。)
4.[編集]ボタンを押してプレビューモードにする(ツリーウインドウ、プレビューの表示が、選択した項目のみに更新されます)
5.[印刷]ボタンを押して印刷する

なお、「印刷プレビュー」画面から開くヘルプにその他機能の説明がございますので、こちらもご参照ください。


 
Q1−3−2. 計算書に切ばりの計算結果が出力されていない。
A1−3−2. [初期入力|平面形状]を「直線の任意区間」にされていないでしょうか。
この場合、直交する切ばり情報が無い(入力する必要がない)などの理由により、本プログラムでは、切ばり材を照査するための設計スパンを内部的に生成することができません。
そのため、計算実行後に表示される[切ばり支保工の設計条件]画面の「切ばり」ボタンを押して表示される「切ばりの設計条件」画面において、採用値欄が空欄になっています。つまり、切ばりの設計条件が未入力の状態になるわけです。
お手数ですが、こちらの画面にて「追加」ボタンを押して、ご自身で、切ばりの設計条件を入力されるか、[初期入力|平面形状]を「矩形」にして頂くことにより、プログラム側で内部生成させるかの対策を講じてください。


 
Q1−3−3. 計算を行うと、断面力の計算にて最大曲げモーメントととその生ずる位置が計算される。この最大曲げモーメントの生ずる位置の算出式はどこに記載されているのか。(Ver.14)
A1−3−3. 結果詳細計算書の「慣用法」−「○壁の設計」−「最終掘削時」−「断面力の計算」−「結果要旨」に計算式を出力しております。
出典を問われているのであれば、例えば、道路橋示方書 平成14年 下部構造偏 P.394,395に表-解12.9.1があります。こちらのLmが最大曲げ発生位置の算式になります。



 2.慣用法編
 (1)入力関連

Q2−1−1.

掘削完了後、コンクリートを打ち、これを捨て梁とする方法は?(Ver.5)
A2−1−1. 最終掘削時直後の1次撤去時として、均しコンクリート(底版コンクリート)を打ち、同時に、最下段切ばりを撤去する状況を想定します。

この場合、慣用設計法で検討する場合は、均しコンクリート位置を下方支点位置として入力しなければなりません。その位置としては、均しコンクリート厚(底版厚)の中心でよいのではないかと思います。

なお、本プログラムでは、撤去時を行いたい場合は、初期入力画面にて「□撤去時の検討を行う」にチェックマークをし、同時に、本支保工を撤去する撤去次数を指定してください。その上で、[考え方|慣用法]の支保工反力計算ケースを「最終掘削時と撤去時」または「全検討ケース」のいずれかに設定し、[検討ケース]の「1次撤去時」にて「□慣用法による照査を行う」にチェックマークをすることにより、下方支点(均しコンクリート)に生じる反力までの計算は可能です。
しかしながら、その反力に対する均しコンクリート自体の応力度照査を行うことは出来ません事をご承知置きください。


  
Q2−1−2. 上載荷重の換算高を断面計算の掘削深さによる係数aに考慮したい。(Ver.6)
A2−1−2. [基準値]メニュー−[設計用設定値]の[慣用法]にて、[掘削深さによる係数a算出時の掘削深さに上載荷重換算高さ分を考慮する]にチェックを付けてください。
それによって、上載荷重換算高さh(=q/γ)を考慮いたします。


  
Q2−1−3. 自立時の検討を行わないようにする方法は?(Ver.6)
A2−1−3. 慣用法による照査を省略したい検討ケースの設定ダイアログ([検討ケース]ボタンをクリックして、表示されたダイアログよりケースを選択し、[編集]ボタンをクリック)にて、[慣用法による照査を行う]のチェックを外してください。

  
Q2−1−4. 任意の壁の腹起しを計算対象とする方法はあるか。(Ver.7)
A2−1−4. 本プログラムでは、左右壁が両方ペアで選択されている場合の腹起しは、設計反力の絶対値が最も大きい値を有する壁側を照査します。左右壁が同じ反力値の場合は、右壁を対象とします。
例えば、右壁側の腹起しを照査したいとお考えであれば、[詳細|考え方|慣用法|□支保工反力を採用する壁を指定する]にチェックマークを入れて、右壁を指定して下さい。腹起しの設計条件を右壁の状態で生成する仕組みになっています。


  
Q2−1−5. 腐食代を考慮して検討することはできるか。(Ver.8)
A2−1−5. お考えの適用基準が土地改良基準であれば計算スイッチにより腐食を考慮することが可能です。
それ以外の基準の場合には、[基準値-鋼材]にて、腐食代を考慮した断面諸量を入力(登録)していただければ、お考えの断面にて検討することは可能であると考えられます。


 
Q2−1−6. 撤去時の計算結果が出てこない。(Ver.11)
A2−1−6. 入力の[検討ケース]にて各撤去時ケース画面の[慣用法による照査を行う]にチェックが付いているかをご確認ください。

 
Q2−1−7. 自立式の計算時に、安全係数βが2.5で計算されているが、3.0など任意の値で計算することは可能か。(Ver.14)
A2−1−7. 安全係数を変更することは可能です。変更する場合は、メイン画面のメニュー[基準値]−[設計用設定値]−[慣用法]の「自立時の必要根入れ長算定用係数」で変更できます。

 
Q2−1−8. 慣用法設計時に最下段切梁設置前より以前の自立時、2次掘削時の検討を行いたいが可能か。(Ver.14)
A2−1−8. 検討ケース画面にて、検討したいケースを選択し、編集ボタンをクリック後、「慣用法を行う」にチェックを入れて頂くことで可能です。

 
Q2−1−9. 自立式で地盤バネの扱いを「福岡・宇部の式」で行うことできるか。
A2−1−9. 適用基準が『土地改良基準(平成26年)』の場合に可能です。
(ただし、本基準の場合は自立式の検討のみとなります)

[基準値]−[設計用設定値]−[慣用法]で『土地改良基準(平成26年)』を選択すると、画面内の「地盤バネの扱い(福岡・宇都式)」で設定式を確認することができます。
N値から本画面での設定式よりkHを初期値として設定します。

 (2)計算関連

Q2−2−1.

計算書にある下記記述の根拠は?(Ver.5)
「・最下段切ばりと仮想支持点間の単純スパン 仮想支持深さは、根入れ長の計算で算定された0.177mを0.750mに補正しました。」
A2−2−1. 『道路土工 仮設構造物工指針』のP91にて、「仮想支持点の最小位置は、掘削底面以深75cmとする」と記載されており、本プログラムはそれにより補正しております。

  
Q2−2−2. 「検討ケース」において、デフォルトでは慣用法の計算を行わないケースがある理由は?(Ver.5)
A2−2−2. 慣用法の設計では、仮設指針P.87根入れ長の決定などに記載の通り、検討ケースとして、掘削完了時、最下段切梁設置直前の両者で検討すればよい旨の記載があります。
本プログラムでは、この規定に従い、最後の2ケースを「慣用法の設計を行う」という計算スイッチをONにする仕様としています。
これを変更するには、メインウィンドウより[検討ケース]を選択していただき、自立時ケースを編集するダイアログにて、[慣用法による照査を行う]にチェックを付けてください。


  
Q2−2−3. 慣用法の支保工反力の値よりも弾塑性法の支保工反力の値のほうが小さいにも関わらず、弾塑性法の値を用いて計算が行われている理由は?(Ver.5)
A2−2−3. 仮設指針(土工指針)では、P.28の表2−1−1に、土留め工の設計手法の分類を提示しています。その背景には、慣用法は、ある適用範囲を超えると、実際の挙動との相違が大きくなる欠点があり、より実際の挙動に近い解析方法として、弾塑性解析での照査をすべきではないかということだと考えられます。

弾塑性解析を行ったということは、何らかの理由で、弾塑性解析で評価する必要があったためと当方では考えています。よって、基本的には、弾塑性解析結果を重視すべきではないかと考えています。本プログラムにおいても、弾塑性解析を行った場合の支保工の計算に用いる反力の採用値は、弾塑性解析の結果としています。
しかしながら、実績のある慣用法の結果を無視できない事は容易に理解できますし、当方でも、無視してよいとは断言できるものではありません。上記の弾塑性解析の位置づけ等を勘案し、設計者の方でご判断して頂けるように、「支保工反力」画面にて、両計算結果を表示し、任意の反力を設定できるようにしています。

本プログラムの仕様をご理解頂きたいと思います。


  
Q2−2−4. 仮設指針などで、自立式土留めの検討を行った際に、杭下端の層厚を変えることにより、必要根入れ長も変わるのはなぜか。(Ver.6)
A2−2−4. 必要根入れ長を計算するステップとして、まず最初に杭長(=層厚)を仮定しますが、本プログラムでは、入力された全層厚に対して、半分ずつ分割(二分法)しながら杭長(=層厚)を仮定します。
本プログラムでは、その杭長に対して計算を行い、仮定した杭長とkHで再計算した杭長の差が2mm以下になった場合に収束したと判断いたします。したがって、層厚が変化すると結果に微妙な影響を及ぼす場合があります。


  
Q2−2−5. 土留め板の必要長さはどのように算出されるのか。(Ver.6)
A2−2−5. 仮設指針p.110図2-9-37の通りです。
必要長さ=L2+(2×L1)
ここに、
L1:板厚以上かつ40mm以上
L2:親杭の離れ(ただし、フランジ端間距離)
で計算しています。


  
Q2−2−6. 「考え方」−「慣用法」画面の「岩盤層の扱いを行う」は何にもとづいているのか。(Ver.6)
A2−2−6. これまでに、岩盤なので作用土圧が無い状態で設計計算したいとのご意見がありました。
そこで、本プログラムでは、ご指摘の計算スイッチを[考え方-慣用法]に用意しました。岩盤の扱いということで、断面計算用土圧を低減することができます。
考え方の詳細につきましては、ヘルプの[計算理論及び照査の方法-慣用法編-慣用法の側圧について-断面計算用主働土圧]をご一読下さい。
ただし、本処理の扱いにつきましては、何らかの基準類に明文化されたものではありませんので、設計者にて適正をご判断下さい。


  
Q2−2−7. ある位置の曲げモーメントを確認する方法はあるか?(Ver.6)
A2−2−7. 構造モデルが単純梁、もしくは、片持ち梁モデルで、かつ、荷重が台形分布荷重の場合には、本プログラムの構造力学ツール機能を用いることで確認できます。

  
Q2−2−8. 撤去自立時の断面力算出用土圧として、断面力算出用土圧ではなく、根入れ長計算用土圧を用いている理由は?(Ver.6)
A2−2−8. ご質問は、撤去自立時の断面力用土圧として、本プログラムでは、根入れ長用土圧(理論土圧)を使用しているが、断面力計算用土圧を用いるべきではないかということかと考えられます。
当方では、断面力計算用土圧は、一般的には、測定した切梁反力から、土圧強度をモデル化した慣用設計法固有の土圧ですので、切梁の無い、自立状態に関しては、断面力計算用土圧の適用は不適切と判断し、理論土圧を採用しています。


  
Q2−2−9 「考え方」−「慣用法」画面の「水圧形状」について説明してほしい。(Ver.6)
A2−2−9. 背面側が背面側水位から水圧勾配が1.0の静水圧が分布し、掘削側は掘削側水位から水圧勾配1.0静水圧が分布するとし、両者を差し引く(大直角三角形−小直角三角形)と、背面側は台形の水圧分布となります。これを「台形分布」と呼びます。
仮設指針P.39図2-3-7のように、背面側水圧強度と掘削側水圧強度がつり合い深さ位置で等しくなると仮定した状態で、背面側水圧から掘削側水圧を差し引くと、背面側は三角形の水圧分布となります。これを「三角形分布」と呼びます。


  
Q2−2−10 変位の計算(もしくは最大モーメント)の詳細(計算根拠)を確認する方法はありますか。(Ver.6)
A2−2−10. 以下の手続きでご確認下さい。
 (1)[計算確認-慣用法-詳細確認]画面の「断面力、変位、剛性検討」タブを開く。
 (2)(1)画面の左下にある「構造力学にセット」ボタンを押す。
 (3)チェックする計算結果として「変位量のチェック」を選択する。
 (4)確定後、(1)画面を閉じる。
 (5)メインウィンドウの上側にある「構造力学」を選択する(今回の計算条件がセットされている)。
 (6)計算点x=0.000mは土留め壁天端です。本画面下にあるで[計算実行]ボタンを押す。
 (7)印刷プレビュー状態になり、(6)で指定したxの位置の片持ち梁の構造力学に準じた変位(モーメント含む)計算書を確認できる。

以上の手続きとなります。
構造力学の公式は、一般図書に記載されています。
また、地層の位置における変位を確認されたい場合は、上記(6)のxの位置を、計算されたい位置に指定して下さい。

なお、適用基準によっては、構造力学ツールに対応できない場合もありますので、ご注意下さい。


  
Q2−2−11 プレボーリング工法のモルタル充填で、掘削以深でも周長が U=1/2πD で算出されている理由は?(Ver.6)
A2−2−11. 本プログラムでは、周面摩擦力は、背面側と掘削側の地層の状態が異なることを想定し、背面側(土留め壁は挟んで後ろ側)と掘削側(土留め壁を挟んで前側)に分けて計算します。よって、計算書においても周面摩擦力の計算表が(掘削側)と(背面側)に分かれています。
背面側は、基準にもよりますが、基本的には、土留め壁全長を対象に計算します。よって、背面側の計算において、掘削面以深(根入部)の後側が含まれています。
掘削側は、当然、掘削底面より以深の根入れ区間(前側)になります。
背面側と掘削側の周面摩擦力を加算することで、掘削面以深は、全周扱いになります。


  
Q2−2−12 鉄道基準で計算実行したときに表示されるメッセージは何を示しているのか。(Ver.6)
 『警告:力のつりあいによる必要根入れ長の計算で、1次掘削時において、検討可能な最下層位置まで根入れ長を延ばしましたが、安全率が2.80となり必要安全率を満足していません。』
A2−2−12. 鉄道標準の自立時根入れ長の計算は、「遮水性土留め」としてのつり合い根入れ長の考え方で計算します。詳細は基準類の記載に委ねるものとし、要は、水平力とモーメントの両者が同時につり合う長さを算出するという計算方法です。結果的に、頂戴したデータでは、上手く収束することができておりません。
この考え方において、水平力とモーメントがそれぞれ完全につり合う事(両者がそれぞれぴったり一致するという意味)は殆ど不可能なため、本プログラムは、収束精度(判定用収束値)を考慮できるように配慮し、ある程度、幅を持たせて、一致したか否かを判断するようにしています。
この収束精度(判定用収束値)は、[基準値|設計用設定値|慣用法]に「自立状態の根入れ長判定用収束値」として入力を用意しており、初期値を「1.01」にしています。
お問い合わせのデータでは、「1.01」という幅を考慮しても、水平力とモーメントが同時につり合う長さを定義する事ができなくなっているものと思われます。1.01は画面ヘルプにも記載していますが、かなり高い精度であると考えられますので、少々大きくして(収束精度は粗くする)、収束するように変更して頂きたいと思います。


  
Q2−2−13. 仮設指針(平成11年)に準拠するとき、最小根入れ長は3.0mになるはずだが、結果はそれより短くなっている。(Ver.7)
A2−2−13. まず始めに、自立時の最小根入れ長の規定について、仮設指針(道路土工)p.150、「2−12 自立式土留め工の設計」の(1)最小根入れ長をご一読ください。ここに、「最小根入れ長は、掘削深さ3m以深では3m、掘削深さ3m以浅では掘削深さと同等とする。」とあります。この規定に準じています。

なお、最小根入れ長について基準に準ずるという指定につきましては、[基準値]メニュー−[設計用設定値]-[慣用法]にて変更することが可能となっています。


  
Q2−2−14 切梁の位置を変えると支保工反力も変わる理由は?(Ver.7)
A2−2−14. 切梁反力の計算方法が、各切梁間の土圧を上部切梁で負担するという下方分担法の考え方ですので、切梁の位置を変更しますと当然のことながら反力に相違が現れます。

  
Q2−2−15. 自立式のとき、弾性床上はり理論による計算は可能か。(Ver.7)
A2−2−15. 弾性床上はり理論は可能です。
弾性床上はり理論(弾性床上の半無限長の杭として設計する方法)とは、いわゆるChangの方法です。これは慣用法の設計に含まれます。
適用基準が、鉄道標準、土木学会、道路公団以外は、基本的に、自立時はChang式で扱うことになっていると考えられます。
ただし、本設となりますと、例えば、地盤バネの扱いにおいて、地震時のバネを考慮しなければならないなどいった、仮設構造物とは異なる照査が必要になる可能性があると思われます。その点は、十分ご注意下さい。


  
Q2−2−16. 撤去時の根入れ長の計算を行わないのは、どの基準、考え方に基づいているのか。(Ver.7)
A2−2−16.
明文化された基準類は無いと思います。
仮設指針では、「2-9-4 慣用法による土留め壁の設計」において、設計対象とする掘削状態として「掘削完了時」、「最下段切梁設置直前」の2ケースを提示しています。そのために、撤去時の扱いについては、殆ど触れられていません。これが、撤去時を対象としていない一番大きな理由であると考えられます。
また、普通であれば、最終掘削時が、掘削深さが最も深くなり、危険な状態になると考えられることから、この状態に対して、安全を確保できれば、基本的に安全であると判断できるのではないかと考えられます。
ただし、撤去時を無視してよいのかということでは決して無いと思いますが、逆に言えば、撤去時は、十分に安全側を考慮した計画にしなさいという主旨(意図)ではないかとも考えられます。
以上が、当方の見解ですが、これが、絶対正しいというものではありません。撤去時につきましては、現時点では、お客様側にて、ご検討、ご対処願いたいと考えております。

  
Q2−2−17. 「最大変位」と「全壁体変位量」の違いは?(Ver.8)

A2−2−17.
断面計算時の変位は、断面力を計算する際の、各単純はりモデルにおける単純ばりの変位を計算しています。一方、「剛性の検討」は仮設指針p.93の考え方で計算しています。よって、別モデルでの変位であるとご理解ください。
前者の変位が、安定計算上、問題になるか否かにつきましては、設計者のご判断で対応してください。当方では、断面力計算時の計算モデルで、曲げ、せん断を算出すると同時に、その場合の変位も計算して欲しいというご指摘をプログラムで実現した次第です。


 
Q2−2−18. 製品ヘルプに記載されている支保工反力の計算方法のうち、「集中荷重法」と「1/2分割法」は同じ方法になるか。(Ver.11)

A2−2−18. 製品ヘルプに紛らわしい記述があり、申し訳ございません。 「集中荷重法」と「1/2分割法」は同じ方法になります。

 
Q2−2−19. 盛替え支保工の反力が0で算出されてしまうが何故か。(Ver.11)
A2−2−19. 埋め戻し面と下方支点が同位置の場合、下方分担法で反力を計算するとした場合には土圧が載荷されず、結果的に下方支点が負担する反力はゼロになります。
[基準値-設計用設定値-慣用法]画面にて、支保工反力の計算方法として、撤去時は下方分担法ではなく(仮設指針、首都高速H15)法か集中荷重法に変更することで下方支点反力が計算されます。

 
Q2−2−20. 仮設指針の場合の自立撤去時の計算を掘削時と同様に下方支点なし(Changの方法)で計算できないか。(Ver.12)
A2−2−20. 自立撤去時のケースとしてご質問の検討を行うことはできません。
別途、自立時のみのデータを作成いただき、自立撤去時ケースの条件を設定してご検討ください。

 
Q2−2−21. 自立矢板を仮設指針の慣用法で計算したデータを、本設設計が必要になったために土地改良基準(平成13年)に変更したが、変位量が仮設指針よりもかなり大きく出るのは何故か。(Ver.12)
A2−2−21. 土地改良基準(平成13年)の場合の変位の算定方法については、製品ヘルプの[計算理論及び照査の方法]−[土地改良基準平成13年編]−[慣用法による設計]にも記載がありますが、仮想地盤面を固定端とした片持梁で計算を行います。
したがいまして、考慮される主働側圧の範囲が掘削底面までの仮設構造物工指針とは異なるため、ご質問のような土地改良基準(平成13年)の方が変位量が大きいという結果となります。

 
Q2−2−22. 突出モデルの場合に結果画面には矢板天端の変位が表示されるが、地表面位置の変位を確認することはできるか。(Ver.12)
A2−2−22. 突出モデルの場合、天端位置に加え、地表面位置についても変位量を算出しますが、一覧表には変位量が最大となる位置についてのみ結果を表示しております。地表面位置の変位量は詳細計算書の「慣用法」−「?壁の設計」−「自立時」−「断面力の計算」−「変位」でご確認ください。

 
Q2−2−23. 有限長の上載荷重が慣用法自立時の掘削底面以深の土圧に考慮されない。(Ver.12)
A2−2−23. 自立時において、掘削底面以深の土圧が断面力算定の対象外である適用基準については加算されません。

 
Q2−2−24. 小規模土留で最小根入れ長が掘削深の1/2にならないのはなぜか。(Ver.13)
A2−2−24. 適用基準が仮設指針、小規模土留めの検討の場合、[検討ケース]の入力において、最終掘削時で「□小規模土留めの検討を行う」をONとしてください。これにより仮設指針(P.159)に記載の小規模土留めの最小根入れ長の考え方に準拠した処理をプログラム内部で行います。

 
Q2−2−25. 建築学会の基準で自立式の土留めを設計している。根入れ長の決定を行う場合、Df=2.0/βが確保されている状態でもFs≧Mp/Maの検討を行い、どちらか深い方で根入れ長が決定されているが、Fs≧Mp/Maの検討を省略する方法はあるか。(Ver.14)
A2−2−25. メイン画面上にございます、[基準値]−[設計用設定値]−[慣用法]内に「□自立時の根入れ長の照査を特性値による方法のみとする」にチェックを入れた上で、計算を行いますと Fs≧Mp/Ma の検討を省略することが可能です。

 
Q2−2−26. 自立式土留めで検討しているが、掘削底面に土留め壁にかかるように切土を残しているので、この切土の影響を掘削側の上載荷重として換算して載荷した。
しかし、掘削側の上載荷重にどんな値を入力しても必要根入れ長が全く変わらないのは何故か?
感覚としては掘削側の側圧が大きくなるので、必要根入れ長が小さくなるのでは?(Ver.15)
A2−2−26. 仮設指針などの基準では自立時の場合の根入れ長の計算を「梁・ばねモデル(弾性床上の無限長の杭、Changの式)」で計算していますが、
この場合は掘削側にどのような上載荷重を入力しても必要根入れ長は変わりません。これは理論上、掘削側の側圧が根入れ長の計算に影響しないためです。
掘削側の地盤は水平方向地盤反力係数として考慮されますので、切土の影響を考慮するのであれば、切土の影響を地層として入力する必要があります。
(ただし、お考えのような切土をどのような地層として換算すれば適切かについては当方には十分な知見がございません)

なお、土木学会などの基準ではモーメントと水平力の釣り合いを考慮する方法となりますが、
この場合、根入れ長は「モーメントと水平力の釣り合い」で計算されますので、切土の荷重を掘削側の上載荷重に換算しますと、掘削側の側圧(受動側)に上載荷重が加算され、決定根入れ長などが変わってきます。

各基準の考え方については、ヘルプの[計算理論及び照査の方法]-[慣用法編]-[根入れ長の安定計算]の
 [掘削自立時(特性値)]
 [掘削自立時(土木学会、鉄道標準)]
なども合わせてご確認ください。

 
Q2−2−27. 1層目の層厚を少し変更したら変更前と変更後で支保工反力の結果に予想以上の大きな相違が生じた。
層厚以外の条件は変更していないが、どんな理由が考えられるか。(Ver.15)
A2−2−27. 地層が粘性土と砂質土の互層になっている場合は、断面決定用土圧の差異によるものが原因と考えられます。
断面決定用土圧は互層の場合に砂質土地盤か粘性土地盤かどちらか一方の地盤種類の判定を行い土圧計算を行います。
地層が互層の場合は、ある層の層厚を変更したことにより、断面決定用土圧の地盤種類が変わる場合があります。
地盤種類が異なると、土圧も比較的大きな相違が生じる場合があるので、それが支保工反力の結果の相違として現れます。

以下、仮設指針(P.37)の断面決定用土圧に関する記載の抜粋です。本製品では、対象区間に占める粘性土と砂質土の割合から自動判定しています。
「地層が粘性土と砂質土の互層になっている場合は、粘性土の層圧の合計が地表面から仮想指示点までの地盤の厚さの50%以上の場合は粘性土、50%未満の場合は砂質土の一様地盤と考えて良い」

 
Q2−2−28. 仮設指針などで自立式の場合(Changの方法による計算の場合)に、土留め壁の剛性の大きなものほど必要根入れ長が長くなるのはなぜか。
A2−2−28. 土留め壁の剛性が変化すると、特性値βが変化するため、結果的に必要根入れ長が変わります。
このとき土留め壁の剛性が増すと、特性値β={kH・D/4EI}^(1/4)の値そのものは小さくなるため、根入れ長L=2.5/βは大きくなります。

壁体の剛性を増したのだから根入れ長は小さくなるはずと錯覚しがちですが、Changの方法では必要根入れ長は大きくなりますので注意が必要です。
(関連:Q2−2−26

 
Q2−2−29. 仮設指針で[検討ケース]画面の「小規模土留めの検討を行う」をONにして計算したら、壁体応力度照査がNGになった。
このような状況はあり得るか。
A2−2−29. 通常の検討と小規模土留めの検討では断面計算の土圧が異なります。そのため状況としてはあり得ます。
  • 通常の計算
    断面計算用の土圧(見かけの土圧分布)を使用します。
  • 小規模土留めの検討を行う場合
    根入れ長と同様の土圧を使用します。

 
Q2−2−30. 背面側の地層厚さを少し変えただけで断面力や支保工反力が大きく異なる結果となった。
変更前と変更後で計算書を比較すると[断面力の計算]の「地盤種類」が異なっていたが、これはどのように考えればよいか。
A2−2−30. 地層が粘性土と砂質土(またはN値が異なる粘性土)の互層となっている場合は、仮設指針の以下の記載に準じ、地層の割合で断面計算用土圧の地盤種類が異なります。
元々の地層構成の割合が50%に近いと、少し地層構成を変えただけでも「地盤種類」が変わる場合があり、これに伴い断面計算用土圧が大きく変わることがあります。

・仮設指針P.37
「地層が粘性土と砂質土の互層になっている場合は、粘性土の層厚の合計が地表面から仮想支持点までの地盤の厚さの50%以上の場合は粘性土、50%未満の場合は砂質土の一様地盤と考えて良い。また、地盤種別が粘性土と判定された場合は、粘性土をN値で分類し、N≦5の層厚の合計が50%以上の場合を軟らかい粘性土、50%未満を硬い粘性土として取り扱う」

 
Q2−2−31. 必要根入れ長を満たす決定長としたが、根入れ照査がNGとなった。
このような状況は有り得るのか。また、有り得るとしたらどのような理由によるものか教えてほしい。
A2−2−31. 状況としては有り得ます。

プログラムでは、土留め壁の長さを掘削底面より1.0cmずつ伸ばして、安全率を満足する必要長さを検索します。
この時、多層地盤の場合はある層を堺に側圧の状況が大きく変わる場合があります。
根入れ先端がある層にある場合にOKとなる場合(必要根入れの計算はここで打ち切られます)でも、根入れ長を更に長くして層が変わり、側圧分布が「受働<主働」となる場合は、この受動側圧と主働側圧のバランスにより、結果として、必要根入れを満たす決定根入れ長で安全率がNGとなる状況が生じます。

上記のような理由で、地盤条件により、プログラムが提示している必要根入れ長より長くした場合でも、安全率を確保できない場合がありますことはご理解下さい。
申し訳ありませんが、このような場合の最終的な決定根入れにつきましては設計者様のご判断でお願いいたします。

 
Q2−2−32. 仮設指針の自立時で検討したが、変位が大きいので変位を抑えるために掘削側を地盤改良として設定した。
改良範囲の粘着力をかなり大きくしたが、特に変位が変わらない結果となったが、どのような理由が考えられるか。
A2−2−32. 仮設指針の自立時はChangの式での検討となります。

Changの式では粘着力が影響しないため、粘着力のみ変更しても特性値βに影響しません。
変形係数αE0が影響しますので、改良範囲のαE0の値を見直してください。



 3.弾塑性法編
 (1)入力関連

Q3−1−1.

基礎コンクリートを盛り替え梁とする場合のバネ定数はどのように算出したらよいか。
A3−1−1. 本プログラムの弾塑性解析は、基本的に単位幅当たりの照査となります。
よって、入力される盛替え支保工バネ強度も単位幅当たりの値でなければなりません。
コンクリート切ばりのバネ定数式は、仮設指針P.107に示されています。
今、バネ式の水平間隔(s)に、コンクリート版の奥行き幅(施工延長Le)を代入すると、
Kc=2AE/{L(1+φc)s}
 =2×t×Le×E/{L(1+φc)Le}
 =2×t×E/{L(1+φc)}
ここに、
 A:断面積    A=t×Le
 t:コンクリート版の厚さ(コンクリート断面の高さ)
 Le:コンクリート版の奥行き幅(コンクリート断面の幅=掘削延長)
 L:コンクリート版の幅(掘削幅)
となります。コンクリートの幅の要素は通分され無視されることがわかります。
上記の算式より、コンクリート版の奥行き幅(コンクリート断面の幅)を1.0mと仮定した場合は、水平間隔も1.0mという扱いになり、結果的に厚さでバネ値が決定される事になると考えられます。


 
Q3−1−2. 盛り替え支保工で、埋め戻し土をバネとして考慮するにはどうしたらよいか。
A3−1−2. 盛り替え支保工(弾性バネ)で埋戻し土を考えた場合の対応の仕方は、具体的な設置位置、バネ値計算方法につきましては、当方から責任ある回答は致し兼ねますが、バネ値の算出方法につきましては、仮設指針P.93に記載の、仮想支持深さの1/2点位置に設置する弾性バネの求め方でよいのではないかと考えています。
また、設置位置につきましては、本プログラムでは、3箇所同時に盛替え支保工を設置することができますので、埋戻し厚を3等分し、その中心に上記の弾性バネを盛替え支保工として設置する考え方もあるかと思いますし、全体で1箇所とする場合もあろうかと考えられます。

なお、解析法Uの場合は埋戻し土を弾塑性地盤バネとして直接考慮することができます。(Ver.16以降)
(関連Q3−2−1)


 
Q3−1−3. 「考え方」−「弾塑性法」画面にある「弾塑性解析用側圧を用いた掘削時の根入れに関する安定計算」は、通常どれを選んだらよいか。
A3−1−3. 基本的には設計者の判断になろうかと思います。
仮設指針p.94以降に「弾塑性法による土留め壁の設計」の記載があり、ご質問の箇所は、そのp.95(1)根入れ長の決定1)根入れ長の決定方法の@を行うか否かのスイッチです。
検討が必要であると判断された場合は、慣用法と同じ考え方の旨が示されていますので、「つりあい長さに安全率を考慮する方法」でよいと考えられます。

つりあい長さに安全率を考慮する方法とは、Ma=Mpとなるつり合い深さ(Z)を算出し、これに安全率(1.2)を掛け合わせた長さとする考え方です。
モーメントに安全率を考慮する方法とは、Mp/Ma>安全率となるように、安全率(1.2)を力(モーメント)に考慮した長さとする考え方です。


 
Q3−1−4 切梁がなく隅火打ちだけの平面形状のとき、切梁を隅火打ちに置き換え水平バネ定数を指定して弾塑性解析を行いたい。(Ver.6)
A3−1−4. 本プログラムでは、実際に配置されている切梁があろうがなかろうが、[部材-切梁]ダイアログで設定している鋼材番号(断面積)、水平間隔で切梁バネ値を内部計算します。
弾塑性解析を行う際に、隅火打ちのバネを用いる場合もあるかもしれませんが、本プログラムでは、前述の通り、切梁バネ値を内部計算する際には、隅火打ちについては、全く考慮されません。
ご質問のような場合は、[部材-切梁]ダイアログにて、水平バネ直接入力を「有り」に変更し、支保工バネを水平バネ定数として、直接入力することになります。
隅火打ちのバネ化につきましては、
(1)全ての火打ち材のバネを加算する方法
(2)支配的と考えられる一番外側の隅火打ち材のみを考慮する方法
などがあると思われます。
弾塑性法において、切梁バネをどうモデル化するかは非常に重要なことでありますが、バネの大小が全体の解析結果に及ぼす影響が思った程大きくない場合もあります。
上記(1)(2)の比較を行い、危険側の解析結果を採用する方法もあると思われます。


 
Q3−1−5. 両側の壁を検討するための入力方法は?(Ver.6)
A3−1−5. 両壁一体解析は弾塑性法で行います。
弾塑性法両壁一体解析(ラーメンモデル)は、次の条件が満足された場合に、プログラム内部で自動的に行います。
1 [初期入力|適用基準|弾塑性法]を行うとした場合で、[初期入力|形状]を「矩形」とし、[初期入力|支保工形式]を「切ばり支保工」とします。
2 [形状|設計対象壁]を選択し、左右壁または前後壁をそれぞれペアで選択します。
3 [考え方|弾塑性法]の解析法を「解析法U」とします。
これにより左右壁、前後壁を両壁一体解析(ラーメンモデル)で解析する準備が整いました。さらに、
■ [部材|切ばり]で左右方向の切ばりバネ直接入力がない場合は「左右壁」を両壁一体解析
■ [部材|切ばり]で前後方向の切ばりバネ直接入力がない場合は「前後壁」を両壁一体解析
で解析する事になります。


 
Q3−1−6. 弾塑性の土圧により内的安定計算を行うとき、土圧力は直接入力しなければならないが、どの土圧力を参照したらよいか。(Ver.6)
A3−1−6. 計算書作成でプレビューされた状態で、
?章 弾塑性法
?.1 ??壁の設計
?.1.? 最終掘削時
(1)検討条件
3)側圧・地盤バネ分布表
の「・背面側:側圧分布表」の主働側圧でよいと考えられます。


 
Q3−1−7 盛り替え梁を入力せずに撤去時の検討を行うことはできるか。(Ver.7)
A3−1−7. 本プログラムでは、撤去時の検討で、盛り替え梁を入力せずに解析することはできません。各撤去次において、盛り替え梁は必須です。
たとえば、切梁直下の埋め戻し土を十分締め固め後、切梁を撤去する場合においても、埋め戻し土を受働バネ値に置き換え、これを盛替え梁(モデル化)として入力しなければなりません。

 
Q3−1−8 弾塑性解析で一度設置した盛替え支保工を別のケースで撤去できるか。(Ver.11)
A3−1−8. 申し訳ございませんが、「土留め工の設計」ではご質問のような施工ステップで弾塑性解析を行う事はできません。 プログラムの構造上、今後の対応も難しいと考えられます。 解析法UESによる弾塑性解析専用の別製品であります「土留め工の性能設計計算(弾塑性解析II+)」の方にて今後の対応を検討いたします。

 
Q3−1−9 左右壁で支保工位置が異なるモデルの計算は出来ないのか。(Ver.11)
A3−1−9. 斜め切ばりを弾塑性解析の両壁一体解析で行いたいというご質問かと思いますが、本プログラムでは未対応になります。 弾塑性解析(UES)につきましては、ご質問のような斜め切ばりや切ばり+アンカー併用工の両壁一体解析、支保工撤去順序の自由化に対応できるように別製品を開発しております。 「土留め工の性能設計計算(弾塑性解析II+)」 http://www.forum8.co.jp//product/uc1/kari/dodome_s.htm

 
Q3−1−10 弾塑性法の両壁一体解析を実施する際に左右壁で壁の種類が異なる場合(例えば鋼矢板と鋼管矢板)の計算は可能か。(Ver.11)
A3−1−10. 壁体種類は全ての壁で共通となります。ご了承ください。 別製品であります「土留め工の性能設計計算(弾塑性解析II+)」(http://www.forum8.co.jp//product/uc1/kari/dodome_s.htm)では、そのようなケースでの解析が可能です。

 
Q3−1−11 ある検討ケースのみに有限長の上載荷重を載荷して弾塑性解析を行うことはできないか。(Ver.11)
A3−1−11. 弊社別製品の「土留め工の性能設計計算(解析法U+)」をお持ちであれば、以下の手順にて検討が可能です。

(1)「土留め工の設計」で[有限長の上載荷重]を「載荷しない」とし、弾塑性法の解析法UESで計算する。
(2)計算が終了したら、[ファイル]メニューから「土留め工の性能設計計算データのエクスポート」で土留め工の性能設計計算データ(*.f5L)をエクスポートする。これはエクスポート元の「土留め工の設計」データと等価なデータとなります。
(3)(2)のデータに対し、最終掘削時のみ[有限長の上載荷重]を「載荷する」とした側圧をセットする。
 以下の手順で行えます。
 a)「土留め工の設計」で[有限長の上載荷重]を「載荷する」として計算実行する。
 b)[計算確認]-[弾塑性法]-[詳細確認]より、「側圧・地盤バネデータファイルの保存」により側圧・地盤バネデータを保存する。
 c)エクスポートした「土留め工の性能設計計算」データで最終掘削時のみ(b)の側圧・地盤ばねをインポートする。


 
Q3−1−12 SMW壁の等厚壁の場合、断面変化できない理由は?(Ver.11)
A3−1−12. 必要壁厚を計算が必要であるなどの理由で、現在は断面変化は考慮しておりません。
またTRD工法の施工方法および手順より、断面変化することはないのではないかと考えたというのも一因に挙げられます。

 
Q3−1−13 弾塑性法用側圧の土圧係数を各掘削ステップ毎に入力したいが可能か。地層データの入力では全ケース共通となる。(Ver.12)
A3−1−13. 解析法Uの場合であれば、検討ケースにおいて地盤改良データを入力することで、各ステップごとの土圧係数を変更することができます。

 
Q3−1−14 [結果確認]-[弾塑性法]-[詳細確認]画面を開きますと、[側圧・地盤バネデータファイルの保存]ボタンがありますが、ここで保存したファイルはどこで使用できるか。(Ver.12)
A3−1−14. 弾塑性解析の解析法Uに特化した製品であります「土留め工の性能設計計算(解析法U+)」でインポートして流用できます。
例えば、両壁一体解析で左右壁の掘削深さが異なるような場合に、本製品では対応できませんが、以下のような手順にて「土留め工の性能設計計算(解析法U+)」で検討することができます。

(1)「土留め工の設計」で同一掘削深さのモデルを作り、計算後に[ファイル]メニューの「土留め工の性能設計計算エクスポート」機能より、性能設計計算データ(*.F5L)をエクスポートする。
(2)上記(1)で作成した「土留め工の設計」データについて最終掘削時の掘削深さを変更し、計算後に[結果確認]の弾塑性法の結果より、側圧・地盤バネデータをエクスポートする
(3)上記(1)で作成したF5Lデータに対して、[検討ケース]より、側圧を変更したいケースに対して[側圧・地盤バネデータの読込]を使用して、(2)でエクスポートした側圧・地盤バネデータを読み込む。
  インポートは壁ごとに可能ですので、右壁のみ掘削深さを変更して作成した(2)の側圧データをインポートすれば左右非対称となります。

 
Q3−1−15 盛り替え支保工の水平ばねの算出方法は? デフォルトは10万という値になっている。(Ver.12)
A3−1−15. ヘルプにあります通り、初期設定はあくまでも入力データ不足による計算不能を防止するために当方が勝手に設定した値であり全く根拠のないものです。
盛り替え支保工の水平ばねの計算方法の例につきましては、ヘルプの[計算理論及び照査の方法]-[弾塑性法]-[弾塑性法に用いる諸元]-[切ばり及び盛替えばりのバネ定数]に記載がありますので、そちらをご参照ください。

 
Q3−1−16 施工ゆるみについて、ヘルプには「支保工が有効に働くと判断できる場合は」とあるが、そのような判断ができる状態とはどのような状態なのか。(Ver.12)
A3−1−16. ゆるみが必要となる具体的な判断状態につきましてはこちらで明確な知見を持ちあわせていません。
計算上は、掘削側の変位が設定したゆるみに達した段階で支保工バネが有効に働くという設定となります。そのような計算が必要か否かは設計者のご判断ということになります。ご了承ください。

 (2)計算関連

Q3−2−1.

弾塑性法による解析で、埋め戻し土の定数を用いて撤去時の検討を行いたい。
A3−2−1. Ver.16において、弾塑性法の解析法Uで埋戻し土を考慮した撤去時の検討に対応しました。

埋戻し土の条件は[検討ケース]の1次撤去ケース画面で入力して下さい。
(現在は埋戻し土の条件は全て共通となっております。埋戻し面について各撤去ケースでそれぞれ設定して下さい)
計算時に、入力した埋戻し土の条件に準じた地盤バネが埋戻し領域に考慮されます。


 
Q3−2−2. 埋め戻して切梁を撤去するにはどのようにモデル化したらよいか。
A3−2−2. 【解析法Uの場合】
[検討ケース]-[撤去時ケース]画面で埋戻し土の条件と埋戻し面などを設定してください。(Ver.16以降)
計算時に埋戻し土が弾塑性地盤バネとしてモデル化された計算が行われます。
(関連:Q3-2-1)

【解析法Iの場合】
盛替え支保工としてモデル化する必要があります。
この時の撤去時モデルは、切梁を撤去すると同時に、盛替えばりを設置するというものです。
この盛替えばりは、バネ支点として、設置位置と強度を与えて頂くことになります。
(本プログラムでは、最大3段の切梁を同時に撤去することができ、撤去時1ケースあたり最大3段の盛替えばりを設置することが可能です)

慣用法の場合は、撤去時埋戻し面、並びに、下方支点を与えるという仕組みになっています。この場合も、例えば、掘削底面から埋戻し面までの埋戻し土による受働土圧や土重量を設計計算では全く考慮しておりません。
弾塑性法の場合、埋戻し土の地盤バネを集中バネに換算し、慣用法における下方支点に相当する位置に、盛替えばりとしてモデル化して設けるという方法が考えられます。ご参考にして下さい。
なお、埋戻し土を盛替えばりにモデル化する考え方につきましては、「ヘルプ-計算理論及び照査の方法-弾塑性法編-弾塑性法に用いる諸元(側圧、地盤バネ)-切梁及び盛替えばりのバネ定数」をご一読下さい。


    
Q3−2−3. 必要弾性域率が50%で結果はOUTとなった。必要弾性域率を変えることはできるか?(Ver.5)
A3−2−3. 必要弾性領域率は、[基準値]メニュー−[設計用設定値]を選択して表示されるダイアログより、[安全率]を選択していただくと入力する箇所がありますので、そちらで変更してください。

    
Q3−2−4. 計算書の弾塑性解析結果にある「前回変位」「今回変位」「合計変位」とは?(Ver.5)
A3−2−4. 前回とは、「直前(一つ前)のステージ」を意味します。
前回の変位に、今回(着目ステージ)の変位量(移動量)を加算することで、現在の変形状態(変位)がわかります。
また、「今回の変位」が直前ステージとの差分であり、相対変位ということになります。「合計の変位」は、着目ステージにおける土留め壁の変形状態であり、いわゆる、絶対変位と解釈して下さい。


    
Q3−2−5. 弾性域率の判定でNGとなったときの対策は?(Ver.5)
A3−2−5. 決定根入れ長(壁体全長)を必要弾性域率を満足するように長くするか、地盤改良などの対策が挙げられるかと考えられます。

    
Q3−2−6. 水位があるにも関わらず、弾塑性法の計算書における地盤条件の水位の有無が「×」となっている理由は?(Ver.6)
A3−2−6. 粘性土層の側圧につきましては土水圧一体で計算いたしますので、水位が無関係であることを示すために「×」表記としております。

    
Q3−2−7. 弾塑性法結果総括画面「最大値最小値一覧」の「最大」「最小」とは?(Ver.6)
A3−2−7. Ver.5までは、絶対値の最大値のみを出力していました。Ver.6では、断面力、変位の符号(+、-)に着目して、+の一番大きな数値を最大値、-の一番小さな数値を最小値として出力しています。
土留め壁(コンクリート矢板を除く)の設計では、絶対値の最大でチェックしておけば基本的に問題はありませんので、最終的には、最大値、最小値の絶対値の大なる方で、照査しています。
最大値(+)、最小値(-)の両方を出力しておけば、何らかのご判断に利用して頂けるのではないかという配慮で、追加したものです。


    
Q3−2−8. 弾塑性法における地下水位以下の有効土被り圧の算出で、指定した土の単位重量が考慮されず、水圧が差し引かれている。(Ver.6)
A3−2−8. [考え方-弾塑性法用側圧]画面の「土被り圧の考え方」が2つあります。
ご質問は、「地下水位以下は土の水中重量(γ-γw)を用いる」とした場合の扱いについてであると考えられます。
結論から申し上げますと、ご指摘の通り、土の湿潤重量から、静水圧、すなわち、10kN/m3を差し引く扱いとなり、[地層]画面の土の水中重量は用いません。
こ れは、仮設指針P.39〜に示されている(2)弾塑性法に用いる土圧および水圧の章において、土の単位重量は、水位の上、下に関係なく、湿潤重量としてい ることに起因しています。この土被り圧に対して、水以下の扱いとして、「水圧Pw」を差し引くのか、それとも、「静水圧pwo(=地下水位以下は土の水中重量(γ-γw)を用いる)」を差し引くのかを選択して頂いているというのが、本計算スイッチの意味するところです。


    
Q3−2−9. 弾性域長の計算で、先端部が弾性域か否かの判定の根拠を確認する方法はあるか。(Ver.6)
A3−2−9. [考え方-弾塑性法]ダイアログで、解析法Uの考え方を「割線剛性法」にした場合は、地盤バネが弾性状態か塑性状態かを計算書の詳細印刷にて確認できます。
以下の項目です。
(5)最終掘削時の検討
1)開始時構造荷重条件
2)解析結果(側圧、弾性反力、変位)
3)解析結果(断面力、変位)
こちらの「2)解析結果(側圧、弾性反力、変位)」に地盤バネの状態が出力される仕組みになっています。

しかしながら解析法Uの考え方が「荷重分割法」では「3)解析結果(断面力、変位)」しか出力されませんので、確認出来ません。
よって、「荷重分割法」の場合は、[計算確認-弾塑性法-詳細確認]の解析結果図に示される地盤バネマーク(土留め壁のサイドに付いているバネの図)をご覧頂いて、地盤バネが弾性状態か塑性状態(塑性状態の場合は地盤バネマークが無い)をご確認ください。


    
Q3−2−10. 「定常性の検討」とはどういうものか。(Ver.6)
A3−2−10. ヘルプ[計算理論及び照査の方法|弾塑性法編|弾塑性法の概要|弾塑性法による定常性の検討について]をご一読ください。簡単に言えば、壁長を変化させ、各種の解析結果を比較した時に、ある壁長を境に解析結果が殆ど変化しなくなる事が予想されます。このように、解析結果に変化が現れなくなった壁長を確認するのが定常性の検討であり、この壁長より少し長めに設計すればよいのではないかという判断材料となります。

余談ですが、本照査については、『仮設構造物設計基準 平成2年10月 (財)首都高速道路厚生会』に記載されおりますが、『首都高速道路 仮設構造物設計要領 平成15年5月』では、これについては、照査の必要性は殆ど無い旨の記述にトーンダウンしております。


    
Q3−2−11. 立坑のように切梁を設置しない場合も、それに代わる部材を入力する必要があるのか。(Ver.7)
A3−2−11. 本プログラムでは、掘削切ばり時における弾塑性解析を行う場合、支保工バネが必要になります。
そこで、立抗のように切ばりがない場合でも、つまり、切ばりが実在しない場合でも、この支保工バネ値を[部材-切ばり]で入力(定義)して頂く仕様としています。
切ばりが実在しない以上、切ばりを部材として入力することは、困難な話だと考えられますが、「水平バネ直接入力」を「有り」として、ご自身で想定されたバネ値を入力して頂ければ、これを用いた弾塑性解析が可能になります。水平バネを直接入力した場合は、切ばりで選択した鋼材番号などは一切無視されます。

本来ならば、腹起し材から何らかの支保工バネ値を算出できればよいのでしょうが、残念ながら、当方では、それに対応すべき知見を持ち合わせておりません。よって、設計者側にて、上記のように、支保工バネ値を何らかの方法で定義して頂き、その値を[部材-切ばり]の水平バネ値として入力して頂くことにした次第です。サンプルデータの「Shaft-1」「Shaft-2」などもご覧下さい。

P.S.
本プログラムでは、切ばりバネ(水平バネ値)を直接入力した場合は、両壁一体解析(ラーメンモデル)ができません。左右の壁を選択したとしても、両者をつなぐ切ばり部材が定義できないためです。「ヘルプ-操作方法-標準的な操作の流れ-弾塑性法両壁一体解析を行う手順」をご一読下さい。


    
Q3−2−12. 弾塑性法の計算で、支保工反力がマイナスになるのはどういう状況か。(Ver.7)
A3−2−12.
一般に、切ばりは土留め壁が掘削側に変形して、グッと押される場合は、土留め壁の変形を抑止しようとして機能します。一方、土留め壁が背面側に変形した場合は、切ばりと土留め壁の縁が切れてしまう場合が多く、切ばりは、何の役にも立たないのではないかと考えられます。
 
このように、土留め壁が背面側に変形し、切ばりが引張られる状態になった時に、反力がマイナスになります。切梁が引張状態になる場合に、縁が切れると判断される場合は、[部材-切ばり]の入力にてバネ特性を「無効」としてください。切ばりは土留め壁と一体化しているので、縁が切れずに引張り状態になったとしてもバネとして機能すると考えられる場合は「有効」とします。

 
Q3−2−13. 弾塑性法用側圧を使用した自立時の根入れ長計算は可能か。(Ver.10)
A3−2−13. 本プログラムでは、弾塑性法用側圧を使用した自立時の根入れ長計算には対応しておりません。基本的に、弾塑性法を行う場合は、掘削深さが10.0m以上と比較的深く、自立の状態で決定することはないであろうという前提で考えています。
適用基準が「仮設指針」「建築学会」などの場合は、自立時の計算は、一般にはChangの式ですので、側圧による差異は生じません(根入れ長に側圧の影響は考慮できない式)。弾塑性法用側圧を用いてあらためて計算する必要はありません。


 
Q3−2−14. 弾塑性法の解析結果において、設定した計算ピッチではない箇所に計算点ができるのは何故か。(Ver.11)
A3−2−14. 弾塑性解析結果の計算書にて、該当ケースの「(1)検討条件」の「3)側圧・地盤バネ分布表」をご確認ください。 有効主動側圧が0になる箇所など、層分割が必要になる箇所はモデルに含まなければならない点になります。

 
Q3−2−15. 撤去時ケースの弾塑性解析結果で「盛替無効」となっているが、これを有効にすることはできないか。(Ver.11)
A3−2−15. 本プログラムでは、切ばり、盛替え梁(以下、両者の事を支保工と称す)ともに、弾塑性解析上は弾性バネ支点として扱います。
一般には、支保工バネ支点は引張に対しては無効となる場合があるかと考えられます。「引張に対して無効」とは、支保工を設置した時点のその位置(架設高さ)における壁体変位より、ある架設段階でのその支保工位置における壁体変位が小さい場合にその支保工が壁体の変形を支える(圧縮)のではなく、逆に引っ張られるような状態を指します。
この時、弾塑性解析上は、支保工バネ支点を構造解析骨組みモデルから外して構造計算を行います。よって、無くなった弾性バネ支点上には、反力は発生しません。

このように、引張に対して有効とするか無効とするかについて、切梁支保工については[部材-切梁]画面の表中「バネ特性」という欄で、設定することができます。
しかしながら、盛替え支保工につきましては、プログラム内部にて引張に対しては強制的に無効としてます。

ご質問の「無効」とは、上記のように盛替え梁が引張状態になっていることを意味してます。
この事は全く役に立たない盛替え梁を設置している事を意味します。
盛替え梁を設ける位置を再考するなどの対策を講ずる必要もあるかと考えられます。

 
Q3−2−16. 弾塑性解析を解析法Tで行っているが、撤去時の盛替え支保工位置の変位が前のケースに比べて小さくなっているのに「盛替有効」となっているのはなぜか。(Ver.11)
A3−2−16. 盛替えはりが有効か無効は、直前のケースでの変位位置との比較ではなく、盛替えはりを設置した時の変位位置との比較になります。

 
Q3−2−17. 弾塑性解析結果で、ある検討ケースのみ土留め壁の先端部に弾性域が存在しないために「×」となってしまうが解決方法は?(Ver.11)
A3−2−17. 仮設指針P.95では、先端付近の地盤に弾性域が存在すればよいとしています。
一方、当方は、単に壁体先端の1格点のみを参照し、これが塑性化しておればNGとしています。
解析結果を確認いただき、例えば先端付近が何メートルにも渡り塑性化して跳ね上がるかのような変形を示しているような状態でなければ、技術者のご判断で先端付近に地盤バネがあるので問題なしということも言えるのではないかと考えます。

解析ピッチを細かくして、地盤バネのつき方をご確認の上、ご判断願いたいと思います。

どうしても、先端バネを弾性バネとしなければならないとご判断される場合については、当方でもご助言が難しい状態と思われます。

 
Q3−2−18. 弾塑性解析の計算書で、切ばりの位置の有効受動側圧の欄に値が入っているが何の値か。(Ver.11)
A3−2−18. 表の欄外に『切梁有効における有効受働側圧欄は「先行変位荷重」である。』とありますように、先行変位荷重に なります。
先行変位荷重は、前のケースの結果で印刷していますのでご確認ください。

 
Q3−2−19. 解析法Tの弾塑性解析結果で、プレロードがある場合の弾性反力の算出方法を教えてほしい。 (Ver.11)
A3−2−19. プレロードがある場合、切梁位置の弾性反力は下式で算出されます
R=δ×Ks+Ppre
 ここに、
  R:弾性反力
  δ:変位
  Ks:弾性係数(表中では地盤バネkH)
  Ppre:先行変位荷重(表中では有効受働側圧)

参考として、ヘルプの[計算理論及び照査の方法]-[弾塑性法編]-[解析法Tによる土留め壁の設計]-[地盤バネと有効側圧の制御]や[プレロード時の扱い]などもご参照ください。

 
Q3−2−20. 水平ばね定数はどのように計算に影響しているのか。(Ver.12)
A3−2−20. 解析モデル上は、盛替え支保工位置に入力したバネ定数の弾性バネが設置されます。
切ばりやアンカー支保工も弾性バネとしてモデル化されますので、解析モデル上の扱いは同様です。

 
Q3−2−21. 弾塑性法Tで偏土圧が作用するような設定にした時に計算は問題なく回るが、偏土圧が反映されているということか。
それとも、解析法Tでは偏土圧モデルは対応しておらず、解析法Uで計算する必要があるのか。
この場合、解析法TとUでは何が異なるのか。(Ver.13)
A3−2−21. 解析法Tを選択した場合に、左右壁、前後壁をペアで選択したとしても、解析自体は、単壁で行っています。
(メインウィンドウ画面左下に「弾塑性モデル 前後:単壁」と表示されます。)
偏土圧が作用する場合は左右一体ラーメンモデルで解析すべきところですが、解析法Tでは理論上それが出来ないために、個別(左右壁別々に)に 弾塑性法を行っているにすぎません。

よって、解析法Tでは、偏土圧に対応した解析になっておりませんので、解析法Uを選択してください。
解析法Uで計算すると、偏土圧が作用した両壁一体解析(仮設指針P.356「偏土圧が作用する土留めの検討例」に記載されている方法)となり ます。

 
Q3−2−22. 根入れ長の検討において
  pa:*=max(pa,pamin)
とあるが、この記述の鉄道標準で該当する箇所および内容について教えてほしい。(Ver.14)
A3−2−22. 開削標準P174の「1)砂質土の場合の主働土圧」の中に(解4.2.4-1)の一行下で、「ただし、pa≧0.3Σγti・hi」と記載している内容となります。

 
Q3−2−23. 「土留め工の設計」で、弾塑性法−解析法U・親杭切梁式で計算している。計算結果で杭の変位量が算出されているが、この変位量の計算式は?(Ver.15)
A3−2−23. 解析法Uにつきましては地盤バネに非対称のバイリニアモデルを設定している関係から、当社「Engineer’s Stdudio」のソルバーを使用しており、単純な計算式で表すことができません。
変位量の計算としては、各ステップでフレーム計算を行い、前ステップの変位を足し合せて、当該ステップの変位とする計算を行っております。
具体的には、以下の通りとなります。
1次掘削時変位量:1次掘削時のフレーム計算にて求めた変位量
2次掘削時変位量:1次掘削時変位量+2次掘削時のフレーム計算にて求めた変位量
3次掘削時変位量:2次掘削時変位量+3次掘削時のフレーム計算にて求めた変位量
文献としては、以下をご参照くださいますようお願いいたします。
「道路土工 仮設構造物工指針 平成11年3月 社団法人日本道路協会」
「建設省土木研究所:大規模土留め壁の設計に関する研究、土研資料第2553号、1988.3」

 
Q3−2−24. 弾塑性法(解析法I)で計算したが、変位や断面力、支保工反力の内部計算値などがほぼ0になってしまった。どのような原因が考えられるか。
A3−2−24. 例えば、土質種類が砂質土にもかかわらず大きな粘着力を設定している時に生じる場合があります。
弾塑性法では慣用法のように断面計算用土圧を分けておらず、弾塑性法の土圧の考え方の場合は砂質土で粘着力が大きいと主働側圧が0(実際はマイナス)になるという状況が生じます。
この時、作用力がゼロとなり、結果として変位や断面力、支保工反力などがゼロとなる場合があります。
計算書の側圧分布表などをご確認ください。

 
Q3−2−25. 切ばり支保工バネ定数の計算について、仮設構造物工指針および製品ヘルプの計算式と異なり、プログラム内の計算式では[本数]を掛ける部分で違いがあります。この本数とはなんでしょうか。また、なぜ本数をかけているのでしょうか。
A3−2−25. 本製品では、同じ切ばり設置位置に、複数段(縦並び)、または、複数重(横並び)に設置できます。
プログラムで考慮している本数とは、この同じ設置位置での本数のことです(例えば、2段の場合は本数は2)切ばり位置における切ばりの断面積は、1本当たりの断面積に、同じ切ばり位置に設置している本数を考慮しなければなりません。そのために本数を掛けております。

 
Q3−2−26. アンカー支保工の弾塑性法で検討しているが、アンカー長を長くしたら壁体応力度照査がNGとなった。
結果を見ると短い場合と比べて壁体断面力が大きくなっていたが、これはどのような理由によるものか。
(アンカー長さ以外の条件は変えていない)
A3−2−26. 弾塑性法の場合、アンカー支保工を弾性ばねとして考慮いたします。
この時、アンカー支保工のばね値は下式で算出されますが、アンカー自由長が長くなりますとばね値が小さくなるような式となっております。

支保工ばね値が小さくなるため、結果として壁体断面力が大きくなったというような状況と考えられます。

■アンカー支保工の場合
K = (Es・As)/(Lf・S) ×cos2(α)×cos2(θ)
 ここに、
  Lf:アンカー自由長 (m)
  S:アンカー間隔 (m)
  α:アンカー傾角 (度)
  θ:アンカー水平角 (度)
  Es:引張材のヤング率 (kN/m2 )
  As:引張材の断面積 (m2 )

 
Q3−2−27. 基準を変えて、親杭横矢板での受働土圧を比較した所、値が大きく異なる結果となったが、どのような理由が考えられるか。
(基準以外は全て同一条件)
A3−2−27. 土圧式自体が異なるといった場合もありますが、側面抵抗を考慮する/しないなどによっても値が変わります。
[基準値]-[設計用設定値]-[親杭の土圧作用幅]で各基準の設定を確認・変更することができます。

(関連:Q1−1−55.
 (3)印刷関連
Q3−3−1. 弾塑性解析を行った場合に撤去時の検討条件が計算書に印刷されない。(Ver.11)
A3−3−1. 弾塑性法の撤去ケースの検討条件につきましては、最終掘削時と同様です。
仮に出力しますと最終掘削時と同じ内容が撤去ケース数分出力されてしまい、計算書が必要以上に冗長となってしまいますので、現在出力しておりません。
 
Q3−3−2. 解析法Tの弾塑性解析結果の計算書で、「支保工水平反力」と「弾性反力」の違いは何か。(Ver.11)
A3−3−2. 「支保工水平反力 = 支保工位置の弾性反力」となります。
計算書では「解析結果(側圧、弾性反力、変位)」の表で支保工ばねおよび地盤ばねの弾性反力を表示し、「解析結果(断面力、変位)」の表中の「支保工水平反力」は支保工位置の弾性反力を表示しています。

 
Q3−3−3. 弾塑性解析結果のモデル図、変位図、モーメント図を横並びで印刷する事は可能か。(Ver.11)
A3−3−3. モーメント図や変位図のみを出力したい場合は、[計算確認]モードの[弾塑性法|詳細確認]を選択していただき、表示されたウィンドウより[出力]ボタンをクリックしてください。
同画面で設定されている状態で印刷することができます。

 
Q3−3−4. 解析法Uで計算した場合に各節点が弾性か塑性かはどこで確認できるか。
A3−3−4. 弾塑性法の[結果詳細]出力の「解析結果(地盤バネ値、状態)」で各格点のバネ状態を確認することができます。
また、断面力図では弾性域にあるバネが表示され、塑性化したバネは非表示となります。



 4.部材応力度照査編


 5.建築学会(平成14年、平成29年)編 

Q5−1−1.

建築学会(平成14年)の自立時の根入れ長さの計算をモーメントのつり合いによる方法のみで計算する(特性値による方法を行わない)ことは可能か。(Ver.11)
A5−1−1. [基準値-設計用設定値-慣用法]画面に、[□ 自立時の根入れ長の照査を特性値による方法のみとする]というスイッチはありますが、その逆には対応しておりません。

 
Q5−1−2. 建築学会(平成14年)の場合に親杭のβ、kH算出時の杭幅の扱いは、親杭横矢板壁なら「杭幅の扱い」、SMW壁や鋼矢板壁の場合は「連続壁の扱い」で良いか。(Ver.11)
A5−1−2. 親杭の場合でも、「連続壁の扱い」と考えられますが、設計者にてご判断下さい。
「山留め設計施工指針 2002年 社団法人 日本建築学会」P.147をご覧下さい。

 
Q5−1−3. 適用基準が建築学会(平成14年)だが、設計用設定値の[安全率]−[壁体の剛性検討時の許容変位量]はどの計算に使用されるのか。(Ver.11)
A5−1−3. 建築学会(平成14年)の場合、剛性検討は行いませんので使用いたしません。

 
Q5−1−4. 建築学会(平成14年)で地表面位置の有効上載圧にしか上載荷重が考慮されていないのは何故か。(Ver.11)
A5−1−4. 製品ヘルプの[計算理論及び照査の方法]−[建築学会平成14年編]−[背面側(主働)の側圧]をご参照ください。
[基準値]メニュー−[設計用設定値]−[慣用法]にて、[背面側主働土圧式]が「側圧係数法」となっている場合は、同ヘルプの「側圧係数法」の「【留意点1】上載荷重の扱い」となります。

 
Q5−1−5. 建築学会(平成29年)では、累計変位が計算されるが、これを計算(出力)しないという設定はできるか。
A5−1−5. 可能です(Ver.15.3.2以降)。
[基準値]-[設計用設定値]-[慣用法]画面より、基準を「建築学会(平成29年)」とし、画面内の入力「累計変位を計算しない」フラグをONにして下さい。

 
Q5−1−6. 建築学会の場合、地層データの水平地盤バネkHの推奨値はどのように算出しているのか。
仮設指針などの場合の変形係数αE0=2800Nの換算式のように、指針に記載があれば該当箇所も含めて教えてほしい。
A5−1−6. 「山留め設計指針」(2017年)のp.156(「山留め設計施工指針」(2002年)ではp.135)に「水平地盤反力係数の推奨範囲」が記載されており、本製品ではこれを元に推奨値をセットしております。
なお、この推奨値は変形係数αE0=2800Nの換算式のように明確な式としての記載ではなく、上限、下限、平均などの範囲が砂質土、粘性土についてそれぞれグラフとして記載されております。
本製品ではこのグラフに従った換算式により推奨値を算出しておりますが、[基準値]-[設計用設定値]-[慣用法]画面より換算式の係数を変更できるようにしております。

 
Q5−1−7. 側圧係数法の係数は変更できるか。
A5−1−7. 可能です。
[基準値]-[設計用設定値]-[断面計算用土圧]画面にあります、「建築学会側圧係数法」で変更してください。



 6.支持力編 

Q6−1−1.

ウォータージェット併用油圧圧入工法による先端処理の検討を行う方法はあるか。(Ver.6)
A6−1−1. ウォータージェット併用油圧圧入工法という直接の選択肢はございませんが、以下の方法で対処が可能かと思います。

1.先端処理の方法を「仮設構造物工指針」の表2-9-1(P70)より決定していただく。
2.[基準値]メニュー−[設計用設定値]−[支持力係数]より、「1.」で決定した施工方法のβ値を0.5(仮設構造物工指針のP71より)とする。

計算書には選択された施工方法が印刷されますが、必要に応じて印刷プレビュー画面のソース編集モード(詳細は印刷プレビュー画面のヘルプをご参照ください)などで変更してくださいますようお願い申し上げます。

※土留め工の設計Ver.7では、β値を直接入力する機能を用意しています。
 
Q6−1−2. 良質層とみなすN値の下限値の値について、何か参考資料があるか。(Ver.9)
A6−1−2. 仮設指針P.71下から6行目からの記述で、杭先端は良質な層へ2mを根入れさせることが望ましいとあります。この良質層を定義するためにN値を入 力して頂いています。
製品ヘルプの[計算理論及び照査の方法]−[支持力編]−[仮設指針、首都高速(平成15年)]にあります、「qd:土留め壁先端地盤の極限支持力度 」の説明(「こちら」のリンク先)もご参照ください。

なお、良質な層のN値につきましては、仮設指針などの文献には特に明記されておらず、設計者の判断に委ねられているものと思われます。N値と しては、20〜30以上あれば、十分に良質な地盤ではないかと思われますが、近傍の設計図書などの資料を参考に、決定して頂きたいと思います。
 
Q6−1−3. 仮設指針のP.66にあるような鋼矢板に覆工受桁を取り付けた場合の分担を考慮した鉛直荷重を考慮したい。(Ver.12)
A6−1−3. 本プログラムでは、鋼矢板の時は単位幅(1.00m)で極限支持力の計算を行うようにしていますので、入力の[荷重|土留め壁に作用する鉛直荷重]にて記載に見合った単位幅当たりの鉛直荷重を入力いただくことになります。

 
Q6−1−4. 支持力係数を変更することはできるか。
A6−1−4. メイン画面上部の[基準値]-[設計用設定値]-[支持力係数]画面で各基準ごとに変更が可能です。



 7.底面安定編 

Q7−1−1.

ヒービングの検討における「検討開始半径」「検討終了半径」とは何か。「検討開始半径」で安全率を満たしているようだが。
A7−1−1. 検討開始位置(半径)は、
・土留め壁の剛性が十分高いとみなす場合:最下段切梁位置から決定壁体長先端までの距離
・土留め壁の剛性が高くない場合:最下段切梁位置から最終掘削底面直下までの距離
ということになります。土留め壁の剛性が十分高い場合は、壁体を貫通するようなすべり円は存在しないという考え方です。
検討終了位置(半径)は、検討可能なすべり円の最大半径で、基本的には、最下段切梁位置から入力して頂いた地層の最下層の下層位置直上までの距離という事になります。

以上、本プログラムでは、検討開始位置から検討終了位置までのすべり円について照査を行い、安全率が最小となる位置について結果を提示します。

検討結果が開始半径で判定されているという事は、たまたま、開始半径の安全率が最小安全率であったという事を意味しています。


    
Q7−1−2. 設計要領第二集に則りボイリングの検討を行うとき、どの計算式を採用したらよいか?(Ver.5)
A7−1−2. 設計要領第二集(平成18年)に記載されているボイリングの照査方法は、「Terzaghiの方法」と同一ですのでこちらでご検討くださいますようお願い致します。

    
Q7−1−3. ヒービングの検討結果がOUTのため掘削側だけを地盤改良したいとき、掘削側と背面側で土質定数を変えることはできるか?(Ver.5)
A7−1−3. 可能です。
地層データに[背面側][掘削側]がありますので、こちらで、別々の条件を設定できます。
ただし、ヒービングの考え方の中で、仮設指針、首都高速・道路公団などは、地層データを参照致しません。よって、この場合は、対応できませんのでご注意下さい。


   
Q7−1−4. 「掘削底面の安定」−「ヒービング」の「土留壁の剛性は十分高いとみなす いいえ/はい」の判断基準は?(Ver.5)
A7−1−4. 文献(出典)は特にありません。
ヒービング防止策の1つとして、仮設指針P.85では、土留め壁の根入れと剛性を増す方法が提示されています。逆に言うと、剛性が小さい場合は、土留め壁に関係なくその現象が発生するという解釈もできるものと判断した次第です。
なにを持って、剛性を高いと評価するかにつきましては、設計者のご判断にてお願いしたいと考えております。

なおヒービングの照査は、安全率が最も低い(悪い)状態を検討します。本プログラムでは、その検討範囲を以下のように設定できます(設定しています)。
■土留め壁の剛性は十分高いとみなすが「はい」の場合
必要根入れ長検討時:掘削底面から入力地層最下端までで、最も浅い位置で安全率を満足する長さを検索する。
決定根入れ長検討時:決定した根入れ長下端から入力地層最下端までで一番安全率の低い位置を照査する。
■土留め壁の剛性は十分高いとみなすが「いいえ」の場合
必要根入れ長検討時:検討せず。
決定根入れ長検討時:掘削底面から入力地層最下端までで一番安全率の低い位置を照査する。
※剛性が高い場合は、土留め壁の範囲ではヒービングは生じないものとしています。
※上記の「入力地層最下端」は、「□すべり円半径の最大値を掘削幅とする」がOFFの場合で、ONの場合は、最下段切梁位置(円中心)から掘削幅(半径)までの深さになります。


   
Q7−1−5. ボイリングの計算において、水位以下の土の単位重量が水中重量になっていないのは誤りではないか。(Ver.6
A7−1−5. 本プログラムは、仮設指針P.79のγ’の説明に準じています。
こちらには、湿潤重量から水重量を差し引くと記載されています。


   
Q7−1−6. 安定数の検討で判定がNGのとき、ヒービングの検討が行われない。(Ver.7)
A7−1−6. ヒービングの検討は、大きく分けて、
(1)安定数の検討
(2)ヒービングの検討
に分けられます。
基本的には、(1)がNGの場合に(2)を照査するという流れになります。
ただし、適用基準に鉄道標準を選択している場合、本プログラムでは、(1)のみの照査になります。
(2)の照査を行うためには、鉄道以外の、例えば、「仮設指針の方法」や「建築学会修正式の方法」に検討を方法を変更してください。


   
Q7−1−7. 安定数Nbを算出する際に土の単位体積重量はどのような取り扱いをしているのか。(Ver.7)
A7−1−7.
当方では、土の水中単位体積重量は、基本的に、
γ’(水中単位体積重量)=γsat(飽和単位体積重量)−γw(水の単位体積重量)
と考えています。
しかしながら、仮設指針p.79では、
γ’(水中単位体積重量)=γt(単位体積重量)−γw(水の単位体積重量)
と定義しています。

このように、土の単位体積重量の扱いは、何が正しいということ理解するのが難しいと考えられます。
そこで、本プログラムでは、水の単位体積重量を、土水圧計算用に使用するγwと仮設指針p.79の掘削底面の安定計算に使用するγwを個別に入力する事で、ある程度、設計者のご判断を反映できるように配慮しています。[基準値|設計用設定値|水の重量]をご覧ください。

あくまでも限定的な処理になりますが、ヒービングの照査で、水以下の土の単位体積重量を、湿潤重量として扱いたい場合は、前述の画面で「静水圧以外(掘削底面の安定)」の単位体積重量を9.0kN/m3とすることで対処できると考えられます。

 
Q7−1−8. 仮設指針の方法によるヒービングの安定数の検討で、結果がOKとなってしまうがヒービングの検討結果を確認したい。(Ver.11)
A7−1−8. 判定がNGになるように安定数の許容値を変更いただくか、掘削底面直下に安定数の結果がNGになるような粘着力を設定した薄い粘性土層を設けてみてください。

 
Q7−1−9. 仮設指針によるヒービングの検討で、[深さ方向の粘着力増分 a]の初期値は「2.0」だが、仮設指針P.84では「0.2」と記載されている。(Ver.11)
A7−1−9. 平成11年5月に仮設構造物工指針の正誤表が公開されており、そちらで「a=0.2としてよいが」という記載が「a=2kN/m3としてよいが」に変更されています。
それ以降に発行された指針については記載が直されておりますが、ご覧になっている指針は変更前のものだと推察いたします。

 
Q7−1−10. 盤ぶくれ(荷重バランス法)の入力で、入力の「掘削底面から難透水層上端までの距離 h1」と「難透水層の層厚 h2」の合計値が同じであれば結果が全て同一となるが、このような入力としている理由は?(Ver.12)
A7−1−10. 本プログラムでは掘削底面から難透水層の下面までを地層データから抽出して土かぶり荷重を算出していますので、入力としては難透水層の下面位置があれば計算は可能です。
「掘削底面から難透水層下端までの距離」という項目のみが入力や計算書にある場合と「掘削底面から難透水層上端までの距離」と「難透水層の層厚」がある場合を比較検討いたしまして、基準の記載なども考慮して現在のようにしております。

 
Q7−1−11. パイピングの入力項目である「背面側の控除すべき礫層長」には何を入力すれば良いか。(Ver.12)
A7−1−11. 仮設構造物工指針のP.82に記載があります、「背面地盤に礫層のような透水性の大きな地層がある場合」の地層の層厚を入力してください。

 
Q7−1−12. 土工指針P.84にある式(2-9-18)でヒービングの検討ができるか。(Ver.12)
A7−1−12. ヒービングの検討において、検討方法を[仮設指針の方法]として、「深さ方向の粘着力増分a」を0として下さい。
式(2-9-18)はヒービングの検討において「掘削底面下かなりの深さまで粘着力が一定と考えられる場合」の式なので、粘着力増分aを0とすることで等価な計算になると考えられます。

 
Q7−1−13. 自立式の場合に道路公団の考え方でヒービングの検討ができないのはなぜか。(Ver.12)
A7−1−13. 仮想支持点と計算結果を比較している関係で自立式の場合は検討不可としています。

 
Q7−1−14. ヒービングの検討において、自立時の場合、すべり円の中心を掘削深さとしているようだが、基準等に記載はあるか。(Ver.13)
A7−1−14. 自立時の中心位置は仮設指針には記載がありませんが、建築学会の「山留め設計施工指針」で掘削底面位置となっており、本製品では他の基準でもそのようになっております。

 
Q7−1−15. 盤ぶくれの計算において、「改良体の決定厚さ」について掘削深さに対して、「最小必要厚さtb(m)」が変化することの根拠となる出典は?(Ver.13)
A7−1−15. (社)日本グラウト協会による薬液注入工設計資料に基づいています。
なお、本値につきましては、[基準値]-[設計用設定値]-[最小改良範囲]で変更することができます。
 
Q7−1−16. 道路公団のヒービングの計算式について、√内の数値が4aとなっているが、同指針では2aであるので間違いではないか。(Ver.13)
A7−1−16. 最小安全率を与える可能すべり深さxoの式ですが、
 ■設計要領第2集 日本道路公団 H10.7 P.11-51
 xo=√((ah^2+2bh)/4a)
 ■設計要領第2集 橋梁建設編 NEXCO H26.7 P.12-59
 xo=√((ah^2+2bh)/2a)
となっています。
つまり、/4a と /2a ということで記載が異なっています。
しかしながら、いずれの要領にもc=0.5z (zは地表面からの深さ)の時は、xo=0.5hであると記載しています。
粘着力はc=az+bで表わしていますので、c=0.5zとは、a=0.5、b=0の粘着力になります。
このa=0.5、b=0.0を上記のxoの式に代入すると、
 ■設計要領第2集 日本道路公団 H10.7 P.11-51
 xo=√((0.5h^2)/4*0.5)=√(h^2)/4)=0.5h
 ■設計要領第2集 橋梁建設編 NEXCO H26.7 P.12-59
 xo=√((0.5h^2)/2*0.5)=√(0.5)h
となりxo=√((ah^2+2bh)/4a)が正しいと考えられます。
※NEXCO総研に問合せた結果、「4aが正しい」との回答があり、次回要領改訂時(H28?)に修正するとのようです。

 
Q7−1−17. ヒービングの検討で用いる粘着力について教えてほしい。地層データから内部計算されているのか。それとも[掘削底面]-[ヒービング]画面で設定した粘着力が優先されるのか。(Ver.15)
A7−1−17. ヒービングの検討は、大きく分けて、
(1)安定数の検討
(2)ヒービングの検討
に分けられます。

粘着力の扱いにつきましては、以下のような扱いになります。

(1)安定数の検討
 地層データから内部計算(掘削底面直下(掘削側)の層の上端の粘着力)
(2)ヒービングの検討
 [掘削底面]-[ヒービング]画面の入力値(現地盤面の粘着力)

 
Q7−1−18. ヒービングの検討における必要根入れ長が計算される場合とされない場合があるが、どのような条件によるのか。
A7−1−18. [掘削底面]画面の[ヒービング]タブ内の入力の「土留め壁の剛性は十分高いとみなす」が「はい」の場合に必要根入れ長が計算されます。
(「土留め壁の剛性は十分高いとみなす」は検討方法が仮設指針や建築学会の場合に表示されます)

(関連:Q7-1-4)



 8.法面の影響編

Q8−1−1.

背面側に盛土があるので、通常の上載荷重とは別にこの盛土の影響を考慮したいが、そのような設定はできるか。
(自分で上載荷重に換算するのではなく、形状などを入力したい)
A8−1−1. [考え方]-[照査項目]より「法面の影響による上載荷重の計算を行う」にチェックを入れてください。
上記のチェックがONの時、メインメニューの[法面の影響]が有効になりますので、形状などの設定はそちらで行ってください。

計算上の扱いとしては、法面の影響は上載荷重に換算されますが、通常の上載荷重とは別に載荷されます。
つまり、通常の上載荷重を設定している場合は法面の影響による換算荷重と同時に作用します。
(関連:Q1-1-12)
 
Q8−1−2. 法面の影響による上載荷重を計算する時、掘削深さを開始位置とする主働すべり面によるモデルで換算しているようだが、検討ケースが複数ある場合に主働すべり面の開始位置を最終掘削深さではなく各掘削時の深さで計算することはできるか。
A8−1−2. 可能です。
[法面の影響]画面の「計算対象モデル」の入力で切り替えることができます。
また、主働すべり面の開始位置を掘削深さによらず直接指定する場合は、同画面の[主働すべり面開始位置]を「直接入力」として、すべり面の開始位置を入力してください。


 
Q8−1−3. 法面の影響範囲について、デフォルトでは掘削深さを開始位置とする主働すべり面によるモデルとなっているが、すべり面の開始位置を仮想支持深さや壁体先端にすることはできるか。
A8−1−3. 主働すべり面の開始位置については任意に設定することができます。
[法面の影響]画面にある「主働すべり面の開始位置」を「直接入力」として、「開始位置G.L.」を設定して下さい。
(初期設定では「掘削深さ」となっております)

また、各掘削ケースごとにそれぞれ開始位置を変更したい場合は、同画面の上部にあります計算対象モデルを「各掘削時」にして下さい。
同画面内で各掘削ケースごとにすべり面の開始位置が直接入力可能となりますので、合わせて設定して下さい。



 9.切ばり支保工編
 (1)入力関連

Q9−1−1.

道路土工の仮設構造物工指針P50の(2-6-1)式にはσbagyの値は強軸まわりの許容曲げ圧縮応力度とあるが、打ち出しを見ると弱軸になっていると思われる。
A9−1−1. 仮設構造物工指針のP50にありますように、軸方向圧縮力と曲げモーメントを同時に受ける部材の照査に関しましては、『道路橋示方書・同解説U鋼橋編』の規定に準じることになっております。
その『道路橋示方書・同解説U鋼橋編』P.171の中段には、「なお、本文でいう強軸(y軸)、弱軸(z軸)は、その軸のまわりの座屈強度の大きい方を強軸と定義している。したがって、強軸、弱軸の決定とは、断面形状のほか各軸の支持点間距離も関係することに注意する必要がある」と記述されております。
このように、道路橋示方書の座屈照査式では、強軸・弱軸とは断面そのものの強軸・弱軸方向ではなく、細長比L/rの大きな方の軸回りが弱軸となります。

例えばZ軸が弱軸となる場合、座屈が生ずる方向は曲げ作用方向に対して直角方向、すなわち、曲げ作用面外方向になります。つまり、腹起し材は、水平面内(曲げ作用面内方向=強軸)に対して、鉛直面方向(Z軸=弱軸)に横倒れ座屈が発生するという事になります。

横倒れ座屈が発生するという事は、σbagyに対する照査が必要になります(σbaoの項は消えます)。この場合のフランジ固定間距離は、当然、曲げ作用面外方向の座屈スパンになります。

そもそもσbagyの解説に「強軸まわりの許容曲げ圧縮応力度」と記載していますが、表2-6-1の許容曲げ圧縮応力度の考え方自体、断面の強軸回りを前提とした許容応力度算定式です。
軸方向圧縮応力度のように、r(断面二次半径)というような断面軸に関係する要素が含まれていない事からもご理解頂けると思います。
余談ですが、強いて「弱軸回りの許容曲げ圧縮応力度」という事になりますと、σbaoに対する照査ということになり、σbagyの項は関係なくなります。

重ねて申し上げますと、σbagyとは、「強軸まわりの許容曲げ圧縮応力度」ではありますが、あくまでも横倒れ座屈照査時の許容応力度を意味しており、その場合の、フランジ固定間距離は、横倒れする方向が拘束されるスパンです。腹起し材に関しては、曲げ作用面外方向の座屈スパンになります。


 
Q9−1−2. 計算時に下記エラーメッセージが表示された。この中の「L/b>30」とは何の規定によるものか。
「切ばり第1部材の検討でエラーが発生しました。座屈照査時の曲げ圧縮応力度算定でL/b>30となっています。」
A9−1−2. 許容曲げ圧縮応力度算定時のL/bにおけるLはフランジの固定間距離で、bはフランジ幅をあらわしています。
仮設構造物工指針をお持ちでしたらP47をご参照ください。(道路橋示方書・同解説U鋼橋編の許容応力度の部分でも構いません)
こちらにはL/bが30を超える場合に関しての記載がありませんので、当方では30を超える設計は好ましくないと考えてエラーとしております。


 
Q9−1−3. 「支保工バネ特性」について、ヘルプ解説で“引張バネとして働く場合には基本的に「有効」”としている理由は?
A9−1−3. 一般的には、切ばりが引張り状態になることは殆どないであろうというで、「基本的には「有効」として評価して頂いてよいと考えられますが」としています。
反力結果を見て、引張りが発生している場合は、状況に応じて、無効というスイッチに変更する必要があるものと考えられます。


    
Q9−1−4. 支保工の軸力分担幅、曲げスパン、座屈スパンはどこで入力するのか。
A9−1−4. 計算途中に表示されます[切ばり支保工の設計条件]ダイアログにて変更可能です。
採用値欄の設計条件で支保工の設計計算を行います。表中の確認したい行にマウス操作でカーソルを移動し、クリックすると指定の行が青色反転します。同時に、画面右側の説明図において、選択された支保工設計箇所を図示します。その状態で、編集もしくはダブルクリックで、条件の入力画面に切り替わります。

※Ver.15以降で採用値の自動更新設定がONの場合は編集できません。編集可能とする場合は以下の関連トピックをご覧ください。
(関連:Q1-2-7)

 
Q9−1−5. 火打ちの取付け角度として既定値(30,45,60度)以外を使用したいが可能か。(Ver.11)
A9−1−5. 一連設計では検討できませんので、単独設計にて対応をお願いします。

 
Q9−1−6. 腹起しの曲げスパンの内部計算値に、火打ち間が考慮されていないようだ。(Ver.11)
A9−1−6. 本プログラムでは、[ヘルプ-計算理論及び照査の方法-切ばり支保工編-一連設計の考え方-腹起しの設計スパン]の「曲げスパンの基本的な求め方」に記載の通り、
■ 切ばり間曲げスパン
■ 直交する腹起しと切ばり間曲げスパン
■ 直交する腹起し間の曲げスパン(切ばりが無い場合)
の3パターンについて、最大スパンを検索する仕様、仕組みになっています。
よって、誠に申し訳ありませんが、隅火打ち間で腹起しスパンが最大になることは想定しておりません。

本プログラムでは、形状決定後に、切ばり支保工設計条件ダイアログにて設計条件を変更することが可能です。具体的には、
@[腹起し]ボタンを押す
A採用値欄から、対象となる箇所を選択後(青色反転)、編集ボタンを押す
B腹起し設計条件ダイアログにて、各種のスパンを変更する
という手順となります。
お手数をおかけ致しますが、内部計算値以外の条件で設計を行わざるを得ない場合は、こちらの編集機能にて、ご対処願いたいと考えています。

 
Q9−1−7. 切ばり火打ちと隅火打ちの鋼材長は何に関係するのか。(Ver.11)
A9−1−7. 火打ち計算時の座屈スパンになります。

 
Q9−1−8. 中間杭の座屈スパンはどこで設定するのか。(Ver.12)
A9−1−8. 計算途中に表示される[切ばり支保工の設計条件]画面にて変更可能です。

 
Q9−1−9. 切梁火打ちを下記のとおり設置して検討したいが可能か。可能であればどのように設定すればよいか。(Ver.13)
1段目:隅火打ちのみ(多重)
2段目:切梁のみ
A9−1−9. 段ごとに切梁の有無を指定することはできません。
よって、申し訳ありませんが、ご質問の状態(切梁の配置が各段で異なる)には対応できません。
なお、火打ち、隅火打ちについては、その有無の指定を行うことはできるようになっています。

 
Q9−1−10. 親杭横矢板で腹起しの設計を行う場合、腹起しには親杭からの集中荷重を作用させて断面力を求めているが、鋼矢板などと同様に等分布荷重で考えることはできないか。
A9−1−10. 可能です。
[考え方]-[照査項目]画面に「支保工反力を集中荷重として載荷する」という入力がありますので、本入力をOFFにして下さい。
 
Q9−1−11. 鉄道標準において、腹起しの曲げモーメントおよびせん断力は、通常の式に加えて
「切ばりと腹起しの間に火打ちが用いられる場合には、切ばりと火打ちは同じ断面の部材を用いる条件で...」
という記載と共に別の式が記載されている。
こちらの式を使用して検討することはできるか。
A9−1−11. 可能です。
鉄道標準の場合は以下で切り替えることができます。
(ただし、親杭横矢板は除きます)

(1)計算実行後に表示される[切ばり支保工の設計条件]画面を開く
(2)[腹起しの設計条件]編集画面を開き「火打ちが設けられる場合の方法で断面力を算定する」のスイッチで式が切り替わる
 OFF:通常の式(デフォルト値)
 ON:M = (w・L^2) / 40, S = 3/10・w・L

鉄道標準記載の
「切ばりと腹起しの間に火打ちが用いられる場合には、切ばりと火打ちは同じ断面の部材を用いる条件で...」 の式を用いる場合は上記のスイッチをONにしてください。
 (2)計算関連

Q9−2−1.

腹起しの計算で、面内と面外の座屈スパンが異なるのはなぜか。
A9−2−1. 火打ち材が設置されている場合は、曲げスパン、面内座屈スパンはご指摘の通り、仮設指針(仮設計画ガイドブック(T)も同様です)に準じて算定しますが、面外座屈スパンについては、この火打ち材が高さ(上下)方向の挙動に対しては有効に機能しない、すなわち、隅火打ち材は腹起し材の面外方向の変形に追従する形で変位すると考え、拘束能力は無いものとして無視します。よって、この面内方向と面外方向で設計スパンが変わってきます。

 
Q9−2−2. 支保工の検討で、自動計算されるスパン長が、仮設構造物工指針に沿っていないのはなぜか。
A9−2−2. ご指摘の、仮設構造物工指針P123、表左上の「A端腹起し」「B端腹起し」については、確かに、仮設指針では腹起し内側間隔になっています。実際に設置されている切ばりの状態を考えれば、図の通りであると考えられますが、本プログラムでは、支保工を設計する際のスパン計算用軸線モデルは、全て、腹起し材の中心線としております。こうする事で、安全側への設計を考慮できると判断したからです。
しかしながら、お客様のご判断のように、仮設指針の記載内容に忠実に検討すべきであるとのご意見も理解できますし、当方の処理が正しいと強要するつもりも毛頭ございません。
大変申し訳ございませんが、本プログラムの内部計算値と異なる条件でご検討する必要が生じた場合には、計算途中に表示される[切ばり支保工の設計条件]ダイアログにてご希望のスパンに変更していただきますようお願いいたします。
具体的には、
(1)画面上の切梁ボタンを押して、切梁の設計条件一覧表画面に切り替える。
(2)採用値欄の編集すべき切梁を1段マウスで選択し、青色反転した状態で、編集ボタンを押すか、ダブルクリックする。
(3)「切ばり設計条件」画面に切り替わりますので、こちらで、条件を直接編集して下さい。
以上、お手数ですが、ご対処下さい。


 
Q9−2−3. 切ばりが無いにも関わらず計算結果が出力されている。
A9−2−3. おそらく一度切ばりのあるデータを作成し、そのデータにて切ばりをなくしたものと思われます。
その場合には、計算実行後に表示されます[切ばり支保工の設計条件]ダイアログにて、[全内部計算値採用]ボタンをクリックしていただきますようお願い致します。


     
Q9−2−4. 面外座屈スパンの計算で火打ちが考慮されない理由は?(Ver.5)
A9−2−4. 本プログラムでは、面外座屈スパンについては隅火打ち材が高さ(上下)方向の挙動に対しては有効に機能しない、すなわち、隅火打ち材は腹起し材の面外方向の変形に追従する形で変位すると考え、拘束能力は無いものとして無視します。
これは、何らかの文献に基づくものではなく、当方のこれまでの経験から内部計算値としてはそのようにしておりますことをご理解ください。
最終的には設計者のご判断で、計算途中に表示されます[切ばり支保工の設計条件]ダイアログにて、スパンを変更するなどの対処をお願いしたいと考えています。


 
Q9−2−5. 腹起しの合成応力度の計算は行われないのか。(Ver.6)
A9−2−5. 合成応力度の検討は行っておりません。
本プログラムでは、ご質問の計算部分につきましては「トンネル標準示方書(開削編)に基づいた仮設構造物の設計計算例(平成5年6月)土木学会」にしたがって行っております。この文献では、水平方向と鉛直方向の荷重について各々計算します。


     
Q9−2−6. 腹起しを片持ち梁として計算することはできるか。(Ver.6)
A9−2−6. 計算できません。本プログラムでは、単純梁の計算のみの扱いとなっております。


     
Q9−2−7. 中間杭の作用鉛直力N4に300kNを指定したにも関わらず、0kNで計算されている。(Ver.6)
A9−2−7. 恐らく、N4=0kNで一度検討したデータに対して、N4=300kNを入力したものと考えられます。
この場合は、計算実行後に表示される[切梁支保工の設計条件]画面にて、

(1)中間杭の条件のみ更新したい場合
中間杭ボタンを押して、中間杭の設計条件画面に切り替えた上で、画面左下にある[採用値を更新]ボタンを押して、入力データを中間杭の設計条件に反映させる必要があります。

(2)全ての支保工に関するデータを更新したい場合
画面下にあります[全内部計算値採用]ボタンを押してください。

の処理を実行して下さい。

本プログラムでは、上記の手続きを省略された場合は、過去に計算された支保工の設計条件がそのまま入力データ扱いとなり、現在の設計条件(内部計算値)が、反映されませんので、ご注意下さい。


 
Q9−2−8. 親杭横矢板壁で腹起しに作用する荷重を親杭1本ずつからの集中荷重として載荷する場合の荷重個数の算定方法を教えてほしい。(Ver.11)
A9−2−8. 親杭横矢板の場合は、支保工反力が親杭から腹起しに伝わる集中荷重となります。 軸力算出時は軸力分担幅に集中荷重が親杭間隔でいくつ載荷するかを計算します。 例えば、軸力分担幅が4.0mで親杭間隔が1.5mの場合、集中荷重は3個載ることになります。 同様に曲げモーメント算出時はスパンの中央に集中荷重が載荷した場合に載荷可能な荷重個数、せん断力算出時はスパンの左端に集中荷重が載荷した場合に載荷可能な荷重個数となります。 『土木工事仮設計画ガイドブック(T)』(全日本建設技術協会)をお持ちでしたら、切梁式親杭横矢板土留工の設計計算例に考え方が掲載されていますのでご参照ください。

 
Q9−2−9. 腹起しおよび切ばりの座屈計算において、設計要領第二集で計算する場合に仮設指針などち違って常に面内方向と面外方向を計算するのはなぜか。(Ver.11)
A9−2−9. 古い資料になりますが「仮設構造物設計例集」(昭和54年3月 日本道路公団)の設計例において面内と面外座屈の両方を個別に行っていることに依ります。
当時から設計要領も幾度か改訂されておりますが、この点については変更なしと判断しています。

 
Q9−2−10. 隅火打ちが30度または60度の場合の腹起しの曲げスパンの算定方法が仮設指針に明記されていないが、何を根拠に算定しているか。(Ver.11)
A9−2−10. 仮設指針には明記されておりませんが、プログラムでは、切ばり火打ちと同様と考えて腹起しの曲げスパンを算定しておリます。
これに拠りがたい場合には、計算途中の[切ばり支保工の設計条件]画面にてお考えのスパンに変更いただきますようお願いいたします。

 
Q9−2−11. 中間杭の支持力の検討で、周面摩擦力度の計算値が0になってしまう。(Ver.12)
A9−2−11. 仮設構造物工指針(P.68)に、「N≦2の軟弱層では信頼性が乏しいので原則として周面摩擦抵抗を考慮してはならない。」と記載されています。
周面摩擦力度の計算値が0となってしまう層がこれに該当しないかをご確認ください。
該当する場合で、周面摩擦抵抗を考慮したい場合には、[部材|中間杭]の「最大周面摩擦力度算定時に層を軟弱層と見なすN値の上限値」を0.0としていただき、該当地層のN値に0より大きい値をご入力ください。

なお、N値が0.0の場合は注意が必要です。
上限値を2.0とした場合はN値が2.0以下の層を軟弱層とみなし周面摩擦抵抗を考慮しないこととなり、0.0とした場合はN値が0.0以下(N値マイナスはないので、実際は0.0)の層の周面摩擦抵抗を考慮しないということとなります。
つまり、N値が0.0の場合は上限値を0.0としても軟弱層と見なされ、常に周面摩擦抵抗を考慮しないことになります。

この場合、現状では以下のいずれかの対処方法をお試しください。
(1)現在N値が0.0となっている層を0.1とする
(2)[部材]-[中間杭]画面の「粘性層の周面摩擦力を常に考慮する」をONにする(Ver.17より)

 
Q9−2−12. 腹起しの曲げモーメントの式について、1/10wL^2を用いる場合とはどのような条件の時か。(Ver.13)
A9−2−12. (1/10)wL^2は、
・鉄道構造物等設計標準・同解説 開削トンネル 平成13年3月 財団法人 鉄道総合技術研究所(以下、「鉄道標準」と略します)
・軽量鋼矢板設計施工マニュアル 軽量鋼矢板技術協会
などに記載がありました。
両基準とも、三径間連続梁として設計する場合という記載がありましたので、腹起しの設置状態として連続梁として扱える場合には、(1/10)wL^2で取り扱ってもよいのではないかと考えられます。

 
Q9−2−13. 腹起しの計算スパンで仮設指針p.118の図2-10-5内に記載がある「(隅火打ちの)端部に油圧ジャッキを入れゆるみをとった場合」のスパンは内部計算できるか
A9−2−13. [部材]-[隅火打ち]画面にある「火打ちに油圧ジャッキを考慮する」の入力をONとして下さい。

 
Q9−2−14. 腹起しは同位置に多段や多重の配置ができるが、支保工の設計にはどのように影響するのか。
A9−2−14. 通常の内部計算値としては、支保工反力を同位置にある本数で割った値を設計反力とします。そのため1本に作用する荷重が軽減されるとお考えください。

例)
・3段1重(3本)
 設計反力 = 支保工反力 / 3
・2段2重(2×2 = 4本)
 設計反力 = 支保工反力 / 4


 
Q9−2−15. 中間杭の設計で切ばり座屈にともなう鉛直力を1/50しているのはなぜか。
A9−2−15. 仮設指針の以下の記載に準じ、1/50(2%)としております。

仮設指針p125 2-10-6中間杭の設計
「切ばりの強軸まわりの座屈の抑制によって生じる中間杭の軸方向力は、切ばりに作用する全軸方向力の2%程度としてよい」



 10.アンカー支保工編
 (1)入力関連

Q10−1−1.

除去式アンカーの計算における「許容引張力の低減率:通常10」は何の文献をもとにしたものか。
A10−1−1. 「グラウンドアンカー工法設計施工指針−グラウンドアンカー技術協会編」(森北出版株式会社)のP324にて、1組のPC鋼より線の許容引張荷重が20,000kg(200kN)であること、および許容引張力を規格引張荷重の55%に低減する(仮設アンカーが65%ですので、10%の低減{正確には15%余りとなります}になります)ことが記載されております。

 
Q10−1−2. PC鋼より線の見掛けの周長はどこで変更するのか。
A10−1−2. 基準値-鋼材-アンカ-引張材にて、引張材の各種数値を変更する仕組みになっています。

【直径d】
引張材の見かけの直径を設定します。本プログラムでは、トンネル標準示方書(開削編)に基づいた仮設構造物の設計計算例 平成5年6月 土木学会P.79で記載している「VSLアンカー工法 設計・施工指針(案)1990年6月(VSL協会編)」より提示の見掛けの周長と直径を参考に初期値を設定しています。具体的には、アンカーφ=12.7mmに対して、
3本:d=2.48cm:U=7.80cm:算定式d=(3+π)φ/π
4本:d=2.89cm:U=9.07cm:算定式d=(4+π)φ/π
5本:d=3.29cm:U=10.34cm:算定式d=(5+π)φ/π
6本:d=3.70cm:U=11.61cm:算定式d=(6+π)φ/π
7本:d=3.70cm:U=11.61cm:算定式d=(6+π)φ/π
8本:d=4.10cm:U=12.88cm:算定式d=(7+π)φ/π
9本:d=4.50cm:U=14.15cm:算定式d=(8+π)φ/π
が示されています。なお、U=πdです。


 
Q10−1−3. ブラケットのタイプ1とタイプ2の違いは?
A10−1−3. 少し分かりづらいと思いますが、以下の違いとなります。

タイプ1は、ブラケットの水平材に斜材の山形鋼の背側が貼りつく形状です。
ブラケットを正面から見たときに、水平材の山形 「 に対して、斜材の山形が L の形に見えるタイプです(「+Lの形)。

タイプ2は、ブラケットの水平材に斜材の山形鋼の腹側が貼りつく形状です。
ブラケットを正面から見たときに、水平材の山形 「 に対して、斜材の山形が 」 の形に見えるタイプです(「+」の形)。


 
Q10−1−4. プレロード量はどの程度の値を入力したらよいか。(Ver.6)
A10−1−4. 簡単な方法としては、慣用法から得られる反力の50〜80%程度をプレロード量にするケースがあるようです。
また、トンネル標準示方書の計算例P.73では、1/2分割法の90%としています。
反力は単位幅で算出されていますので、アンカー間隔を掛け算して、アンカー1本当たりのプレロード量に置き換えて、[部材-アンカー]画面で入力して下さい。
 
Q10−1−5. アンカー支保工の単独設計時に見かけの周長を指定できるか。(Ver.6)
A10−1−5. アンカー引張材の直径から内部計算するしくみになっており、直接指定することはできません。

 
Q10−1−6. アンカー支保工で、水平方向に2列配置されるような場合にアンカー水平間隔が初期入力で入力した間隔にならない場合があるが?(Ver.11)
A10−1−6. 製品ヘルプの[平面形状(アンカー支保工)]ダイアログの[設計対象アンカーNo.]をご参照ください。 ここにあるL1(設計対象アンカーNo.が1の場合)、もしくはL4(設計対象アンカーNo.が2の場合)がL2/2になるように調整してください。

 
Q10−1−7. アンカーの内的安定計算に使用する土圧に「根入れ長計算用土圧」と「断面計算用土圧」の2つがありますが、それぞれの考え方が記載されているのはどの文献のどの部分か。(Ver.11)
A10−1−7. 何らかの文献に記載があるものではございません。どちらの土圧を計算に使用するかはユーザ様の判断に委ねております。

 
Q10−1−8. 耐荷体PC鋼より線1組の許容引張力のデフォルト値の200.0kNの根拠は?(Ver.12)
A10−1−8. 「グラウンドアンカー工法設計施工指針−グラウンドアンカー技術協会編」(森北出版株式会社)のP324に記載があり、それを引用しています。

 
Q10−1−9. アンカー支保工の場合に設定可能な傾斜地形は、土圧計算に影響するか。(Ver.12)
A10−1−9. 土圧の計算には影響しません。
アンカー支保工の計算のみに影響します。

 
Q10−1−10. プレロードはどこで入力するのか。(Ver.15)
A10−1−10. プレロードの考慮については、入力の[部材]−[切ばり]で設定が行えます。



 
Q10−1−11. アンカー台座のd2とd5は、実際の台座の上端幅と下端幅を入力すればよいのか。([部材]-[台座]画面にある説明図のように、d2が台座の上端幅、d5が下端幅で問題ないか)
A10−1−11. 本プログラムでの計算上の扱いと関連しますので、合わせて説明いたします。
d2、d5は、台座の上端側、下端側で生じるせん断力による必要板厚を求めるときの、台座の幅として使用します。
せん断力が上下腹起しウェブ間を単純梁モデルとしたときの支点反力であることを考え、d2、d5の値として、台座の端部の幅ではなく支点上の(=腹起しウェブの延長線上の)台座の幅を考える場合は、その値を入力して下さい。
なお、実際の台座の端部の幅を入力した場合は、支点上の台座の幅よりも小さな幅での設計となるので結果的に安全側の設計となります。
(つまり、プログラムでは入力値をそのまま使用します。よって、実際の台座の端部の幅を入力した場合は、支点上の台座の幅を補正して計算するというわけではありませんのでご注意ください)

 (2)計算関連 

Q10−2−1.

入力したブラケット間隔を変更しても、ブラケットの計算に影響しない理由は?(アンカー間隔は反映されている)
A10−2−1. 本プログラムでは、アンカー1箇所につき、ブラケットは必ず左右に2つペアで配置されることを前提にしています(仮設指針P.294参図1-16)。
つまり、[部材]-[ブラケット]-[ブラケット間隔Sb(m)]の間隔を変更しても、一つのアンカーを支えるブラケットの数に変化は生じないため、ブラケットの検討には影響しません。

なお、ブラケット間隔は腹起しの鉛直方向の検討などに影響します。


    
Q10−2−2. アンカーPC本数はどのように決定されるのか。PC耐力に余裕があっても本数が変わらないときがある。(Ver.5)
A10−2−2. 本プログラムでは、設計アンカー力Poを、耐荷体1個当たりの許容引張荷重Pta([考え方-アンカー支保工]画面で入力)で除して、必要耐荷体数を算出し、これより、使用鋼材を決定する仕組みになっています。
ご指摘のように、鋼材自体に余裕があると考えられますが、耐荷体を設けるコーナー部では上記の本数が必要になるとご理解下さい。


    
Q10−2−3. アンカー支保工の計算で、支持力による必要根入れ長を決定長にしているにも拘らず支持力照査でNGになるのはなぜか。(Ver.6)
A10−2−3. アンカーの場合、アンカーによる鉛直分力を考慮する必要がありますが、支持力による必要根入れ長計算時には、プログラムの流れ上、反力が計算されていませんので、このアンカー鉛直力が無視された状態での必要根入れ長になってしまいます。一方、決定根入れ長による支持力計算では、鉛直反力を考慮しますので、その分、根入れ長を長くする必要が生じます。
一度、反力計算を行った上で、入力モードの「考え方」−「照査項目」の「アンカー鉛直分力を土留め壁に作用させる」のチェックを外し、土留め壁に作用する鉛直力に、アンカー鉛直分力を直接入力することで、鉛直分力を考慮した支持力による必要根入れ長の検討が可能になります。


    
Q10−2−4. 最終掘削時とそのひとつ前のケースだけを計算対象の初期値にしている理由は?(Ver.6)
A10−2−4. 仮設指針P.87の(1)根入れ長の決定をご一読下さい。
こちらに、ご質問の2ケースについて規定(記述)しております。よって、本プログラムにおきましても、慣用法における検討ケースの初期状態としては、この2ケースを検討するものとしています。
しかしながら、設計者のご判断にて、他の掘削ケース、または、撤去ケースを検討する必要があるご判断された場合は、[検討ケース]画面にて、適宜、検討の有無を変更して下さい。


    
Q10−2−5. 計算書において、弾塑性法の計算のアンカーバネ値と、アンカー支保工の計算のアンカーバネ値が異なっている。(Ver.7)
A10−2−5. 本プログラムを使用するにあたり、アンカー支保工の場合、必ず、[部材|アンカー]で入力したアンカー諸元と、計算実行時の「使用引張材の決定」での決定断面の諸元が一致するように、入力データの整合性を確保するようにご注意ください。
整合性を確保するためには、ご自身で、決定した引張材を[部材|アンカー]画面に入力しなおして、再計算を行い、入力値と決定値が一致するまでトライアル計算を行うことになります。
弾塑性法を計算する場合に用いるアンカーバネはあくまでも[部材|アンカー]の諸元を用います。よって、上記で述べたように、[部材|アンカー]で入力したアンカー諸元と決定断面の諸元が一致した場合にはじめて、そのバネ値の計算経緯を印刷していることになります。


 
Q10−2−6. 永久アンカーの検討をした場合、壁体の設計も本設で行ってくれるのか。(Ver.11)
A10−2−6. 本プログラムはあくまでも仮設構造物の設計プログラムでありますので、壁体の本設設計には対応しておりません。 壁体の設計は別途行っていただき、単独設計にてアンカーの設計は行っていただきますようお願いいたします。

 
Q10−2−7. 親杭とアンカーのピッチを同一とした場合、アンカーによる鉛直成分RVはブラケット1本で受ける条件になるかと思うが、そうした場合の検討はできないか。(Ver.11)
A10−2−7. 本プログラムでは、アンカー1箇所につき、ブラケットは必ず左右に2つペアで配置されることを前提にしています(仮設指針P.294参図1-16)。

 
Q10−2−8. 除去式アンカーで「グラウトと引張材との付着から必要な長さLas」を計算しない理由は?(Ver.11)
A10−2−8. 本プログラムはアンボンドPC鋼より線の使用を前提とし、引張力は耐荷体に伝達されますので、引張材とグラウトとの間の付着力の評価は行なわないという考え方になっております。
除去式アンカーにつきましては、『グラウンドアンカー工法設計施工指針』(グラウンドアンカー技術協会)のCターン除去式アンカー工法を参考にして開発しておりますが、こちらに掲載されている計算例におきましても「グラウトと引張材との付着から必要な長さ」は計算しておりません。
その他のアンカー工法などで「グラウトと引張材との付着から必要な長さ」の計算が必要という場合には、申し訳ございませんが別途ご検討いただきますようお願いいたします。

 
Q10−2−9. アンカーブラケットの検討でアンカー力の鉛直力を下段で全て受け持っているのはなぜか。(Ver.12)
A10−2−9. 「トンネル標準示方書開削工法編・同解説 2006(平成18)年版」(土木学会)に記載があり、それにしたがっております。

 
Q10−2−10. アンカー台座の必要板厚とは、どの部分を指しているか。(Ver.12)
A10−2−10. 本プログラムでは鋼板を組み立てて構成している台座を対象としており、必要板厚として算定しているのは構成している鋼板1枚当たりの必要板厚になります。
計算式中で断面力(MmaxやSmax)を2で除していることが1枚当たりへの換算だと考えられます。

 
Q10−2−11. アンカー自由長の起点は?(Ver.15)
A10−2−11. 本製品の自由長の定義は、「壁前面側からの長さ(仮に「L1」とする)」となります。一方、仮設指針の自由長は、上記のL1に壁前面から台座を跨ぐ長さ(仮に「L2」とする)を加算しています。すなわち、
FORUM8の自由長:L1
仮設指針の自由長:L1+L2 となります。
ちなみに、FORUM8では、L2は作図情報として入力項目になっています。
[図面作成]-[支保工]-[アンカー・台座]画面の「AR」がL2になります。
以上から、L1の扱いはFORUM8、仮設指針ともに同じですが、自由長として、仮設指針では、L2を加算した長さを指し、FORUM8はL2を無視した長さになっている点をご理解下さい。



 11.FEM解析編

Q11−1−1.

FEM解析を実行するには?(Ver.14)
A11−1−1. まず弾塑性解析を行う必要がございます。
初期入力にて弾塑性解析の適用基準をご確認ください。

基本的に以下の入力条件を満足していなければなりませんのでご確認ください。
(1)StandardあるいはAdvancedのライセンスがあること。
(2)初期入力画面にて、弾塑性法の適用基準を必ず設定する(設計しない以外)。
(3)考え方-照査項目画面で、周辺地盤への影響検討を行うがONで、かつ、FEM予測を行うがONである。
(4)計算を実行する。

    
Q11−1−2. Z方向応力とは何か?(Ver.5)
A11−1−2. 面外方向(紙面直角方向)の応力です。平面モデルなのに、面外方向の応力が計算されるのは不思議に思われるかもしれませんが、平面とは言え、極めて薄い厚みを持った立体モデルだと考えていただければよいかと思います。
    
Q11−1−3. FEM解析結果の「傾き」とは?(Ver.6)
A11−1−3. 背面側地表面の水平に対する傾斜角です。
設計対象壁が右壁の場合、(-)が右下がり、(+)が右上がりとなります。

    
Q11−1−4. FEM解析のファイルの保存先を指定することができない。指定せずにそのまま解析を実行するとI/Oエラーが発生する。(Ver.8)
A11−1−4. 本製品を実行しているコンピューターのユーザー権限が「Administrator」権限でない場合、解析実行時の「解析用入力・出力ファイルの指定」にて出力フォルダ先をプログラムをインストールしたフォルダ以下にしますとエラーが発生する場合があります。
(例えば、[C:\Program Files\FORUM 8\DdmCAD8]にプログラムをインストールした状態で、[C:\Program Files\FORUM 8\DdmCAD8\Data]を出力先にしますとエラーとなる場合があります。)
このようなときは保存先を別の場所(例えば、[C:\TestData]など)に変えて解析を実行してください。

 
Q11−1−5. FEM解析において作用させている強制変位はどの検討ケースの変位なのか。(Ver.11)
A11−1−5. 入力の[周辺地盤検討]の「検討ケース」で指定されているケースの変位になります。
 
Q11−1−6. 強制変位の入力値を変更できるか。(Ver.11)
A11−1−6. 本プログラムのVer.11より変更できるようにしております。 [FEM解析]モードの[強制変位]より変更が可能です。 強制変位につきましては、ここで設定されている値を解析で使用いたしますので、一度解析を行ったデータの検討ケースを変更した場合などは同画面にて弾塑性解析結果をセットするなどの作業が必要です。

 
Q11−1−7. FEM解析のポストプロセッサから計算書を出すにはどうしたら良いか。(Ver.11)
A11−1−7. FEM解析のポストプロセッサには計算書の印刷機能はございません。
各結果画面の図上で右クリックして表示されるポップアップメニューにて画像をコピーまたは保存していただき、ワープロソフト等でご利用ください。

指定した照査位置に関する変位の結果につきましては、[FEM解析]モードに計算書として出力が可能です。

 
Q11−1−8. FEMはこのソフトのみで処理できるか。別に post prossecer が必要か。(Ver.11)
A11−1−8. 「post prossecer」も製品に同梱されております。
製品ヘルプの[操作方法]−[各入力画面の説明]−[ポスト編]−[ポスト部の概要]に本製品で確認できる結果を記載しておりますのでご確認ください。

 
Q11−1−9. 一度FEM解析を実行したデータに対して条件を変更し、再度、弾塑性解析を実行後にFEM解析を行ったが結果に変化がないのは何故か。(Ver.12)
A11−1−9. 地層の条件に変更があった場合は、[FEM解析]モードの[地盤要素]にて[内部生成値に更新]ボタンを押してください。
弾塑性解析結果に変更がある場合には、同様に[強制変位]にて[弾塑性解析結果をセット]ボタンを押してください。

 
Q11−1−10. 本プログラムのFEM解析は仮設指針p.61の「c)有限要素法等の数値解析による方法」の記載内容の内、「地盤と土留め壁および支保工全体をモデル化して解析する方法」と「地盤のみをモデル化し、別途弾塑性法等により計算した、あるいは掘削時に計測した壁体変位を入力し、地盤変形を計算する方法」のどちらの方法となるか。
A11−1−10. 後者の「地盤のみをモデル化し、別途弾塑性法等により計算した、あるいは掘削時に計測した壁体変位を入力し、地盤変形を計算する方法」となります。
FEM解析では、弾塑性法で計算された壁体変位を強制変位として与えます。
なお、本製品ではFEM解析で与える強制変位を変更(直接入力)することもできますので、弾塑性法の結果によらず、掘削時に計測した壁体変位があればそれを強制変位として設定することもできます。

 
Q11−1−11. FEM解析で解析領域(背面側解析範囲)はどの程度あればよいか。
デフォルト値として基準幅(D)の3倍となっているが、この値に根拠はあるか。
A11−1−11. 仮設指針には記載はありませんが『山留め設計指針 2017年』(一般社団法人日本建築学会)に以下の記載があり、初期値の参考としております。
通常は初期値で十分ではないかと考えておりますが、変位量が大きい場合などは解析領域端部の影響を受ける可能性もあるため、解析結果を確認した上で解析領域を広げるなどをご検討ください。

・『山留め設計指針 2017年』(一般社団法人日本建築学会) P.239
「水平方向の影響範囲は、根切り深さまたは硬質地盤までの深さの2〜3倍程度を基本として、周辺状況に応じて設定する」


 12.周辺地盤への影響検討編
 (1)入力関連 
Q12−1−1. 周辺地盤検討の中で、許容値を入力するが、その数値根拠はあるか?(Ver.9)
A12−1−1. 周辺地盤の沈下状況に対する許容変位量につきましては、明文化された基準類は特にありませんでした。参考文献といたしましては、「近接工事設計施工マニュアル(東日本旅客鉄道株式会社)」などが挙げられますが、こちらは、軌道に対するものであると考えられます。
経験的に、鉛直変位としては2.0cm程度、傾きとして1/1000rad程度を初期値として与えておくことで問題は少ないだろうという当方の判断です。
画面Helpにも記載しておりますが、下記の通り、許容値につきましては、設定して頂きたいと考えています。
「「初期値は決して不適切な数値ではないと考えられますが、発注機関、重要度により適切な許容値を設計者の判断で設定して下さい。」」


 
Q12−1−2. FEM解析で盛土を含めた解析は可能か。(Ver.11)
A12−1−2. 「土留め工の設計」のFEM解析では盛土を考慮することはできません。 詳しくは製品ヘルプの  計算理論及び照査の方法|周辺地盤への影響検討編|周辺地盤への影響検討|有限要素法による数値解析予測法 の「サポート形状」をご覧ください。

 
Q12−1−3. 引抜きに伴う地盤沈下の推定方法で、鋼矢板の引抜き跡空隙計算時の壁体幅が鋼矢板の場合に鋼矢板高さの2倍としている理由は?(Ver.11)
A12−1−3. 普通鋼矢板の場合は、仮設指針P.66図2-9-1のように2枚一組のかみ合わせで構成されている判断し、高さの2倍にしております。
これに拠りがたい場合は、お手数ですが、一時的に、使用されている鋼矢板の高さを強制的に変更して頂くしか対策がありません。具体的には、[基準値-鋼材-土留め壁-鋼矢板]の高さhを1/2にして頂くことになります。


 
Q12−1−4. 仮設指針の方法での近接程度の判定で、自立時の検討を行う場合に仮想支持点の入力が必要になるが何故か。(Ver.11)

A12−1−4. 検討ケースが掘削時ケースの場合は仮想支持点を内部計算にて設定できますが、自立時(1次掘削時)の場合は仮想支持点という概念がありません。
よって、自立ケースの場合は、仮想支持点、すなわち主働崩壊面の開始位置を直接指定して下さい。
ただし、判定方法が引抜きの場合は、必ず土留め壁先端からの扱いになりますので入力は不要になります。

 
Q12−1−5. 近接程度の判定で、土留め壁の「引抜きに伴う地盤沈下の推定方法」の検討を行う際に、現在ソフトでは「引抜き跡空隙Vp」の計算が普通鋼矢板の場合は自動的に2×hになっている。この「h」の値を変更することはできるか。(Ver.12)
A12−1−5. 可能です。[基準値]-[鋼材]-[土留め壁]-[鋼矢板]の高さhを変更してください。
ちなみに、本プログラムでは「引抜き跡空隙Vp」にかかる係数λを入力することが可能となっておりますので、こちらの値を入力することでも調整が可能となっております。

 
Q12−1−6. 仮設構造物工指針のP.60に記載のある周辺地盤への影響の検討のPeckの方法に対応しているか。(Ver.12)
A12−1−6. 製品ヘルプの[計算理論及び照査の方法]−[周辺地盤への影響検討編]−[概要]−[概要]にありますように、Peckの方法として、「簡易予測法」(鉄道構造物等設計標準・同解説 開削トンネル 平成13年3月 財団法人 鉄道総合技術研究所P.247)の検討が可能です。

 
Q12−1−7. 簡易な情報化施工方法の入力画面にある「本手法による検討には2ケース以上の計測データが必要です」の意味は?(Ver.12)
A12−1−7. 簡易な情報化施工方法は前段階の沈下傾向から次ケースの沈下状況を予測する方法です。
理論上、予測するケース以前の2ケースの沈下量が必要となります。
例えば、3次掘削時を予測する場合、1次掘削時と2次掘削時の2ケースの情報が必要となります。
具体的には、以下のように入力して下さい。

■三次掘削時を予測する場合(1次と2次の実測値あり)
(1)左側の掘削時リストから「1次掘削時」を選択。
(2)右の表の「計測データ」にチェックを入れて、計測データを2点以上入力する。
(3)左側の掘削時リストから「2次掘削時」を選択。右の表が二次掘削時のものに更新される。
(4)(2)と同様に「計測データ」にチェックを入れて、計測データを2点以上入力する。

 
Q12−1−8. 「軌道の簡便推定法」で検討を行う場合、使用する変位の計算結果を「慣用法」と「弾塑性法」で選択できるが、どちらの結果を使用すればよいか。
A12−1−8. 弾塑性法の計算を行っている場合は、弾塑性法で計算を行う必要があると判断されてのことかと思いますので、通常は弾塑性法の結果を使用した方が良いと考えられます。
本手法が記載されている『都市部鉄道構造物の近接施工対策マニュアル 平成19年1月』(鉄道総合技術研究所)にも、以下の記載があります。

「周辺地盤等へ影響をおよぼす可能性があるような現場である場合には、通常、設計時に弾塑性法を用いることが多いので、その結果を用いて検討することが多い」(P.75)

なお、慣用法では単純梁法により変位を算出しますが、以下のように制限があります。
・検討ケースが1次掘削時(自立時)の場合、Changの方法で計算している基準では計算することができない
・切ばり及び仮想支持点間をスパンとする単純梁法により計算するので、測定位置(計算位置)がそのスパンの範囲外の時に計算できない

 
Q12−1−9. 粘性土地盤だが、仮設指針P.59の「図2-8-1(b) 土留め壁のたわみに起因する影響範囲(粘性土地盤)」の考え方で近接程度の影響を検討できるか。
A12−1−9. 可能です。
[周辺地盤検討]画面の[近接程度の判定]タブにある判定方法を「たわみに起因(粘性土地盤)」としてください。

 (2)計算関連 
Q12−2−1. 本製品のFEM解析による周辺地盤の影響検討である強制変位法と、弾塑性地盤解析(GeoFEAS)による逐次解析法の変位の解析結果が大きく異なる場合があるのは何故か。(Ver.11)
A12−2−1. まず、強制変位法と逐次解析法は同じFEM解析ですが、計算条件が大きく異なります。
強制変位法は別に計算した弾塑性解析の土留め壁体変位結果を強制変位として与えるような簡易な手法であり、逐次解析法のように土留め壁や切ばりなどはモデル化していません。
仮設指針に「モデル化、および条件の設定等によって計算結果が大きく影響を受けることがあり、過去の事例等を参考に十分検討する必要がある」という記述があり、実際にモデル化や計算条件により結果が影響を受けると思われます。

また、例えば1cmと1mといったような比較的大きな相違の場合は明確な理由があるかもしれませんが、cmとmmのような相違の場合は明確な理由を調査するのが難しいのではないかと考えております。
(FEM解析ではメッシュ分割の相違などでもcm単位の差異が生じる場合があります)


 13.控え杭タイロッド式編
 (2)計算関連 
Q13−2−1. タイロッド腹起しの曲げモーメント算出式が「T・L/10」と「T・L/4」で選択できるようになっているが、「T・L/4」の準拠基準を教えてほしい。(Ver.10)
A13−2−1. 「二重締切り工の設計」の腹起し計算を継承しており、考え方は「鋼矢板二重式仮締切設計マニュアル」(財団法人 国土技術研究センター)に記載されています。

 
Q13−2−2. 控え杭の種類を鋼矢板とした際に、ハット型を用いることはできないか。(Ver.11)
A13−2−2. プログラム上は控え杭にハット形矢板を用いることはできません。
この点は今後の検討課題扱いとしたいと思います。
[基準値-鋼材-控え杭]の鋼矢板のテーブルにハット型の矢板情報を追加するなどでご対応ください。
 
Q13−2−3. 控え杭タイロッド式の場合、内部計算された支保工反力とタイロッドの設計に用いるタイロッド反力は一致するのか。(Ver.15)
A13−2−3. 基本的には一致します。
ただし、タイロッド反力は支保工反力の「採用値」となりますので、ご自身で内部計算値と異なる値を採用値とした場合は一致しません。
もし意図せずに一致していない場合は[計算実行]後に表示される[支保工反力]画面をご確認ください。

 
Q13−2−4. 控え杭タイロッド式で検討した時、控え杭用の仮想地盤面を任意の位置に設定することはできるか。
A13−2−4. [計算実行]後に表示される、[控え杭の設置位置]画面で「決定設置距離<必要設置距離」として[計算続行]しますと、次の画面に[控え杭用仮想地盤面]画面が表示されますので、同画面で設定してください。
なお、決定設置距離を内部計算値によらず任意に設定するには、[基準値]-[設計用設定値]-[採用値自動更新設定]画面の「決定設置距離Ldを常に必要設置距離Ldminとする」のチェックをOFFにする必要があります。

 
Q13−2−5. 控え杭の計算に用いる水平地盤反力係数は直接入力できないか。
A13−2−5. 可能です。
[考え方]-[慣用法]画面にある「控え杭の計算に用いる水平地盤反力係数は直接入力」をONにして、値を入力してください。


 14.図面作成編
    
Q14−1−1. 計算書と図面の柱状図の標高にずれがある。(Ver.7)
A13−1−1. 「入力-側面-地層-天端高」、「入力-地層」の情報を「柱状図」に反映するには、「柱状図」ボタン押下後に表示される「確認」画面にて「はい:柱状図に反映」を選択後、図面生成を行って下さい。
なお、既存の「柱状図」情報は変更することなく、壁体と地表面の天端高ずれを柱状図で示したい場合には「柱状図」ボタン押下後に表示される「確認」画面にて「いいえ」を選択後、柱状図入力画面の「地表面作図位置」の値を変更し図面を生成してください。


    
Q14−1−2. 図面作成すると、鋼矢板が重複して作図される。(Ver.7)
A14−1−2.
平面図の鋼矢板の作図方法は、以下の画面にて設定することができますので、目的に応じて変更してください。
 
1)鋼矢板のコーナー処理設定
 「図面作成」モードにて「土留め壁」画面にて、鋼矢板のコーナーの配置方法を設定する。
2)鋼矢板の作図枚数を設定
 「入力」モードにて「基準値-図面生成条件-表記条件」画面の「壁体作図方法」を設定する。


 
Q14−1−3. 登録されている図面用鋼材の出典を知りたい。(Ver.11)
A14−1−3. 「ブラケット」および「火打ちピース」の鋼材名称につきましては、ヒロセ株式会社様のニッケンスター等を参考にしておりますが、目的の鋼材寸法と 異なる場合には、調整した後に図面生成を行ってください。

 
Q14−1−4. 中間杭の設置される象限を変更することはできないか。(Ver.11)
A14−1−4. 図面作成モードの[支保工]−[中間杭]で変更が可能です。
ただし、本設定は全ての中間杭に対しての設定なので、中間杭ごとに変更したい場合は、図面をCADファイルに保存してお手持ちのCADソフトで行っていただくようお願いします。

 
Q14−1−5. 隅火打ちの数量計算の方法は?(Ver.11)
A14−1−5. 隅火打ちの数量計算は、「基準値-図面生成条件-数量計算」画面の「副部材算出方法」により以下ので算出しています。
 ●積算基準マニュアル対応
  火打ち鋼材長:火打ちピース1個を0.5mとし、設置長から1m(0.5mx2個)引いた長さ。
 ●部材ごとに個数・質量などを算出
  火打ち鋼材長:「入力モード−部材−切ばり火打ち(隅火打ち)」の鋼材長(座屈スパン)
数量算出については「基準値-図面生成条件-数量計算」画面の「ヘルプ-数量計算書」ページに記載していますので、参照ください。

 
Q14−1−6. C-C平面図とA-A断面図で切ばり間隔の寸法が異なっている。(Ver.12)
A14−1−6. 中間杭を設置している場合、平面図は壁体〜切ばり、切ばり〜切ばりであるのに対して、断面図での寸法は壁体〜中間杭、および中間杭〜中間杭の 寸法となっています。

 
Q14−1−7. [柱状図]を深度表示ではなく標高表示としたい
A14−1−7. 入力の[柱状図]画面の[書式]タブに「作図項目の指定」があります。
「標高」にチェックを入れていただきますと、標高が表示されます。
(「深度」や「層厚」などを同時に表示することもできます)

 
Q14−1−8. 図面に出力される[設計条件]表に「対象構造物」があるが、これは変更できるか。
A14−1−8. [基準値]-[図面生成条件]-[表記条件]画面に「対象構造物名」という入力がありますので、こちらで変更して下さい。
なお、本入力内容につきましてはデータごとの保存ではなく、プログラムのレジストリ領域に保存されますので、次回起動した際にも変更が反映されたままとなります。

 
Q14−1−9. 図面作成で縮尺を変更して作図出来るか。
A14−1−9. 図面の縮尺は、「入力」モードの[基準値-図面生成条件-表記条件]画面にて、目的の値に変更してください。

 
Q14−1−10. 柱状図を作成したい。
A14−1−10. [考え方]-[照査項目]にある「柱状図の作成を行う」にチェックを入れてください。
メニューの[柱状図]が有効となりますので、そちらの画面で必要な入力を行ってください。


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