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      | 誌上セミナー ●情報化講座 (9) | 
        
          
            | 監修 : 田中 成典 教授
 関西大学
 総合情報学部
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      | ●IAIとIFC
 
 
        
          
            | 1) | IAI(International Alliance for Interoperability)とは 建築業界、特に建築における情報の共有化、相互運用を目的としたIFCの策定、普及に取り組んでいる国際組織であり、IAI日本は有限責任中間法人です。
 
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            | 2) | IFC(Industry Foundation Classes)とは IAIによって推進される3次元CADのオブジェクト指向による記述仕様のことで、様々な部材をオブジェクトとして定義したクラスライブラリ群のことです。図面を線分の集合としてではなくドアならドアとして意味付けすることで、オブジェクト指向の図面作成が可能です。また、3次元で図面を作成することにより、異業種間でも情報交換・相互利用が可能となり、建設のライフサイクルの各場面での情報共有が可能となっています。
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 ●IFCの現状
 
 
        
          
            | 1) | IFCのバージョン 適応範囲の拡張などにより、1997年のR(リリース)1.0からバージョンを重ね、今秋にはIFC
            2x4がリリース予定となっています。
 また、IFC 2xはISO国際規格/STEPに準拠した規格(ISOのPASを取得)となっています。
 
 
              
                
                  | バージョン: IFC R1.0 / R1.5 / R1.5.1 / R2.0 / IFC 2x / 2x2 / 2x3 |  
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            | 2) | IFCの活用事例 IAIには13の国際支部があり、それぞれの活動組織ではIFCの実用化に向けて多種多様な実証実験を行い、仕様の定義、利用促進、広報活動を国際的に行っています。
 また、IFCが準拠しているSTEPもデータ標準のための規格ですが、STEPは広範な規格であり、標準化等に大幅な時間を費やす事から、限定された規格であるIFCがSTEPの仕様を引継ぎ、IAIで策定された独自の仕様をSTEPに反映するといった連携がとられ、国際的な標準化が進んでいます。
 その中で、IFCはドイツのバーバリア州政府の実プロジェクトでの採用や、シンガポール政府の3次元CADの建築確認申請用図面を電子納品する際の規格に使用されるなど、一般化に関しても大幅に進んできています。
 
 
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            | 3) | IFCとBIM(Building Information Modeling) BIMとは建築物を形状だけでなく、様々な情報(性能、コスト、スケジュール等)を含んで建築全体をモデル化する手法のことで、ライフサイクル全体をカバーすることができるIFCがこの国際標準として使用されつつあります。実際、BIM/IFCはアメリカの連邦調達庁でのプロジェクトで実現、ドイツ連邦政府レベルでの活用で計画中といったように、急速にBIMデータ交換標準は、注目されています。
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 ●日本でのIFC
 
 
        
          
            | 1) | 建設分野のCAD IAIの日本支部組織は、以下に大別できます。
 
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                  | 幹事会 | 日本支部の活動が円滑に進むように全体の運用の調整を行う |  
                  | 技術統合委員会 | 日本支部の分科会活動内容の調整とともに、他の国際支部とIFC仕様の技術的な調整を行う |  
                  | 分科会 | 各分野に分かれてIFCに関する資料作成や意見の取り込みを行う |  |  2004年には土木分科会が発足し、土木分野での活用にも広がりを見せています。土木分野においてはIAIフランス支部が開発した「IFC
      Bridge」(橋梁プロダクトモデル)があり、日本も土木分科会が参加するなどしており、当社もこの土木分科会のメンバーとして参加しています。
 
 
 ●IFCの今後
 現在のCADデータ交換形式のデファクトスタンダードであるDXFと比べてファイル容量が軽減することから、異なるソフトウェア間のデータ共有という利用目的に加えて、ネットワークを用いた連携を目指し、更には、IFCが分散オブジェクト・データベースの概念を用いていることから複数メンバーによる並列作業を可能とするCAD(コンカレントCAD)の実現が期待されています。
 そして、その他の既存の3次元プロダクトモデルの標準としては、特に建築業界においてIFC以外に有力な標準が無いことからも、IFCの普及により、3次元CADの浸透が期待されています。
 
 
 
        
          
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                  | JHDM | Japan Highway Data Model 高速道路全体の情報を総合的に管理するプロダクトモデル。日本道路公団にて開発され、高速道路事業に必要な情報の交換、共有を行うためのデータ仕様。設計から工事プロセスで道路工事、橋梁を対象としている。(日本道路公団)
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                  | 橋梁 プロダクトモデル
 | SYMPHONY。鋼橋3次元CADデータモデル。 (国内鋼橋メーカー) |  
                  | Land XML | Land eXtensible Markup Language 土木・測量業界で利用可能な3次元プロダクトデータ交換標準フォーマット。Orgでスキーマが公開されている。官民参加の国際的な公開型コンソーシアム。現在、北米をはじめ、多くの国々と企業が参加している。(LandXML.org)
 |  |  また、IFCと目的は異なる同様の規格として、SXF(電子納品における2次元CADデータ交換のための標準フォーマット仕様)がありますが、将来的には統一を目指しており、SXFの3次元化(レベル4)との技術的連携として実際に開発協力が行われるなど、CALSの分野でも幅広い活用が見込まれています。
 当社でもLand XMLを用いたデータ連携で3次元データ交換・表現等を可能にするUC-win/Roadや、SDNF(Steel
      Detailing Neutral File、国際的な鋼構造の業界標準ファイル形式)により部材等の定義をデータ交換可能とした製品を開発、これにより、3次元CADデータによる解析や解析結果をCAD図面化するといったCADデータの3次元化に対応しています。
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      | 参考 : ケンセツ21 CALS/JAPAN
 
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      | (Up&Coming '08 新緑の号掲載) |  
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