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      アリゾナ州立大の小林です。Forum8から公開されているCityDesignというツールの紹介をします。Forum8社のVRパッケージであるUC-win/Roadと、他の3DCGパッケージ間でシームレスに都市データを生成・変換するためのツール群の開発を目指しております。今回は最終回ですので、前回までのツールを手短に紹介し、将来展望を述べて本シリーズを終了したいと思います。 
       
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      (90号掲載)第1回PovrayToMax 
      Forum8社のVRソフトUC-win/Roadから出力されるPovray形式のファイル群から、3ds
      Max上でデータを再現できるツールです。道路線形を忠実に再現しているUC-win/Roadの道路データはかなり貴重であるため、他のメディア(3DプリントやCGアニメーション作成)に変換することが要求されるようなプロジェクトで実際に利用しています。 
       
      (91号掲載)第2回ImageToTerrain 
      これはUC-win/Roadで標高データと航空写真による地形データを作成するツールです。ASTER
      GDEMサイトから入手したDEMデータと、Google Earth Proから入手した航空写真を利用した場合の緯度経度を合わせられるExcelのテンプレートを開発しました。これにより世界中どこの場所でも、地形データを15-30分程度で作成できるようになりました。 
       
      
      
        
          
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            | ■第1回 PovrayToMax | 
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             ■第2回 ImageToTerrain | 
           
        
       
      
       
      (92号掲載)第3回AnimatedCharacter 
      人間群集シミュレーションなどに利用する人間の歩行シーンを再現するために、Meshの変形を伴うアニメーションデータをUC-win/Roadがサポートしている形式のデータに一括変換するためのツールです。他のソフトで作成したアニメーションファイルを3ds
      Maxに取り込み、そこからPK3(MD3ファイル群の圧縮形式)を直接出力します。このツールは海外から利用依頼がありました。いまだに多くのソフトでPK3やMD3を利用しているようです。 
       
      (93号掲載)第4回ImageToCity 
      Procedural Modeling (手続き型モデリング)という手法によって、ゾーニング情報の画像データと、道路線形(中央線)のラインデータから自動でテクスチャー付の建物群を自動生成するツールです。これは私の研究テーマの1つであり、UC-win/Roadにも都市自動生成機能を利用できるようにと開発しました。 
       
      
      
        
          
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            ■第3回 
            AnimatedCharacter | 
              | 
             ■第4回 
            ImageToCity | 
           
        
       
      
       
      (94号掲載)第5回ImageToFacade 
      画像ファイル群から建物のファザードを生成するためのGUI(ツール)を自動生成します。指定フォルダ内の各画像データを領域化し、RGB(赤・緑・青)以外の4つ目のチャンネルに保存された画素データによってメッシュを立ち上げる関数を実装したボタンを自動生成します。多くのプロジェクトで利用されています。 
       
      (95号掲載)第6回BakedTexture 
      UC-win/Roadで直接インポートできるような焼付けレンダリングテクスチャ付の3DSファイルを生成するツールです。アンビエント・オクルージョンという効果を利用し、シェーダ効果をテクスチャに焼付けしたモデルを3DSファイル形式のファイルで出力します。以下のバーチャル城は、これらのツールを利用して生成したモデルです。 
       
      
      
        
          
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            | ■第5回 ImageToFacade | 
              | 
             ■第6回 BakedTextur | 
           
        
       
      
       
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      都市環境シミュレーションとその可視化のためのシステム開発をめざして日々研究しておりますが、どうしてもデータ変換・作成に多くの時間と労力が費やされてしまいます。このような現状を改善する目的で、いろいろな支援ツールを開発してきました。個人的にも代表を務めている米国アリゾナ州の会社Forum8AZにて、個人のデザイン能力や問題解決能力に頼るのではなく、効率的に短時間で一定のQualityのモデルを作成するためのソリューションとして、ここで開発したツールを日々の作業に利用してきました。多くの会社でも様々な要求に対応するために、このようなin-houseのツールを開発していのだろうと想像しております。 
       
      このような状況は、ゲーム業界の現状と似ています。多くの開発会社は、ゲームエンジンとよばれる開発環境を独自に開発してきました。そのためコスト高となり存続が難しくなった会社が多いと聞きます。ところが、最近は商業利用できるゲームエンジンが低価格で利用できるようになったため、独自開発よりもこちらを利用しようという傾向が強いようです。日本においては、Unityとよばれるゲームエンジンの販売が2011年度は1496%の伸びだったというから驚きです(http://www.4gamer.net/games/032/G003263/20120223099/)。ただしゲームエンジンがすばらしくても、コンテンツ作成とそれらをコントロールするためのAIエンジンの実装は、やはりプロジェクトごとに作成・編集しなくてはいけません。ゲームエンジン普及の最大の理由は、これらの資産をコミュニティ内で共有できるようにしている点であると思います。無償で提供しているプラグインや、商業利用可能な高度なツールやなどがあり、それらを利用している何万人もの開発者同士がリアルタイムでコミュニケーションできる利点は、非常に大きいと思います。下図はFORUM8
      デザインフェスティバル2011でも発表したドライビングゲームです。UC-win/Roadで作成した道路をPovrayToMaxを利用して読み込むことで、このようなゲーム開発が短時間(15分)でできるようになりました。 
       
      かく言う私もアリゾナ州立大学コンピュータ学科にて、以下のゲーム開発の授業をおこなっております。1)GameMakerという2次元ゲームエンジンをつかってのゲーム開発の基礎コース、2)Unityという3次元ゲームエンジン上でJavaScript言語を使った3次元ゲーム開発、3)C#とXNAをつかってゲームエンジンの実装と、OpenGLやShader言語の基礎、4)Pen
      Tablet を使ったDigital Painting 4)3ds Max, MotionBuilder, MudMox をつかった
      3D Sculpting とアニメーションキャラクター開発、5)ゲーム会社と連携したチームによるゲーム開発。6)中学生・高校生のためのGame
      Camp(夏限定) 
       
      これらの経験を踏まえ、今後の展望を述べたいと思います。 
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      いま進行中のものを3つほど紹介したいと思います。 
       
      1)新しい可視化システムとの連携 
      VRモデル利用のビジネスがまだ未発達であるため、どうしてもモデル作成費が限られてしまいます。創造的なビジネスモデルの開拓こそ、VR技術普及の最重要課題であるといえます。上で取り上げたようなゲーム開発も1つのアイディアですが、皆さんご存知のように業界はすでに飽和状態で、ちょっとした思いつきで成功できるほど甘い業界ではありません。私個人的にはもっと斬新なビジネスモデルを模索中です。プロジェクション・マッピングという技術が最近注目されていますが、これとVR可視化システムの統合開発を現在行っているところです。 
       
      2)シミュレーションとの連携 
      CityDesignは単に都市や建物のデータを生成するための支援ツールでしたが、BIMや環境シミュレーションの利用が普及してくる今後は、これらのツールとの連携が必要と思います。Esri社の都市自動生成ソフトCityEngineや世界最先端のProcedural
      Modelingの研究者達が利用するCGAというスクリプト言語を利用しながら、自動生成した建物に最適解も統合するようなプロジェクトを実行中です。フォーラムエイトで販売しているDesignBuilderやExodusなどの解析結果によって設計が変化するような自動生成システムができたら面白いと思います。 
       
      3)タブレットでの利用可能なAPP開発 
      一般利用者に加え、iPadなどのようなタブレットが、ビジネス界で爆発的に普及しています。いままでコンピュータがデータ・情報を「作って・見る」道具であったのに対して、タブレットのような「見る」道具だけでも十分な需要があることに気づかされます。VR都市データや交通情報も、タブレット操作だけで十分な情報伝達できるようなAPPがほしいところです。 
       
      また別の機会に、これらの結果を皆様に報告できたらと思っております。 
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      いままで都市データ作成のCityDesignツール紹介の連載にお付き合いいただき、ありがとうございました。これらのツールが簡易的に利用できるようにスマートフォン用のAPPとしても提供できるようにと考えております。そのときはどうかよろしくお願いします。ご意見・ご感想がありましたら、info@fourm8az.com(日本語もOKです)までよろしくお願いします。 
       
      
      
      
       
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      |  UC-win/Roadパフォーマンスを向上させる方法:UC-win/Road編 | 
     
  
 
  
    
      UC-win/Roadのデータは作り込んでいくにつれて容量が大きくなり、それに伴って動作のパフォーマンスも低下していく傾向にありますが、プレゼンテーションや運転操作をスムーズに実行するためには、極力改善の必要があります。ここでは、データの設定や作り方の工夫等でパフォーマンスを向上させるための方法を紹介いたします。 
       
      1.描画オプションの設定 
      描画オプションの設定を見直すことで、既に作られているデータの構造を変えることなくパフォーマンスを向上させることができます。ただし、データの規模や構造によっては、大きな効果が得られない場合もあります。 
       
      1−1.画面表示の設定を限定する 
      機能によっては、配置や表示を行うだけでパフォーマンスが低下するものがあります。具体的には、地形の透過・3D樹木・湖沼・ビデオウォール・影・水溜りの反射・高度な照明等が挙げられます。プレゼン等でこれらの機能を見せる必要がある場合、コンテキストを活用して必要な場面以外は影響のある表示を消したり、動く物が極力見えない視点で見せる等の工夫を行うことが有効です。 
       
      1−2.視野半径を小さくする 
      道路・2D樹木・3Dモデル・キャラクタ等データ内に数多く存在するものに対しては、視野半径の設定がパフォーマンスに大きな影響を与えます。視野半径はデフォルトで2000mに設定されており、それより遠い場所に存在するものは描画されなくなるため、視野半径を小さくすることでパフォーマンスが向上します。周囲や前方が建物等で遮られていて遠景が見えない場合は視野半径を小さくしても見た目に影響を与えません。視野半径の設定は描画オプションの「地形」のタブで設定します。路面や橋梁など道路構造については「パフォーマンス」タブで個別に視野半径を設定でき、遠景の地形を表示させながら遠景の道路は表示させない設定とすることも可能です。雨や雪など悪天候の表現を行う場合、霧を発生させて遠方の景色を隠してしまうことで視野半径を通常より小さくすることもできます。 
       
      1−3.パフォーマンスの設定値を見直す 
      「パフォーマンス」タブで遠方オブジェクトの非表示設定を行うと、表示サイズが設定の角度以内に収まるオブジェクトは非表示になり、遠方のオブジェクトの表示を軽くできます。角度の設定は「パフォーマンス」タブの「グローバル設定」で行います。表示角度を大きくすると、より大きく表示されるオブジェクトも非表示になり、パフォーマンスが向上します。なお、寸法の小さいオブジェクトは近くにあっても非表示になりやすいので注意が必要です。 
       
      
      
        
          
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            | ■図1 グローバル設定によるモデル表示の変化(左:0.2度 右:0.8度) | 
           
        
       
      
       
      MD3キャラクタや樹木は、グローバル設定とは別に表示角度を詳細に設定することができます。MD3キャラクタは角度に応じてアクションを省略したり、2Dやシンボリック表示にする設定が可能です。樹木は角度に応じて3D樹木を2D樹木にしたり、2D樹木のポリゴン数を減らすことができます。湖沼を表示させる場合は反射をなくす設定(Ver6.1以降)も効果があり、反射を使用する場合は反射の設定で角度を乗算することで湖面内の表示角度が大きくなり、通常の空間より多くのオブジェクトを非表示にできます。 
       
      
      
        
          
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            | ■図2 表示角度による2D樹木の変化(左:8分岐、中央:4分岐、右:1分岐) | 
           
        
       
      
        
          
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            | ■図3 表示角度によるMD3キャラクタの変化(左:通常 右:低解像度) | 
           
        
       
      
       
      2.データの作り方を工夫する 
      作成する段階でデータの作り方を工夫することにより、前述の描画オプションの設定をさらに活用することができます。 
       
      2−1.意図的に見通しを悪くする 
      運転や走行モードでのパフォーマンス向上には、見通しをよくしすぎないことが重要となります。たとえば、道路の先の方をカーブさせ、沿道を建物などのオブジェクトで囲うことで遠方が見えないようにすれば、視野半径を狭めても違和感のない見え方となります。 
       
      
      
        
          
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            | ■図4 表見通しが悪ければ視野半径を小さくできる | 
           
        
       
      
       
      2−2.場面によって表示させるオブジェクトを切り替える 
      作成範囲が広くオブジェクトの数が多い場合、景観のモデル表示の設定によって場面ごとに見えないオブジェクトを非表示にすることでパフォーマンスが向上します。建物や壁によって見えないオブジェクトが多くある場面で効果があります。 
       
      2−3.モデルの作り方や設定を工夫する 
      モデルのポリゴン数やレイヤ数はパフォーマンスに大きな影響を与えるため、モデル構造は極力シンプルなものとします。たとえば、重要でないモデルなら円柱を八角柱で表現したり、多少の凹凸はテクスチャで表現するなど構造を簡素化し、レイヤやテクスチャも数を減らします。テクスチャの透過設定を使用したモデルが多い場合も影響が大きいため、透過部分の形状がシンプルなものは透過ではなくポリゴンの形状で表現することも有効です。また、ポリゴンの両面を表示する設定のチェックを外すことで、ポリゴンの裏面が表示されなくなり、パフォーマンスが向上します。通常見える部分が全て表のポリゴンで構成されていれば、裏面を非表示にしても見た目に変化はありません。 
       
      3.交通や歩行者の量を減らす 
      歩行者や車の台数が多すぎる場合にもパフォーマンスが低下します。歩行者を歩かせる場面を限定したり交通量を減らすことでパフォーマンスが改善する場合も多くあります。車の場合は視界に入っていなくても移動の計算で負荷がかかります。交通量を減らすだけでなく、走行ルートや信号制御を工夫することで渋滞や滞留を防止することも有効な手段となります。 
       | 
     
  
 
  
    
      |  UC-win/Roadパフォーマンスを向上させる方法:ハード編 | 
     
  
 
  
    
      UC-win/Roadのパフォーマンスに大きくかかわるハードとして、CPUとグラフィックボードが挙げられます。 
       
      CPUではコアクロックの高いものが推奨されます。Intel Core iシリーズ(Sandy
      Bridge)シリーズが、現時点で最も高いコアクロックを持っており、デスクトップ用ではCore
      i7-2700K, Core i7-3960、ノートPCではCore i7-2640Mなどが推奨されます。 
       
      なおデスクトップPCの場合、チップセットの仕様上、グラフィックボードを複数枚で使う場合はCore
      i7-3000シリーズ、1枚で使用するときはCore i7-2000と選び分ける必要があります。 
       
      
      
        
          
            |   | 
            Intel Core i7 2700K | 
            Intel Core i7 3960X | 
            Intel Core i7 2860QM | 
           
          
            | socket | 
            LGA1155 | 
            LGA2011 | 
            FCPGA988 | 
           
          
            | Chipset | 
            Z68, P67, H67など | 
            X79 | 
            QM67, UM67など | 
           
          
            | Core Clock/最大値 | 
            3.5GHz/3.9GHz | 
            3.3GHz/3.9GHz | 
            2.5GHz/3.6GHz | 
           
          
            | Cache | 
            8MB | 
            15MB | 
            8MB | 
           
          
            | 物理コア数 | 
            4 | 
            6 | 
            4 | 
           
          
            | Hyper-Threading | 
            有り | 
            有り | 
            有り | 
           
          
            | TDP | 
            95W | 
            130W | 
            45W | 
           
        
       
      
       
      グラフィックボードでは、主にメモリの容量が重要で、NVIDIA GeForceシリーズが推奨されます。メモリ容量に関しては、現行のハイエンド製品でも使用標準では1.5GB程度と数年前より容量自体は大きく拡大はしておりませんが、メモリのクロック数やメモリインターフェース幅(bit幅)などスペック面では飛躍的に向上しています。またボードメーカー(ELSA等)によっては3GBと大容量のメモリを搭載したモデルも登場しています。 
       
      またグラフィックコアに関しては、できるだけグレードの高いものが推奨されます。現行のNVIDIAのメインストリームはGTX500シリーズで、デスクトップPCではGTX560,
      GTX580、ノートPCではGTX580Mなどが推奨されます。 
       
      
      
        
          
             | 
            GeForce GTX580 | 
            GeForce GTX560 Ti | 
            GeForce GTX580M | 
           
          
            | メモリ容量 | 
            1.5GB(標準) | 
            1GB | 
            2GB程度 | 
           
          
            | CUDAコア(シェーダプロセッサ数) | 
            512 | 
            384 | 
            384 | 
           
          
            | コアクロック | 
            772MHz | 
            822MHz | 
            未公開 | 
           
          
            | メモリクロック | 
            4,008GHz | 
            4,008GHz | 
            3,000GHz | 
           
          
            | メモリインターフェース | 
            384bit | 
            256bit | 
            256bit | 
           
          
            | 最大解像度 | 
            2560*1600 | 
            2560*1600 | 
            2560*1600 | 
           
          
            | 推奨電源容量 | 
            600W以上 | 
            400W以上 | 
            未公開 | 
           
        
       
      
       | 
     
  
 
  
    
      
       
      
       | 
     
    
      | (Up&Coming '12 春の号掲載) | 
     
    
      
      
       
        | 
     
  
 
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